2016/12/18

メハジキの花蜜を吸うオオマルハナバチ♂



2016年9月上旬

山間部の道端に咲いたメハジキの群落でオオマルハナバチ♂(Bombus hypocrita)が訪花していました。
クロマルハナバチ♂と迷うのですが、オオマルハナバチ♂だと思います。

『マルハナバチハンドブック』p7〜8に掲載された♂の検索表よると、頭部の毛色パターンに黒毛が混じるのがオオマルハナバチ♂で、黒毛が無いのがクロマルハナバチ♂。
オオマルハナバチの雄蜂を見つけたのは初めてかもしれません。
メハジキの花でトラマルハナバチのワーカー♀とニアミスすると、オオマルハナバチ♂は隣の株に逃げて行きました。

♂なので当然、後脚に花粉籠はありませんし、訪花しても吸蜜するだけで集粉しません。
もし同種のワーカー♀が飛来したら果たして求愛するのかどうか、興味があります。(新女王蜂にしか求愛しない?)



夜のオオトリノフンダマシ♀(蜘蛛)と卵嚢【暗視映像】

2016年9月上旬

平地の用水路沿いに生えたノリウツギの灌木でオオトリノフンダマシCyrtarachne inaequalis)の卵嚢を見つけました。
紡錘形で褐色の卵嚢が1つ吊り下げられています。
卵嚢の近くを探すと、葉に成体♀も発見。
少し離れているので、これを「卵嚢ガード」と称して良いものやら迷います。





夜になってから現場を再訪して、赤外線の暗視動画で撮影しました。
オオトリノフンダマシ♀はノリウツギ花穂の近くの葉表に静止していました。
辺りを夜蛾が飛び回っているのに、未だ造網を始めていません。
周囲に枠糸なども見当たりませんでした。
後半、白色LEDを点灯してもクモは逃げたりしませんでした。
おそらく夜も更けてから水平円網を張り始めるはずですが、この日の私はひどく疲れていたので夜間観察は諦めて帰りました。

いつか機会があれば、トリノフンダマシ類の室内飼育にも挑戦してみたいものです。
その場合は、生餌の蛾を調達する算段を整えないといけません。
貯穀害虫のカシノシマメイガなどが良いかもしれません。




メハジキの花蜜を吸うキタキチョウ



2016年9月上旬

山間部の道端に咲いたメハジキの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。
翅をしっかり閉じた状態で唇形花に口吻を差し込んで吸蜜しています。



2016/12/17

寄主の巣を探索するエゾクロツリアブ♀の停空飛翔【ハイスピード動画】



2016年8月下旬


▼前回の記事
エゾクロツリアブ♀の産卵飛翔【ハイスピード動画】

同一個体のエゾクロツリアブ♀(Anthrax jezoensis)を追いかけると、産卵地点のすぐ近くで板壁に開いた節穴を物色するかのように、そのすぐ手前でホバリング(停空飛翔)していました。
その様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
マメコバチなど借坑性の寄主の巣を探索しただけで、産卵してないと思います。






早朝に樹上で鳴きながら♪羽繕いするオオヨシキリ♂(野鳥)



2016年6月中旬・午前5:36

池の畔で立ち枯れしたハンノキの枝にオオヨシキリ♂(Acrocephalus arundinaceus)が止まり、朝日を浴びながら囀っていました。
朝一の羽繕いに余念がありません。
全体に毛羽立って濡れそぼって見えるのは、朝露で羽毛が濡れてるのでしょうか。 



コミスジ♀♂の交尾と連結飛翔



2016年9月上旬・午後15:50頃

山間部の道端に生えたアカソの群落で交尾中のコミスジNeptis sappho intermedia)の♀♂ペアを発見。
アカソはコミスジ幼虫の食草ではありませんが、葉に乗って翅を開閉しながら交尾しています。
互いに逆を向いて腹端の交尾器だけを連結しています。


『ヤマケイポケットガイド9:チョウ・ガ』p146によると、「(コミスジの)♀はやや大きく、翅が丸みをおびる」らしい。
ということは、今回の場合は右側の個体が♀ですかね?
1頭だけを見た時には、とても性別を見分けられる自信がありません。

翅裏を真横から見たくて、撮りながらアングル変更。
最後は広角に戻してからコミスジ♀♂に近づくと、連結したまま慌てて飛んで逃げました。
ところが途中で交尾器の連結が外れてしまい、別れてしまいました。
無粋なお邪魔虫でスマンスマン…。
次回は求愛シーンを観察してみたいものです。



2016/12/16

メハジキを訪花するカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2016年9月上旬・午後16:05〜16:09

山間部の道端に咲いたメハジキの群落でカラスアゲハ♀(Papilio bianor dehaanii)が訪花していました。
唇形花で吸蜜している際は、半開きの翅をときどき羽ばたかせています。
前翅表に性標がないので♀だと思います。
左後翅の尾状突起および右後翅の内側が損傷しているのは、野鳥に襲われたビークマークですかね?

カラスアゲハ♀がメハジキの花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:29〜)
茎が風で大きく揺れて撮影条件は最悪でしたが、スローモーションで見ると風の影響は気になりません。

実はこの後、吸蜜中のカラスアゲハ♀をメスグロヒョウモン♀が追い払うシーンを目撃しました。
残念ながら縄張り争い(占有行動)を撮り損ねてしまいました。
大きさではカラスアゲハに劣るのに、強気なメスグロヒョウモンでした。
カラスアゲハ♀は追い払われてもすぐにまたメハジキの群落に舞い戻って来ました。



ヒヨドリバナの花蜜を吸うキイロスズメバチ♀



2016年9月上旬

山間部の道端に咲いたヒヨドリバナの群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。

撮り始めるのにもたついていたら蜂はすぐに飛び立ってしまい、上のコナラの葉に止まりました。


2016/12/15

ホシホウジャク(蛾)がカワミドリの花で吸蜜ホバリング【HD動画&ハイスピード動画】



2016年9月上旬・午後16:21〜16:26

山間部の道端に咲いたカワミドリの群落でホシホウジャクMacroglossum pyrrhosticta)が訪花していました。
斜面に咲き乱れるカワミドリの群落を忙しなく飛び回るので、HD動画ではきわめて撮り難い被写体です。
なかなかズームインする暇がありません。

複数個体(>2頭)を撮影。
2頭が近くで吸蜜するときも、互いに無関心で求愛行動などは見られませんでした。
おそらく同性なのでしょう。

後半は、花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:47〜)
スローモーションで見ると、ホバリング中に長い口吻が伸縮する様子が面白いですね。
口吻が縮むとゼンマイ状に丸まるのです。



オトコエシの花蜜を吸うトゲカメムシ



2016年9月上旬

峠道沿いに咲いたオトコエシの群落でトゲカメムシCarbula humerigera)が2匹、訪花していました。
集合花を歩き回り、花に口吻を突き刺して吸蜜・吸汁しているようです。

もう一匹は歩いて茎を降りて行きました。
葉先で何をしているのかと思いきや、拝むように前脚の先をゴシゴシ擦り合わせ化粧していました。


【追記】
何を勘違いしていたのか自分でも分かりませんが、花の名前をヒヨドリバナからオトコエシに訂正します。

2016/12/14

ナミハンミョウの道教え【HD動画&ハイスピード動画】



2016年9月上旬

峠道で路上を徘徊するナミハンミョウCicindela japonica)を見つけました。


人が近づくと飛んで逃げるが、1〜2m程度飛んですぐに着地し、度々後ろを振り返る。往々にしてこれが繰り返されるため、その様を道案内にたとえ「ミチシルベ」「ミチオシエ」という別名がある。(wikipediaより)

この有名な道教え行動を動画で記録するのが長年の課題でした。
なかなかイメージ通りの映像を撮れません。
特にハイスピード動画に撮るのが難しいのです。

広角で撮りながら斑猫を追いかけると飛んで逃げるのですが、飛距離が短いために(短距離しか飛べない)、結果的に思わせぶりな「道教え行動」になるようです。
ここは道幅が広いので、何度か飛ぶと向きが変わって元の場所に戻ってしまいます。(堂々巡り)

後半は、飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:07〜1:50)
ハンミョウが立ち止まっているときを狙って三脚を立てて画角を決めます。
固定焦点のハイスピード動画を撮り始めてからハンミョウに近寄れば、警戒して飛んでくれます。
もう一人助手がいればハンミョウを追いかけるのは助手に任せて、手持ちカメラでも簡単にハイスピード動画が撮れるのですが、独りで撮るには三脚を使うしかありません。
飛び立つ瞬間は身を屈めてジャンプすることが分かりました。
翅を広げて飛ぶ際の腹背もメタリックな青緑色で美しいですね。

複数個体を撮影。

※ 前半(〜1:07)のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→ナミハンミョウの狩り





シロツメクサの花蜜を吸うキクキンウワバ(蛾)



2016年9月上旬・午後17:20〜17:26

水田の畦道に咲いたシロツメクサの群落でキクキンウワバThysanoplusia intermixta)が訪花していました。
半開きの翅を小刻みに震わせながら吸蜜しています。
一つの花(集合花)にしがみついて長時間吸蜜してから、ようやく飛んで隣の株に移動しました。



2016/12/13

ミヤギノハギを訪花するヤノトガリハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2016年9月上旬

山間部の道端に咲いたミヤギノハギの群落でヤノトガリハナバチ♀(Coelioxys yanonis)が訪花していました。
スミスハキリバチやツルガハキリバチなどに托卵する労働寄生種なのでハキリバチ科の♀であっても腹面に花粉を集めるスコパがありませんし、訪花しても吸蜜するだけです。

後半は、花から花へ忙しなく飛び回る様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:20〜)

複数個体を撮影?(途中で何度も見失ってしまい、同一個体かどうか自信がありません。)


顔面の毛が黄褐色



メハジキの花蜜を吸うイチモンジセセリ



2016年9月上旬

山間部の道端に咲いたメハジキの花でイチモンジセセリParnara guttata)が吸蜜していました。

後半には同じ花でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀とニアミスし、その度にイチモンジセセリは少し飛んで離れました。







2016/12/12

餌場からルリシジミ♂を追い払うムネアカオオアリ♀の占有行動【HD動画&ハイスピード動画】



2016年8月下旬

▼前回の記事
鳥糞を舐めつつ排尿するルリシジミ♂

路上の小石に付いた鳥の糞を舐めてミネラル摂取していた3頭のルリシジミ♂(Celastrina argiolus)は、翅表の紋様から♂と判明しました。

ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀も近くに群がっています。
ルリシジミが排泄するおしっこをアリが舐めに来ているのか?と頭によぎったのですが、違うようです。
ムネアカオオアリが集まっている辺りにはおそらく獣糞や死骸があったのだろうと推測しましたが、よく分かりません。

ムネアカオオアリのワーカー♀がときどきルリシジミの体に噛み付いて攻撃しているのが興味深く思いました。
獲物として狩るのではなく、餌場から追い払う占有行動のようです。
飛んで逃げたルリシジミ♂は懲りずにすぐ舞い戻って来て、仲間の近くに再着陸します。
ムネアカオオアリが接近しただけでルリシジミが飛んで逃げ出すこともありました。
240-fpsで撮ったハイスピード動画にも占有行動が写っていました。(@0:27〜2:01)
ルリシジミがときどき飛び立つのは自発的ではなく、アリに噛まれたからだということがスローモーションで明確になりました。
ムネアカオオアリにとって、ライバルのルリシジミを追い出してでも独占したいぐらい魅力的な餌場なのでしょう。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ノダケの花で食事するコアオハナムグリ



2016年9月上旬

用水路沿いに咲いたノダケの花にコアオハナムグリGametis jucunda)が2匹、集まっていました。
花粉や花蜜を食べています。

微小のクロアリもノダケの花に群がっていますが、種名不詳。(分かる方は教えて下さい。)



2016/12/11

カラスアゲハ♀ vs ヒョウモンチョウの一種



2016年8月下旬
▼前回の記事
オトコエシを訪花するカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】

峠道沿いに咲いたオトコエシの群落でカラスアゲハ♀(Papilio bianor dehaanii)が花蜜を吸っていると、ヒョウモンチョウの一種が飛来し、カラスアゲハは逃げて行きました。
一瞬の出来事なので、1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
ハイスピード動画に撮っていればヒョウモンチョウの種類も見分けられたかもしれず、残念でした。

縄張り争いで気の強いヒョウモンチョウ(種名不詳)がカラスアゲハを蜜源から追い出したのでしょうか?
もしかするとメスグロヒョウモン♂による誤認求愛ではないか?という仮説を思いつきました。
メスグロヒョウモンの♀は黒っぽい翅をしているからです。


▼関連記事
求愛飛翔するメスグロヒョウモン♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
花の名前で酷い勘違いをしていました。
ヒヨドリバナからオトコエシに訂正します。


枯木で朝の日光浴をするアカモズ幼鳥?(野鳥)



2016年6月中旬・午前7:03

湿地帯で立ち枯れしたハンノキの枝にアカモズ♂(Lanius cristatus)の幼鳥が止まっていました。
腹が白いのでアカモズ…ですよね?
今まで深く検討せずに全て「モズ」として扱ってきたので、あまり自信がありません。(過去の記事も見直しが必要かも)
嘴の根元が黄色っぽいので、幼鳥だと思います。
動画編集時に自動色調補正したら過眼線が濃く見えるようになりました。

これほど長時間、樹上でじっとしているモズを見るのは珍しく思いました。
朝の日光浴でしょうか。
親鳥に給餌してもらうのを待ってるのかな?

呟くようにほんの少しだけ鳴きました。(@2:24)
幼鳥の「ぐぜり」かもしれません。
成鳥になるにつれて、周囲でやかましく鳴いているオオヨシキリなどの鳥の鳴き真似を練習するのでしょうか。

最後は急に飛び去りました。



ミヤギノハギの花で採餌するミヤママルハナバチ♀



2016年9月上旬

山間部の道端に生えたミヤギノハギの群落で黄色っぽいマルハナバチが訪花していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を少量付けています。
トラマルハナバチと迷うのですが、体毛がレモン色なのでミヤママルハナバチBombus honshuensis honshuensis)のワーカー♀だと思うのですが、どうでしょう。
似ている蜂の候補として、コマルハナバチ♂の出現期はもっと早いはずですし、雄蜂には花粉籠がありません。
私の出歩くフィールドではこの山域で、しかも稀にしかミヤママルハナバチを見かけません。

忙しなく飛び回る蜂にズームインするのは至難の業でした。
複数個体を撮影。(複数種の蜂が混じってたりして…?)

ときどき麓から響き渡る爆音は、田んぼのスズメ追い爆音機かな?







2016/12/10

求愛飛翔するメスグロヒョウモン♀♂【HD動画&ハイスピード動画】



2016年8月下旬

翅の色が異なる2頭のチョウが峠道で激しくもつれ合うように乱舞していました。
道を塞ぐアカマツの倒木が目障りですね…。

240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:39〜)
スローモーションで見て初めて、メスグロヒョウモンDamora sagana liane)の♀♂ペアによる求愛飛翔だと分かりました。
褐色の翅の♂は黒い翅の♀の背後に回りこみ、♀の真下をくぐるように飛んで追い越し、♀の目の前で急上昇する、という求愛行動をしつこく繰り返しています。
つまり、逃げ回る♀を中心として♂は縦に旋回しながら追尾しています。
♂の前翅表には3本の黒い縞模様があり、これは♂特有の発香鱗と言われています。
求愛飛翔で♂は♀に対して視覚的なシグナルを送ると同時に、この発香鱗からの性フェロモンを♀の目の前で振り撒いて嗅がせているのでしょう。
しかし♀が求愛に応じなかったため、♂は諦めて飛び去りました。

▼関連記事:2015年6月中旬
メスグロヒョウモン♀♂の求愛飛翔【HD動画&ハイスピード動画】





オヒシバの実を採食するスズメ(野鳥)の群れ



2016年9月上旬

稲穂が実る水田にスズメPasser montanus)の群れがいたので、米を採食するシーンを撮りたくて近づいたら、飛んで逃げられました。
群れの後を追って忍び寄ると、今度は意外なメニューを食していました。
(映像はここから)

農道沿いに生い茂ったオヒシバの群落から路上に落ちた実を主に啄んでいます。(落ち穂拾い)
倒伏した穂に跳びついて直接啄む個体もいて、とても可愛らしいですね。
映像ではエノコログサの穂も見えますが、オヒシバが優占しています。

この辺りの水田には雀追いの爆音装置は設置されていないようで、平和に撮影できました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
『スズメの謎:身近な野鳥が減っている?』p107によると

大正12年(1923年)に農商務省農務局というところが発行した「鳥獣調査報告書」には、スズメについての「有益方面に関する考察」というものがあります。つまり、スズメは害鳥なんだけれど、スズメがいることでどんなよいことがあるのかを検討してみたという報告書です。その中には、スズメは稲の害虫や雑草の種子を食べてくれるので、スズメの有益性は大きいとあります。
下線部の視点が新鮮でしたので引用しておきます。






水の無い路面で打水産卵するヤンマ♀の謎



2016年9月上旬

峠道を往復して飛ぶヤンマの一種を見ていたら、奇妙な行動をしていました。
水溜りが無いのに、乾いた路面にときどき打水産卵しているのです。
おそらくトンボの複眼では陽炎や逃げ水のように水面だと錯覚してしまう場所なのでしょう。
トンボが騙された場所を偏光フィルターや紫外線フィルターで写真に撮ってみれば何か分かるかもしれません。
乾いた地面に銀マットやビニール袋を敷いて産卵を誘発できるかどうか試してみれば面白い自由研究になりそうです。
ヤンマの種類が見分けられなかったのが残念です。
♂は尾繋がりも随伴もしておらず、♀が単独で産卵しています。(例えばオニヤンマ♀の産卵がこのタイプです。)

実は1年前にも似た映像を撮っていました。
あまり説得力のある動画ではないのでお蔵入りしていたのですが、ついでにブログ限定で公開します。



2015年9月中旬

また別の峠道で撮りました。
路上の木漏れ日を水面の反射と誤認したヤンマの一種♀(種名不詳)が打水産卵を試みています。
飛んでいる虫を狩る行動ではなさそうです。


2016/12/09

エゾクロツリアブ♀の産卵飛翔【ハイスピード動画】



2016年8月下旬

雪囲い用の材木を冬まで保管してある軒下の資材置き場でエゾクロツリアブ♀(Anthrax jezoensis)が停空飛翔(ホバリング)していました。
これは産卵行動だ!とピンと来たので、240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
実はこの直前には、近くの板壁の節穴に興味を示していたのです。(映像公開予定

杉の丸太の切り口に小さな穴のように朽ちた部分があり、エゾクロツリアブ♀は飛びながらその穴を重点的に調べています。
おそらくその穴の奥に寄主のマメコバチ?が営巣しているのでしょう。(蜂の出入りは確認していません。)
背後から撮った映像では、飛んでいるエゾクロツリアブ♀と産卵標的との距離感が分かりにくいですね。
エゾクロツリアブ♀はしばらくホバリングしてから狙いを定め、飛びながら腹端を前方に勢い良く振り出して卵を射出します。
白くて小さな粒が穴の奥に飛んでいくのが一度だけしっかり見えました。(@2:08)
産卵そのものはトンボみたいに何度も連続するのではなく、ひと粒ずつ大事に産むようです。
1回産む度に、産卵の成否を確認しているのかもしれません。
ときどき丸太の断面(産卵地点から少し離れた位置)に着陸して翅を休めています。
私は休息だと解釈したのですが、飛び立つまでに次に産む標的をじっくり調べているのかもしれません。(後述する論文の著者による解釈)

後半は私が横にそっとずれて、側面からの撮影アングルを確保しました。
これで産卵標的とエゾクロツリアブ♀との距離感がはっきり見えるようになりました。
停空飛翔中は後脚を後ろに向けていますね。
後脚を垂らして飛ぶアシナガバチの飛行姿勢とはまるで異なります。
その一方で、前脚は前方に揃えています。
ホバリング中に産卵標的との距離は近づいたり遠ざかったりと、安定しません。

色々と調べていたら興味深い文献を見つけました。

Wijngaard, Wopke. "Control of hovering flight during oviposition by two species of Bombyliidae." Netherlands Entomological Society (2012): 9.(無料公開のPDFファイル
同じツリアブ科で2種の産卵行動を300-fpsのハイスピード動画に撮って詳細に比較した論文です。
エゾクロツリアブと同属の近縁種(Anthrax anthrax)とビロウドツリアブ♀(Bombylius major)が登場します。
今回私が観察したエゾクロツリアブはこの論文に記述されたAnthrax anthraxの産卵行動と同じでした。

この仲間のツリアブは産卵前に、卵がべたつかないように砂粒でコーティングするのだそうです。
そのために腹端を砂やゴミなどに擦り付ける行動をするらしく、「sand chamber」と呼ばれる部位に砂を貯えておくらしい。
今回の映像にその行動は写っていない…ですよね?
欲を言えば産卵行動をマクロレンズで接写したかったです。





ミズナラにできたナラハヒラタマルタマフシ(虫瘤)



2016年8月下旬

峠道の横に生えたミズナラの幼木で葉表にピンク色の丸い虫瘤を見つけました。
虫こぶは葉脈(側脈)上に形成されています。
葉をめくってみても葉裏には痕跡はありませんでした。
同じ葉のリーフマイナーと虫こぶは無関係です。
大きさの比較対象として手の指を写し込みましたが、虫こぶの直径をきちんと採寸すべきでしたね…。

帰ってから『虫こぶハンドブック』で調べても載っていませんでした。
インターネットで調べるとナラハヒラタマルタマフシと呼ばれタマバチ科の一種(仮称:ナラハヒラタマルタマバチ)が寄生したものらしい。

次に機会があれば、虫こぶを切って中を調べてみたり、形成者が羽化してくるまで飼育してみるつもりです。


【追記】
『寄生バチと狩りバチの不思議な世界』第3章 井手竜也「虫こぶをつくる寄生バチ:植物食への回帰」によると、
成熟した果実が色づくのは、動物に見つけて食べてもらうことで、種子を遠くへ運んでもらうためだが、虫こぶが呈する赤や黄色の鮮やかな色は警告色の意味があると言われる。(中略)タンニンの渋みと虫こぶの目立つ色を組み合わせることで、タマバチは鳥などが虫こぶを食べないように仕向けているのかもしれない。ところが実際には、鳥が虫こぶをつついて、中の幼虫を食べる光景はしばしば目撃されている。(中略)虫こぶの色がどのような意味を持つのかについては、さらなる研究が必要である。 (p66〜67より引用)
 

2016/12/08

オトコエシを訪花するカラスアゲハ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2016年8月下旬

山間部の道端や斜面に咲いたオトコエシの群落でカラスアゲハ♀(Papilio bianor dehaanii)が訪花していました。
翅を素早く開閉しながら吸蜜しています。
翅表に性標が無いので♀ですね。
右前翅の翅頂および左後翅の尾状突起が欠けているのは野鳥に突かれたビークマークでしょうか。

後半は花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:23〜)
スローモーションにして見ると、吸蜜中の羽ばたきは前翅だけであることがはっきりします。

※ 前半のHD動画パートのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
何を勘違いしていたのか自分でも分かりませんが、ヒヨドリバナからオトコエシに訂正します。



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