2014/03/01
赤トンボ♂♀の連結打水産卵【ハイスピード動画】
2013年9月下旬
農道の水溜まりでアカトンボの仲間(種名不詳)が何組も一緒に産卵していました。
連結打水産卵の様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
タンデムの停空飛翔が見事で、影の動きもフォトジェニック♪
前で飛ぶ♂とのタイミングが合わず、ときどき♀が空振りすることもあります。
♀の腹面は白い。アキアカネ? ナツアカネ?
同定用の写真を撮ろうと思ったときには皆どこかへ行ってしまいました…。
2014/02/23
イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の体外消化
2013年9月下旬
前回の記事はこちら→「網にかかったノシメトンボ♀を隠れ家に運んで食すイシサワオニグモ♀」
イシサワオニグモ(Araneus ishisawai)♀成体は隠れ家でノシメトンボ♀(Sympetrum infuscatum)を食べ続けています。
口器の動きを側面から接写してみました。
獲物の組織は強力な消化液で溶かされタール状に黒変しています。
鋭い大顎で肉塊を噛みしめると、ジューシーな肉汁が滲み出ています。
それを吸汁するだけで、クモの食事は固形物を飲み込みません。(体外消化)
参考記事:「蛙を食すイオウイロハシリグモ♀」
【追記】
クモの解剖学的な基本(上顎と下顎の機能の違い)をあやふやのままでしたが、
クモの餌の食べ方は上顎の牙を獲物の体に突き刺して、毒液を注射して弱らせ、下顎で噛んで、口から消化液を注ぎ込んで、肉を溶かす。消化されてジュースのようになった肉を、胃に吸い込むのだそうだよ。(『観察の本6:クモたちの狩り(上)』p7より)つづく→「イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の円網を霧吹きで可視化してみる」
体外消化が進むと獲物は原形を留めず黒変。
2014/02/22
網にかかったノシメトンボ♀を隠れ家に運んで食すイシサワオニグモ♀
2013年9月下旬
林道脇に正常円網を構えるイシサワオニグモ(Araneus ishisawai)♀成体の定点観察。
朝一番に見た時は網の甑(こしき)で下向きに占座していたクモが、いつの間にか円網左上の隠れ家に移動していました。
枠糸を固定した倒木の枝先を昼間の隠れ家としているようです。
ただし隠れ家と言っても、外からは丸見えです。
特に枯葉などでカモフラージュしている訳ではありません。
「クモ生理事典2011」によるとイシサワオニグモは
網の一端を折り曲げて簡単な住居を作り,昼間はその中に 潜む.
脚先で信号糸?に触れ、網の振動を感知できるように待機。 |
現場の近くで捕獲したノシメトンボ♀(Sympetrum infuscatum)を円網に投げつけ給餌してやりました。(予め前翅をむしってあります。)
ところが隠れ家のクモは知らぬ顔で無反応。
食欲がないのか、午前中は寝ているのか、あるいは網の振動が隠れ家まで伝わらなかったようです。
網にかかった獲物を草の葉でつついたらトンボが暴れ、ようやく気づいたクモが獲物に駆け寄りました。
(映像はここから。)
まず獲物に噛み付いて毒液を注入し、獲物の動きを止めます。
次に捕帯で獲物をグルグル巻きにラッピングし始めました。
前日(夕方)は獲物の包みを甑に持ち帰って捕食しましたが、今回(午前中)は甑を通り過ぎて隠れ家にテイクアウト。
前回の記事はこちら→「網にかかったオオアオイトトンボ♀を捕帯でラッピングするイシサワオニグモ♀(蜘蛛)」網の中央(甑)で白昼堂々、食事をするのは目立ち過ぎて野鳥やクモバチなどの天敵に襲われる危険が高いのでしょう。
獲物を枠糸に固定してぶら下げると下向きに静止し、身繕い。
ようやく落ち着いたクモが獲物の包みを手繰り寄せると、捕食開始。
食事(体外消化)の途中で何度も獲物を糸でラッピングし直します。
再ラッピングの際は捕帯の量が少ない気がします。
獲物が暴れているときとは違い、使う糸を倹約しているのでしょう。
クモが大顎でトンボの固いクチクラをカリカリ、バリバリ噛む音がときどき聞こえます。
初めクモはトンボの胸部を噛んでいましたが、やがて細長い腹部に口を付けて吸汁していました。
ノシメトンボ♀の尾端から卵塊が出ていました。
食事とラッピングを繰り返すと、次第に獲物はコンパクトな包みになりました。
体外消化が進むと、タンパク質が溶かされて獲物は真っ黒に変わりました。
翅がなければ最早トンボとは分からないでしょう。
つづく→「イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の体外消化」
腹部の両肩に突起がある。 |
腹面中央に外雌器と垂体が見える。 |
体外消化が進むと獲物は原形を留めず黒変。 |
2014/02/12
網にかかったオツネントンボ♂を捕帯でラッピングするイシサワオニグモ♀(蜘蛛)
2013年9月下旬
前回の記事はこちら→「イシサワオニグモ♀(蜘蛛)オオアオイトトンボ♀の捕食と再ラッピング【10倍速映像】」
山陰に日が落ちてすっかり暗くなりました。
帰る前にもう一つだけ実験してみます。
正常円網の甑(こしき)で未だ前の獲物(オオアオイトトンボ♀)を食べている時にまた別の獲物が網にかかったらイシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)はどうするでしょう?
近くで捕獲したオツネントンボ♂(Sympecma paedisca)の翅を毟ってから網に投げつけ給餌してみました。
(オツネントンボは前翅と後翅の縁紋がずれています。)
真っ暗なので、白色LEDのライトで照らしながら動画に記録します。
昼間の自然光よりもクモの糸が白く光り、はっきり見えますけど、いまいちピントが合いません。
(暗視可能な赤外線ビデオカメラが欲しいなぁ…。)
今回は捕帯で軽くラッピングした獲物を網に残したまま、クモは手ぶらで甑に戻りました。
下向きに占座すると食べかけの獲物(アオイトトンボ♀)に再び食いつきました。
2匹目の獲物は(網にかかった位置を覚えておいて?)後で取りに戻るのでしょう。
素人考えでは、せっかく手に入れた2匹目の獲物もとりあえず甑に持ち帰り、近くの網に引っ掛けておけば良さそうなものです。
クモがそうしない(二度手間を厭わず取りに戻る)理由は何でしょうね?
甑付近の糸に重量制限があるのかな?
これでこの日の観察を打ち切って帰りました。
獲物を網に付けてやった直後 |
翌朝、再訪すると夜の間に獲物を二匹とも食べ終えたようです。
正常円網はあちこち破れたままでしたが、食べ残しなどは網から全て取り除かれていました。
つづく→「網にかかったノシメトンボ♀を隠れ家に運んで食すイシサワオニグモ♀」
2014/02/11
イシサワオニグモ♀(蜘蛛)によるオオアオイトトンボ♀の捕食と再ラッピング【10倍速映像】
2013年9月下旬
オオアオイトトンボを捕食するイシサワオニグモ♀:後編(捕食と獲物の再ラッピング)
前編はこちら。
正常円網の中央にある甑(こしき)に持ち帰った獲物のオオアオイトトンボ♀(Lestes temporalis)をイシサワオニグモ(Araneus ishisawai)♀成体がゆっくり捕食する様子を記録してみました。
長撮りした動画素材を10倍速の早回し映像に加工してみました。
無音だと寂しいので、現場の背景音を等倍速で付け足しています。
クモは獲物を噛む位置を変えながら体外消化しています。
捕食の合間にときどき獲物を捕帯でラッピングし直しています。
食餌が進むと体外消化液で捕帯の糸も一緒に溶けてしまい、梱包がほどけてしまうのでしょうか。
普段は下向きに占座していますが、再ラッピングの作業時は必ず糸疣を下に向ける(体の向きを上下変える)ようです。
次第に獲物は原形を留めない肉塊へと変わりました。
【おまけ】
リアルタイム再生のオリジナル動画もブログ限定で公開しておきます。
42分弱の長編です。
帰る頃にはもはや獲物は原形を留めない。 |
2014/02/10
網にかかったオオアオイトトンボ♀を捕帯でラッピングするイシサワオニグモ♀(蜘蛛)
2013年9月下旬
オオアオイトトンボを捕食するイシサワオニグモ♀:前編(捕帯によるラッピング)
里山の林道脇に立派な正常円網が張られており、中央の甑にイシサワオニグモ(Araneus ishisawai)♀成体が占座していました。
円網は厳密には垂直ではなく、やや斜めに傾いています。
周囲の環境は、ササの群落、ニセアカシア潅木、スギ幼木、クリの木など。
林道を挟んで反対側にはアカマツが生えていました。
円網の主な枠糸は倒木の枝に付けられており、右側の長い枠糸はニセアカシアの枝先に固定。
夕方で薄暗くなってきました。
近くで生け捕りにしたオオアオイトトンボ♀(Lestes temporalis)を生き餌として、片側の翅を毟ってから網に給餌してみました。
網の右側に獲物を投げると、クモはすぐに駆けつけて、先ず噛み付きました。
次に大量の捕帯で獲物をラッピングし始めました。
毒液を注入されたトンボが初め少し暴れたものの、すぐに動かなくなりました。
梱包した獲物を円網に糸で固定してから、獲物の周囲にある粘着性の横糸を少しずつ歩脚で切っていきます。
再び獲物を捕帯でラッピングし直します。
梱包をくるくると回しながら、余計な横糸を歩脚の先で切ったり大顎で横糸を噛み切ったりします。
獲物は細長い腹部を折り曲げられてコンパクトになりました。
梱包作業を終えると右第4歩脚で獲物をぶら下げ、甑(こしき)に持ち帰りました。
甑の数カ所に獲物を固定すると、下向きに占座。
ようやく落ち着いたイシサワオニグモ♀は、糸が粘りついた歩脚の先を舐めて身繕い。
最後に獲物を口元に引き寄せると、食事開始。
つづく→後編(捕食シーンの早回し映像)
【追記】
『スパイダー・ウォーズ』p143によると、
梱包ラッピング:ヨコ糸を切断して餌を運ぶ前に行われるラッピング。チョウやトンボなどの大きな(または長い)餌は、梱包しないと途中で網にからまり、網を壊してしまいます。こんなことにならないように、クモは糸を巻きつけて餌を小さな固まりにし、梱包します。
2014/01/26
交尾に手間取るオオアオイトトンボ♂♀のペア
2013年9月下旬
林縁を連結飛行しているイトトンボのカップルが居ました。
エメラルドグリーンの金属光沢が美しい種類です。
落ち着いて交尾できる場所を探している様子。
(映像はここから。)
草の茎に止まって交尾を試みるも、どういう訳かなかなか結合出来ず、手間取っています。
…というように見えたのですが、帰ってから調べてみると、少なくとも前半は交尾の準備のために♂が交尾器に精子を移し替えている行動だったらしい(参考サイト)。
止まり木で♂は断続的に腹部を曲げて♀を引き寄せようとするも、♀が非協力的です。
♀♂共に翅は半開きの状態。
♂が痺れを切らしたのか(?)、尾繋がりのまま少し飛んで場所を何度か変えました。
タンデムでゆっくり停空飛翔(ホバリング)しながら林縁で適当な止まり木を探しています。
結局、元の小枝に舞い戻りました。
この間、私は離れた位置にじっとして望遠マクロで狙っているので、私を警戒して逃げたのではない筈です。
飛び立つ際のタンデム飛行の主導権はどちらが握っているのでしょう?
ハイスピード動画に撮れば明らかになったかもしれませんけど、今回は余計なことをせずに我慢して撮影続行。
マユミ?幼木の小枝に♂が止まり直すと♀は脚が届かず、手放しで♂にぶら下がった状態になりました。(これが♂の狙いなのか?)
♂は断続的に腹部を曲げて♀を引き寄せようとするも、依然として♀が乗り気でない(ように見えます)。
♀が腹部をまっすぐに伸ばしたままでぶら下がるのは交尾拒否の意思表示なのでしょうか?
あるいは♂のスタミナを値踏みしているのかな?(妄想)
首根っこを掴まれたままの♀がようやくその気になったのか、あるいは♂の準備ができたのか、腹端を♂の副性器に近づけようとする素振りを示し始めました。
それでも交尾器が上手く結合できず、再び♀はだらんと力無くぶら下がってしまいました。
よほど相性が悪いのか、交尾経験が浅いのか、♀が頑なに交尾拒否しているのか、別種のペアなのか、などと疑い始めた頃、ようやく結合に成功しました!(@6:20)
諦めなかった♂の粘り勝ちか?
本種の交尾はいつもこれほど手間取るのでしょうか?
タンデムの後方に位置する♀が尾部を曲げて交尾を行うので、ハート形になります。
マクロレンズに切り替え、逃げられる覚悟で近づき接写を試みました。
いざ交尾が始まってしまえば意外に鈍感のようです。(没我の境地?)
交尾器の結合部をアップで撮ることができました。
小枝に捕まっているのは♂だけです。
♀は全体重を♂に預け、自らの曲げた腹部を脚で抱え込んでいます。
交尾の終了(ペアの解消)まで見届けたいと思う反面、どうしても種名を正しく知りたい希望が勝りました。
同定するため交尾中のペアを有り合わせの容器で一網打尽に採集しました。
したがって、交尾の所要時間は不明です。
三角紙を折る紙を持ちあわせていなかったので、そのまま持ち帰りました。
捕らえられてもしばらくは♂が把握器で♀の首根っこを掴んで離しません。
尾繋がりのまま容器内で暴れていました。
まずは♀の標本写真。
次は♂の標本写真。
『トンボ入門』を紐解いてみると、♂の胸部側面で見られる以下の特徴からアオイトトンボではなくオオアオイトトンボ(Lestes temporalis)と判明。
- オオアオイトトンボは緑色の上端が第2側縫線まで達する。
- 成熟しても青白い粉を吹かない。
- 翅を半開きにして止まる。♂のみ、腹部の先に青白い粉を吹く。
更にオオアオイトトンボの繁殖行動について調べてみました。
- オオアオイトトンボは、餌場である林の中で♂は♀を射止める。(同書p74-75)
- オオアオイトトンボは水辺の木の枝に多数が集まり”おつながり”の状態で産卵する。(同書p113挿絵)
- 特定の枝に多数が集中して産卵する傾向があるため、集中的に産卵された枝は弱って枯れてしまうことがある。(p112)
交尾の現場は水辺ではないので、産卵場所まで飛んで移動したかもしれません。
2013/10/27
縄張りを巡回するオニヤンマ♂の飛翔【ハイスピード動画】
2013年8月中旬
里山の真っ直ぐな細い林道の上空をオニヤンマ♂(Anotogaster sieboldii)がパトロールするように往復していました。
交尾相手の♀が飛来するのを待ち構えているようです。
縄張りの端に立って待ち構え、引き返す直前に行う停空飛行(ホバリング)を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p7によると、
高速飛行のトンボは脚を折り畳んで空気抵抗を減らす。
スローモーションの映像を見ると、確かにその通りでした。
よく見ると、体に引き付けた後脚も羽ばたきのリズムで動いていることが分かります。
前脚、中脚は折り畳んでいます。
『講談社カラー科学大図鑑:トンボ』p31によれば、
オニヤンマが山道の上を飛びながら行ったり来たりするのは、時間も短いですし、範囲もはっきりしないので、縄張りの原始的なものと考えられています。
(てっきりオニヤンマかと思い同定用の写真も撮らなかったのですけど、もしかして別な種類ですかね…?)
2013/10/26
ギンヤンマ♂♀の連結産卵
2013年8月中旬
池の岸辺に生えたガマの葉にギンヤンマ(Anax parthenope)の連結ペアが止まり、産卵していました。
憧れのギンヤンマを初めて見て興奮しました。
♀は腹端を水に浸すだけで、全身を水没させることはありません。
ギンヤンマの成虫は交尾後にオスとメスが連結したまま、あるいは、単独で水面に突き出た水草などに止まる。メスは腹部先端にある産卵管を植物の組織内に突き刺し、1粒ずつ産卵する。(wikipediaより)
ギンヤンマのカップルが連結したまま少し飛んで産卵場所を移動したので、私も水際まで近づき望遠で狙います。
やや側面のアングルになり、胸部側面に黒条が無いのでクロスジギンヤンマは除外されます。
実は池の上をパトロールする別個体の♂がいたのですけど、その飛翔シーンは速過ぎて撮れませんでした。
産卵中にあぶれ♂が接近すると、翅を少し持ち上げかすかに震わせるだけで撃退しました。
強引に♀を強奪しないところが紳士的だなーと思いました。
それでもあぶれ♂は何度もやって来たことが、カップルの動きで分かります。
♂は交尾した♀の首根っこを掴んでおけばライバル♂に寝取られる心配はないのでしょう。(交尾後ガード)
ギンヤンマの♂は性成熟すると池で縄張り争いするらしい。(『カラー自然シリーズ15:ギンヤンマ』より)
縄張りの広さは長さ30m、幅10mにおよぶことがあるとのこと。
【追記】
図鑑『ネイチャーガイド:日本のトンボ』でギンヤンマを参照すると、
交尾を終えたペアは連結態のまま水面に飛来し、浮葉植物の葉や浮いた枯死植物などに産卵する。♀単独での産卵も行う。 (p207より引用)
▼関連記事(6年後に撮影)
池で単独産卵するギンヤンマ♀
ギンヤンマ♂♀@連結産卵。♀♂ともに脚の体節が赤褐色 |
ギンヤンマ♂♀@連結産卵 |
2013/08/08
コサナエ♀♂の交尾
2013年6月中旬
山地の農道で、トンボが地上の草むらで暴れていました。
よく見ると、♂が♀を捕まえて交尾を始めたところでした。
やがて尾繋がりのまま近くの木の上に飛んで移動しました。
木の葉に掴まると、交尾姿勢になりました。
再び飛んで更に上の木の枝へ移動。
見慣れないトンボですが、複眼が左右に離れているのでヤンマ科は除外されます。
図鑑で絵合わせしてみると、サナエトンボ科コサナエ(Trigomphus melampus)の♀♂ペアだと思うのですがどうでしょうか。
(胸部前面の黄色紋が微妙に違う?)
こちらの解説サイトによると、
基本的に、東北日本にはコサナエが、関西低地ではタベサナエ、オグマサナエ、フタスジサナエの3種が分布する。
上が♀です。 |
上が♂です。 |
2013/03/31
飛べ!イトトンボ【ハイスピード動画】
2012年5月下旬
湿地帯の草叢を歩くと小さなイトトンボの仲間が足元から次々と飛び立ちます。
飛翔シーンをハイスピード動画に撮ってみました。
採集していないので種名不詳です。
青っぽい個体と黄色っぽい個体がいるようでした。
性差なのか別種なのか分かりません。
草むらに止まっている時は保護色でよく見えませんが、飛ぶと細長い翅が反射して白く光ります。
翅がプロペラのようにパラパラと動く様子は美しいですね。。
2012/12/01
2012/11/27
オオシオカラトンボ♀
2012年8月下旬
渓流の横で見慣れない黄色いトンボが止まっていました。
休憩場所をときどき移動します。
羽化不全個体なのか、右前翅の先がややシワクチャですね。
帰ってから調べてみるとオオシオカラトンボ♀と判明。
Labels:
トンボ(蜻蛉目)
2012/11/17
エゾイトトンボ♂@尾部屈曲
2012年7月上旬
沼岸の草葉に止まったエゾイトトンボ♂が腹部をくねくね動かしていました。
後脚を擦り合わせながらクネクネ、モジモジ。
交尾に備えてストレッチ運動でもしているのでしょうか。
あぶれ♂が飛来すると、僅かに尾端を持ち上げ合図していました。
Labels:
トンボ(蜻蛉目)
2012/11/01
エゾイトトンボ♂♀尾繋がり後の交尾失敗
2012年7月上旬
沼岸の木の葉にエゾイトトンボの♂♀ペアが止まり、ハート型の体位で交尾しようとしています。
ところが、何度やってもなぜか交尾器がしっかり連結できないでいます。
交尾経験の浅い未熟な個体なのだろうか?
♀が交尾を拒否しているようには見えません。
近縁でも別種なのだろうか?(生殖隔離)
同定のためペアを捕獲しようと思ったら、お邪魔虫(同種のあぶれ♂)の邪魔が入り、全員飛び去りました。
2012/10/28
オニヤンマ♂の飛び立ちハイスピード動画
2012年7月下旬
道端の草の茎にオニヤンマ(Anotogaster sieboldii)が掴まって休んでいました。
翅を開いた状態で止まっています。
副性器は見えませんが、腹端の形状から♂だと思います。
飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220fps)に撮ってみました。
同一個体を追いかけて2回撮影。
2012/09/30
エゾイトトンボ♂の飛び立ちハイスピード動画
2012年7月上旬
池の畔でエゾイトトンボ(Coenagrion lanceolatum)のあぶれ♂が何匹も♀を待ち伏せしていました。
草むらから飛び立つ様子をハイスピード動画(220 fps)で撮ってみました。
婚活中で必死の♂は翅を休める間もなく自らすぐに飛び立ちます。
イトトンボは儚げな美しさがありますね。
2012/09/16
ミヤマカワトンボ♀♂の飛び立ちハイスピード動画
2012年6月下旬
渓流を遡行すると、あちらこちらにたくさんのミヤマカワトンボ(Calopteryx cornelia)が翅を立てて休んでいました。
飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
まずは♀篇。
胴体が褐色で、翅に白い擬縁紋があります。
次は♂篇です。
胴体はメタリックグリーンで、翅は真っ黒(焦げ茶色)です。
映像の最後、渓流の石に少し離れて♂♀ペアが止まっていました。
左が♀で右が♂。
2012/09/02
尾繋がり後に交尾拒否するミヤマカワトンボ♀
2012年6月下旬
山中の渓流を遡行していると、多数のミヤマカワトンボ(Calopteryx cornelia)が活動していました。
そのなかで偶然、♀の交尾拒否と思われる興味深い行動が撮れました。
尾繋がり状態のペアが川岸の茂みに止まっています。
前の個体が♂で、胴体がメタリックグリーン。
後ろの個体が♀で、胴体は褐色。
♀の翅だけに目立つ白い斑点は「擬縁紋」と呼ばれます。
♂が♀を前に引き寄せてハート型の交尾姿勢になろうとしても、♀は頑として応じようとしません。
♂は力を入れつつ葉上でバランスを保つため羽ばたいています。
♀は一応、腹部を曲げているものの、決して一線を越えません。
痺れを切らした♂が♀を連れたまま飛んで場所を変えます。
木の葉から近くの下草に移動。
何もアクションを起こさないまま、再び連結飛行で移動。
今度は潅木の枝に止まりました。
♀は腹部をだらんと垂らし、いつまで経っても♂の副交尾器と結合しようとしません。
♂は力を入れて腹部を曲げ、羽ばたきながら♀を引き寄せようと頑張ります。
交尾に先立って連結状態で行われる♂の移精行動をこの♀は妨げているのかもしれません。(参考図書:『ミヤマカワトンボのふしぎ』p22)
今度はまた下草に移動しました。
側面をしっかり見せてくれるアングルに戻ったため、「交尾の体位が分かり易くて助かるなー」と呑気に見ていると不意に♂が連結を解除し、飛び去りました。
遂に交尾を諦めたようです。
葉上には貞操を守った♀が残されました。
ミヤマカワトンボの交尾の成功例(典型例)を観察しないうちに非典型的な(相性の悪い不仲の)カップルに遭遇したので、解釈に苦しみました。
このペアのそれまでの過程を見ていないのですが、まず赤とんぼのように♀の産卵後に♂が尾繋がりの交尾後ガードを解消した可能性を考えました。
つまり、やるべき繁殖活動を完遂した後にペアが尾繋がりを円満解消したという可能性です。
ところが本種の産卵は♀が単独で潜水産卵を行うようで、交尾後に♂が連結状態で産卵する♀を警護することはありません。
自分の縄張り内で潜水産卵する♀を♂は近くで見守るそうです。
↓参考動画:by neakayoshiさん
調べて分かったこと(本の引用)。
- ミヤマカワトンボの♂は、水面に浮かび、腹部を反らせ、上空を通過する♀に求愛する。(『トンボ入門』p71より)
- ミヤマカワトンボの♀は腹部を反らせて♂を拒否する。(『トンボ入門』p63より)
- おつながりになっても交尾をしなかったのは、トンボの場合、自分の尻尾を曲げて交尾に応ずるのは♀だからである。♀に交尾する気がなければ、おつながりになっても♂は諦めるしかない。(『トンボの不思議』p56より)
- ミヤマカワトンボでは、縄張り内に♀がやって来ると、♀に近づき、「しっぽの先を反らせて水面に浮かぶ」という求愛の動作を示す。♂のしっぽの先端は白くなっており、その部分を誇示して、自分が魅力的な♂であることをアピールするかのようである。水面に浮かぶのは一瞬で、すぐに飛び上がって♀を追いかける。それに対して、求愛の受け入れを示す♀の合図は、羽を閉じて静止することである。すると、♂は♀の羽の先に着地し、ついでしっぽの先で♀の首根っこを掴んでおつながりとなる。♂が着地するあたりの羽には、「擬縁紋」と呼ばれる白く目立つ斑点がある。一方、♂の求愛が気に入らない♀は、縄張り外に飛び去るか、静止しても羽を広げ、♂が着地できないようにする。すると♂はすぐに諦め、それ以上♀につきまとうことはしない。(『トンボの不思議』p52より)
今回観察したような交尾拒否行動はトンボの本に記述されていませんでした。
おそらく通常の求愛拒否のシグナルを無視して強引に尾繋がりしたガサツな♂を♀が嫌がり、頑として交尾を拒んだと推測しました。
あるいは尾繋がりしてから♀の気が変わったのかもしれません。
世間のイメージとは異なり、トンボも交尾の最終決定権は♀にあるようです。(♀が♂を選ぶ)
後で思うと、この日はミヤマカワトンボ♂の求愛と思われる不思議な行動も渓流上で一度目撃しているのですが、そうとは知らず撮り損ねました。
トンボは種によって繁殖行動にバリエーションがあり、とても面白いですね。
動画ネタが幾らでもありそうです。
【追記】
私が観察した事例とは異なりますが、図鑑『日本のトンボ(ネイチャーガイド)』にミヤマカワトンボの興味深い生態写真が掲載されていました。
♂同士の連結(Male-male tandem):個体数が多いところでは、まれにこうしたハプニングが起こる。左の♂はまだ気付かずに交尾を促している。(p45より引用)
2012/08/18
エゾイトトンボ♂♀連結ペアが水草に産卵
2012年6月中旬
山中の池の水面でエゾイトトンボ♀♂ペアが何組も水草に止まり産卵していました。
尾繋がりのペアが池の上を低空飛行し、水面に浮く適当な水草の葉に着陸すると、後方の♀が尾を曲げて産卵を始めます。
その間、前の♂(鮮やかな水色)が腹部をピンと伸ばして直立するとペアはh字の形になります。
直立姿勢はしんどいのか、羽ばたいてホバリングしている♂もいます。
羽ばたきに疲れると♂も水草に着地します。
♀を警護する♂も大変そうです(配偶者ガード)。
産卵場所は水草に限らないようで、こんな面白いシーンもありました。
水面のとても小さな浮遊物(ゴミ?)に尾繋がりの♀が着陸すると、勢いで水面をツツーッと滑ります。
♀の産卵中、♂は休む場所がないので腹部をピンと伸ばしたままでした。
すぐ横に別のペアが着陸して産卵を始めても互いに没交渉です。
池のあちこちで同時進行するので目移りしてしまいます。
産卵後に結合を解除するペアも見られました。
配偶者を得られなかった「あぶれ♂」も水上を行き来していますが、産卵中のペアを邪魔したり♀を強奪することはありませんでした。
♀の首根っこを掴まえてさえいれば、浮気される心配はないのでしょう。
ところで、この水草(浮葉植物)の名前は何でしょう?
ご存知の方は教えてください。
撮影後に岸辺で数匹の単独個体を♂♀共に採集し、標本からエゾイトトンボであることを確認しました。
あり合わせの紙で折った三角紙で持ち帰り長期間放置していたので、とても標本写真を披露できる状態ではありません…。
2年前にも同じ池の草むらで交尾するエゾイトトンボがハート型につながる様子を動画に撮っています。
【追記】
トンボ図鑑の決定版『日本のトンボ(ネイチャーガイド)』でエゾイトトンボの項を参照すると、
・産卵は水面付近の植物組織内に行われるが、鑑賞する♂が多いとしばしばそのまま植物を伝って潜水し、水中で産卵を続ける。
・連結態で産卵することが多いが、♀単独での産卵もみられる。 (p111より引用)
登録:
投稿 (Atom)