2024/04/17

キジバトは有毒植物ナニワズの赤い実を食べるか?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月下旬・午後12:50頃・ 

二次林の中にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地をトレイルカメラで監視していると、とある昼下がりにキジバトStreptopelia orientalis)が登場しました。 
林床をトコトコ歩き回り、あちこちで地面を啄んでいます。 
種子食性のキジバトは夏の森で何を食べているのでしょうか? 

後半はミズキの根本に回り込んで採食を続けています。 
その辺りには冬緑性の小低木ナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)が群落を形成していて、この時期には落葉が始まり赤い実がなります。 
有毒植物ナニワズの赤く熟した果実をキジバトが食べたかどうか、気になります。 
毒をものともせずナニワズの熟果を食べたとしても、キジバトは種子捕食者ですから、ナニワズの種子散布には貢献しません。
むしろ、そのような種子捕食者に対抗する防衛戦略としてナニワズは毒を溜め込んでいると考えられます。
追加したトレイルカメラでナニワズの群落を監視して種子散布者を調べるのも面白そうです。 
ナニワズの含む有毒物質daphninは鳥類に対して毒性が無いらしく、果実食性のヒヨドリが赤い実を丸呑みして未消化の種子を含む糞をすることで種子散布を助けていることが予想されます。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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2024/04/16

ニホンアナグマの諸活動:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬

二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴LRを新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 
何か特筆すべき行動があれば個別の記事にするのですが、とりとめもない残り物の行動シーンをまとめました。 
全て夜の活動です。
転出した後の旧営巣地(セット)に一時帰還してうろついたり、巣穴に出入りしたり、など。 
観察歴の浅い私が見落としている行動がありそうですし、念の為に撮れた動画を全て残しておきます。 (我ながら貧乏性ですね…)


シーン0:7/22・午後13:19・晴れ・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07・晴れ・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/22・午後21:52・(@0:07〜) 右下へ 


シーン3:7/22・午後21:59・気温24℃(@0:16〜) 左へ 


シーン4:7/22・午後21:58・(@0:22〜) 
二次林の林縁を右往左往し、最後は足早に右へ。
腹面に乳首が見えるので、母親♀のようです。 


シーン5:7/24・午後20:01・気温27℃(@0:58〜) 
2日後の晩にニホンアナグマ幼獣が単独でうろついています。 


シーン6:7/24・午後20:01(@1:22〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
左奥の林内を左へ走り去りました。 
その後、左から登場しかけたのに、引き返してしまいました。 


シーン7:7/24・午後20:07・(@1:39〜) 
左へ。


シーン8:7/24・午後20:06・(@1:39〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
奥の灌木林を右から左へ。 
途中でぶつかった灌木が揺れています。 


シーン9:7/26・午前2:59(@1:56〜) 
2日後の未明に登場した成獣は、左右の目のサイズが同じぐらいなので、母親♀ではなくヘルパー♂のようです。 
巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅ぎ、中を点検してから右へ立ち去りました。 


シーン10:7/28・午後20:41・気温27℃(@2:29〜) 
2日後の晩。 
もしかすると、巣穴Lから外に出てきたばかりなのかもしれません。 
獣道を通って右上奥へ。 
幼獣かな? 


シーン11:7/29・午前4:14・気温22℃(@2:58〜) 
幼獣2頭が巣口Lに並んで匂いを嗅いでいました。 
1頭が身を翻して左へ走り、別の兄弟(姉妹)と遊び始めたようです。 
もう1頭も巣口Lから左へ駆け出しました。 


シーン12:8/1・午前2:39(@3:20〜)
長い落枝がアナグマに踏まれて動くことで、左端の死角でうろついているアナグマの動きが、予想できます。 
巣口Rの手前まで来たのに、急に何かに驚いて身を翻し、左へ走り去りました。 
股間に睾丸が見えたので、ヘルパー♂のようです。 


シーン13:8/1・午前2:40・気温24℃(@3:20〜) 
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
左から来て巣口Rの匂いを嗅いだヘルパー♂が、左へ戻って行きました。 
落枝に股間が触れたのはたまたまなのか、それともスクワットマーキング(匂い付け)したのか、よく分かりません。 
しばらくすると、何かに驚いたアナグマ♂が全力疾走で左から右へ横切りました。 
よほど慌てていたのか、獣道の途中で細い灌木の枝にぶつかりポキッと折れる音が聞こえました。 


シーン14:8/3・午後19:23・(@4:00〜) 
2日後の晩に、はしゃぎ回る幼獣3頭の群れが写りました。 
1頭は巣口Rの匂いをクンクン嗅いでいます。 
右へ次々と駆け出しました。 


シーン15:8/3・午後19:33・気温29℃(@4:27〜) 
やんちゃな幼獣2頭が巣穴Lへ戻ってきたと思いきや、再び追いかけっこしながら獣道を走り去りました。 


シーン16:8/3・午後20:01・気温26℃(@4:27〜) 
幼獣?の単独個体が出巣Lしたばかりのように見えますが、走って巣口Lに戻ってきて中を点検しただけかもしれません。 
右へ。 


シーン17:8/4・午前0:53・気温23℃(@4:51〜) 
翌日の深夜に幼獣が単独で左へ。 
どこから現れたのか不明です。(出巣L直後なのか?) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




ネジバナの花から飛び立ち獲物を捕食するナツアカネの未成熟♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午後14:30頃・曇りときどき晴れ 

山麓の水路沿いの小径に咲いたネジバナ花序の天辺に未成熟のナツアカネ♀(Sympetrum darwinianum)が止まっていました。 
翅を深く下げて休んでいます。 
右中脚の先(跗節)が欠損している個体でした。 
狩った獲物に必死で反撃されて足先を噛み千切られたのかもしれません。
今回初めて知ったのですが、図鑑『日本のトンボ』によると、ナツアカネ♀は翅の基部に橙色斑が現れる個体もいるとのこと。 

頭部をグリグリ動かして大きな複眼で上空を油断なく見張り、何か他の昆虫が飛来すると直ちに飛び立ちます。 
獲物を待ち伏せする上でこのネジバナはお気に入りの止まり場らしく、飛び立ってもすぐに同じ花序に戻って来ます。 
ネジバナに訪花すると言っても、花蜜や花粉が目当てではありません。
花に止まる向きにはこだわらないようです。 
ちなみに、この株は右回りにねじれて咲く螺旋花序でした。 (野生のネジバナで螺旋の向きは、右回りと左回りの株が1:1で見つかるらしい。) 

この個体がネジバナの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜1:13) 
ナツアカネ未成熟♀は、左上を見上げてから飛び立ちました。 
離陸直前にフェイントをかけるように、スクランブル発進の角度を変えたのが興味深く思いました。 
上空を高速で通り過ぎる獲物に対応して、軌道を先読み(高速軌道計算)したのでしょう。 
すぐに同じネジバナに戻ってきて着陸。 
前回とほぼ同じ方向に止まりました。 
しっかり横を向いてくれたときにトンボの口元に注目すると、獲物を咥えてなかったので、狩りには失敗したようです。 

狩りに成功したシーンは高画質のFHD動画で撮れていました。 
ネジバナの天辺から飛び立って戻ってきたナツアカネ♀は、口に何か小さな黒っぽい昆虫を咥えていました。 
その場でムシャムシャと獲物を咀嚼して捕食します。 
食事に脚を使うことは全くありません。 
この獲物を食べ終える前に、ナツアカネ♀が再び飛び立ちました。 
今回の狩りは失敗したようです。 (獲物に逃げられた)
食べかけの獲物を咀嚼し続けて、完食しました。 
捕食中に、手足を使わずに口の動きだけで、獲物の食べられない翅を落としました。 
この食べ残しを拾ってじっくり調べたら、獲物の正体が大まかにでも突き止められたかもしれませんね。 
後半は、狩りの成功シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:19〜) 

このナツアカネ♀個体は観察の後半になると、ネジバナの花から移動して近くの下草(イネ科)に止まり直しました。 
後ろ向きでは口元が見えず、狩りの成否が不明です。 
それでも背側から撮れたので、順番を入れ替えて冒頭シーンに採用しました。 
周囲の林からミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)♂の鳴く声♪が聞こえます。 


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