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2014/03/01

赤トンボ♂♀の連結打水産卵【ハイスピード動画】



2013年9月下旬

農道の水溜まりでアカトンボの仲間(種名不詳)が何組も一緒に産卵していました。
連結打水産卵の様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
タンデムの停空飛翔が見事で、影の動きもフォトジェニック♪
前で飛ぶ♂とのタイミングが合わず、ときどき♀が空振りすることもあります。

♀の腹面は白い。アキアカネ? ナツアカネ?
同定用の写真を撮ろうと思ったときには皆どこかへ行ってしまいました…。


2014/02/28

産卵中のクルマバッタモドキ♀



2013年10月下旬

河川敷の遊歩道で砂の多い地面に穴を掘って産卵しているバッタを見つけました。
胸背にX紋を確認したのでクルマバッタモドキ♀(Oedaleus infernalis)と判明。
この辺りは分布の北限(東北地方南部)らしい。
腹端を伸ばして地面に差し込んでいます。

産卵行動を最後まで見届けたかったのですけど、このジョギングコースを向こうから走って来る人が居ます。
このままではバッタが踏み潰されてしまうか、跳んで逃げられてしまう…と焦り、慌てて採集に切り替えました。
産卵中の♀は意外におとなしく(動きが鈍く)、ありあわせの紙袋を被せるだけで簡単に捕獲出来ました。

クルマバッタモドキ♀が産卵していた穴を覗いてみると、卵は無く未だ穴を掘っている段階だったようです。

交尾が済んで卵が成熟したメスは地面を掘り進みながら腹部を普段の2倍以上のばし、産卵する。卵は非常に細かい泡でくるまれており生まれたばかりは白いが固まると薄い赤褐色となる。メスは力つきるまでの3ヶ月間の間、3-6回ほど産卵する。(wikipediaより)

1円玉を並べた産卵坑

忙しくて数日間、死骸を放置していたら胸背にあったX紋が消えていました(非常に見えにくい)。
標本の翅を広げて、後翅の黒紋を確認しました。
♀にしては小柄な個体のようです。
飼育下での産卵観察にもいつか挑戦してみたいです。
腹部を解剖したら卵を見れたかもしれませんね。


標本:側面@方眼紙
標本:腹面@方眼紙
左翅
前翅
後翅に黒紋

2014/01/29

ミドリヒョウモン♀の産卵と交尾拒否



2013年9月下旬

山裾の林道の草むらでミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が産卵しているようです。
そこへもう一頭(♂)が飛来しました。
産卵中の♀に求愛するも、拒否されたのかすぐに飛び去りました。
♀がどのような交尾拒否行動をしたのか、よく分かりませんでした。



2014/01/05

石垣に産卵するミドリヒョウモン♀暗色型



2013年9月下旬

林縁で山裾を法面補強するコンクリートブロックの辺りを飛び回る暗色型のミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が居ます。
石垣に止まると驚いたことに腹端を曲げて擦り付けるように産卵していました。
忙しなく飛んで石垣を横に移動しながら産卵を続けます。

その後は草むらに下りて産卵していました。(映像なし)
どうやら産卵基質は何でも良いみたいで、手当り次第あちこちに産んでいます。
しかし、よくよく見ると無機質なコンクリートブロックそのものではなく、その隙間に生えたコケ(地衣類?)を選んでその上に産卵しているようです。

本種の幼虫はスミレ類を食べて育つそうですが、食草に産み付ける親心も無い放任主義とは意外でした。
きわめて多産のr戦略なのでしょうか?
雪国で越冬するための知恵なのかもしれません。(本種は卵または若齢幼虫で越冬するとのこと。)

動き回る蝶を追っていると産卵場所を見失いがちで、卵そのものは確認していません。


【追記】
私が知らなかっただけで、実はこのような産卵行動は別に珍しくないのかもしれません。
『日本動物大百科9昆虫II』p48によると、
1卵ずつ産む産卵様式は大型ヒョウモンチョウ類でも見られるが、このグループでは卵は食草に産みつけられるのではなく、食草の自生する生息場所内の立木、枯れ枝、小石、コケ類、その他に産みつけられる。


【追記2】
『チョウのはなしII』p13より
ミドリヒョウモンは秋になって食草のスミレがありそうな樹林の中にやってくると、あたりの立木の樹皮などに卵を産むのです。春になって孵化した幼虫は、木を伝ってスミレにたどりつくのですが、わずか2mmくらいの仔虫にとって、ときには10m以上もの道のりは苦難の旅立ちといえましょう。



2013/12/19

産卵中のマイマイガ♀(蛾)



2013年8月上旬

某山寺の板壁の隅にマイマイガ♀(Lymantria dispar japonica)がじっと止まっていました。
飛び立つ瞬間の動画を撮るつもりで翅に触れたのですが、全く動じません。
翅をめくると卵塊が見えたので、産卵中だったようです。
♀は死んでいるのかと思いきや、かすかに動きました。
「卵塊には産卵時に♀が植えた毛がある」らしいので、接写すればよかったですね。

ドクガ科でもマイマイガの成虫に毒毛はないので、触れてもかぶれたりする心配は無用です。

【追記】
英語版wikipediaの解説によると、マイマイガの♀は飛べないので羽化した場所の近くに産卵するらしい。


ただし、日本産のマイマイガについては当てはまらず、交尾を終えた♀は日没後に歩行や飛翔が活発になり産卵場所へ移動することを後に知りました。
マイマイガを研究した小汐千春『じらすメスと離れないオス―昼行性のガの場合』によると、
アジアやヨーロッパの♀は飛ぶらしいが、アメリカの♀は飛ばないようだというのである。もともとヨーロッパから人工的に持ち込まれた個体群であるのに、アメリカの個体群に飛翔能力がないらしいことは、一種のボトルネック効果ともいうべき現象で興味深い。 (『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第2-2章p69より引用)


【追記2】
『繭ハンドブック』p107によれば、
(マイマイガ)卵塊の表面に♀成虫腹部の鱗毛を付着させている。





2013/10/26

ギンヤンマ♂♀の連結産卵



2013年8月中旬

池の岸辺に生えたガマの葉にギンヤンマAnax parthenope)の連結ペアが止まり、産卵していました。
憧れのギンヤンマを初めて見て興奮しました。

♀は腹端を水に浸すだけで、全身を水没させることはありません。

ギンヤンマの成虫は交尾後にオスとメスが連結したまま、あるいは、単独で水面に突き出た水草などに止まる。メスは腹部先端にある産卵管を植物の組織内に突き刺し、1粒ずつ産卵する。(wikipediaより)

ギンヤンマのカップルが連結したまま少し飛んで産卵場所を移動したので、私も水際まで近づき望遠で狙います。
やや側面のアングルになり、胸部側面に黒条が無いのでクロスジギンヤンマは除外されます。

実は池の上をパトロールする別個体の♂がいたのですけど、その飛翔シーンは速過ぎて撮れませんでした。
産卵中にあぶれ♂が接近すると、翅を少し持ち上げかすかに震わせるだけで撃退しました。
強引に♀を強奪しないところが紳士的だなーと思いました。
それでもあぶれ♂は何度もやって来たことが、カップルの動きで分かります。
♂は交尾した♀の首根っこを掴んでおけばライバル♂に寝取られる心配はないのでしょう。(交尾後ガード)
ギンヤンマの♂は性成熟すると池で縄張り争いするらしい。(『カラー自然シリーズ15:ギンヤンマ』より)
縄張りの広さは長さ30m、幅10mにおよぶことがあるとのこと。



【追記】
図鑑『ネイチャーガイド:日本のトンボ』でギンヤンマを参照すると、
交尾を終えたペアは連結態のまま水面に飛来し、浮葉植物の葉や浮いた枯死植物などに産卵する。♀単独での産卵も行う。 (p207より引用)



▼関連記事(6年後に撮影)
池で単独産卵するギンヤンマ♀


ギンヤンマ♂♀@連結産卵。♀♂ともに脚の体節が赤褐色
ギンヤンマ♂♀@連結産卵


2013/10/17

笹の葉裏でアブラムシの甘露を舐め産卵するゴイシシジミ♀



2013年8月上旬

山道を歩いていたら笹の群落(アズマネザサ?)から2頭のゴイシシジミTaraka hamada)が飛び立ちました。
しばらく待つと笹の葉裏に戻りました。
2頭とも翅が丸みを帯びているので♀だと思います。

♀の翅は丸みを帯び、とくに前翅の外縁は丸みが強いが、♂では直線状で翅の端が尖るので区別できる。寒地産の♀の前翅の表には、はっきりした白い斑紋が出ることがある。(『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』p52より)

その葉裏にはササコナフキツノアブラムシと思われるアブラムシがびっしり群がっています。
ゴイシシジミの幼虫は笹に付くアブラムシを捕食する(完全肉食性)という唯一無二の珍しい食性をもちます。
そのため成虫♀はアブラムシのコロニーに産卵します。

♀が腹端で葉裏に触れながらゆっくり移動しているのは産卵なのか、単に探っているだけなのか、現場ではよく分かりませんでした。
(夕暮れ時のため、動画を撮るにはやや光量不足でした。)
直後の葉裏に卵の有無も確認すれば良かったですね…。
アブラムシのコロニーで伸ばした口吻を動かし、甘露(アブラムシの分泌液)を吸汁しているようです。

ゴイシシジミもアブラムシも、その生態はとても興味深いので、少し予習をしてから定点観察に通うことにします。

つづく→「笹の葉裏でアブラムシを捕食するゴイシシジミ幼虫【微速度撮影】

ゴイシシジミ吸汁@アブラムシ
ゴイシシジミ吸汁@アブラムシ
ゴイシシジミ吸汁@アブラムシ



こちらの動画は8月中旬の昼間に再訪して撮ったものです。
これも♀の産卵行動でしょうか。

ずっと見ていると、どうもササ以外の葉に止まった際も腹端を葉に擦り付けて歩くことがあるようです。
思わせぶりな行動ですけど、必ずしも産卵行動ではないのかもしれません。
腹端の感覚器でアブラムシの存在を探っているのでしょうか。


2013/07/23

ミカドガガンボ♀?の打水産卵



2013年6月中旬

里山の渓流でまるでトンボのように飛びながら浅い流水に腹端をちょんちょんと付けて打水産卵する虫が居ました。
ハイスピード動画に切り替えるどころか虫体にピントを合わせる余裕もなくすぐに飛び去ってしまいました。
一瞬の産卵シーンを1/8倍速のスローモーションに加工してリプレイしてみます。
初めはトンボかと思いきや、飛んだ先を目で追い渓流横の草むらに止まったところでガガンボの一種と判明。
同定用の写真はストロボを焚いて遠目から1枚撮っただけで逃げられてしまいました。
ミカドガガンボ♀(Holorusia mikado)でしょうか?
胸部が黒く、日本最大のガガンボらしい。
幼虫は水生で腐食物などを食べるそうです。
ネット検索でヒットした「河川生態ナレッジデータベース」というサイトによると、

ミカドガガンボの幼虫は山地の湧水や渓流付近の土砂の中にすんでいる。

ガガンボの産卵を動画に撮ったのはこれが二度目です。
5年前は林道で歩きながら湿地に挿泥産卵していました(種名不詳:素人目にはなんとなくキリウジガガンボかな?)。
今回のガガンボとは産卵行動が明らかに違いますね。
ガガンボもトンボのように種類によって産卵場所や産卵様式が違ってくるのでしょうか。



2013/07/14

モリアオガエルの産卵と泡巣作り【微速度撮影】



2013年5月下旬

山中の池で今年もモリアオガエルRhacophorus arboreus)の産卵が始まりました。
マユミの潅木が岸から池の方に枝を張り出しているため、絶好の産卵場所となっています。
今年は心なしか葉の茂りが悪いのは、積雪期に枝折れしたダメージなのかもしれません。
それでもモリアオガエルの泡巣は例年よりも豊作の気がします。
複数の泡巣が融合しており、幾つなのか数えにくいのですが、マユミの枝葉には少なくとも12個の泡巣が作られていました。
鈴なりになった泡巣の重みで枝葉が千切れ落ちてしまいそうで心配になります。

産卵行動の動画は昨年撮ったので、今年は微速度撮影に挑戦します。
午前中から暗くなる夕方まで6時間以上も(10:50 am - 17:04 pm)10秒間隔のインターバル撮影を行い、大量の写真素材から早回し映像を制作しました。
途中で様々なカメラ・トラブルに見舞われましたが、場所を少しずつ変えたりしながらなんとかインターバル撮影を続けました。
泡巣が木漏れ日を浴びてフォトジェニックです。
野外での微速度撮影では光量が安定しないため、チラチラして多少見辛いのは仕方ありません。

早回し映像で見ると、♂が離合集散する様子がよく分かりますね。
集まったモリアオガエルが後脚で泡立てる行動が休み休みの間欠的であることも分かります。
まるでカマキリ♀の卵鞘作りのようですけど、モリアオガエルは複数個体による協同作業である点が大きな違いです。
一つに見える泡巣も何回かに分けて付け足されて作られることが判明しました。
複数の♀由来の卵が混じっている可能性があります。

初めは少し離れた枝の2箇所で産卵しているため、やや引きの絵で撮り始めました。
しかし完成した映像を見ると、もっと寄りの絵にしないと分かり難いですね。
どの抱接集団の泡巣が大きくなりそうか、予測する見極めが肝心です。

ヤブ蚊に食われながら横で長時間眺めていると、色々なことが分かりました。
モリアオガエルの体長は明らかに♀>♂。
♀は体が大きく、腹部が膨満しています。
♂にしがみ付かれても(抱接)そのまま♀は力強く跳んで移動します。
そこへ他の♂も次々に集まって来て、集団で泡巣を作りその中に産卵・受精します。
♀は産卵場所(水面に張り出している枝)をどのように認識し、選択するのか気になります。
水面の反射を手掛かりにするのでしょうか?
暗くなったらどうするのかな?

一方、鳴いているのは♂です。
産卵を終えた♀が離脱するのは分かるのですけど、泡巣作りに参加した♂の中に、なぜか途中で離脱して真下の池に飛び降りたりする個体がいます。
もしかすると泡の巣材である尿を排泄し終わると脱水症状になってしまうのかもしれません。
水入り休憩で水分を補給するとまた枝をよじ登って来て再び泡巣作りに参加するのでしょうか?
もしこれをちゃんと調べようとするならば、何らかの方法でカエルを個体識別しないといけません。
水面に網を張っておいて枝から落下するカエルを受け止め、体重変化を調べたら面白いかもしれませんね。






こちら↓の映像は同じ素材から早回しの速度を半分に落とした動画です。
お好みでどうぞ。


2013/07/03

イタヤハマキチョッキリの揺籃を分解してみる


2013年5月下旬

イタヤハマキチョッキリ♀の飼育記録3

イタヤハマキチョッキリ♀(Byctiscus venustus)の飼育を始めて8日後、水差しにしたヤマモミジの葉を巻いていつの間にか新たな揺籃を作っていることに気づきました。
既に葉柄を切り落とし、揺籃もろとも容器の底に落下していました。
自然界でも完成後の揺籃を地面に切り落とすことがあるのでしょうか?
葉柄から切り落とされた揺籃は枯れてしまうはずです。







新しい2個目の揺籃を慎重に分解してみると、大小様々の葉が計13枚使われていました。
本で読んだ通り、所々に糊のような接着剤が使われています。(‡追記参照)
これをペリペリと剥がしていきます。
最後の1枚は固く丸められており、ほどくのにかなり難儀しました。
この中に卵が2個産み付けられていました。
つまり、巻き始めた最初の葉に産卵していました。
卵は白色で直径1mm弱の球体にきわめて近い楕円型でした。
卵の表面に粘着性はなく、ほどいた揺籃から転がり出ました。

せっかく飼育下で揺籃を作ってくれたのに、忙しさの余り作業過程を見逃してしまい残念無念。
来年以降の課題です。
揺籃からの飼育にも挑戦してみたいです。
モミジを新鮮な枝葉に取り替えてやっても、それ以上はもう揺籃を作りませんでした。










動画ブログで映像のない記事は物足りないので、おまけの動画です。



2013年5月中旬

腹面の紫色に輝く金属光沢を記録したかったのですけど、仰向けにしてもすぐに起き上がります。
写真でピントを合わせる余裕が無く※、仕方が無いので動画で記録しました。
動画編集時に自動色調補正処理を施してあります。

※ 麻酔にかければ腹面の写真もじっくり撮れたはずですが、面倒なので割愛。



‡【追記】
この接着剤の出所について常々不思議に思っていた所、河野広道『森の昆虫記2:落し文篇』という古い本を読んでいたら興味深い記述を見つけました。(第15章:美麗なイタヤハマキチョッキリ―倒卵形の揺籃)
 葉縁部をまきつける時には彼女(イタヤハマキチョッキリ:しぐま註)の口が大きな働きをする。葉の縁を口の先で押えつけ、粘液でしっかり封印して離れないようにくっつけてしまうのだ。(p109より引用)

 この糊を彼女はどこから分泌するのだろう。彼女の身体には口と尻を除いては液を排出できる場所はないが、糊付けの仕事をするのは口であるから尻からの分泌物は問題外である。仕事を見ていると口吻の先でじっくりと葉の縁を押さえつけているからその時に粘液を分泌するもののようにも見えるが、よくよく注意して見ていると口の先からは何ものも出てこない。彼女はへらのように平たい口吻の先で強く葉の縁を押さえつけているだけである。強く押しつけることによって葉縁から粘り気のある葉液をしぼり出しているのだ。葉縁からかすかににじみ出てくる微量の粘液を辛棒(原文ママ)強くしぼり出して、その粘液が乾くのをじっと待っているのである。彼女の揺籃の壁を張りつける糊は、若葉の縁から微かににじみ出てくる植物性の粘液だったのだ。(p110より引用)

この考察は本当ですかね?
カエデの葉を傷つけて糊のような液体が滲み出して来るかどうか、実験してみようと思います。

2013/06/16

ヒメギフチョウ♀がウスバサイシンの葉裏に産卵【ハイスピード動画&HD動画】



2013年5月中旬

雑木林の林床を忙しなく飛び回るヒメギフチョウLuehdorfia puziloi inexpecta)を追いかけてハイスピード動画(240 fps)に撮っていると、ウスバサイシンの群落に止まりました。
どうやら葉裏に卵を産み付けているようです。
手前の枝や葉が邪魔で、肝心の産卵姿勢がよく見えません。
回り込んで撮影アングルを確保すべきか迷ったのですが、下手に私がガサガサ動くと蝶に逃げられそうな気がして我慢しました。
ようやく蝶のほうが移動してくれて、念願の産卵シーンをスローモーションで記録することができました。



次は高画質のHD動画モードに切り替えて撮り続けます。
ゆっくり横へ移動してみると、ようやく産卵中のヒメギフチョウ♀の姿が見れました。
ところが葉にしがみついた蝶は顔をこちらに向けており、肝心の腹端が全く見えません。
ようやく産卵を終えた蝶は少し飛んでから、近くの林床に休息のため着陸。
しばし日光浴すると、顔を拭ってから飛び去りました。

ヒメギフチョウ♀を見送ってから早速ウスバサイシンの葉を捲って調べてみると、2枚の葉に卵塊が11個、6個見つかりました。
真珠のように白く輝く卵が葉裏にかためて産み付けられています。
後に産み付けられた6個の卵塊bは現場に残し、先に産卵した11個の卵塊aを食草ごと採集して持ち帰りました。
飼育に挑戦します。

つづく→「卵から孵化するヒメギフチョウの幼虫【20倍速映像】


『科学のアルバム:ギフチョウ』p24によると、ヒメギフチョウ♀がウスバサイシン若葉の縁に前脚をひっかけてぶら下がるような姿勢で産卵するのは、♂に付けられた交尾後付属物が棒状に突き出ているためそうです。
一方、ギフチョウの交尾後付属物は板状らしく、♀の産卵姿勢は葉の縁にしがみつくように止まり体を葉の上の方に乗り出し、腹を思い切り曲げて葉裏に産み付ける。(同書p16)
今回は交尾後付属物はよく見えませんでした。

この辺りはギフチョウとヒメギフチョウが混棲する全国的にも貴重な地域らしいのですが、私はギフチョウの方とは未だ出会いがありません。


ヒメギフチョウ♀産卵@ウスバサイシン葉裏

ウスバサイシン群落@ヒメギフチョウ♀産卵後

ウスバサイシン花

葉裏に卵塊

卵塊a:11個

卵塊b:6個
【追記】
『日本の昆虫1:ギフチョウ』p18によると、ヒメギフチョウの1卵塊あたりの卵数は平均10.9個で、1頭の♀が133〜164個の卵を持っているらしい。

2013/06/11

柳の若葉に産卵するコマユバチの一種♀



2013年5月上旬

山間部の道端に生えた柳(種名不詳)の潅木で若葉を探索中の蜂がいました。
産卵に備えた姿勢なのか、腹端の長い産卵管を腹の下から前方に向けて歩き回ります。
やがて若葉の根本付近に産卵管を突き刺しました。
マクロレンズを装着する余裕がなく、マクロモードのままで動画に記録しました。
太陽を背にしているためカメラが影を作ってしまい、もどかしいです。
やがて蜂は風に揺れる枝から産卵管を引き抜くと、再び歩き回り始めました。

2回目の産卵行動を観察したい気持ちもあったのですけど蜂が飛び立つのをおそれ、同定してもらうためにすぐ採集しました。
虫こぶを作る蜂なのか、それとも柳の若葉を食す芋虫に寄生する蜂なのでしょうか?
後で思うと、産卵痕を確認すべきでしたね…。



柳の花

柳の若葉

ところが帰宅後は急に忙しくなってしまい、1週間も放置していたら容器内で蜂の死骸にカビが生えてしまいました。
せっかく採集した標本が劣化してひどい有様です。
左の触角は折れ、右翅はくしゃくしゃになってしまいました。
せめて左の翅脈だけでもしっかり記録することにします。

てっきりヒメバチ科と思ったのですけど、前翅の翅脈を見ると違うようです。
コマユバチ科ですかね?

参考図解:「ヒメバチ科とコマユバチ科の簡単な見分け方

【追記】
いつもお世話になっている「蜂類情報交換BBS」にて問い合わせたところ、青蜂@管理人さんより以下のコメントを頂きました。
写真のハチは、ご推察の通りコマユバチの仲間です。ヤナギの若葉をめくってみれば、そこに寄主がいたかもしれないですね。












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