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2018/06/12

カワガラス:厳冬期の潜水漁(冬の野鳥)



2018年2月中旬

街中を流れる川でまたカワガラスCinclus pallasii)を見つけました。
撮影しようと私が不用意に近づくと、カワガラスは鳴きながら川面の上空を低空で飛んで逃げてしまいます。
鳴き声はチュンチュンチュン♪またはチッチッチッ♪と聞こえました。
警戒心が強いようですが、今回もなんとか潜水漁を動画で記録することが出来ました。

カワガラスは川中にある岩の上に乗って、捕ってきたばかりの獲物を岩に叩きつけて殺していました。
川の両岸は積もった雪が壁のようになっています。

うっかり獲物を落としてしまいましたが、すぐに拾い直しました。
食べ残し(食べ滓)を岩の上に置きました。
なんとなく貝殻のような気がします。
食後は川の水で嘴をゆすぎました。
すぐに再び冷たい川に飛び込んで漁を再開。

同じ岩にピョンと飛び乗るように戻って来たカワガラスは空荷でした。
どうやら今回は不漁に終わった模様です。
ときどきパチクリと瞬きすると白い瞬膜が目立ちます。
尾羽根を忙しなく上下に動かしています。
岩から飛び立ち、漁をする場所を変えました。

切り立ったコンクリートの護岸には枯れ草が垂れ下がっていて、一部は残雪に覆われています
そこで何か動く獲物(虫?)を見つけたのか、橋の下の近くの護岸をカワガラスは少し調べてから飛び去りました。


そっと追いかけて三度目に見つけたときは、川の中央部で潜水と息継ぎを何度も繰り返していました。
水中で見つけた獲物を嘴に咥えると、飛んで岸壁に戻りました。
すぐに入水し、潜水漁を再開。
泳ぎながら川の中央部(流れの早い瀬の部分)へ向かいます。
最後は上流へ飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ときどきしか冬の川に通えませんでしたが、カワガラスに出会えたのはこの日が最後でした。
街中を流れる川で餌を食べ尽くし、縄張りを変えたのでしょうか。
それとも繁殖期が始まると上流域の渓流に戻るのでしょうか。



2018/06/06

イラガ(蛾)の繭を割る名手アカゲラ♂(冬の野鳥)♪



2018年2月上旬・午前11:58〜12:08


▼前回の記事
ソメイヨシノの幹をつつくアカゲラ♂♪【HD動画&ハイスピード動画】(冬の野鳥)


小雪がちらつく正午頃、庭木のソメイヨシノに来ていたアカゲラ♂(Dendrocopos major)がキョッ、キョッ♪と鳴きながら細い枝を下から上へ登り始めました。

冬芽の付いた小枝の途中にイラガMonema flavescens)の繭を見つけ、嘴で早速つつき始めました。
シュウ酸カルシウムの硬くて厚い殻で守られたイラガ繭をつつく合間にもキョッ、キョッ♪と鳴き続けています。
桜の小枝にしがみつき逆さまにぶら下がっているアクロバチックな体勢ではなかなか力が入りません。
数年前の冬にも、割れずに諦めたりひどく苦労して割っていたアカゲラを観察しています。

▼関連記事
イラガの繭を割って食べるアカゲラ【冬の野鳥】
アカゲラ♀がイラガ(蛾)の繭を砕いて採食【冬の野鳥】

秋にイラガ幼虫が細い枝先に繭を作るのも、越冬中に啄木鳥に捕食されないための対策ではないかと私は考えています。

「細い枝先でイラガ繭はなかなか割れないぞ」と思いつつ見ていると、このアカゲラ♂個体は驚くべき技巧者でした。
小枝からイラガ繭を丸ごと器用に取り外すと、咥えて下に飛び降りました。
幹に移動して、安定した足場のある所で硬い繭をじっくり砕き、中で越冬していた前蛹を食べたようです。(幹の陰で死角)

食べ終わると、味を占めたアカゲラ♂は再びピョンピョンと跳ねるように木登りして枝先で次の餌を探します。
すぐに新しいイラガ繭をつつき始めました。
逆さまになって小枝にぶら下がる体勢になると、アカゲラ♂の下腹全体が真っ赤でとてもよく目立ちます。
今回も、繭と小枝の接着面を何度かつついてから咥えてねじる動きを繰り返しています。
小枝から剥がした繭を咥えて飛び降りました。
先程と同様に、幹に移動して硬い繭を割り始めました。
残念ながら死角でよく見えませんが、何度か繭を咥え直して、幹に置く場所や繭の向きを変えている様子。
いつの間にか、嘴に咥えていた繭が無くなっていました。
叩き割った繭の中身(前蛹)を食べ終えて、殻は捨てたのでしょう。
もしかして採取したイラガ繭を幹の隙間にでも埋め込んで貯食していたらとても面白いのですが、その現場を見た訳ではないので、今のところ私の妄想です。

再び鳴きながら木登りを始めました。
小枝の先に作られた3個目のイラガ繭を目ざとく見つけると、早速つつき始めます。
今度は斜めにぶら下がる体勢で、逆さまにぶら下がるよりも作業が楽そうです。
案の定、今回はすぐに繭が割れて穴が開きました。
その場で緑色の前蛹をぺろっとたいらげました。

幹に戻り探索を再開。
水平に伸びた小枝の先に2個並んで作られたイラガ繭の一つをつつき始めました。
逆さまにぶら下がる体勢になっても、もう手慣れたものです。
繭に開けた小さな穴から緑色の前蛹をひきずり出すと、少しずつ捕食しました。
食べ終えると更に枝先へ移動し、すぐ隣にあるもう一つのイラガ繭をつつき始めました。
逆さまにぶら下がる体勢でバランスを保つのも苦労しています。
自分が枝先でくるくる向きを変えて繭をつつくアングルを確保すると、手際よくイラガ繭を小枝から剥がしました。
採取した繭を咥えて飛び降りました。
近くの木の幹に移動して安定した足場でイラガ繭を壊して中身を食べるようです。

それにしても、桜の庭木にこれほど多くのイラガ繭が作られていたとは私も気づきませんでした。
アカゲラは冬の間に害虫駆除してくれる優秀な作業員ですね。

冬になるとアカゲラによるイラガ繭の捕食行動を何年も観察してきましたが、今回の♂個体の採食法は最も洗練されていました。
アカゲラが硬いイラガ繭を2段階で捕食するやり方は初めて見ました。
細い小枝に作られたイラガ繭にその場で穴を開けるのが難しければ、繭を丸ごと慎重に剥がし取ります。
足場の安定した幹に運んで行くと繭を足で固定し、嘴で割って中身を食べるのです。
これを何度も繰り返していました。
繭の採取と破壊の工程を分けてしまうのです。
発想は単純ですが、すごい発明です。
まるでコロンブスの卵(目から鱗)でした。
この♂個体が長年の経験を積んで学習し、自分で編み出したのでしょう。
もし啄木鳥の全個体がこの採食法を身につけてしまうと、越冬中のイラガ繭は全滅の危機に瀕しそうです。
そうなるといずれまたイラガ個体群の中で新たな対抗策を編み出す個体が登場して、巧妙で鉄壁な防御が進化するでしょう。
手始めに、小枝への接着面を更に強化するはずです。
食う食われるの軍拡競争はもはや、最強の矛と最強の盾による単純な強度任せの対決には留まらなくなっているのです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→細い枝先からイラガ(蛾)繭を剥がして持ち去るアカゲラ♂(冬の野鳥)


アカゲラ♂(冬の野鳥)@ソメイヨシノ樹上+イラガ(蛾)繭破壊捕食
アカゲラ♂(冬の野鳥)@ソメイヨシノ樹上+イラガ(蛾)繭破壊捕食
アカゲラ♂(冬の野鳥)@ソメイヨシノ樹上+イラガ(蛾)繭破壊捕食
アカゲラ♂(冬の野鳥)@ソメイヨシノ樹上+イラガ(蛾)繭破壊捕食

2018/06/03

ソメイヨシノの幹をつつくアカゲラ♂♪【HD動画&ハイスピード動画】(冬の野鳥)



2018年2月上旬・午後12:00頃

小雪がちらつく正午頃、民家の庭から啄木鳥の鳴き声がするので探すと、庭木ソメイヨシノの幹をアカゲラ♂(Dendrocopos major)が登り降りしていました。

キョッキョッ♪と鳴きながら、桜の幹を嘴でコツコツ、コンコン♪と激しくつついています。
後半は、木をつつく行動を240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:34〜)
無音になるのは、カメラの仕様です。

スローモーションで見ると、樹皮の破片が砕け落ちる様子や舞い散る雪が絵になりますね。
つついた直後に材の破片を嘴で千切り取って捨てています。
アカゲラ♂は幹の同じ場所に狙いを定め、繰り返しつついて穿孔しようとしています。
力任せにつつくだけではなく、嘴を穴に差し込んで首をねじりドリルのように繊細に動かしたり、つつく角度を変えたりすることもありました。
つつく合間に、細い針金のような舌が嘴に引っ込むのが見えました。
しかし材の中に潜んでいるカミキリムシなどの幼虫に逃げられたようで、獲物を捕食することなくアカゲラ♂はつつく場所を変えました。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アカゲラ♂(野鳥)@ソメイヨシノ幹+樹皮つつき

2018/05/29

真冬の川に潜って小魚を捕食するカワガラス(冬の野鳥)



2018年1月上旬


▼前回の記事
潜水漁で川虫を捕食するカワガラス(冬の野鳥)

街中を流れる川の、雪が積もった中洲を拠点にカワガラスCinclus pallasii)が潜水漁を続けています。

今度は水中で細長いミミズのような獲物(小魚?)を捕らえ、川岸の岩に持ち帰りました。
かなりの大物です!
ピチピチと暴れる獲物を岩に繰り返し叩きつけて殺します。
おそらくミミズではなくて、小さな川魚のようです。
この作業中に勢い余って獲物を何度も落としてしまうのですが、獲物はもう動かなく(逃げなく)なりました。
しめた獲物をようやく丸飲みにしました。
食後は川岸から川の水を飲み何度も嘴をゆすぎます。
すぐにまた入水し、潜水漁を再開。

厳冬期に冷たい雪解け水が流れる川で潜水漁を続けるカワガラスは、どんな優れたウェットスーツ(ドライスーツ)を着ているのでしょう?
水を弾き断熱性に優れたダウン(羽毛)の素材に秘密があるはずです。


※ いつものように動画編集時に手ブレ補正処理を施したら、川の流れが絶えず写り込んでいるために、副作用で却っておかしな映像(グニャグニャして、ちょっと気持ち悪い映像)になってしまうのです。
せめて一脚を持ち歩くべきですね。

ここまでが同じ日に同一個体のカワガラスを連続観察した記録です。
望遠レンズを付けた重いカメラを手で持ち、かなり粘って動画を長撮りしたら、腕や肩の筋肉が限界を迎えました。


【追記】
水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、

平地の汚れた河川では姿は絶対に見られない。(中略)カワガラスの驚異的な耐寒性には感嘆させられる。尾の付け根から分泌される油脂をくちばしで常になすりつけ、体全身が油膜に覆われているためで、水中で翼を使って泳ぐ姿は水を遮断して白く光って見える。(p84より引用)




今回私がカワガラスを見つけた川は平地を流れコンクリートで護岸され、周囲の生活排水も流れ込むような川でした。
餌の乏しい厳冬期に上流(渓流)から下りてきたのでしょう(例外的な移住)。


2018/05/25

潜水漁で川虫を捕食するカワガラス(冬の野鳥)



2018年1月上旬
▼前回の記事
川岸で雪を食べるカワガラス(冬の野鳥)


街中を流れる川で雪の積もっていない護岸に居たカワガラスCinclus pallasii)が飛んで、川中の岩に移動しました。
岩の上に積もった雪を繰り返し食べていましたが(前回の記事)、遂に岩から川に飛び込んで潜水漁を開始。

飛んで川から同じ岩に戻って来たカワガラスは、嘴に黒っぽい獲物を咥えていました。
それを岩に叩きつけてから捕食しました。
食後は嘴を川の水ですすぐと、またすぐに入水し、潜水漁を再開。
しかし空荷ですぐに戻って来ました。

少し休むと、雪が積もった岩から川に飛び込みました。
泳いで(川底を歩いて?)岩に戻ったカワガラスは、嘴に何か黒っぽい小さな獲物を咥えていました。
岩に叩きつけて殺してから捕食します。
岩から上流へ向かって飛び込んだときは、獲物を捕らえると水面に顔を出し流れに乗って川面をスーッと泳いで帰ってきます。

良い漁場を見つけたようで、空荷で戻ることがなくなりました。
川に入る度に毎回獲物を捕らえて帰ってきます。
水中で捕らえた獲物をその場で飲み込まずに、陸上に持ち帰ってから食べるのはなぜでしょうか?
生きが良くて暴れる獲物は、岸で岩に叩きつけて殺す必要があるのでしょう。

川の堤防から撮っている私の背後を車が通りました。
そのタイミングで、カワガラスは上流へ飛んで行き、漁場を変えました。

今度は川の中洲を拠点にして潜水漁を繰り返すようになりました。
泳ぎながら何度も潜って獲物を探しています。
息継ぎで頭を上げるときは常に上流を向いていました。
流れから何度も頭を出し入れしていたカワガラスが、川の中で足が付く浅い場所を見つけて立ちました。
上流を向いて休憩すると、再び入水。

映像後半は、また漁場を変えてからの様子です。(実は編集で順番を入れ替えました)

カワガラスを見る角度によって、黒というよりも褐色に見えるときがあります。

望遠レンズを使っても遠いので獲物の正体はさっぱり分からないのですが、おそらく川虫(水生昆虫)なのでしょう。
丸くて黒っぽい小石のような獲物は貝の仲間ですかね?
岩に叩きつけて貝殻を割り、中身を食べているのではないかと想像しました。

この川は渓流どころか街中を流れているので、清流というイメージはありませんでした。
しかし、厳冬期でもかなり餌の豊穣な川だとカワガラスに教えてもらいました。



※ 望遠レンズを装着したカメラを手持ちで撮影した映像そのままです。
いつもなら動画編集時に必ず手ブレ補正処理をするのですが、今回は川の流れが絶えず写り込んでいるために、副作用で却っておかしな映像になってしまうのです。
せめて一脚を持参すれば良かったですね。


つづく→小魚を捕食するカワガラス




【追記】
後澤正知『渓流の忍者カワガラス』を読むと、潜水漁の秘密を知ることができました。
カワガラスは、水中の水生昆虫を餌にしているのです。(中略)カワガラスが水面に浮かずに川底を歩けるのは、流れの速いところに潜って羽を広げ、水流の圧力を利用して体を押さえているらしいのです。カワガラスの羽毛は密に生え、尾の近くにある羽脂腺は発達していて、体中にぬった脂が水をはじきます。また足の裏はゴツゴツしていてすべり止めに役立っています。(上越鳥の会『雪国上越の鳥を見つめて』p223-224より引用。)
わずか4ページの短い報文ですが、営巣地の写真や繁殖の観察記録もあってとても参考になりました。


2018/05/21

ダイサギが足踏み追い出し漁で川魚を3匹捕食(野鳥)



2017年11月下旬

街中を流れる川で1羽のダイサギArdea alba)が岸辺をこちら(上流)に向かってゆっくり歩いて来ます。
一歩ずつ歩きながら川底の泥を足でわざとガクガクと踏みしめていました。
これは、小魚など隠れている獲物を追い出そうとしているのです。
このような写真では記録できない行動こそ、動画の出番です。

▼関連記事(約10ヶ月前の撮影で計3羽の別個体)
足踏みで川魚を追い出し捕食するダイサギa(冬の野鳥)
川で足踏みしながら魚を探し回るダイサギc(冬の野鳥)
川で足踏みして追い出し漁をするダイサギe(冬の野鳥)

ダイサギが「足踏み追い出し漁」をしながら上流へ向かって川を遡上するのも、意味がありそうです。

もし逆に下流へ向かって歩いて行くと、足踏みして川底を掻き乱した結果、濁った水が行く先に流れて魚影が見えなくなってしまうでしょう。
しかし上述した昔の記録を読み返すと、ダイサギは必ずしも上流へ向かうばかりではありませんでした。
これは漁の可否(上手下手、成功効率)に影響するはずですから、経験の浅い若い個体は自分で学習しないといけないのかもしれません。

6分間ほど長撮りしている間に、小魚など獲物を3回も捕食していました。
なかなか高い成功率(効率の良い漁法)と言えるでしょう。


  1. 何か小さな獲物を捕食。(@2:36) 
  2. 川の中をゆっくり渡渉しながら急に向きを変えると、翼を広げてバランスをとりながら嘴を一閃し、見事に小魚を捕らえました!(@3:43)
  3. ゴミと一緒にまた小魚を捕らえました。(@5:36) 暴れる魚を咥えながら器用にゴミだけを捨て、獲物を丸呑み。
もちろん、獲物に逃げられ捕食に失敗することも何回かあります。

私は釣りをやらないので知りませんでしたが、お世辞にも清流とは呼べないこんな街中の川にも魚が結構居るのだなとダイサギに教えられました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
大田眞也『田んぼは野鳥の楽園だ』という本を読んでいたら、気になる記述がありました。
(コサギは)片方の足を前方に出して震わせ、ドジョウすくいのような格好で、魚やアメリカザリガニなどを追い出して捕食しています。ダイサギやチュウサギにはこのような習性はなく、ただじっと獲物が近づくのを待って捕食しています。(p81より引用)
著者は私なんかより遥かに熟練のバードウォッチャーですが、畏れながら下線部に対して私は複数の証拠映像を添えて異議を申し立てます。
大田氏のフィールドは九州なので、私が見ている東北地方のダイサギとは習性が異なるのでしょうか?(地域差)
ダイサギはオオダイサギとチュウダイサギという2亜種に分けられるそうなのですが、私には外見で亜種を見分けられません。亜種によって食習性が異なるのでしょうか?
それともダイサギが足踏み追い出し漁をするようになったのは、比較的最近のことなのかな?



【追記2】
孝森まさひで『フィールド版カモ類の観察』を読んでいたら、ダイサギの亜種(オオダイサギとチュウダイサギ)の見分け方が書いてありました。

冬、日本で過ごす亜種(オオダイサギ)は脚が肉色をしている。嘴は冬羽では両亜種とも黄色。(中略)この2亜種の場合は体の大きさ、脚の色が違う。 (p54より引用)

しかし、今回の動画では泥で汚れていて脚の色が分かりませんね。


【追記3】
松原始『鳥類学者の目のツケドコロ』に読むと、「コサギ独特の足で獲物を追い出す行動」について詳しい解説がありました。
 これはタモ網を使った捕獲とまったく同じ方法です。タモ網で魚を獲るとき、無闇に網を突っ込んで魚を掬い上げようとしても、なかなかうまくいきません。こういうときは、魚の潜んでいそうな場所の先にそっと網を差し入れ、足でガサガサと水底を踏んで、魚を網のほうに追い立てるのが得策です。魚が勝手に網に飛び込んできてくれます。これを「ガサ」などとも呼びます (電子書籍版より引用)

筆者はさらに次のような面白い仮説を提唱しています。
コサギだけが妙に目立つ黄色い足先を持っているのも、この行動と関係しているかもしれません。黒と黄色という取り合わせは警告色に使われるくらい、目立ちやすい色合いです。黄色い足先で、より魚を脅しやすくしているということも、あるのかもしれません。(同書より引用)
 しかし、ダイサギの足は黒いけどコサギと同じような足踏み追い出し漁をするぞ?と反論したくなります。
 松原氏のフィールドは京都周辺で、大田氏と同じく西日本です。
ダイサギはもう少し歩いて探すこともありますが、コサギに比べればあまり動きません。(同書より引用)
こうした記述は、どうも東北地方の雪国をフィールドとする私の観察結果と一致しなくて、読んでいても首をひねるばかりです。
そもそも私が見かける白鷺はダイサギばかりで、今のところ一度もコサギを見たことがないのです。
専門家や偉大な先人の書いた書物は参考になりますけど、どうも鳥の生態や行動には地域差がありそうなので、本の内容を鵜呑みに出来ません。
結局のところ、自分のフィールドのことは自力でコツコツ調べていくしかありません。
ダイサギ(野鳥)@川+足踏み追い出し漁
ダイサギ(野鳥)@川+足踏み追い出し漁
ダイサギ(野鳥)@川+足踏み追い出し漁

2018/05/14

池から次々に飛び立つダイサギ(野鳥)【HD動画&ハイスピード動画】



2017年10月中旬

浅い池で3羽のダイサギArdea alba)が互いに離れ片足立ちでのんびり佇んでいました。
私がしつこく望遠レンズを向けていると警戒され、まず一羽aが飛び去りました。(撮影に失敗して映像無し)
続けてもう一羽bが飛び立ちました。(@1:19)

最後に残った個体cの飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:27〜)
身を屈めて脚力でジャンプしながら翼を力強く羽ばたいて離陸します。
白鷺の美しい飛翔シーンを上手いこと流し撮りすることができました。
スローモーションにすると見応えがありますね。
先に飛び去った仲間の後を追うように同じ飛行ルートを取りました。


後半は、飛び立つ前の行動をとらえたおまけの映像です。

別の記事にするまでもないと思い、ここでついでに紹介します。

(その1:身震い@2:25〜)
池に佇んでいた個体cがその場で翼を激しくばたつかせて身震いしました。
顔も左右に振っています。

(その2:漁の失敗@2:51〜)
浅い池を渡渉していたダイサギcが突然嘴を水面に突き刺しました。
しかし魚を取り逃がしてしまったようです。
顔を左右に激しく振って、濡れた嘴の水気を切りました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/05/13

キイロスズメバチ♀がセイタカアワダチソウの花で吸蜜しセイヨウミツバチ♀を狩る



2017年10月下旬

湿地帯に近い遊歩道の脇に背高く咲いたセイタカアワダチソウ群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
種々のハナアブ類に混じって花蜜を舐めているようです。

スズメバチの吸蜜シーンは珍しいと思い動画を撮り続けていると、急に花穂の外側に向き直り、近くに飛来したセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀を捕獲しました。
花上で獲物を狩った瞬間を撮れたのは初めてですが、無造作に飛びついて捕獲しただけでした。

セイタカアワダチソウの黄色い花の上ではキイロスズメバチの体色はあまり目立ちませんから、もしかすると花蜜目当てに訪花していたのではなく、獲物を待ち伏せするための攻撃的擬態(ペッカム型擬態)なのかもしれない?と妄想してみました。
それまでに何度かハナアブ類とニアミスしていたキイロスズメバチ♀は、獲物に対して敏感になっていたのでしょう。

餌食となったミツバチの花粉籠に少量の花粉団子が付いていました。
キイロスズメバチは毒針は使わずすぐに大顎で獲物に噛み付いて仕留めるはずですけど、花の陰に隠れてしまいました。
獲物の首元(頭部?)を咥えて飛び去る瞬間、セイヨウミツバチ♀は反撃の毒針を出していました。
この後、キイロスズメバチはどこか近くで肉団子を作り、巣に持ち帰るはずですが、見失ってしまいました。



2018/05/10

雛鳥のために捕らえた虫を運ぶムクドリ(野鳥)



2017年5月下旬

河川敷に生えたニセアカシア(別名ハリエンジュ)の樹上でムクドリSturnus cineraceus)が嘴に大量の虫を咥えていました。
ニセアカシアの白い花が満開です。
ムクドリはすぐに飛んで逃げて行きました。
おそらく巣に戻って雛に給餌するのでしょう。
親鳥が虫を捕らえる度に一匹ずつ巣に運んでいたのでは無駄が多いので、何匹も嘴に溜めてから帰巣しまとめて給餌するのです。
複数の獲物を咥えておきながらどうやって新しい獲物を捕らえることが可能なのか、いつも不思議に思います。
嘴を開くとせっかく咥えていた獲物が落ちてしまいそうに思うのですが、何か工夫があるのでしょうか?

実はこの親鳥は河畔林で捕虫していたのではありません。
それまで土手の辺り(地上)に居たのに、私が通りかかったせいで警戒し樹上に一時避難したのでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/05/04

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガードと性的共食い



2017年10月上旬

田んぼでは稲刈りが始まっていました。
農道沿いに繁茂するセイタカアワダチソウの群落を見て歩くと、花が咲く前(蕾の状態)の花穂に止まっているアカオニグモ♂(Araneus pinguis)を発見。
黒くて複雑な形状の触肢が発達しているので、交接可能な成体です。
その左側の株では葉や蕾の花序を糸で綴り合わせた隠れ家があり、中には大型のアカオニグモ♀が潜んでいました。
セイタカアワダチソウの株間に張り渡した網は強風でほとんど壊れていました。
おそらく♀亜成体が脱皮して成体になるまで♂が辛抱強く待っているのでしょう。(交接前ガード)
アカオニグモ♂の居るセイタカアワダチソウの茎は♀の作った網から糸で繋がっていませんでしたが、おそらく強風でセイタカアワダチソウ群落が激しく揺れたせいで糸が切れてしまったのだと思います。


▼関連記事(1年前の撮影)
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

クモ生理生態事典 2016』でアカオニグモの項目を参照すると、「交尾は8月,9月には 雄は見られない」とありますが、今回の記録はそれに対するささやかな反例になります。
地方によって出現時期にズレがあるのでしょう。

このアカオニグモ♀♂ペアを採集して飼育下で配偶行動を観察しようか迷ったのですが、この日の私は病み上がりで余力がありませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂・全景
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂


10日後(10月中旬)に再訪すると、交接前ガードしていた♂の姿が見えなくなっていました。
興味深い配偶行動を見逃してしまったようです。


同じ農道沿いでセイタカアワダチソウ群落のラインセンサスをすると、別個体のアカオニグモ♀が潜む隠れ家を新たに見つけました。
糸でラッピングされた小型のクモに噛みついて吸汁しています。

写真をよく見るとその獲物は腹部が黄色くて、どうやらアカオニグモ♂のようです。
(ムツボシオニグモの可能性は? ラッピングを取り上げて確認すべきでした。しかしムツボシオニグモがわざわざ他種の網に侵入する理由は無いでしょう。)
交接の成否は不明ですが、性的共食いが行われ♂は♀の餌食になってしまったようです。
私がもう少し早く見つけていれば、興味深い配偶行動の一部始終を観察できたかもしれません…(残念無念)。


アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)・全景

2018/03/10

脱皮中のコバネササキリ♀を捕食するヤミイロカニグモ(蜘蛛)



2016年10月中旬

農道のガードレール下に生えたススキの茎でコバネササキリ♀(Conocephalus japonicus)が最終脱皮していました。
ススキの茎に下向きで止まっています。
口元に見えるのは抜け殻(羽化殻)でしょう。
もしかすると、脱皮後に抜け殻を食べる習性があるのかもしれません。

何か様子が変なので、よくよく見ると、カニグモの仲間に捕食されているところでした。
クモは獲物の腹端の辺りを噛み付いています。
コバネササキリ♀の産卵管は長いのに翅が未だ短いのは、羽化したばかりで翅が伸び切る前の無防備な状態のときに襲われたのでしょう。
もしコバネササキリ♀が元気なら、カニグモもこんな巨大な獲物は易々と狩れない気がします。

後半は広角で接写しながら大胆に近づいてみました。
気配を感じたクモは第1、2歩脚を左右に大きく広げて威嚇姿勢になりました。
私がススキの茎を指で軽く叩いたら、クモが巨大な獲物を咥えたまま茎を回り込んでくれました。
クモの背側がしっかり見えるようになり、ヤミイロカニグモXysticus croceus)と判明。
更にススキの茎を引き寄せたら、警戒したヤミイロカニグモが茎の裏側へ裏側へと回り込んで必死に私の目から隠れようとします。

撮影後もしつこく追い回してクモを採集しようとしたら、遂には逃げられてしまいました。
そのため、クモの性別をしっかり見分けられませんでした。



2018/02/22

花壇で獲物を吸汁するアオメアブ



2017年8月下旬

センニチコウ(千日紅)の花が咲き乱れる花壇でムシヒキアブの一種を発見。
他の虫を撮っていた私が知らずに近づいたせいで、ムシヒキアブが少し飛んで花壇の端に生えたイネ科の雑草の葉に避難したのです。
どうやら食事中を邪魔してしまったようです。
正面から顔を見ると、複眼がメタリックな緑色の構造色で美しいですね。

更に少し飛んで移動し、今度はセンニチコウの茎に止まり直しました。
今度は背側を向いて止まってくれました。

複眼の形状から♀と判明。
抱えている獲物には体が黒く透明な翅がありますが、正体不明です。
訪花昆虫を襲って狩り、体液を吸汁するのでしょう。

どうやらアオメアブCophinopoda chinensis)のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事(2年後の撮影)マメコガネを吸汁するアオメアブの飛び立ち【HD動画&ハイスピード動画】



2017/12/04

ハスの葉に乗り虫を捕食するスズメ(野鳥)



2017年7月下旬・午前6:50

朝の蓮池に飛来したスズメPasser montanus)が水面を覆うハス(蓮)の葉に着陸しました。
体重が軽いので、沈まずに水面に浮いていられます。
葉から葉へときどき走り回って、何か虫を捕食しているようです。

もう1羽は初め、大きな蓮葉の下で休んでいました。
まるで大きな日傘をさしているようです。
スズメは長い茎にも器用に止まることが可能です。

蓮の葉は高い撥水性を持つため、スズメが動くことで葉に付いていた大きな水滴が玉のように動きます。

▼関連記事
水を弾き泥汚れも付かないハスの葉の秘密:ロータス効果の実演

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ハンディカムで撮ったので、画質や望遠性能がいまいちです。



2017/12/02

高圧線鉄塔に運んだ獲物をついばむノスリ(野鳥)



2017年7月上旬・午前4:28〜4:40 (日の出時刻は午前4:22)

早朝の田園地帯で、1羽の大型の猛禽類αが奇妙な飛び方をして(ヒラヒラとチョウゲンボウみたいな飛び方)道端の電柱(いわゆる普通の高さの電柱)に止まりました。
(映像はここから)
私を警戒してそこから更に飛び立ち、近くの高圧線鉄塔#23に向かいました。
このとき、力強く飛び去る猛禽類が足の鉤爪で何か獲物を掴んで運んでいることに気づきました。
空輸する獲物が重くて、いつものように上手く飛べないのでしょう。
映像冒頭は1/4倍速のスローモーションで始まります。
獲物は自分で狩りをして仕留めた小動物(哺乳類)なのか、それとも夜に車がはねた死骸(ロードキル)を見つけただけなのか、正体不明です。
死肉食ならノスリよりもトビMilvus migrans)の可能性が高まります。

私も急いで追いかけると、おそらくノスリButeo japonicus)と思われる猛禽類が高圧線鉄塔#23の鉄骨中段に止まり、足元の獲物を食い千切って捕食していました。
獲物が重くてこれ以上高く運び上げられなかったのかな?
この時点でカメラを上にパンしても、この鉄塔に他の野鳥は止まっていませんでした。
(鉄塔の最上部まで確認していないのが痛恨のミス)
ノスリ?αはキョロキョロと辺りを警戒してから朝食を摂り始めました。
獲物を足で押さえつけながら鋭い嘴で細かく引きちぎり飲み込んでいます。
やがて、どこからともなくピーエ♪という甲高い鳴き声が繰り返し聞こえるようになりました。
食事中のノスリ?αはこの鳴き声を聞いてもあまり気にせずに、獲物を食べ続けます。

鳴き声の主を探して私がカメラを上にパンすると、鉄塔の天辺にもう1羽のノスリβを発見。
私が知らぬ間に飛来したようです。
実はここはノスリのお気に入りの止まり場所なので、通りがかる度に気にして見るようにしています。(ノスリの定点観察)

▼関連記事
高圧線の鉄塔で羽繕いするノスリ(野鳥)
高圧線の鉄塔から見張るノスリ(野鳥)
高圧線の鉄塔で鳴いて♀を呼び寄せるノスリ♂(野鳥)

ピーエ、ピーエ♪という甲高い鳴き声と嘴の動きが一致したので(リップシンクロ)、鳴いていたのはこの個体βで間違いありません。
早朝から縄張り宣言の囀り♪(モーニングコール)でしょうか。
餌乞いの際は違う鳴き方をするような気がします。
鳴いているノスリβはときどき下を見ているのに、獲物をねだったり奪いに行かないのが不思議でなりません。
鉄塔は末広がりの構造なので、天辺から見下ろせば確実に食事中のノスリαの存在に気づくはずです。
この2羽はつがいの関係なのか、それとも親子なのかな?
その間、鉄骨中段でノスリ?αは黙って小動物を食べ続けています。

ここで私が欲を出して、真横からのアングルを確保しようと少し動いたら、警戒したノスリαに飛んで逃げられてしまいました。(痛恨のミス)
慌てて飛び去る姿をスローモーションで見直すと、今度は足の鉤爪に何も運んでいませんでした。
獲物はもう食べ尽くしてから飛び去ったのでしょう。
実は捕食シーンを撮影した個体αもノスリだと思っているのですが、識別点である翼の下面の模様を確認できていませんし、特徴的な鳴き声も発しませんでした。(例えば、実はトビだったのかもしれません。)

一方、鉄塔の天辺には相変わらずノスリβが残って鳴き続けています。
αが飛び去った方角をちょっと振り返って見ただけです。

私が更にもう少し横にずれると、ノスリβが再び鳴き始めました。
ピーエ、ピーエ♪と寂しげな鳴き声を何度も繰り返しています。


ノスリの捕食シーンを観察したのは、これが二回目です。

次は獲物を狩る瞬間を撮影してみたいものです。
▼関連記事
ノスリの狩り・捕食と飛翔(冬の野鳥)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。(実際はもう少し薄暗いです。)



【追記】
宮崎学 『野生動物の首をしめるゴミ (かわりゆく環境 日本生き物レポート)』という本(写真集)を読んでいたら、ノスリも動物の死がいを食べることがあると知りました。
ネコの死がいを食べるノスリの生態写真が掲載されていて、
 ふだんはノウサギをはじめ、イタチ、リス、野ネズミ、ヘビ、カエルなどを狩って生きている。そのノスリが死んだネコを食べているということは、気位の高いタカとしては不似合いにうつる。 しかし、冬の時期はノスリといえども獲物をとりにくいから、たとえ死んだイヌでもネコでもシカでも、そこにありさえすればごちそうなのである。 (p108より引用)





2017/11/30

蛾を捕らえたスズメ親鳥が幼鳥に巣外給餌(野鳥)



2017年8月上旬

池の畔を私が歩いていたら、地上に居た一羽のスズメPasser montanus)成鳥が少し飛んで逃げました。(映像はここから)

蛾(種名不詳)を捕らえた直後だったらしく、嘴に咥えた獲物が未だ暴れています。
それをスズメは路肩に叩きつけて(擦り付けて)殺しました。
死んだ蛾の翅を毟り取ると、その場で食べるのかと思いきや、獲物を咥えて飛び立ちました。
私が慌てて振り返ると、背後の民家の板塀の上端にスズメは着陸しました。
そこには巣立ったばかりの嘴の黄色い幼鳥2羽が待ち構えていて、餌を運んできた親鳥を走って追いかけます。
幼鳥1羽は板塀から脱落(落下)してしまいました。
親鳥が餌を咥えたまま少し逃げると、追いすがる幼鳥は広げた翼を小刻みに震わせて餌乞いします。
親鳥が幼鳥に口移して蛾を巣外給餌したその瞬間、残念なことにカメラのAFピントがずれてしまいました。
餌をもらった幼鳥は板塀から飛び降りると、下の車道で蛾を食べ始めました。
そこへ車が走って来たので、スズメ幼鳥は再び民家の庭の方へ飛んで逃げました。
板塀に残っていた親鳥も庭に飛び降りました。

スズメの日常生活はなかなか慌ただしいですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


この記事の本題とは少し外れますが、スズメの歩き方に注目してみましょう。
藤田祐樹 『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、

・二足による移動の中で、鳥だけが行い、私たちヒトは行わない動きが、ホッピングだ。  (p33より引用)
・ホッピングは先述のように両足をほぼそろえてジャンプする運動だ。身近な鳥では、スズメやメジロなどの小鳥類がホッピングを行うし、カラスも急ぐときにはホッピングをする。スズメは両足をそろえてジャンプしているが、両足を少しずらしてホッピングする種もいる。 (p33〜34より)





2017/10/30

セマダラコガネを捕食吸汁するシオヤムシヒキ♂



2017年7月下旬・午前8:17

アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の生け垣で、シオヤムシヒキ♂(旧名シオヤアブ;Promachus yesonicus)が葉の上に止まっていました。
腹端に白い毛束があるので♂ですね。
抱えている獲物はセマダラコガネAnomala orientalis)でした。
その胸背(頭部?)から吸汁しているようですが、口器の状態はよく見えませんでした。
シオヤムシヒキ♂は腹部をヒクヒクさせて腹式呼吸しています。
最後は獲物を抱えてどこかに飛び去ってしまいました。

アベリアに訪花していたセマダラコガネを狩ったのでしょうか?
それとも横の芝生で狩ったのかもしれません。
いつか狩りの瞬間を観察してみたいものです。(飼育すれば見れるかな?)



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