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2018/12/16

飛べ!ツバメシジミ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月中旬

川の堤防の草むらでヨモギの葉にツバメシジミ♀(Everes argiades hellotia)が乗って休んでいました。
翅を閉じて葉表に静止しています。
夕方(午後17:35)なので、このままここで塒をとるのでしょうか?
採寸した訳ではありませんが、目視の印象では矮小化した小型の個体のようでした。

茂みに物を投げつけて飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:28〜)
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
ツバメシジミは翅を力強く打ち下ろすと同時に腹端を高々と持ち上げました。
翅表が黒褐色なので♀と判明。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ツバメシジミ♀@ヨモギ葉

2018/12/15

ツユクサの花粉を舐めホバリングするホソヒラタアブ♀



2018年9月中旬・午前9:06〜9:11

雨上がりの朝、道端に咲いたツユクサの群落でホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)と思われる虻が訪花していました。

花の手前で見事なホバリング(停空飛翔)をしばし披露してくれました。
ようやく花に着陸すると、長く伸びたO字形雄しべの葯を口吻で舐めています。

青い花弁に一番近くに位置する3本のX字形雄しべは「仮雄蕊」または「仮雄しべ」と呼ばれ、葯が発達せず本来の生殖機能をもたない雄しべなのだそうです。
黄色いX字形雄しべは青い花弁との対比でよく目立つので、訪花昆虫を呼ぶ蜜標のような目印として働いているのだそうです。
この映像でもホソヒラタアブ♀は、ツユクサの仮雄しべを少し舐めただけで花粉が無いことに気づいたようです。
その手前の黄色いY字形雄しべを時間をかけて舐めています。
Y字形雄しべの花粉を摂食しようとすると、花弁から下に長く伸びたO字形雄しべと雌しべがホソヒラタアブの胴体(腹部の下面)に擦り付けられ、このときに他家受粉が成立するのでしょう。
植物学の本の字面を読んでいるだけでは用語が難しくてさっぱり頭に入りませんが、自分で撮った映像と見比べると、とてもよく分かりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

【参考ブログサイト】物臭狸の 花日記
ツユクサ  ~花のしくみ~


【参考書】
『花の自然史―美しさの進化学』第16章 森田竜義、濁川朋也 「花の性型の可塑性:雄花を咲かせるツユクサの不思議な性表現」

・1株に雄花と両性花が存在する性表現型を雄性両全性同株(andromonoecy)というが、ツユクサはその代表的な例なのである。 (p227より引用)
ツユクサの花には蜜腺がない。訪花昆虫に報酬として提供するのは花粉のみということになる。花粉報酬花と呼ばれるこの性質 (p229より)
ツユクサの花は一日花である。早朝5時半ごろに咲きはじめ、6時半ごろ満開となるが、午前10時には花弁がしおれはじめ、午後1時にはほとんどの花が終わってしまう。6時間ほどのきわめて短いあいだしか咲かないのである。
・ツユクサは他家受粉花の特徴をもつ同花受粉花というふしぎな花なのである。(p240より)
・ツユクサは主として自家受精によって種子生産を行なうからこそ、わずかな他家受精のチャンスをつくりだすために、両性花の大きな花弁は仮雄ずい、さらには雄花に大きな投資をしていると考えられる。(p242より)




機会があれば、ツユクサの開花と、訪花昆虫に頼らず自家受粉する様子(O字形雄しべと雌しべを巻き込みながらの閉花)を、微速度撮影してみたいものです。

ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+ホバリング
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+ホバリング
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+ホバリング
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+ホバリング
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+花粉舐め
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+花粉舐め
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+花粉舐め
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+花粉舐め
ホソヒラタアブsp♀@ツユクサ訪花+花粉舐め

2018/12/14

クズを訪花するスミスハキリバチ♂の羽ばたき【ハイスピード動画】



2018年9月上旬


▼前回の記事
ヤブツルアズキの花蜜を吸うスミスハキリバチ♂

(同一個体を続けて撮ったつもりなのですが、ときどき見失ったので、別個体の可能性もあります。)

山麓の農村部の道端に咲いたクズの群落でスミスハキリバチ♂(Megachile humilis)が訪花していました。
240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。

吸蜜中は腹部を上に反らした海老反り姿勢になっています。
腹端に丸みがあるので雄蜂♂だと思うのですが、いまいち自信がありません。
顔が白っぽいのは、雄蜂♂に特有の白い毛が密生しているためか、それとも単に花粉で汚れているだけなのか、悩ましいところです。
吸蜜中に丁度クズの花の雄しべの先が腹部下面に当たり、花粉が付着します。(花粉で汚れたせいで、♀特有のスコパの有無が紛らわしいです。)

同時に雌しべの先も擦られて花粉が付くので、次の花へ飛び回る蜂はクズの送粉者として持ちつ持たれつの共生関係にあります。
(更にスミスハキリバチの♀はクズ等の葉を切り取って巣材にします。)

高画質のHD動画でも記録しようとしたら、逃げられてしまいました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
クズの花の構造については「マメ科の蝶形花冠」というサイトの写真付きの解説が参考になります。
旗弁の根本には黄色い蜜標があり、これを目印としてハナバチ類は訪花します。
蝶形花冠をしたマメ科の花は、昆虫が蜜標を目印にしてもぐりこむとき脚で翼弁と舟弁を押し下げます。すると舟弁の中に隠されていた雌しべと雄しべは押し下げられないので外に出てきて昆虫に花粉をつけたり、昆虫から花粉を受け取ったりします。昆虫が飛び去ると翼弁と舟弁は元の位置にもどり再び雄しべ雌しべは隠れてしまうのです。 (上記サイトより引用)
バネ仕掛けのような下線部の様子が今回撮れたスローモーションの映像でよく分かります。

昼塒の木から木へ飛んで逃げ回るゴイサギ成鳥(野鳥)



2018年8月下旬

ゴッゴッゴッ♪と鳴きながら飛来したゴイサギNycticorax nycticorax)の成鳥が池の畔に生えたコナラの樹上に止まりました。
生い茂った葉の陰から赤い目でこちらの様子を覗いています。
すぐにまた飛び立ち、逃げてしまいました。
1/5倍速のスローモーションで見ると、冠羽が見えます。

池畔の昼塒で休んでいたはずなのに、対岸から望遠レンズで狙う私をひどく警戒しています。
この日は白いシャツを着ていたので、目立ち過ぎたようです(反省)。


ゴイサギ(野鳥)成鳥@池畔:コナラ樹上

イチモンジセセリ♀の産卵



2018年9月上旬

雨上がりに池を周回する遊歩道でイチモンジセセリParnara guttata)が地面の草に止まっていました。
腹端で若葉の表面を探り、産卵しているようなので慌ててハンディカムで録画しました。
芝生のようにきれいに刈り込まれていて、ホスト(食草)のイネ科植物の名前は不明です。
ところが卵を産み付ける寸前に横を車が通り、驚いたイチモンジセセリ♀は飛び去ってしまいました。
卵を探しても見つけられなかったので、残念ながら未遂に終わったようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




2018/12/13

桜の木に逃げ込んだゴイサギ幼鳥(野鳥)



2018年8月下旬

池の畔にあるゴイサギNycticorax nycticorax)の昼塒の様子をまた見に来ました。
飛んで逃げた幼鳥(別名ホシゴイ)が岸辺に生えた桜の木に着陸しました。
樹上で辺りをキョロキョロと見回しています。

対岸から望遠レンズで狙う私を警戒しているようです。
この日の私は白いシャツを着ていたので、目立ち過ぎたのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ゴイサギ(野鳥)幼鳥@池畔:桜樹上

2018/12/12

スズバチ♀の探餌飛翔



2018年9月上旬

駐車場の隅に植栽された灌木(樹種不明)の周囲をスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が飛び回っていました。
蜂を見失った後、茂みの中にスズバチの泥巣があるのではないかと探しても見つかりませんでした。
したがって、おそらくスズバチ♀が獲物となるイモムシ類を探し回っていたのでしょう。

この灌木は最初、柳の仲間かと思ったのですが、今思えばブッドレアのような気もしてきました(花が咲いていないので分かりません)。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


日没後に塒のトンネルから飛び出すコウモリの群れと衝突事故【暗視映像】



2015年9月上旬・午後18:23〜18:55

夜行性コウモリ(種名不詳;ユビナガコウモリなど?)の群れが集団塒のトンネルから日没とともに採餌活動に飛び出していく様子を記録してみました。
ボックスカルバートのトンネルの入口から中に数m入った地点に三脚を立て、赤外線の暗視カメラを出入り口に向けてセットしました。

カメラをやや仰角にしてトンネル出口の天井付近を狙います。

これまでの観察で、コウモリは日没時刻の約30分後に離塒することが分かっています。
この日の日の入り時刻は18:08、月齢18.5。
離塒の時刻が近づくと覚醒したコウモリがトンネル内で飛び回り始め、暗闇で往復するようになります。
出口から外に少しだけ飛び出して外界の明るさを確認すると慌てたようにUターンしてトンネル内に引き返す、という行動をしばらく繰り返します。
この引き返す行動が、トンネルの出口付近で見ている私を警戒するために起こるのか、確かめるために、無人カメラで撮ることにしたのです。

充分に暗くなるとトンネルからコウモリの大群が続々と飛び出して夜の採餌活動を始めます。
カメラを回収して長撮りした映像を見直すと、離塒前の往復飛翔がしっかり記録されていました。
初めのうちコウモリは、少し外に飛び出してから未だ残照が明るいと分かるとすぐに引き返しています。
コウモリの餌となる夜行性の蛾などの昆虫も飛び回っていました。
動画の画面が次第に暗くなるのは赤外線投光機のバッテリーがすぐに消耗するせいで、30分で切れてしまいました。

そして驚きの衝撃映像が撮れていました。
外の明るさを確かめる偵察から戻って来た1頭のコウモリがカメラ(または三脚)を避け切れずに激突したようで、バーン!とすごい音がトンネル内に反響しました。
衝突シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:41〜0:58)
超音波を用いたコウモリのエコロケーション(反響定位)は完璧だと思っていたので、まさかこんな分かりやすい障害物を避けきれずに衝突事故が起きるとは予想外でした。
経験の浅い若い個体が油断したのかな?
静止したカメラを獲物と誤認して襲いかかったとは考えにくいでしょう。

撮影機材からコウモリのエコロケーションを乱すような人工的な超音波が発せられていたのかな?
暗闇で光るビデオカメラの液晶画面を袋で覆い隠しておくべきでした。

狭いトンネル空間を同種のコウモリが群れで一斉に飛び回る際は、エコロケーションの混信やそれに伴う衝突事故が起こりやすいのかもしれません。
同種の群れで飛行中に超音波の混信を防ぐ仕組みについて、日本のユビナガコウモリを用いた研究の成果が最近報告されていました。
【参考】:「群れの中のコウモリは反響定位信号を変えてカクテルパーティー問題の解決を図る
ヒトでも似たようなカクテルパーティー現象が知られています。

"Bats enhance their call identities to solve the cocktail party problem"
Kazuma Hase, Yukimi Kadoya, Yosuke Maitani, Takara Miyamoto, Kohta I Kobayasi & Shizuko Hiryu
Communications Biology volume 1, Article number: 39 (2018)


カメラに激突したコウモリが無事とは思えません。
松原始『カラス先生のはじめてのいきもの観察』によると、

コウモリはとても華奢で脆い動物だ。畑正憲が書いていたが、帽子ではたいただけでも死んでしまうことがあるというし、軽量化のためか首の周囲の筋肉がひどく薄くて、他の小動物と同じように首をつまんで持つと頸動脈が圧迫されて危険だとか。(p112より引用)

カメラを回収するときに周囲をもっと注意深く見ていれば、もしかすると犠牲になったコウモリの死骸を回収できたかもしれません。
見落として貴重な標本を採集できなかったのが残念です。
後日の定点観察でも同じような撮影を繰り返したのですが、不幸な衝突事故が起きたのは、この一度だけでした。

この塒を利用している群れの個体数を知りたいところです。

しかし、長いトンネルの両端から出入りしていること、コウモリが出戻り飛翔をすること、この2つの理由から、カウント出来ていません。
(反対側のトンネル出口を同時に監視するビデオカメラがもう一台必要です。)
例えば自動ドアに使われるような赤外線センサーをトンネル出口に設置したとしても、コウモリがセンサーを横切る向きまで正しく判定できるのでしょうか?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

ところで、動画撮影を定点カメラに任せた私はトンネルの反対側の出口に急いで回り込み、飛び出してくるコウモリの写真をなんとか撮ろうと奮闘していました。
高速で飛び回るコウモリを「数撃ちゃ当たる式」でバシバシと闇雲に撮りまくっても、コウモリの種類を同定できるような満足の行く写真は撮れませんでした。
カメラのストロボが発する強烈な閃光とコンデンサーに急速充電するチュイーン♪という超音波が野生のコウモリに悪影響を及ぼしそうで、ストロボを乱用するのは気が引けます。
もしも私の撮影活動のせいでコウモリが嫌がったり恐怖を抱いたりして、このトンネルをねぐらとして利用しなくなったら、元も子もありません。
かと言って、赤外線の暗視映像だけではコウモリを同定できず、素人が許可なくコウモリを捕獲することも法律で禁じられています。
どうすりゃイイのよ?
一つの望みは、バット・ディテクターという装置を手に入れてコウモリが発する超音波の鳴き声を聞けるようになったら、声紋解析でコウモリの種類を判別できるかもしれません。




この集団塒を見つけた2015年は、主にトンネルの出入り口の外から定点観察・撮影しました。
コウモリが出産・育児をする繁殖期は特に塒の保護・保全に配慮するようにという注意を本で読んだからです。
この年はトンネルの入り口から中に数m入るだけに留め、奥まで入ってコウモリの集団塒を直接調べに行きませんでした。


2018/12/11

トンネル天井にぶら下がる野生コウモリの飛び立ち【暗視映像】



2017年9月中旬・午後16:53

山麓のボックスカルバート内にねぐらを取っている夜行性の野生コウモリを調べています。
赤外線の暗視カメラで撮りながら長くて暗いトンネルを探検していると、2頭のコウモリがバラバラで(群塊を作らず)天井からぶら下がっていました。
左の個体は既に覚醒していて、私を警戒しています。
怪しい侵入者に向かって盛んに超音波を発して探っているのでしょう。(コウモリの超音波を可聴域に変換するバットディテクターという装置が欲しい…)
小さい耳介は丸みを帯びた形状でした。
やがて天井から落ちながら羽ばたいて飛び去りました。
飛び立つ様子を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:45〜)
右側の個体もいつの間にか居なくなっていました。

これは何というコウモリなのか、もし映像で分かるようでしたら、どなたか教えてください。
虫が相手ならさっさと採集して標本で体の各部位の特徴を図鑑と見比べれば絞り込めるのですけど、野生のコウモリを無許可で捕獲するのは法律で禁じられているのです。
コウモリの集団塒を保全するためにその場所を秘匿したり、
コウモリの暮らしを乱さないように入洞する時期や時間帯を配慮する必要があります。
別に不満を訴えている訳ではありませんが、虫を相手にした調査の気楽さに比べて、色々と勝手が違います。
コウモリを同定できれば同じ種類の映像を編集でまとめて一気に紹介するのですけど、私は未だ見分けられないので、撮れた動画を1頭ずつ分けて記事にしています。
複数種が塒内で棲み分けていることがよくあるそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/12/10

「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#2【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】



2018年6月下旬


▼前回の記事
「カラスの行水」は短くない: 川で水浴びするハシブトガラスの群れ#1【HD動画&ハイスピード動画:野鳥】

夕方の河原でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れが水浴していました。
実際はハシボソガラスも少し居る混群なのですが、この記事ではハシブトガラスの行動に注目します。

一連の水浴行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:30〜)
浅い岸辺で翼を川面に激しく叩きつけながら水飛沫を豪快に跳ね上げ、体を濡らします。
同時に嘴を水中で左右に激しく振っています。
水浴の直後は岩の上に飛び乗ると身震いして羽の水気を切り、羽繕いします。
(長くなるので羽繕い行動は編集でカットしました。)
再び川に入って水浴を何度も繰り返します。
行水の合間に岸で白い糞を排泄する個体もいました(@11:38)。
最後は川から飛び立ちました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/12/09

池の水をゴクゴク飲むドバトの群れ(野鳥)



2018年8月中旬

カワラバト(=ドバト;Columba livia)の群れが数羽ずつ連れ立って池の畔に飛来すると、石垣で護岸された急斜面を危なっかしい足取りで下りて来ます。
岸辺の水面に嘴を浸すとゴクゴクと飲み始めました。
対岸で撮影している私を警戒しているのか、飲まずに飛び去る個体もいました。

ちなみに、ハトの水浴シーンを私は未だ見たことがありません。
どうして夏の暑い日にも行水しないのだろう? 
時間帯の問題なのか、水飲み場とは別の浅い水浴場でやるのかな?
(この池は岸でも水深がいきなり深いのです。)

ドバトが水を飲み終わると慌ただしく飛び去るのは、ときどき上空を飛んでいるチゴハヤブサに襲われるのを警戒しているのかな?と想像しました。
逆に、チゴハヤブサの家族群がこの辺りを縄張りとしている(営巣?)のは、獲物となるドバトがヒトの給餌をあてにして多数集まって来るからでしょう。(食物連鎖)
チゴハヤブサが高速の急降下でドバトに襲いかかる狩りの瞬間をいつか観察してみたいものです。
しかしチゴハヤブサが実際に捕食する獲物は今までトンボなど昆虫しか見たことがありません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/12/08

イチモンジセセリがオトコエシを訪花する羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬

山麓の道端に咲いたオトコエシの群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。
意外にもこの組み合わせは初見でした。
いつものように翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
隣接する花には歩いて移動することもあります。
オトコエシの花に薄黄緑色のコハナグモ?が潜んでいたのですが(どこに居るか分かりますか?)、イチモンジセセリとはニアミスせず、捕食シーンは撮れませんでした。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:44〜)
日没前の夕方でハイスピード動画を撮るにはやや薄暗いのですが、動画編集時に自動色調補正を施して少し明るく加工しました。
1/8倍速のスーパースローで見ても、イチモンジセセリの羽ばたきは素早く独特のリズムでした。


イチモンジセセリ@オトコエシ訪花吸蜜

2018/12/05

飛べ!キボシアシナガバチ♂【ハイスピード動画】



2018年9月上旬

山際の道端の草むらでキボシアシナガバチ♂(Polistes nipponensis)を見つけました。
初めはクズの葉に乗って休んでいて、次に少し飛んですぐ隣のススキの葉に移動しました。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:11〜)
顔色が白いかどうか確認できず仕舞いでしたが、触角の先がカールしているので雄蜂でしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キボシアシナガバチ♂@クズ葉

2018/12/03

樹洞に帰巣するニホンミツバチ♀を空中で待ち伏せるキイロスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月上旬
▼前回の記事
ニホンミツバチの巣がある樹洞を深夜に観察【暗視映像】

クリの樹洞に営巣したニホンミツバチApis cerana japonica)のコロニーを3週間ぶりに定点観察。
すると、2匹のキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)がニホンミツバチを襲撃しているところでした。
巣口がある樹洞の手前で外を向いてホバリング(停空飛翔)し、帰巣するミツバチのワーカー♀を狩ろうと待ち構えています。
天敵のスズメバチに襲撃を受けたニホンミツバチ側は、門衛がクリの幹で振身威嚇しているはずです。
しかし、巣がある樹洞は手前の藪で覆われていて、振身威嚇の様子が見えませんでした。

ホバリング中のキイロスズメバチ♀が獲物と誤認したのか仲間に襲いかかり、空中で同士討ちになりました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:45〜0:52)。
2匹共にもんどりうって墜落したものの、すぐ間違いに気づいて待ち伏せホバリング(戦闘空域)に復帰しました。
もしかするとキイロスズメバチ同士で狩場における縄張り争いがあるのでしょうか?
同じコロニー出身ではない可能性も考えられます。

240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@1:23〜)
木陰は昼間も薄暗く、画質が粗いです。
鬼のいぬ間にミツバチの外役ワーカー♀が次々に飛び交っています。
命がけで帰巣するニホンミツバチ♀が栗の木を覆う草の葉に衝突すると、葉が揺れました。
ようやくキイロスズメバチ♀が茂みの陰から現れ、待ち伏せホバリングを始めました。
しかし今回の観察で、狩りの成功シーンは見れませんでした。


ニホンミツバチの対スズメバチ防衛法として、蜂球による蒸し焼き作戦が有名です。
あれはオオスズメバチの斥候をミツバチの巣内に誘き寄せてから一斉に覆い被さり胸部飛翔筋による発熱で高温に弱いオオスズメバチを殺して退治するのです。
しかしキイロスズメバチはその手には乗らず、ニホンミツバチの巣内には入りません。
いつもミツバチの巣の近くの空中でホバリングしながら一匹ずつミツバチを狩るので、ミツバチ側の損害もあまり大したことないのかもしれません。(全滅はしない?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


キイロスズメバチ♀@ホバリング+待ち伏せ@ニホンミツバチ巣:クリ樹洞前
キイロスズメバチ♀2@ホバリング+待ち伏せ@ニホンミツバチ巣:クリ樹洞前



熟柿を食べて鳴く♪ハシボソガラス(冬の野鳥)



2017年12月上旬

民家の庭に植えられたカキノキはもう完全に落葉していて、枝に実った果実も熟して渋が抜けたようです。
ハシボソガラスCorvus corone)が樹冠に止まり、鳴いてから熟柿を啄みました。
最後はどこかに飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハシボソガラス(野鳥)@カキノキ樹冠+熟柿採食

2018/11/30

スジグロシロチョウ♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月中旬・午後16:21

里山の麓の林縁で2頭の白い蝶が猛烈な勢いで絡み合うように飛び回っていました。
スジグロシロチョウPieris melete)またはヤマトスジグロシロチョウPieris nesis)の♀♂ペアによる求愛飛翔のようです。
ゼフィルスの卍巴飛翔を思わせる激しい乱舞が繰り広げられています。

すぐに240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:15〜)
なかなか見応えのあるスローモーションが撮れたのに、残念ながら私には性別を見分けられないので行動を解釈できません。(※ 追記参照)
2頭は暗いスギ植林の林縁の方へ飛んで行きます。
♀♂ペアの乱舞は結構長く続いたものの、交尾には至らず別れました。

桑原保正『性フェロモン―オスを誘惑する物質の秘密 (講談社選書メチエ)』によると、

 (蛾とは異なり、:しぐま註)蝶には♀が分泌し、♂を誘引する性フェロモンがない。蝶の性フェロモンは♂が分泌するのである。♀に結婚を承諾させる媚薬的な働きをするフェロモンと考えられている。人間の鼻にも強烈に香る化合物である場合が多い。
 たとえば、モンシロチョウに似ているが、黒いスジが目立つスジグロシロチョウの♂はシトラール(ゲラニアールとネラールの65対35の混合物)を分泌する鱗粉をもっており、レモンのような強烈な香りがある。(p191より引用)


しかし今回の撮影中に柑橘系の芳香は嗅ぎ取れませんでした。
性フェロモンはごく微量しか放出されないのでしょう。
機会があればスジグロシロチョウ♂を採集して、発香鱗の匂いを実際に嗅いでみたいものです。



※【追記】
小原嘉明『進化を飛躍させる新しい主役:モンシロチョウの世界から』(岩波ジュニア新書)によると、
(スジグロシロチョウの)♂の翅には、強いにおいを発する発香鱗という鱗粉があります。このにおいは人間がかいでもはっきりわかります。(中略)配偶行動にも(モンシロチョウと:しぐま註)大きなちがいがあります。その一つは♀が未交尾の段階から、モンシロチョウの既交尾♀と同じ交尾拒否姿勢をとって♂を拒否することです。その♀もいずれは交尾するのですが、なぜ♀が未交尾の段階で♂を拒否するのか、またその後なぜ♂を受け入れるようになるかについては、まだわかっていません。
 もう一つ、強いにおいを発散する♂は、あたかもそのにおいを翅をはばたいて♀に浴びせかけるかのように、♀の近くで滞空飛翔をして求愛します。このにおいが、交尾を拒否する未交尾♀を交尾に誘導する性フェロモンとして機能している可能性がありますが、それについてはまだたしかめられていません。(p166〜167より引用)
この本の記述と私が今回観察した行動はどうも合わない気がします。
もしかすると、今回の映像は♀♂ペアによる求愛飛翔ではなく、♂同士の縄張り争いなのでしょうか?
スジグロシロチョウの配偶行動があまり解明されていない理由は、ヒトの目にはフィールドで性別を見分けられないからでしょう。

街路樹シラカシに塒入りするスズメの群れ(野鳥)



2018年9月上旬・午後17:40〜17:43

夕暮れ時に、市街地にある某大型店の駐車場に植栽された1本の街路樹にスズメPasser montanus)が次々に飛び込んでいます。(集団就塒)
ここがスズメの集団塒なのでしょう。
既に塒入りした多数の個体がチュンチュン♪とやかましく鳴いています。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:59。

この木の下にそっと入り、塒を下から見上げると、かなり暗いもののなんとかスズメの姿を捉えることができました。
スズメは未だ落ち着きがなく、塒内を枝から枝へ飛び回っています。
一羽が枝上で脱糞しました。(@1:51)

この常緑樹をあちこちの街路樹で結構よく見かけるのですけど、名前を知りませんでした。
枝にはドングリのような実がなっていました。
調べてみると、どうやらシラカシのようです。
東北地方の雪国でも植栽されるようになったのでしょう。

※ 動画編集時に彩度を少し上げました。

実は同時刻に同じ駐車場でムクドリの群れも飛び回っていたので、どこか別の街路樹に塒入りしたのかもしれません。


スズメ(野鳥)群れ@集団就塒:シラカシ

シラカシ葉
シラカシ枝葉+未熟堅果(ドングリ)

2018/11/27

イチモンジセセリ2頭がクズの花で吸蜜中にニアミス



2018年9月上旬

川の堤防に生えたクズの群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。
いつものように翅をしっかり閉じて花蜜を吸っています。

やがてもう一頭が飛来して、すぐ横に止まりました。
同じクズの花に並んで口吻を伸ばしたので、敵対行動(縄張り争い)でも求愛目的でも無さそうです。
ところがすぐに2頭がほぼ同時に飛び去りました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
何か意図があったのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

▼関連記事(4年前の撮影)
イチモンジセセリがクズの花で吸蜜中に排泄




止まり木で獲物を食べ飛び去るチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
チゴハヤブサ同士の空中戦と止まり木を巡る争い(野鳥)

お気に入りのヒノキ樹冠の枯れた横枝に止まったチゴハヤブサFalco subbuteo)が何か獲物を食べています。
残念ながら逆光で獲物の正体が良く分かりません。
鋭い鉤爪で獲物を押さえつけ、嘴で毟っています。

食べ終わると甲高い声でキーキーキー♪と鳴いて餌乞いを始めたので、どうやらこの個体は幼鳥のようです。
(逆光のせいで、下腹部の色で成鳥か幼鳥か見分けられないのです。)
この獲物は幼鳥が自力で狩ったのか、それとも親鳥が給餌してくれたのか、見逃してしまいました。

チゴハヤブサは止まり木で身震いしました。
足で頭を掻こうとしてうっかりバランスを崩したものの、羽ばたいて立て直しました。
最後は止まり木を蹴って飛び立ち、すぐに滑翔、旋回に移りました。


日光自然博物館『ハヤブサ日記』によると、

ハヤブサの羽ばたきは、他の猛禽類(イヌワシ、オオタカなど)よりもはるかに高速で、じーっと見ていると目が回りそうなほどです。ヒナのうちからものすごいスピードで羽ばたけるのですから、大人のハヤブサの飛ぶスピードが速いのも納得です。(p55より引用)
ハヤブサは人気があり本や写真集が何冊も出版されているのに、不思議とチゴハヤブサを扱った本は未だ無いようです。

【追記】小林正之、五百沢日丸『隼 ハヤブサ』という見事な写真集にチゴハヤブサの章が設けられていました。山形県で撮影された生態写真も多数含まれていて、とても参考になりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→


2018/11/26

オビガ♂(蛾)に触れて飛び立たせてみる【ハイスピード動画】



2018年9月上旬

オビガ(蛾)の飼育記録2018年#8



▼前回の記事
準備運動後に飛び立つオビガ(蛾)成虫a【HD動画&ハイスピード動画】

昼間に窓際のレースカーテンに止まっているオビガApha aequalis)の成虫♂aが飛び立つ様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ろうと悪戦苦闘しています。
割箸でそっと翅をつついて飛び立たせても、飛翔力が弱くて、弱々しく羽ばたきながらただ落下することが多いのです。
しつこく何度もやり直すと、ようやく準備運動なしに少しだけ飛んでくれました。(冒頭の映像)

※ 逆光の条件下でもオビガの翅の斑紋(帯状の模様)が見えるように、動画編集時に彩度を少し上げています。


つづく→#9:オビガ(蛾)終齢幼虫♀eの繭作り【100倍速映像】


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