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2021/08/22

ヒヨドリ幼鳥に巣外給餌しないで焦らす親鳥(野鳥)

 

2021年6月中旬・午後17:35頃・くもり
前回の記事:▶ 巣立ち直後のヒヨドリ幼鳥をブロック塀から安全な場所に誘導する親鳥♀♂(野鳥)
巣立ったばかりと思われるヒヨドリHypsipetes amaurotis)幼鳥aを少し離れたところから観察していたら、路地の角を曲がった所の電線に別個体の幼鳥bを見つけました。 
赤い実を咥えた親鳥と並んで電線に止まっています。 
実の親子とは言えあまりにも体格差があるので、逆光でシルエットしか見えなかった私は、まさかヒヨドリがスズメに異種間給餌するのか!と驚愕して慌てて撮影を始めました。 
しかしズームインしてみると、スズメではなくヒヨドリの幼鳥でした。 
ヒヨドリが親子で並ぶと、幼鳥の尾羽は成鳥に比べて著しく短いのがよく分かります。 
親鳥が嘴に咥えている赤い実は、おそらくナツグミの熟果でしょう。

幼鳥bはほとんど餌乞いせずに親鳥の横でおとなしく待っています。 
カメラを向ける私を警戒していた親鳥がようやく幼鳥に口移しで給餌…するかと思いきや、焦らすように給餌しませんでした。 
「はい、アーン…やっぱりお預け!」
そのまま親鳥は餌を持ったまま飛び去ってしまいました。 
嘴を大きく開けて親鳥を見送った幼鳥が絶望の表情に(擬人化して)見えてしまい、思わず私は笑いそうになりました。 
これだけ焦らされても幼鳥bは親鳥を追いかけて飛んでいかず、電線に居残りました。 

赤い木の実を咥えたまま親鳥がすぐにまた幼鳥の近くの電線に戻って来ました。 
しかし今度も幼鳥bに巣外給餌することなく、私がカメラを向けた途端に飛び去りました。 
親鳥のこの動きが私の対する警戒のせいなのか、それとも幼鳥bを安全地帯に誘導したいのか、それが問題です。 
相変わらず幼鳥bは電線に止まったままです。 

親鳥が幼鳥bに巣外給餌しなかった理由は何でしょう?
仮説をまとめてみました。
(1)育雛期のヒヨドリの親鳥はヒトに対する警戒心が特に強く、近くでカメラを向けられているのを嫌うのかな? 
(2)それとも、餌で釣って幼鳥bをもっと安全な場所に誘導し、散り散りになった幼鳥たちを1つの群れにまとめようとしているのでしょうか? 
幼鳥が空腹でなければ、この作戦は上手く行かないでしょう。
(3)あるいは、幼鳥の空腹度合いを見極めているのかもしれません。 
親鳥♀♂はあちこちに散らばった複数の巣立ち雛を同時に世話しないといけませんから、より空腹の個体に優先して巣外給餌するはずです。 
幼鳥bの餌乞い行動が弱かったのは、それほど空腹ではなかった証でしょう。

この3つの仮説は必ずしも排他的なものではなく、どの要素もありそうです。
今のところ私は(3)が有力だろうと考えています。 
私がもう少し距離を空けて観察を続けると、電線に残った幼鳥bに親鳥がせっせと通って巣外給餌するようになったからです。(映像公開予定) 

※ 動画編集時に逆光補正を施し、音声は正規化して音量を強制的に上げています。 

2021/08/21

巣立ち直後のヒヨドリ幼鳥をブロック塀から安全な場所に誘導する親鳥♀♂(野鳥)

 

2021年6月中旬・午後17:22〜17:35頃・くもり 

街なかの路地裏で♀♂つがいと思しき2羽の ヒヨドリHypsipetes amaurotis)が喧しく鳴きながら私の周囲を飛び回り始めました。 
庭木のヒバ(?)に出入りしていたので、これが営巣木なのかと予想して通りすがりにチェックしたものの、樹上にヒヨドリの巣は見つけられませんでした。 

ふと横を見ると、民家のブロック塀の上に巣立ったばかりのヒヨドリの雛(幼鳥a)がじっとしていました。 
羽根は一応生え揃っているものの、短い尾羽が幼い印象を与えています。 
腹には暖かそうな幼綿羽が密生していて、これから換羽するのでしょう。 
嘴と足の色はピンク(赤紫色)です。
羽根の色は地味でブロック塀に対して保護色になっていますけど、直線の塀から明らかに飛び出ているので、この幼鳥aは目立っています。 

川内博『大都会を生きる野鳥たち』という本によると、
ヒヨドリの雛は他の鳥より巣にいる期間が短く、まだ翼や尾が生えそろわず飛べない状態で巣から出ていく。(中略)巣内での育雛期間は、小鳥の場合ふつう2〜3週間だが、ヒヨドリは10〜11日で巣立っていく。(p149より引用)

水野仲彦『野鳥のくらし:卵から巣立ちまで』p15によれば、ヒヨドリの「幼鳥は尾羽根が短い」とのことです。


もちろん私はヒヨドリの幼鳥に危害を加えたり誘拐したりする意図はありません。 
それでも私の頭上で見張っている親鳥は、けたたましい警戒声♪を発し続けています。 
一方、幼鳥はヒトに対して未だ恐れを知らないようです。 
私が近くで見ていても幼鳥は緊張するどころか、やがてブロック塀の上でウトウトと居眠りするようになりました。 
腹が空いてくるはずなのに、この幼鳥は近くの親鳥に対して一度も餌乞いの鳴き声を発しませんでした。 
この動画でときどき聞こえる餌乞いは、別個体の幼鳥による鳴き声です。(@3:50) 
親鳥の警戒声は幼鳥に対して、「危険な動物(捕食者や天敵)がすぐ近くにいるから、居場所がバレないように絶対に鳴いたり身動きしたりするな!」と命じる意味合いもありそうです。
この幼鳥aは満腹状態だったというよりも、親鳥の言いつけをしっかり守って静かにしていたようです。 
ブロック塀のすぐ横の路地を車が通過しても逃げませんでした。 

親鳥が幼鳥aに巣外給餌するシーンが撮れそうだと期待して、後半はかなり離れたところから見守りました。 
しかし、私の予想通りの展開にはなりませんでした。 
路地に張り巡らされた電線や屋根の上の古い八木式アンテナの間を親鳥が忙しなく飛び回っています。 
私が親鳥にカメラを向ける度に警戒を強め、飛んで移動します。 

どうやら私が人畜無害だと分かってくれたようで、いつの間にか親鳥は居なくなり、辺りは静かになりました。 
後で分かったことですが、実はこのとき更に2羽(以上?)の巣立ち雛が近所のあちこちに点在していました。
親鳥♀♂は同時に複数の巣立ち雛の面倒を見る必要があり、てんてこ舞いだったのです。
親鳥は幼鳥のため採食しに出かけたのでしょう。 

しばらくしてから電柱の足場ボルトや電線に戻って来た親鳥♀♂は、共に赤い果実を嘴に咥えていました。(@4:20) 
どこか近くの庭木からナツグミの熟果を採取してきたようです。 
しかし餌を咥えた親鳥♀♂は幼鳥aの頭上を何度も行き交うばかりで、幼鳥aが待つブロック塀には決して降り立ちませんでした。 
親鳥が幼鳥aに巣外給餌しないのは、私に警戒しているからだけでなく、餌で釣って幼鳥を安全地帯に誘導しようとしているのだと意図が読めてきました。 
とてもよく目立つ餌(赤い実)を運ぶ親鳥の姿を目にしているはずなのに、ブロック塀の上で待つ幼鳥aは全く餌乞いせず静かにしています。 
親鳥の激しい動きに私が気を取られた隙に、幼鳥aが遂に移動したようです。 
ブロック塀の上から不意に居なくなったのです。 
撮影中の私は幼鳥aの姿を完全に見失ってしまったのですが、動画をスロー再生すると(@5:06〜)親鳥が引率して路地を渡り、反対側の木造家屋の窓の庇に親子が並んで乗っていました。 
どうやら無事に移動したご褒美として幼鳥にナツグミの熟果を巣外給餌したようで、親鳥はもう空荷でした。 
決定的瞬間を見逃してしまったのは残念無念…。 
庇に幼鳥aを残したまま、親鳥は飛び去りました。 
新しい場所では通行人の目線よりも高くなった上に、焦げ茶色の背景に見事に隠れ、ヒヨドリ幼鳥aの姿は全く目立たなくなりました。 

野鳥の巣立ち雛を見つけても勝手に「保護」したり持ち帰ったり(誘拐)してはいけない、と愛鳥家によく指導されます。 
確かに巣立ち雛には手を出さず、近くで見守っている親鳥に任せるべきだということが今回よく分かりました。 

※ 親鳥が電線で鳴いている♪シーンは動画編集時に逆光補正を施しています。 

つづく→近くで巣立ち雛の別個体を発見!


2021/08/20

雛のためイモムシを巣に運ぶコムクドリ♂(野鳥)

 

2021年6月中旬・午後17:00頃・くもり 

街なかの電線に止まっていたコムクドリ♂(Sturnus philippensis)にズームインしてみると、計4匹のイモムシ(幼虫)を嘴に咥えていました。 
巣で待つ雛に給餌するため運んでいる途中なのでしょう。 
下から見上げている私をあからさまに警戒してコムクドリ♂は鳴き騒いでいます。 
餌を運搬中は嘴を動かせないので、リップシンクロを確認できません。 
ジー、ヂュッ♪と聞き覚えのある警戒声を繰り返しているので、この個体♂の鳴き声で間違いないでしょう。 
※ コムクドリ♂の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

実は6日前にも同じ道の電線でムクドリ♀を観察しています。
関連記事(6日前の撮影)▶ 電線で警戒声♪を発し羽繕いするコムクドリ♀(野鳥)
地図上で前回と今回の撮影地点間の距離を求めると丁度100mしか離れていませんでした。 
おそらく今回の♂とつがい関係にあり、どこか近くに営巣木があるのでしょう。 

コムクドリ♂は電線から電線へあちこち飛び移るだけで、一向に帰巣してくれません。 
巣の位置をヒトに知られたくない親鳥は、私が見ている限り帰巣しないでしょう。
関連記事(6日前に全く別の場所で撮影)▶ 獲物のゴキブリを巣に運ぶコムクドリ♂(野鳥)
初めは1本の細長い枯れ草も獲物と一緒に咥えていて、それが風になびいていました。 
もし枯れ草だけを運んでいたら巣材だろうと判断できますが、幼虫を素早く狩るときにたまたま枯れ草も一緒に咥えてしまったようです。 
しばらくすると電線に嘴を軽く擦り付けて、邪魔な枯れ草だけを払い落としたので、コムクドリ♂の器用さに少し驚きました。(@0:47) 

警戒心の強いコムクドリ♂は私が少し離れても帰巣してくれず、今回も結局、営巣地を突き止められませんでした。 
育雛中の親鳥に無用なストレスを与えられないので、私は撮影を断念して立ち去りました。 

※ 動画編集時に逆光補正をしているため、空がやや白飛びしてしまっています。

2021/08/19

休耕田でハシボソガラス幼鳥4羽に巣外給餌する親鳥♀♂(野鳥)

 

2021年6月中旬・午後16:10頃・くもり 

里山の方から田園地帯に飛来したハシボソガラスCorvus corone)の群れが休耕地に散開し、採食を始めました。 
しばらく見ていると、親鳥♀♂と幼鳥4羽という計6羽の家族群であることが分かりました。 
巣立った雛(幼鳥)は自力で飛ぶことはできるものの、未だ餌の探し方を知らないようです。 
耕した後の休耕地を歩き回って餌を探す親鳥の後を幼鳥がつきまとっています。 
親鳥が何か食べ物を見つけると、幼鳥は慌てて駆け寄り、餌乞いします。 
半開きにした翼を細かく震わせながらガーガー鳴いて親鳥に餌を催促するのです。 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

嘴を大きく開けた嘴の中が赤く目立つのがカラスの幼鳥の特徴です。 
親鳥は口移しで幼鳥に巣外給餌してやります。 
細長いミミズらしき獲物を見つけた親鳥がすぐには給餌せず幼鳥から少し逃げ回ることもありました。 

カラスの性別を見分けられませんが、親鳥の片方はあまり幼鳥の世話に熱心ではないようです。 
休耕地には立ち入らず、その奥の農道で探餌徘徊していました。 
育児放棄気味の親鳥にも1羽の幼鳥がついて歩いていたものの、撮影中は一度も巣外給餌しませんでした。

2021/08/16

人懐こく近寄って来るスズメ(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後17:45頃・晴れ 

池の畔で採食していた2羽のスズメPasser montanus)が私の方へどんどん近づいて来ました。 
野生のスズメがヒトを恐れずこんなに近寄ってくるのは極めて異例です。 
ここは普段から池の鯉やカルガモなどに給餌するヒトがいるので、スズメはついでにおこぼれをもらっているのでしょう。 
つまりヒトに餌付けされた個体ではないかと予想しました。
関連記事(1年前の撮影)▶ 池の鯉とクサガメのパン食い競争
もちろん私はここで野鳥やコイに給餌したことは一度もありません。

巣立った幼鳥が親鳥に対してやるような餌乞い行動はしなかったものの、このスズメ成鳥は嘴を大きく開けて赤い舌を見せました。 
欠伸しただけなのかな? 
全身の羽毛を膨らませる行動も披露しました。 

このとき私は何も食料を持ってなかったのでただ撮り続けると、スズメは諦めて飛び去りました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2021/08/03

送電塔の腕金部の巣で待つ雛にハシボソガラス親鳥が給餌(野鳥)

前回の記事:▶ ハシボソガラス♀♂抱卵期の朝の行動(野鳥)給餌・対他羽繕いなど
2021年6月上旬・午後17:15頃・晴れ 

13日ぶりの定点観察に来てみると、ちょうど1羽の親鳥ハシボソガラスCorvus corone)が採餌を終えて送電塔#21に帰ってきたところでした。 
鉄塔の中段の腕金に止まっているカラスの喉袋が膨らんでいることにご注目。 
周囲の安全を確認したハシボソガラスは鉄骨をトコトコ歩いて塔体に近づくと、飛び上がって巣がある上段の腕金に着地しました。 
ようやく巣に飛び乗ると、口移しで雛に給餌したようです。 
雛は未だ孵化して間も無いようで小さく、餌乞いで背伸びしても巣材で隠れてよく見えません。 
(やがて雛が成長すると巣の高さよりも大きくなり、このアングルからでも姿が見えるようになります。) 
未だ黒い羽毛が生え揃わずに赤い雛のようです。 
親鳥に餌乞いする鳴き声も聞き取れませんでした。 

実は撮影中は巣が空っぽに見えて、早くも雛が巣立った後なのかと勘違いしてしまいました。 
映像を見直すと、小さな雛に給餌していたことが分かったのです。 

給餌を済ませた親鳥はしばらく巣の近くに留まり、食後の雛が排便するのを待っているようです。 
このとき親鳥の喉袋がもう膨らんでいないことにご注目。
どうやら今回は脱糞した雛がいなかったようで、親鳥は送電塔から飛び去り、次の採餌に向かいました。

2021/07/31

ヤマボウシの樹上でスズメ幼鳥に巣外給餌する親鳥(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後15:40頃・晴れ 

郊外の民家の庭に植栽されたヤマボウシに白い花が咲いていて、スズメPasser montanus)が賑やかに鳴く声が聞こえてきました。 
茂みの奥をそっと覗いてみると、成鳥だけでなく幼鳥も居たので、家族群が集まっているようです。 
つまり成鳥は親鳥なのでしょう。 
スズメの幼鳥は嘴が黄色く、頬の黒班が薄いので、見分けるのは簡単です。 
近くの営巣地(例えば民家の軒下など)から巣立ったばかりの幼鳥が庭木の中に隠れているのかな? 

スズメの親鳥がヤマボウシの枝から枝へと飛び移って餌を探しています。 
すると幼鳥が金魚のフンのように親鳥の後を追いかけます。 
どうやら親鳥が何か虫を捕らえたようです。 
それを見た幼鳥が慌てて下の枝(親鳥の横)に飛び降りると、翼を細かく震わせ餌乞い♪しました。 
親鳥から口移しで巣外給餌を受けたようですが、残念ながら枝葉の陰でしっかり見えませんでした。 
その後も幼鳥は親鳥の後をついて回ります。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 暗い茂みの奥の様子がよく見えるように、動画編集時に逆光補正を施しています。 
そのため、ヤマボウシの白い花(総苞片)がやや白飛び気味に見えるのは仕方がありません。 


どこか近くにスズメの巣があるようで、在巣の雛が一斉に餌乞い♪する鳴き声がときどき聞こえます。 
巣立った幼鳥の世話をする親鳥と在巣の雛に給餌する親鳥が分業しているのでしょう。 
もしや、このヤマボウシの樹上にスズメの巣があるのかと思って探したものの、見つかりませんでした。 
おそらく、この家の軒下などにスズメの巣があるのでしょう。 
実はこの全く同じヤマボウシの木で以前、野鳥の巣が作られていました。
▼関連記事(2年前の撮影) ヤマボウシ樹上に見つけたモズ?の古巣(野鳥)
その古巣は撤去されていて、今季はヤマボウシの樹上に鳥の巣はありません。
スズメ幼鳥
スズメ成鳥(親鳥)


2021/07/27

給餌後に雛の糞を巣から捨てるスズメの親鳥【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月下旬・午前後15:33〜16:17・晴れ
前回の記事:▶ 巣に通い雛に給餌するスズメ親鳥♀♂【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)
道路標識の支柱パイプ内の巣で育つスズメPasser montanus)の雛鳥2羽は、親鳥からもらった餌を食べた後に巣内で排便します。 
そのままでは巣内環境が不潔になってしまいますし、糞の匂いで捕食者に見つかりやすくなります。 
雛が排泄した糞を外に捨てに行き、巣内の衛生環境を清潔に保つのは親鳥の役目です。 
これを排糞行動と言います。 
雛の糞を咥えて飛び去るまでの行動はほんの一瞬なので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:13〜0:56、1:06〜1:43および 1:55〜2:42) 
スズメの排糞行動は240-fpsのハイスピード動画でも撮れていました。(@2:48〜) 

給餌の直後に雛が巣内で方向転換して脱糞するシーンが一度だけしっかり写っていました。(@2:25) 
鳥の雛が総排泄孔から白い糞を排泄する瞬間を初めて観察することが出来ました。 
巣口で待っていた親鳥が、出したてホヤホヤの糞を雛から受け取ると、嘴に咥えて捨てに行きます。 
成鳥の糞とは違って雛の糞はゼラチン質に包まれていますから、親鳥が嘴で咥えても不潔ではありません。 
幼い雛の糞は親鳥が丸ごと食べてしまうそうです。(私は未見) 

雛の糞を咥えた親鳥は巣口から外へ一目散に飛び出します。 
つまり、雛の糞を咥えたままで親鳥が無駄に油を売ることはありません。
一方、雛が脱糞しなかった場合、給餌後の親鳥は巣口からパイプや標識の上に一旦飛び乗って寄り道することが多く、少し休んでから次の採餌へ向かいます。(前回の記事参照) 

出巣直後の親鳥が雛の糞を落として捨てる場所は、巣の近くの電線など大体決まっているようです。 
その下の路上にはスズメの雛の糞が大量に散乱することになります。 
残念ながら親鳥が電線から雛の糞を吐き出して捨てるシーンは撮り損ねたものの、雛の糞で汚れた嘴を足元の電線で拭ってから次の採餌のために飛び去りました。(@2:43) 

スズメの親鳥が留守の間に雛が巣内で排便することもあります。 
給餌後に親鳥は雛が目の前で脱糞しなくても巣内を点検し、糞を見つけるとパイプの奥に入って取りに行きます。 
暗い巣内でも親鳥が見つけやすいように雛の糞は白く進化したのかな?と考えたくなりますが、鳥の糞はもともと白い尿酸が多く含まれているのです。 
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。 

雛の糞以外も食べ残しなどのゴミが巣内にあれば、同様に摘み上げて捨てに行きます。(@4:50) 
前回の給餌で右の雛に黒っぽい昆虫を与えたのですが、口に合わずに吐き出してしまったのです。(前回の動画参照@9:18) 
次の親鳥は給餌後に巣口に落ちていた食べ残しを拾って飛び去りました。 
その場で(巣口で)食べてしまっても良さそうなものですが、近くの歩道に降り立ってから食べました。 

前回の記事でも書いたように、この巣のスズメ雛鳥は採餌から戻って来た親鳥がパイプの上に着陸しただけでは餌乞いを始めることはほとんどありません。 
餌を運んできた親鳥の姿を直接見ないと餌乞いしないのです。 
ただ一度だけ、例外が動画に記録されていました。 
標識の裏を通って飛来した親鳥が白パイプ上に着地すると、その振動を感じた雛が親鳥の姿を見る前から餌乞いを開始したのです。(@4:32) 
交通量の多い車道の道端に営巣したので、巣内は車の騒音が反響して相当うるさいのかもしれません。 
たまたま車の通行が途切れたときに静かになり、パイプの振動を感知できるようになったのではないか?と推理してみました。 

2日後に現場を再訪すると、餌乞い♪する雛の鳴き声はなくなり、辺りは静まり返っていました。 
巣に出入りする親鳥もおらず、雛は全個体が無事に巣立ったようです。 
シリーズ完。

【追記】
スズメが営巣したパイプの直径を後日測りに行きました。
しかし、持参したミニ脚立の上に立ったぐらいでは巣口まで全然手が届きませんでした。
道路標識の支柱は丸いパイプを曲げただけの簡単な作りですから、太さは上から下まで同じはずです。
パイプの下部をノギスで測定すると直径(外径)9cmでした。
また、パイプの巣口は北北東の方角に開口していました。
雛の脱糞シーン

2021/07/25

巣に通い雛に給餌するスズメ親鳥♀♂【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

 

2021年5月下旬・午後15:27〜16:13頃・晴れ
前回の記事:▶ 道路標識の支柱パイプ内の巣で鳴く♪スズメの雛鳥(野鳥)
道路標識の支柱パイプ(直径9cm)内の巣にスズメPasser montanus)の親鳥♀♂が数分間隔で交互に(?)飛来して、腹を空かせた雛鳥に給餌しています。 
スズメの性別は外見で見分けられず、親鳥を個体識別できていないのですが、2羽の成鳥が入れ替わるように続けて給餌に来たことから(@6:30)、親鳥は♀♂共働きしていることが分かりました。 
親鳥の帰巣ルートや給餌までの一連の行動が♀♂各個体ごとに決まったルーチンがあるようで、それでも母親と父親を見分けられるかもしれません。 

餌を運んできた親鳥が巣口に止まると、2羽の雛は直ちに餌乞いを始め、チュンチュンチュン♪とやかましく鳴き始めます。 
カラスの雛は親鳥が巣に止まった振動を感じて餌乞いを始めるのですが、今回のスズメの雛は、親鳥の姿を直接見ないと餌乞いを始めませんでした。 
水平パイプの上に親鳥がトンと着地しただけでは、雛は反応しませんでした。 
これがスズメの雛全般に当てはまることなのか、観察例の少ない私には未だ分かりません。
今回のスズメの雛はあまり空腹ではなかっただけかもしれません。
パイプに何か物が当たって振動するのが日常茶飯事だとしたら(例えば雨粒)、雛がそれに反応しなくなるのは当然です。

雛が大きく開けた口の中は赤く、黄色い嘴で縁取られています。 
これを見ると親鳥は給餌したくなる衝動に駆られるのだそうです。
巣内の兄弟姉妹よりも空腹を強くアピールしないと、親鳥から優先的に給餌してもらえませんから、雛も必死です。
狭い巣の中で雛が翼を広げてばたつかせているようです。 
この行動は、隣の兄弟姉妹を牽制して(翼で押しのけて)前に出る効果がありそうです。 
雛の口の中に親鳥は数回に分けて餌を口移しで与えます。 
卵から孵化して何日目の雛か不明ですが、巣口で親鳥と雛が並ぶと、体格はほぼ同じぐらいまで育っていました。 
なぜか左の個体に給餌する頻度が高いようでした。 
あまりにも雛ががっついて餌乞いするので、せっかく持ってきた餌を与える前にポロリと落としてしまうことがありました。 

巣内の雛が給餌の度に毎回前へ前へ出るので、巣内に敷き詰められた枯草などの巣材も前にずれてきたり、外に巣材の断片が1本ずつ落ちてしまうことがあります。 

肝心の給餌メニューは映像を見返してもよく分かりませんでした。 
昆虫などの獲物だけでなく、植物質の餌も与えているようです。 
穀物(草の種子)なのかな? 
穀類(粒々)に見えるのは、蚊などの大量の死骸かもしれません。 
白い幼虫(蛆虫?)のような餌を与えたシーンもありました。 

パイプの開放端に止まって口移しによる給餌が終わると、親鳥は水平のパイプの上に駆け上がるように登ってから道路標識の天辺に飛び上がることがあります。 
そこで少し休んだり嘴を足元の標識で拭ったりしてから、次の餌を探しに出かけます。 
ただし、親鳥が巣口から直接飛び去ることもたまにありました。 
給餌後は道路標識のすぐ横に立つ電柱の足場ボルトに飛び上がって休むこともありました。(@2:05) 
餌で汚れた嘴を足場ボルトに何度も擦り付けて拭っています。 

入巣の直前にも辺りを警戒し、標識の天辺やパイプの上に一旦止まってから巣口に向かうことが多いようです。 
ただし、寄り道しないで巣口に直接着陸することもありました。 

もしかすると近くで撮影している私の位置によって親鳥は行動を変えているのかもしれません。(警戒?) 
スズメはわざわざヒトの近くで営巣し、巣を守るガードマンとしてヒトを利用しています。
こうした野生動物をシナントロープと呼びます。
今回の営巣地も交通量の多い通りの道端で、歩道から巣内が丸見えでした。 
スズメやツバメ以外の野鳥なら、こんな目立つ所に営巣するなんてあり得ません。

スズメの給餌行動は毎回あっという間に終わってしまうので、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:07〜) 
スローモーションで見てまず感嘆したのは、帰巣した親鳥の無駄のない鮮やかな足さばきです。 
パイプの開放端に掛けた足を滑らせながら巣口に飛び降りて、中を覗き込みます。 
巣口にしがみつたアクロバチックな体勢で雛と対面し、すばやく給餌します。 
パイプの中は暗いはずなのに、どの雛に給餌するか親鳥はすばやく見極めていました。 
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。 

最後の給餌シーンでは(@9:18)、せっかく大きな虫(黒い幼虫?)をもらったのに、味が気に入らなかったのか雛鳥は首を振って吐き出していました。 

今回は後半から一脚を使ったので、長時間の撮影でも疲労が少なく、手ブレをかなり抑えることができました。 
2羽の親鳥が給餌に来る時間間隔は測っていませんが、実は採餌場から帰巣する前に必ず近くの電線や電柱、ネットの上などに一度止まり、餌を咥えたまま辺りの安全を確かめていました。 
撮影者はそれを確認してから予め巣口に狙いを付けていたカメラの録画開始ボタンを押せば、給餌シーンを撮り逃がすことはほぼありません。
寄り道する親鳥の行動も動画で記録したかったのですが、カメラを振り回してしつこく撮り続けると警戒した親鳥が給餌しなくなるかもしれないと判断し、カメラは巣口を狙い続けることにしました。 

2021/07/21

ハシボソガラス♀♂抱卵期の朝の行動(野鳥)給餌・対他羽繕いなど

 

2021年5月中旬・午前5:50頃・晴れ

高圧線の送電塔#21に毎年営巣するハシボソガラスCorvus corone)の♀♂つがいを定点観察してきました。 
関連記事のまとめ(3年前の撮影)▶ ハシボソガラス(野鳥)の営巣観察:2018年 
2020年の繁殖期はちょうどコロナ禍が始まったせいで、出歩けなくなりました。
しかし、2020年から鉄塔の塔体ではなく腕金部分に巣作りする位置を変更していました。 
同じハシボソガラスでも同一個体とは限らず、もしかするとペアが代替わりしたのかもしれません。

2021年はどうでしょうか? 
早朝から見に来ると、親鳥♀が巣内に座って抱卵していました。 
巣内の様子は不明ですが、親鳥♀の尾羽がほんの少しだけ巣の外に飛び出しています。
(抱卵中と私は解釈したのですけど、産卵中だった可能性もあります。) 
しばらくすると、パートナーの♂が帰巣しました。
送電塔#21の近くの路上でアマガエルの死骸を拾ってきたのです。 
喉袋に入れて持ち帰ったカエルの肉片を在巣の♀に給餌したようです。 
しかし♀に給餌するのなら、カエルを細かくちぎらなくても丸ごと運んで来ればよい気がします。 
もしかすると、孵化直後の小さな雛に給餌したのかもしれませんが、餌乞いの鳴き声を私は聞き取れませんでした。 
給餌直後の♂は巣の真上の鉄骨に乗り、嘴を拭っています。 
喉袋はもう空っぽで、膨らんでいません。 

抱卵していたハシボソガラス♀が急に立ち上がると、飛び去りました。 
朝食後に抱卵を♂と交代するのでしょうか? 
おそらく水を飲んだり水浴しに行ったのではないかと想像しました。 
ところが、留守番を任された♂も巣から飛び去りました。 
♀と同じ方向に少し飛ぶと、送電塔から伸びる高圧線に止まり直しました。 
足元の高圧線で嘴を拭い、営巣地の周囲を見張っています。 

いつの間にか♀が戻って来ていて、♂と同じ高圧線の左側に少し離れて止まっていました。 
すると♂が飛んで♀の右隣に止まり直しました。(@1:25) 
左の♀が右の♂の羽毛を嘴で優しく整えています。(対他羽繕い) 
いつ見てもカラスの愛情表現は微笑ましいですね。 
♂は♀に羽繕いのお返しをしなかったので、「相互羽繕い」とは呼べません。

残念ながら撮影アングルがいまいちで、♀♂ペアが並んだときの体格差をしっかり比べることができませんでした。 
一般的に外見からカラスの性別を見分けられないのですが、「抱卵を主に担当するのは♀」らしいので、今回はそこから逆算して性別を決めました。 

♀が高圧線から飛び立つと、巣がある送電塔に帰りました。 
しかし巣内の卵(雛?)をちょっと確認しただけで、なぜかすぐにまた高圧線に戻ってしまいました。 
どうやら近くで巣をずっと見上げている私を警戒しているようです。 
それを察した私が営巣地から立ち去る素振りを見せてから振り返ると案の定、送電塔に戻った♀がピョンと巣に飛び乗りました。 
このときも雛鳥の鳴き声(餌乞い♪)は全く聞こえませんでした。 
やはり未だ卵の段階だと思います。 
巣内に座ると親鳥♀の姿はほとんど見えなくなりました。
抱卵を再開したようです。 
一方、♂はまだ高圧線に居残って縄張りを油断なく見張っています。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。



 

2021/06/20

クルミの殻を投げ落として割り抱卵中の♀に給餌するハシボソガラス♂(野鳥)

 

2021年3月下旬・午前9:50頃・くもり 

舗装された堤防路でハシボソガラスCorvus corone)がオニグルミの実を嘴でいじくり回していました。 
これからクルミ割り行動が見れそうです。 
ようやくクルミを咥えると飛び立ち、急旋回してから近くの電柱に止まりました。 
すぐに電柱から飛び上がると、空中でクルミを離して落としました。 
堤防路から横の土手に転がりかけたクルミをハシボソガラスが追いかけて拾いました。 
落下の衝撃でクルミの硬い殻が上手く割れたようです。 
カラスは足でクルミを押さえながら割れ目に嘴の先を叩き込んで割り、中身をほじくり始めました。 
しかしハシボソガラスの喉袋が膨らんでいることから、自分で食べているのではないようです。 
これから誰かに給餌するのか、それともどこかに隠すのかな?(貯食) 
しかし、クルミを貯食するのなら殻付きのまま隠さないと保存性が低下するはずです。
やがてカラスはクルミの殻を路肩に残して飛び去りました。 
近くの枯木の天辺に止まり直したカラスの喉袋が明らかに膨らんでいます。 
ここで私は動画の撮影を中断してしてしまったのですが、その隙をついてカラスは枯木から飛んで帰巣しました。 
河畔林の樹々は未だ落葉したままですが、近くのニセアカシア(別名ハリエンジュ)樹上に立派な巣が完成していました。 
私が慌てて巣にカメラを向けると、カラスはすぐに巣を離れてしまいました。 
繁殖期の野鳥はとにかく巣の場所をヒトに知られたくないのです。 
出巣したハシボソガラスは止まり木(落葉樹)で嘴を拭いました。 
このとき喉袋の膨らみが無くなっていることから、クルミの実を誰かに給餌した直後であることが分かります。 
シャイなカラスは、私から見えない枝の死角に隠れようとしています。 

改めて私がハシボソガラスの巣にズームインしてみると、巣の上から黒い頭が少しだけ覗いていました。 
♀が抱卵しているのでしょう。 
ということはつまり、投げ落としでクルミの殻を割っていた♂が、巣で抱卵中の♀に甲斐甲斐しく給餌したと分かりました。
クルミを詰め込んだ喉袋が膨らんでいる
抱卵している♀の黒い頭がほんの少しだけ見える?

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