2024/04/21

二次林内で虫を捕り脱糞するハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年8月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が現れるようになりました。 

シーン0:8/3・午後16:45・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 


シーン1:8/1・午後13:51(@0:03〜) 
昼下がりに飛来したハシブトガラスが、巣穴Rの真上に張り出した灌木(樹種はミズキ?)の細い幹に止まって辺りをキョロキョロと見回しています。 
やがて少し上の枝に飛び移り、尾羽根の先しか見えなくなりました。 


シーン2:8/1・午後14:03(@0:46〜) 
奥の林床から飛び上がり、林縁の細い灌木に止まりました。 
しばらくすると、左へ飛び去りました。 

正直に言うと、やや遠くて動画ではカラスの種類を見分けられないのですが、林内に来るのはjungle crow(ハシブトガラス)だと思われます。 
(一方ハシボソガラスは平地を好む。) 
やがてトレイルカメラの死角から、カーカー♪と澄んだ鳴き声が聞こえてきました。(@1:02〜) 
確かにこれはハシブトガラスの鳴き声です。 


シーン3:8/1・午後14:09(@1:11〜) 
1羽のカラスが林縁で太い木質の蔓に止まっていました。 
止まり木で嘴を開けっ放しにしているのは、暑さに喘いでいるのでしょう。 
(旧機種のトレイルカメラは、なぜか動画モードで気温データが取得できないのが残念です。) 

太い蔓を少し登ると、尾羽をピョコピョコ上下させながらカーカー♪と澄んだ声で鳴きました。 
この鳴き方の特徴はハシブトガラスです。 
嘴が細く見えるのですけど、ハシブトガラスの幼鳥なのかな? 
次は尾羽を持ち上げながら蔓の上から脱糞したようです。(@1:34〜) 

どうやら別種の小鳥がハシブトガラスの左上で飛び回っています。 (カラスへのモビング?)
黒っぽく見えるのでヒヨドリかな? 
樹上にある鳥の巣をカラスが狙っているのかと思いきや、ハシブトガラスは左下の林床に飛び降りてしまいました。
トコトコ歩いて二次林内を左へ。 
ハシボソガラスに比べてハシブトガラスは両足を揃えて跳んで移動するホッピングが得意とされているのですが、両足を交互に前へ出すテクテク歩行(ウォーキング)もやるので、歩き方だけからカラスの種類を見分けることは困難です。 

関連記事(5年前の撮影)▶ ホッピングで道を渡るハシブトガラス(野鳥) 


シーン4:8/4・午前9:45・晴れ・気温32℃(@2:11〜) 
3日後は午前中からハシブトガラスが登場しました。 
なぜか右下の木漏れ日が特に眩しくなっています。 

右から林床をトコトコ歩いて来たカラスが、手前の細い灌木(枯枝)にひょいと飛び乗りました。 
その枯枝に居た何か虫をパクっと捕食しました。(@2:30〜) 
獲物を咥えたまま、地面に飛び降りてカメラの死角に消えました。 
狩りのシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:44〜) 
スローで見直しても、残念ながら獲物の正体(昆虫?)を見極められませんでした。 


シーン5:8/4・午前9:45・(@3:40〜) 
別アングルに設置した広角の監視カメラで続きが撮れていました。 
奥の林床で、何か餌を足で押さえつけながら啄んでいます。 
さっき狩った虫をここまで運んできて、食べているのかもしれません。 
食後はホッピングで林床を右へ移動し、朽ちた切株の上にヒョイと飛び乗ると、辺りを見回しましています。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


2024/04/20

昼間の旧営巣地で走り回って独り遊びするニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ】

 




2023年8月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地に、元気いっぱいの幼獣が明るい昼間に単独で戻ってきて独り遊びをする様子を示した動画です。 


シーン1:8/5・午後12:12・晴れ・気温33℃(@0:00〜) 
暑い昼下がりに巣穴Lから外に出た幼獣が右へ走り去りました。 
…と思いきや、しばらくすると右から走って戻ってきました。 
巣口Lで立ち止まり、辺りの様子を伺っています。 
巣口Lを飛び越えて左へ行ったり来たりしました。 
林床の落枝の匂いを嗅いでから、右へ駆けて行きます。 


シーン2:8/6・午後12:13・晴れ・気温34℃(@0:32〜) 
翌日も同じ時間帯に、幼獣が獣道を右奥へ駆けていく後ろ姿が写っていました。 

しばらくすると、左からまた幼獣が現れました。 
同一個体の幼獣がぐるっと一回りしてきた可能性もありますが、別個体かもしれません。 
広場や獣道の匂いを嗅ぎながら、仲間(兄弟姉妹)の後を追います。 


シーン3:8/6・午後12:20・晴れ・気温34℃(@1:04〜) 
巣口Lの手前から幼獣が左へ駆け抜けました。 
林冠からハラリと落ち葉が舞い散りました。 


シーン4:8/6・午後12:20・(@1:10〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラで続きが撮れていました。 
幼獣が広場から右へ駆けました。 


シーン5:8/6・午後12:21・晴れ・気温33℃(@1:19〜) 
左上奥の(ヒメアオキ?の)茂みの奥で単独活動していた幼獣が広場に猛然と駆け戻ってきました。 
とにかく独りではしゃぎ回り、また左へ走り出しました。 


シーン6:8/6・午後12:43・晴れ・気温33℃(@1:36〜) 
右から帰ってきた幼獣が素早く巣穴Lに入りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この幼獣は迷子になって(家族とはぐれて)パニックになっているとか仲間外れにされているというよりも、仮想敵と追いかけっこを繰り広げる「独り遊び」に熱中しているようです。 
ヒトの幼児でも「いるいる、こういう子(男子)が居るよなぁ」と微笑ましく思います。
同腹から生まれた4頭の兄弟姉妹の中でもどうやら「性格の違い」があるようです。 
他の幼獣3頭と違って単独行動を好み、空想力豊かで、元気があり余っている個体が1頭だけいます。
野生のニホンアナグマにもイマジナリーフレンドと遊ぶ幼獣がいる、と解釈するのは擬人化の行き過ぎでしょうか?



ホンドタヌキの溜め糞場に集まるキンバエを襲って狩るキイロスズメバチ♀

 

2023年7月下旬・午後14:30頃・晴れ 

東北地方南部が梅雨明けを宣言した日、スギ防風林の倒木横に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを見に行きました。 
タヌキの新鮮な糞が追加されていた中に黄色い顆粒状の糞が大量に含まれていたのは、未消化のトウモロコシですかね?(真面目に糞分析をしていません。) 
タヌキの溜め糞場phから生えてきた実生は、常緑低木のヤブコウジかもしれません。 
だとすれば、ヤブコウジの赤い実を食べる種子散布者はヒヨドリだけでなく、タヌキになります。 

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀1匹が低空で溜め糞上を飛び回り、獲物を探しています。 
何度も繰り返し通ってきていました。 
キンバエの仲間やニクバエの一種が糞塊に多数群がって吸汁していましたが、キイロスズメバチ♀が低空で飛来すると素早く飛び去ってしまいます。 
たまたま溜め糞phに来ていたザトウムシの一種が目の前のキイロスズメバチ♀を牽制するように立ち向かった(ように見えた)のが意外でした。 
あんなヒョロヒョロの歩脚で勝ち目はあるのでしょうか? 

キイロスズメバチ♀の探餌飛翔を粘って動画に撮り続けると、逃げ遅れたキンバエに襲いかかり、見事仕留めました。 
溜め糞場で獲物を待ち伏せするキイロスズメバチ♀はこれまで何度も見てますが、狩りの成功シーンを観察できたのは初めてで興奮しました。

関連記事(2、10、11年前の撮影)▶  

捕らえたキンバエを抱えてすぐに飛び去ったので、キイロスズメバチ♀が肉団子を作るシーンは撮れませんでした。 
どこか近くに止まり直して獲物を噛みほぐしながらじっくり肉団子を作り、それを自分の巣に持ち帰って幼虫に給餌したはずです。 

狩りの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:44〜1:34) 
キンバエの方が圧倒的に敏捷で反射神経も優れているのに、鈍臭い個体が慌てて逃げ損ね、キイロスズメバチ♀の目の前に落ちてしまったのが運の尽きでした。 

その後も溜め糞場phで私がしばらく待っていると、キイロスズメバチ♀が再び飛来しました。 
おそらく狩りの成功体験を得た同一個体が学習して同じ狩場に戻ってきたのでしょう。 
再びキンバエに襲いかかっても、素早く逃げられてしまいます。 
オオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫・幼虫やワラジムシPorcellio scaber)、オカダンゴムシArmadillidium vulgare)など体が硬い外骨格で守られている虫には決して襲いかかりませんでした。 
溜め糞に着地したキイロスズメバチ♀は、ちょっと身繕いしてから再び飛び立ちます。 
動画素材の順序を編集で入れ替えて、狩りの失敗シーンを成功シーンの前にもってきました。

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