2013年5月下旬
満開に咲いたタニウツギの花の周りでコアオハナムグリ(Gametis jucunda)が何匹も活発に飛び回っています。
複数個体で飛翔シーンや飛び立つ瞬間を240 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
甲虫の中でコガネムシ科ハナムグリ亜科のカナブンやハナムグリ類などは鞘翅を閉じたまま飛ぶ特徴があります。
ほとんどの甲虫のように鞘翅を展開せず、内側に傾けて腹部との間に隙間を作ってここから後翅を広げる。これによって多くの甲虫に比べて格段に機敏な飛翔をすることが可能になっている。(wikipediaより)
スローモーションを見るとよく分かります。
ところが映像の最後で離陸した個体は前翅(鞘翅)も広げてから飛び立ったので吃驚しました。
もしかすると定説への反例となる、ちょっとしたスクープ映像でしょうか?
先祖返りしたのか、それとも余程慌てていたのでしょうか?
(これだけ実は別種だったというオチかもしれません…。コアオハナムグリで大丈夫ですよね?)
タニウツギに訪花する飛翔シーンを高画質のHD動画でも撮ってみました。
2013年5月下旬
里山の細い沢から地味な小鳥が驚いて飛び立ち、近くの潅木(桑かな?)に止まりまし。
ミソサザイ(Troglodytes troglodytes)です。
もしかすると沢の岸に営巣していたのかもしれません。
撮影中は鳴き声を発しませんでした。
2013年5月下旬
タニウツギに訪花するキムネクマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)を観察しました。
よく見ると、蜂は花の中に頭を決して突っ込まずに、花筒の根元を外から食い破って蜜腺を舐めていました。
このような採餌行動は盗蜜と呼ばれ、花の授粉に寄与しません。
花粉に触れないため、この個体の後脚にある花粉籠は空っぽでした。
ところが後日、同じタニウツギに訪花するクマバチでも穿孔盗蜜しない個体がいました。
2013年6月上旬
麓のタニウツギの花が散った後でも、山中の花は未だ咲いていました。
このキムネクマバチ♀は花に頭を突っ込んで花蜜を吸っています。(正当訪花)
花季の終わりで蜜量が少ないのか、訪花しても一瞬調べるだけで忙しなく次の花に移動しています。
また、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
あまりにも忙しない訪花なので、同一個体を240 fpsのハイスピード動画でも撮ってみました(映像後半のスローモーション)。
クマバチの生まれつきの体の大きさや舌の長さの微妙な違いによって異なる吸蜜戦略をとるのかもしれません。
それとも、営巣状況に応じて臨機応変に今回の採餌は盗蜜に専念しようとか今回は花粉を集めようとか同一個体が切り替えているのでしょうか。
ちなみに、タニウツギに訪花するオオマルハナバチでも盗蜜行動をする個体としない個体が見られました。
関連記事→「オオマルハナバチ♀の盗蜜行動」