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2023/12/19

餌場の雪解け田んぼを目指して次々に飛来・旋回するコハクチョウの群れ(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前10:55頃・くもり 

雪解けが進む広大な刈田をコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が早春の餌場としています。 
いくつもの小群が続々と飛来するので、どの編隊飛行を撮ろうか目移りしてしまいます。 
私が見た限り、別々に飛んできた白鳥の小群が空中で合流することはないようです。 
低空で何度も旋回して餌場の安全を確かめてから、雪田に着陸します。 
先客の白鳥が群れている餌場が安心するらしく、仲間の近くに着地・合流します。 
雪解け田んぼに降り立ったコハクチョウの群れは、散開して採食を始めます。 

住宅地での撮影は電柱や電線、民家が邪魔になり、優雅な着陸シーンをなかなか見届けられません。 
見通しの良い撮影ポイントを探しながら、餌場へ飛んで行く白鳥を私も追いかけて撮影しました。 
近くを飛んでくれると白鳥の鳴き声がかすかに聞こえます。 

この田園地帯を縄張りとしている留鳥のハシボソガラスは、冬鳥(渡り鳥)のコハクチョウが急に現れると餌場から追い払おうとしたり擬攻撃する(モビング)のではないか?と予想しました。
しかし最後の動画を見る限り、そんなことはないようです。 
体格もハクチョウの方がカラスに勝りますし、多勢に無勢となったカラスは逃げて距離を取りました。

2023/12/16

春の小川に来たハシボソガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年5月上旬・午前後:頃・ 

小川に架かる天然の丸木橋を監視する自動センサーカメラに写ったハシボソガラスCorvus corone)の映像をまとめました。 
この地点でカラスの鳴き声はよく録音されているのですが、動画で姿を撮れたのは初です。

シーン0:4/28・午後13:04 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
穏やかな流れの小川が手前から奥に向かって流れています。 


シーン1:5/3・午前5:18(@0:04〜)日の出時刻は午前4:39。 
春は下草の成長が予想以上に速く、画面の右から急速に伸びた若葉がレンズに被さってしまいました。 
画面の下端の赤丸にハシボソガラスが登場します。 
早朝に石だらけの右岸から浅い小川をピョンと跳び越えて、左岸へ。 
カメラの死角に消えてしまったのですが、小川の水を飲んだり浴びたりしに来たのでしょうか? 
餌を探し歩いていたのかもしれません。 


シーン2:5/8・午後17:30(@0:31〜)日の入り時刻は午後18:39。 
小川が夕方の西日に照らされています。 
風が吹いて周囲の草木がザワザワと揺れたせいで、カメラが誤作動したようです。 
しかし手前から奥へ小川の上を飛んで行くハシボソガラスがたまたま撮れていました。 
あまり羽ばたかず、滑空しながら右に旋回して川の本流の方へ向かいました。 

その後は別種の小鳥が飛来して、倒木から上に伸びる横枝の先端に止まりました。 
止まり木から下に飛び降りたので、夕方の小川で水浴または飲水に来たと思われます。
しかし、遠くて鳥の種類も分かりませんし、死角に消えてしまいました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


2023/12/12

山麓の草むらで縄張り宣言の母衣打ちをするキジ♂(野鳥)

 

2023年5月上旬・午後12:20頃・晴れ 

山麓の農村部の草むら(休耕地?)でキジ♂(Phasianus versicolor)が居ました。 
緑の草むらの中に派手な赤い頭部が一際目立ちます。 
横を向いていたキジ♂の落ち着きが無くなり、辺りをキョロキョロ見回すようになりました。 
やや後ろ向きになると、ケンケーン♪とけたたましく鳴きながら激しく羽ばたいて母衣ほろ打ち♪を披露しました(@0:55〜)。 
繁殖期に♂が縄張り宣言する鳴き声ですが、近所の別個体♂が鳴き返す応答は聞こえませんでした。 

母衣打ちの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:22〜)、2回絶叫しながら4+9回羽ばたいていました。 

キジ♂の近くをウスバシロチョウが飛び回っています。 
手前に生えた草でキジ♂の頭部が少し隠れていたので、鳴き終えたキジ♂が後ろを向いている隙に、私は少し横にずれて撮影アングルを確保しました。 
ところが振り返ったキジ♂が私に気づいて正面から睨みつけると、警戒して土手の向こう側のへ降りて姿が見えなくなりました。 
私が欲を出さなければ、次の母衣打ちをハイスピード動画で録画できたのに、残念です。

2023/12/11

夕方の小川を泳ぎ下るカルガモ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年5月上旬・午後18:25頃(日の入り時刻は午後18:40) 

小川に架かる天然の丸木橋を見張っている自動センサーカメラにカルガモAnas zonorhyncha)らしき水鳥が写りました。 
日没前の夕方に丸木橋のすぐ左奥から現れ、川面を下流へゆっくり泳ぎ去りました。 

そもそも、どうやって来たのか、登場シーンが撮れていません。 
水路を遡上するシーンが撮れていないのは、カメラのセンサーの弱点かもしれません。 
(画角内を左右に横切る動きは検知しやすいが、前後や上下の動きは検知しにくいらしい。) 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

2023/12/10

朽木に止まったコゲラの鳴き声♪と飛び立ち(野鳥)

 

2023年5月上旬・午後14:10頃・くもり 

平地の池のほとりで啄木鳥がドラミングする音を聞きました。 
ドラミング音のする方へそっと近づくと、花盛りのウワミズザクラ樹上からコゲラDendrocopos kizuki)が飛び去り、 少し離れた朽木の天辺に止まり直しました。
 (映像はここから。) 
 同一個体なら♂ということになる。 
コゲラ♂は朽木を嘴で軽くつついてから、チッチッチッ♪と甲高い声で鳴き出しました。 
初めて聞く鳴き声で、カワセミの鳴き声を連想しました。 

やがて朽ち木から飛び立つと、私の方へ向かって波状に飛んで来ました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
飛翔シーンを正面から撮れたのは珍しいです。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。


コゲラの鳴き声を声紋解析してみる

いつものように、撮影した動画ファイルから音声パートをWAVファイルとして抽出し、鳴いている部分を切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
キキキキキキキキ♪と8回連続で鳴いています。



日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』を紐解くと、コゲラのキッキッキッキ♪という鳴き方は地鳴きと分類されていました。
その他:くちばしで幹を叩きコロロロという音を出すドラミング(さえずり的な機能をもつ) 
地鳴き:ギィーギィー、とかキッキッキッキと鳴く。 (中略)鳴き声が似ている鳥は特にいない。( p16より引用)

ところが他の資料では、さえずり的な縄張り宣言とされています。 
例えば wikipediaでコゲラを調べると、
つがいや家族がいっしょにいることが多く、お互いの確認をするため「ギー、ギー」という声を出す。なわばりの主張や、遠方への自分の位置の伝達、巣立ったヒナが親鳥に給餌をねだるときなどには、「キッキッキ」という強い声を出す。嘴で木を強く連続して叩いて音を出すドラミングも行う。ドラミング音は、アカゲラなどの大型のキツツキに比べ小さく短い場合が多い。
バードリサーチニュースの「野鳥生態図鑑」によると、
コゲラもドラミングをするが,多くの場合その音はかなり控えめ(約0.4秒間に10回程度で音も小さい)で,遠くまで届かない.その代わり,キッキッキッキという声を張り上げ,この声は遠くまで聞こえるので,アオゲラのピョーという声と同じようにこの声がドラミングの代わりになわばり宣言などの機能を持っていると考えられる.キッキの声は,強く主張する場合の声で,雛が餌をねだるようなときにも,この声に似た声を出すことがある.

2023/12/08

鳴きながら飛んで小川を行き交うカワセミ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年5月上旬 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで監視しています。 

シーン1:4/28・午後13:04・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
画面の手前から奥に向かって小川が緩やかに流れ、その先で川の本流と合流します。 


シーン2:5/8・午後18:20頃・(@0:03〜) (日の入り時刻は午後18:39) 
日没前の夕方に、小さな鳥が画面の奥から小川の上を低空でこちらに向かって飛んで来ました。 
甲高い特徴的な鳴き声から、カワセミAlcedo atthis bengalensis)と判明。 

直後に同一個体が戻って来ました。 
甲高い鳴き声を発しながら画面の下(手前)から現れ、水路上を下流に向かって青い彗星のように素早く飛び去りました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:34〜)、ニセアカシア倒木の下をくぐらずに、その上スレスレを飛び越えていました。 
あまりにも高速飛翔なので、スロー再生してもカワセミの性別を見分けられませんでした。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

この川の流域にカワセミが生息していることはずっと前から知っていて、長年カワセミの営巣地を探し歩いているのですが、なかなか見つけられません。 


2023/12/07

煙突の天辺でいちゃつくハシブトガラス♀♂(野鳥)煙浴行動?

 



2023年4月下旬・午後13:40頃・晴れ 

ゴミ焼却場から上に伸びる角柱状の煙突の天辺(開口部)を鉄板で覆い、雨が入らないようにしています。(煙を拡散させるため?) 
鉄板を斜めに設置してあるのは、水平だと冬に雪下ろしをする必要があるからです。
その角に1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が止まっていました。 
バサバサと翼を広げて身震いしたということは、煙浴しているのでしょうか? 

カーカー♪澄んだ声で鳴くと、手前に飛び降りました。 
私の方へ向かって滑空してきます。 
交通標識板の天辺に止まり直してカーカー♪澄んだ声で鳴きました。 
口内が黒いのは成鳥の印です。 
嘴を標識に擦り付けたのは、パパラッチ(私)に対する苛立ちの表明と思われます。 
近くの電線へ飛んで移動すると、煙突の天辺に飛来したパートナーと鳴き交わしました。 
しばらくすると、私が人畜無害と分かってくれたようで、パートナーが待つ煙突の天辺に戻りました。 

営巣地周辺の縄張りをよく見渡せるので、この煙突はハシブトガラス♀♂にとってお気に入りの止まり場(見張り場)となっています。 
鉄板には白い糞が多数付着しています。 

パートナーの横に並ぶと、1羽が前傾姿勢で鳴きました。 
カーカー♪鳴く度に、尾羽が上下にピコピコ動きます。 
喉袋が膨らんでいたのでパートナーに求愛給餌するかと期待したのですけど、鳴き止むと喉袋は萎んでいました。 

やがて♀♂つがいは嘴を軽く触れ合わせてキスしたり、互いにやさしく対他羽繕いしたりと、いちゃつき始めました。 
相手をヒョイと飛び越えてからも、横歩きで相手ににじり寄りました。 
しばらく観察していても交尾には至らず、1羽がどこかへ飛び去りました。 

さて、カラスは煙浴することが知られています。 
羽根を煙でいぶして寄生虫を駆除するのです。 梅雨時によく見られ、羽を乾かす効果もあるそうです。 
・カラスは煙が出ている煙突を発見すると猛スピードでそこに飛んで行く。そして煙突の吹き出し口に止まると、気持ちよさそうに煙を浴びる 
・煙の中でもボイラーに火を入れた直後の不完全燃焼時に出る真っ黒い煙をカラスが好むことや、冬にはまず行われないことなど…
今回のハシブトガラス♀♂も縄張りを見張りながら煙突の天辺で煙浴しているのでしょうか? 
撮影中にゴミ収集車が1台戻ってきましたが、焼却炉が稼働しているかどうか不明です。 
煙突から黒煙も陽炎(熱気)も立ち昇っていないので、素人目には煙は出てないような気がします。 
煤煙を浄化して排熱も充分に回収してから排気すれば、陽炎すら立ち昇らないのかもしれません。 
もし煙が出ていれば、鉄板が熱くなってカラスも止まれないのではないでしょうか? 
ここで煙浴行動を観察するなら、焼却炉の稼働スケジュール(時間帯)をゴミ焼却場に問い合わせてみる必要がありそうです。 

本で読んだカラスの煙浴行動を観察したくても、街なかの銭湯が次々と廃業したので、大きな煙突を見る機会がなかなかありません。 
それに代わって薪ストーブを設置した家が増えてきたので、その煙突に期待しています。 
しかし薪を燃やす冬にカラスが煙浴してくれるかでしょうか?
火葬場の煙突でカラスが煙浴してくれたら、物語性があって絵になりそうです。 
しかし、火葬場ではカラスを不吉だと嫌って追い払っていそうだなぁ…。

2023/12/04

激しい空中戦でトビを縄張りから追い払うハシボソガラス♀♂(野鳥)モビング

 

2023年4月下旬・午前10:45頃・晴れ 

広大な刈田の上空で1羽のトビMilvus migrans)が鳴きながら逃げ回っていました。 
♀♂つがいと思われる2羽のハシボソガラスCorvus corone)がしつこく空中戦を仕掛けています。 

カラスはトビよりも体格で劣るものの、空中で敏捷に小回りがききます。
刈田の上空で上昇気流に乗って帆翔しているトビは、次々に襲い来るカラスの攻撃をひらりひらりとかわすしかなく、反撃できません。 

空中戦の合間にハシボソガラスの嗄れ声がかすかに聞こえます。 
トビは鳴き声のバリエーションが乏しく、モビングされている間もピーヒョロロ♪と甲高い声で鳴きました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

途中でハシボソガラスの1羽がモビング(擬攻撃)から離脱しました。 
やがてカラスが2羽とも居なくなった後、ホッとしたトビが私の真上を帆翔してくれました。 
よく晴れた青空を背景にトビを間近から見上げると、尾羽の縁が摩耗した個体でした。 
カラスに引き抜かれたのか、それとも換羽中なのかな? 

しばらくするとカラスがまた戻ってきて、トビにモビングを再開。 
いつもより激しいモビングでした。
ハシボソガラス♀♂の縄張り(営巣地の周辺)から追い出すまで続きます。
春はカラスの繁殖期が始まり、猛禽への敵対心が最大限に高まっているのです。
私の知る限りトビはカラスの卵や雛を捕食しないはずですけど、カラスは猛禽の種類を識別できず無差別にモビングするようです。
トビにとっては、濡れ衣のとばっちりですね。 
この2種はスカベンジャー(屍肉食の掃除屋)としてのニッチが同じなので、ライバルを縄張り(餌場)から追い出したいのかもしれません。
ハシボソガラスの巣がどこにあるのか、見つけられませんでした。

空中戦になるとカラスの方が優位なので、どうしてもトビが可哀想に写ります。
しかし、トムとジェリーの追いかけっこのように連日飽きずに繰り返しているとしたら、意外とトビは顔馴染みのカラスを挑発してスリルを楽しんでいるのかもしれません(性格の悪いトビの遊び?)。




関連記事(半年、5年前の撮影)▶  

2023/12/02

電柱の天辺で鳴くノスリが飛び去るまで【野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:55頃・晴れ 

田園地帯に並ぶ電柱の天辺に止まったノスリButeo japonicus)がピーエ、ピーエ♪と甲高い声で鳴いていました。 
カメラを三脚に固定し、高画質の4K動画で撮影してみました。
やがてノスリは身震いすると飛び去りました。 
飛び立ち直後にも鳴きました。 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返して遠ざかります。 

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:08〜) 
翼の下面の斑紋からノスリと確定しました。 

※ 三脚を使って撮影しても映像が揺らいでいるのは、陽炎が立ち昇っているからです。 

2023/12/01

ハシボソガラスは刈田を耕すトラクターを利用して虫を捕るか?(野鳥)オートライシズム

 

2023年4月下旬・午前11:00頃・晴れ 

毎年春になって耕運こううん機(トラクター)が田畑を耕していると、近くに野鳥が集まっていないか気をつけて観察するようにしています。 
騒音を上げて動き回る巨大な機械は、野鳥にとって怪物のように見えるはずです。 
恐怖を克服して野鳥が集まるのは、耕された土に交じって露出したミミズやケラなどの土壌生物をいち早く捕食するためです。 
これはオートライシズムと呼ばれる行動で、片利共生の一種です。
畑を耕している耕運機の後をムクドリ・ハクセキレイなどがついて歩き、掘り起こされた土の中にいる虫を探していることがあります。 鳥が自分の生活のために、他の動物や人の活動を積極的に利用することを「オートライシズム」と呼んでいます。 (平塚市博物館サイトの解説より引用)

大田真也『カラスは街の王様だ』によると、”autolycism”の語源は、ギリシャ神話の泥棒の名前(Autolycus:アウトリュコス)に由来するそうです。


平地の田んぼで水入れする前の耕耘が始まりました。 
作業するトラクターの近くを1羽のハシボソガラスCorvus corone)がうろついていました。 
積極的にトラクターに近づいてきたのでしょうか? 

カラスが頭部の羽毛を逆立てているのは、緊張や恐怖の現れだと思います。 
その状態だとハシブトガラスのようにも見えて紛らわしいのですが、トコトコ歩いて移動する(ウォーキング)ことからハシブトガラスですね。 
ハシブトガラスなら足を揃えてピョンピョン跳んで移動する(ホッピング)はずです。 

土を耕すトラクターの背後に回り込めば虫が捕食できるはずなのに、ハシボソガラスは畦道から反対側の刈田へ逃げてしまいました。 
オートライシズムは後天的に学習する高度な採食行動だと思いますが、この個体は未だ会得していないのかな? 
仲間が集まれば、もっと大胆になるのかもしれません。

鳥のオートライシズムという賢い採食行動は、バードウォッチングの写真集や書籍でたまに掲載されています。
私も動画に撮ってみたいのに、なぜか私のフィールドでは農村部でもあまり見られません。 


当地では収穫期になると爆音器や様々な鳥よけグッズを駆使して農作物を鳥の食害から守りますから、野鳥がヒト(農民)を恐れて近寄らなくなったのでしょうか? 
私が最も懸念しているのは、当地の田畑では長年の農薬使用で虫の数が激減し、トラクターが土を耕しても鳥が捕食したくなる虫がほとんど出てこないのではないか?という可能性です(沈黙の春)。 

ちなみに、水田を区切る畦の側面が水漏れしないよう丁寧に泥が塗りつけられ、きれいに均されていました。
(この作業を正式には何と呼ぶのでしょう?) 

2023/11/29

雪解け田んぼで採食するコハクチョウ大群の離合集散【野鳥:10倍速映像】

 

2023年3月下旬・午後15:22〜16:02・くもり後晴れ 

雪解けしつつある早春の刈田でコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が採食しています。 
ハクチョウの大群が移動しながら採食(落ち穂拾い)するシーンを微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像で大群の離合集散をご覧ください。 
混み合ったエリアでは、コハクチョウ同士で小競り合いも頻発します。
長撮りしている間にも新たにコハクチョウが次々と飛来し、旋回してから採食群に合流します。 



2023/11/28

葉桜になったソメイヨシノの花で吸蜜するヒヨドリ(野鳥)

 

2023年4月下旬・午前10:55頃・晴れ 

街路樹のソメイヨシノ老木でヒヨドリHypsipetes amaurotis)が訪花していました。 
ソメイヨシノという品種は、花後に若葉が開きます。 
花弁が散った後の花からでもヒヨドリは嘴を差し込んで吸蜜しています。 
首をねじって多少無理な体勢でも吸蜜します。
散り残った花も未だ少しあるのに、わざわざ選んで訪花することはありませんでした。 
ヒヨドリは葉桜の花蜜に夢中で、飛び去る気配がありません。 

関連記事(6年前の撮影)▶ 葉桜の花蜜を吸うヒヨドリ(野鳥)

2023/11/26

高圧線に並んでいちゃつくハシブトガラスの♀♂カップル(野鳥)

 



2023年4月下旬・午後13:50頃・晴れ 

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の♀♂つがいが営巣地の送電塔#KN7から横に伸びる高圧線に仲良く並んで止まっていました。 
よく晴れて気温も高いので、♀が抱雛を中断して巣を留守にしても大丈夫なのでしょう。 
巣からちょっと離れ、私を警戒するついでに、カップル水入らずで過ごしています。 

ハシブトガラスはハシボソガラスと違ってカーカー♪と澄んだ声で鳴くとされているのに、ガラガラの嗄れ声で鳴き交わしています。 
仲睦まじく嘴同士で触れ合ったり、顔の辺りを優しく相互羽繕いしたりしています。 
はしゃいだように高圧線上で互いにひょいと飛び越えて、位置を頻繁に変えました。 
高圧線に止まり直すと、互いに歩み寄って再びキスを交わします。 

やがて、1羽が嗄れ声で鳴きながら白い液状便をダラっと排泄しました。(@0:19〜) 
脱糞の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
真下に居るパパラッチ(私)に対して嫌がらせとして糞爆弾を投下したのかもしれませんが、幸い命中しませんでした。 

散々いちゃついた後に一方が身を屈めたのは、♀が♂に交尾を催促しているのでしょうか? 
足場が不安定な高圧線上で交尾するのは、さすがに無理な気がします。 
結局は交尾することなく、1羽が高圧線から飛び降りてしまいました。 
せっかくカップルの絆を深める微笑ましい行動を見たのに、マウントしない限りカラスの性別を見分けられないのが残念です。

最後にカメラを左にパンして、営巣地の鉄塔#KN7との位置関係を示します。 


2023/11/25

雪解け田んぼに集結するコハクチョウの百態(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・くもり 

早春で雪どけが進む広大な田園地帯にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して、落ち穂拾いしています。 
あまりにも個体数が多くて、どの個体の行動に注目すべきか目移りしてしまいます。 
三脚を立ててカメラで左右にパンして、採食群の遠景を記録してみました。 

残雪が溶けて泥濘んだ刈田で採食したり、座り込んで寝ていたり、水を飲んだり、羽繕いしたり、刈田を歩き回ったり、片足立ちでストレッチしたりと、様々な行動が見られます。 
小競り合いや羽ばたき威嚇している個体もいます。 
泥に埋もれた藁を嘴で掻き分けてから採食しています。 

白鳥がひときわ密集したエリアは餌となる落ち穂の量が豊富なのでしょうか。 
撮影中にもコハクチョウが2〜4羽の小群(家族群)単位で続々と飛来・旋回すると、仲間が大勢居る餌場に合流しました。 
白鳥の優雅な着陸シーンは何度見ても感動します。 

飼い犬(白い犬種)の散歩に来た中年男性♂が奥の農道を歩いても、充分に距離が離れているせいか白鳥は逃げ出しませんでした。 (@4:55〜、@6:13〜) 



コハクチョウの密集した大群の迫力は圧巻です。 
餌場やねぐらでこれほど同種が密で暮らしていたら、ひとたび鳥インフルエンザなどの感染症が蔓延したらひとたまりもありませんね。 
…と書こうとしたら、私の勉強不足(知ったかぶり)でした。 
水鳥はインフルエンザが腸で常在しており病原性を引き起こすことはほとんどない。 
・水禽類(水鳥)の腸管で増殖し、鳥間では(水中の)糞を媒介に感染する。水禽類では感染しても宿主は発症しない。(wikipediaより引用)

鳥インフルエンザ・ウイルスが問題視されるのは、抵抗性のないニワトリなどの家禽に感染して大量死をもたらす経済的損失と、突然変異したウイルスがヒトへ感染を広げるパンデミックのリスクがあるからです。
長い進化の末に水鳥が鳥インフルエンザ・ウイルスと共存するようになった仕組みは解明されているのでしょうか?(免疫の獲得?)


【追記】
白鳥が渡来する初冬になっても、なぜか同じ刈田にコハクチョウの採食群を見かけません。
刈田で落ち穂拾いするなら、根雪が積もる前に採食しても良さそうなものですが、もっと良い餌場があるのでしょうか。


2023/11/23

夜の小川を遡上して獲物を探す夜行性のゴイサギ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月下旬・午後19:10 

小川に架かる天然の丸木橋を自動センサーカメラで見張っていると、ある晩ゴイサギNycticorax nycticorax)が登場しました。 
どこから飛来したのか、丸木橋の手前から浅い小川を上流に向かって歩いています。 
アオサギよりもずっと背が低く、長い冠羽が後ろに伸びていました。 



現場でトレイルカメラの小さな液晶モニターを見ながら動画をチェックした際には、ゴイサギがなぜか巨大なトカゲに見えてぎょっとしました。 
鳥が恐竜の子孫であることを再確認しました。 

夜行性のゴイサギが獲物を探し歩く行動を初めて撮れました♪ 
次は漁の瞬間を撮影できたら最高です。 
この小川は街なかを流れてきた単なる用水路なので、魚が居るとしたら川の本流から遡上して潜んでいるのでしょう。 



2023/11/20

動物の死骸を独り占めする恐妻家のトビ(野鳥)

 

2023年4月下旬・午後14:55頃・くもり 

春の刈田で2羽のトビMilvus migrans)が仲良く(?)並んでいました。 
ズームインしてみると、右の個体(♀?)が何か哺乳類の死骸をついばんでいました。 
死後かなり日数が経っているようで、ずたぼろの死骸は損壊が激しく、何の動物か全く見分けられません。 
黒灰色の毛皮に血痕は付いていませんでした。 
なんとなく長毛品種のイエネコかと推測したものの、定かではありません。 
冬の間に行き倒れた動物が深い雪の下に埋もれ、春の雪解けで死骸が再び露出したのかな?
野生動物の轢死体(ロードキル)かもしれません。 

関連記事(7ヶ月前に現場近くで撮影)▶ 車に轢かれたニホンイタチの死骸に群がるハエ他

 

左の個体(♂?)は横で物欲しそうに見てるだけです。 
♀は獲物を♂とシェアするつもりはないようです。
2羽の間で力関係の序列が既にできているようで、餌を巡って直接的な争奪戦は起こりませんでした。 
この2羽は♀♂つがいなのでしょうか。 
トビは体格にやや性差があることが知られています(♀>♂)。 

やがて♀が死骸を独り占めするために咥えたまま飛び立ち、少し離れた休耕地に運びました。(@0:48〜) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、トビ♀は飛翔中に、ぼろきれのように風でなびく細長い死骸を嘴から足の鉤爪へと器用に持ち直していました。 

♂から離れると、♀は落ち着いて死骸を啄み始めました。 
カラスと並んでトビは屍肉食性の掃除屋(スカベンジャー)として有名ですが、実際に食事シーンを観察するのは初めてです。 

そこへ背後から追いすがるように♂が飛来しました。 
♀の頭上を通り過ぎる際に鉤爪で襲いかかる素振りを見せたものの、ただの威嚇(ブラフ)で激しい喧嘩にはなりませんでした。 
不意打ちされても♀はさほど動揺せず、獲物を離そうとしません。 
♂は少し奥の休耕地に着陸したものの、遂に諦めて飛び去りました。 

興味深いのは次のシーンです。 
諦めて飛び去りかけた♂が、休耕地に一瞬だけ舞い降りました。(@2:57〜) 
トビ♂が空中で何か白い物を落としたので、てっきり腹立ち紛れに脱糞したのかと撮影しながら私は思いました。 
ところが1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、♂はタッチダウンの瞬間に地表から何か白いゴミを鉤爪で素早く拾っていました。 
獲物ではないと悟ると、すぐに空中投棄しました。 
餌にありつけなかった♂が欲求不満を解消するためにやった代償行動かもしれません。
代償行動     【ダイショウコウドウ】
substitute behavior
 ある目標を達成しようとする欲求が何らかの障害によって充足できない時に,その目標と機能的に類似した他の目標を達成することによって,初めの欲求の充足を図ろうとする行動をいう。代償の仕方は目標の変更と手段の変更とに大別できるが,もともと目標の満足をすべて含むわけではなく,部分的解決や満足となることが多い。社会的な価値の高い方向に代償が行われる場合は昇華とよばれる。適応機制の一つと考えられる。(有斐閣『心理学辞典』より引用)

♂が居なくなった後も、♀は獲物を横取りされまいと嘴に咥えたまま周囲を油断なく見張っています。 
警戒を解くと、腐肉を食べ始めました。 
残念ながら、ここでカメラのバッテリーが切れてしまいました。 
私が急いで交換している間に、トビ♀は更に遠くへ獲物を持ち去ってしまい、見失いました。 

できればトビ♀♂が動物の死骸を見つけるところから観察したかったです。 
早い者勝ちだったのでしょうか?
繁殖期が始まりますから、もしかすると♂が先に見つけたのに、パートナーの♀に獲物を譲ったのかもしれません。(求愛給餌
しかし、それだと♂がやった威嚇飛行や代償行動と辻褄が合いませんね…。
動画に登場する2羽のトビの性別を外見で見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて欲しいです。


【追記】
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でトビの性差について調べると、(p147より引用)
サイズ
全長:♂51〜66cm、♀57〜66cm。 
翼長:♂36〜51cm、♀45〜51cm。 
翼開長:♂129〜162cm、♀139〜160cm。 
体重:♂630〜1150g、♀750〜1240g。

特徴
♂は♀に比べ色が薄く体羽の縁が白っぽい。また、耳羽もはっきりしている。♀は縁が赤褐色。飛翔中、♂は下面が白っぽく見え、個体によっては縦縞模様に見える。♀は下面が暗赤褐色に見える。幼鳥は♂成鳥よりもクリーム色をおびるため、♂よりも明るく、縦縞模様もはっきりしている。飛翔中には、尾の先端の1本の太い横縞模様とクリーム色の縁が目立つ。


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