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2016/08/23

ヨシゴイ♂(野鳥)同士の喧嘩



2016年6月中旬・午前6:23


▼前回の記事
ヨシゴイ♂(野鳥)が葦原で活動開始
溜池の岸辺に飛来したヨシゴイ♂(Ixobrychus sinensis)を動画に撮り始めたら、右側にもう一羽のヨシゴイを見つけました。
こちらの個体も頭頂部が黒い♂でした。
互いにそっぽを向いていますけど、実は相手をかなり意識しています。
右側の個体Rが落ち着かず、枯れたヨシの茎を登り下りしています。
少しずつ飛んで左側の個体Lに急接近すると、葦原の茂みで激しい闘争を始めました。
ようやく離れると、残された個体Lは嘴にRの羽毛を咥えていました。
喧嘩の最中に相手の羽毛を毟り取ったのでしょう。
勝者Lも葦原の奥に姿を消しました。
おそらく縄張りを巡る闘争と思われますが、喧嘩中に鳴き声を発したかどうか、よく分かりませんでした。
周囲の葦原ではオオヨシキリが絶え間なくさえずっている上に、突然の喧嘩に驚いたカルガモの群れが警戒声を発しながら池から飛び去ったりして、ヨシゴイ♂の鳴き声かどうか自信がありません。

つづく→巣材を集めるヨシゴイ♂(野鳥)


1回目の喧嘩シーンは動画ではなく写真のシャッターを慌てて押してしまいました。
2回目の喧嘩(動画のスナップショット)

2016/08/21

トビ(野鳥)をモビングするカラス



2016年6月中旬

田園地帯の上空でトビMilvus migrans)が2羽のカラス(種名不詳)にモビング(擬攻撃)を受けていました。
滑空するトビに対してカラスが2対1で執拗に追い回し空中戦を挑んでいます。
カラスの巣が近くにあるのかもしれません。
トビは決して反撃せずにひたすら逃げ回っています。
遠くて鳴き声は聞き取れませんでした。



2016/08/17

モズ♀(野鳥)の縄張りでセグロセキレイが虫を捕食していると…



2016年6月中旬

溜池の岸辺でセグロセキレイMotacilla grandis)がせっせと虫を捕食していました。
ヒトを恐れないのか、それとも私に気づいていないのか、水際を小走りでどんどんこちらに近づいて来ます。

捕らえた虫をその場で食さず嘴に貯めているので、巣で待つ雛に給餌するのだろうと分かりました。
大きな虫も素早く捕らえました!
撮影中はカゲロウの仲間かと思ったのですが、動画のスナップショットを見直すとオツネントンボSympecma paedisca)のように見えます。

やがてセグロセキレイが嘴を閉じたままヂュン、ヂュン♪と大声で鳴き始めました。
最後は鳴きながら慌てて逃げ去りました。
何事かと思いきや、モズ♀(Lanius bucephalus bucephalus)がすぐ近くの岸で枯れたガマ群落の茎のてっぺんに止まりました。
この溜池一帯を縄張りとするモズ♀(映像公開予定)が、競合するライバルを狩場から追い払ったのでしょう。

▼関連記事枯木で羽繕いするモズ♀(野鳥)
あわよくばセグロセキレイを狩ろうと急襲を試みたのかもしれません。
最後は百舌鳥♀も飛び去りました。






2016/07/26

カラスに執拗な擬攻撃を受けるノスリ(野鳥):絶体絶命の空中戦で起死回生の秘策とは?



2016年6月上旬

今回のタイトルは大喜利のお題みたいですが、非常に興味深い映像が撮れました。

農村地帯の上空でカラスの群れが1羽の猛禽類を追い回していました。
カラスはモビング(擬攻撃)しながら鳴き騒いでいます。

必死で逃げている猛禽類の翼の下面を見るとノスリButeo japonicus)と判明。
一方、カラスの方はハシボソガラスとハシブトガラスのどちらなのか、遠過ぎて見分けられませんでした。
ちなみに、この辺りの優占種はハシボソガラスです。

モビングの最中に何か小さな物が一緒に写っています。
カラスが空中戦で毟り取ったノスリの羽根がひらひらと舞い落ちているでしょうか?
擬攻撃はあくまでも攻撃するふりだけの筈では?!
映像を見直すと、カラスと直接的な接触があった訳でもないのに突然、ノスリの羽が3枚抜け落ちて青空にパッと散りました。(@0:18)
ノスリが獲物を手放した可能性も検討しましたが、たぶん違うと思います。

2羽のカラスは勝ち誇ったように、落ちて行くノスリの羽根と空中で戯れ始めました。
これを見た私は、トカゲの尻尾切り(自切)を連想しました。
空中戦ということで、まるで現代の戦闘機が戦闘中に敵の目を逸らす欺瞞のため意図的にデコイフレアチャフなどを放出したようで、興味深く思いました。
犬猿の仲であるカラスの習性を熟知したノスリが咄嗟に尾羽根(?)を意図的に脱落させたのだとしたら非常に面白いのですが、おそらく空中戦で羽根の性能限界を超える無理な方向転換を繰り返したせいでしょう。

(直前にカラスの攻撃で羽根に直接ダメージを受けていた可能性もあります。)

そのまま2羽のカラスはモビングを止め、高圧線の鉄塔の方へ飛び去りました。
おそらく天敵の猛禽類から巣を守る防衛行動だったのでしょう。

その直後に別のカラスが単独でノスリへのモビングを始めました。
空高く帆翔・旋回するノスリは、行く先々でカラスに追われてるようです。

この空中戦でもあわや接触というタイミングでノスリが羽根を1枚放出しました。(@1:32;肝心の瞬間がピンぼけです)
しかし、今度のデコイ作戦はしつこいカラスに通用しませんでした。(カラスの気を逸らすには1枚の羽根では足りない?)


【追記】
YouTubeのコメント欄にてQuitLife氏より鋭い指摘を受けました。
I think the buzzard actually plucked those feathers from the crow.
スロー再生で何度も見直してみると、確かに直前の空中戦で接触した際に反転したノスリが足の爪で反撃しカラスの羽根を毟り取ったようにも見えました。
しばらく飛んでから掴んでいたカラスの羽根をノスリが意図的に放出したのでしょう。
このシナリオなら自然ですし、私も納得できます。
何かを掴んだまま飛んでいると変な空気抵抗を受けるので、危なくなったら手放すのかもしれません。


舞い落ちるノスリの羽根

2016/07/24

アカガネサルハムシとクロヤマアリ♀の喧嘩【ハイスピード動画】



2016年6月上旬

アカガネサルハムシAcrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii)の飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画で撮ろうとしていると、偶然に面白い対決シーンが記録されていました。
クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀がやって来て背後から大顎でつついたり噛み付こうとしています。
一方的に攻撃されても、硬い鞘翅で身を守られたアカガネサルハムシは動じません。
なぜか尻切れトンボの映像になってしまったのが残念です。


2016/07/20

ハシボソガラス(野鳥)の大喧嘩



2016年6月上旬

平地の水田、畑および溜池に囲まれたスギ林(林縁は雑木林)でハシボソガラスCorvus corone)の群れ(計3羽?)が激しく鳴き騒いでいました。
兄弟喧嘩なのか、林床で何か獲物を奪い合っているのか、争いの原因は不明です。
途中からもう一羽が加勢しに左から飛来しました。
実はこの近くにハシボソガラスが営巣しているので(動画を公開予定)、襲われた幼鳥を守ろうと親鳥が駆けつけたのかと想像したりしました。
あまりに動きが激しくて、成鳥/幼鳥を見分けられませんでした。
すぐに別れて各自が樹上に落ち着きました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/06/17

ムクドリを襲うハシボソガラス



2016年5月中旬


▼前回の記事
水張り中の田んぼで採食するハシボソガラス(野鳥)

田んぼで食事を済ませたハシボソガラスCorvus corone)が農道から飛び立ち、少し離れた畦道に降り立ちました。
着陸の間際に雑草の茂みに隠れていたムクドリSturnus cineraceus)と鉢合わせになり、一瞬だけ空中戦になりました。
映像の後半はニアミスしたシーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
不意をつかれたムクドリが慌てふためいて逃げる途中で、水を張ったばかりの田んぼにボチャンと落ちたのが可笑しくて笑ってしまいました。
ハシボソガラスは初めからあわよくばムクドリを狩るつもりだったのでしょうか?
カラスがムクドリをモビング(擬攻撃)する例は聞いたことがありませんし、なんとなく偶発的な攻撃のような気がします。


2016/06/09

スズメ(野鳥)の群れが雨樋の営巣地を巡り争奪戦♪



2016年5月上旬

2階建て民家のトタン屋根の軒下でスズメPasser montanus)の群れが鳴き騒いでいました。
いずれも頬が黒いので成鳥でした(巣立った幼鳥ではない)。
北東の角にある水平の雨樋の左端に枯れ草を詰め込み、営巣しているようです。
雨樋から緑の草も見えるのは、ここから生えてきたのか、それとも巣材として持ち込んだのかな?
どうやら、その営巣地を取り合って喧嘩している模様。
雨が降ったら忽ち水浸しになるような位置に巣を作って大丈夫なのか?と素人目には心配です。
これが争うほどの優良物件ということは、よほど住宅難なのでしょうか?
雨樋の巣に居る2羽がつがいなのかもしれません。
それにしては映像冒頭で、番の一羽が左横の個体(伴侶?)を嘴で軽くつつきました。
一羽は抱卵中なのかと思いきや、落ち着きなくあちこちへ少し移動します。
未だ巣に居座ってるだけのようです。
その巣を屋根の上から別個体が覗きこんでいます。
巣内から一羽がパッと飛び立って迎撃し、屋根の上から追い払いました。
番の2羽が組んで見張っていれば、一羽が積極的に戦って巣を防衛することが可能ですね。
ライバルの挑発や陽動作戦があっても大丈夫です。
屋根の上で激しく鳴きながら盛んに飛び回り、争っています。
巣への侵入者を追い払いました。
近所のスズメの群れを個体標識して調べれば面白そうです。

スズメが争う鳴き声を声紋解析してみる?



2016/06/05

メインの集団塒Sに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】



2016年5月上旬・午後18:49

ハクセキレイ♂(野鳥)集団塒の電柱:定点観察#4


6日ぶりの定点観察に来ました。

▼前回の記事
ハクセキレイ(野鳥)雨の日の集団就塒
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後18:31。
既に日が落ちた後で薄暗く、かなり厳しい条件かもしれませんが、電柱に塒入りするハクセキレイMotacilla alba lugens)の羽ばたきを240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
車道や近くの店舗を照らす多数の外灯や照明のおかげで辛うじて撮れました。(ハイスピード動画撮影の限界に挑戦)

まずはメインの集団塒で柱上変圧器のある電柱Sに注目してみます。
暗くてほとんど鳥のシルエットしか見えませんけど、元々ハクセキレイは白黒の鳥なので問題ないでしょう。
スローモーションで見ると、着陸する前などに見事なホバリング(停空飛翔)を披露しています。

塒の中でもどうやらお気に入りの特等席がある印象です。
割り込みたい場所の目の前でホバリングしても、先客は動じません。
先住者効果があるのかな?
もしかすると激しく鳴き交わして撃退しているのかもしれませんが、残念ながらカメラの仕様によりハイスピード動画で音声は録音されません(無音状態)。
実際は夕方の通りを行き交う車の騒音がうるさくて、鳥の鳴き声はなかなか聞き取りにくいのです。
陣取り合戦になって争う空中戦も見られました。
順位の高い個体ほど塒内の位置取りで有利なのでしょう。
例えば他個体の排泄した糞が落ちてきて直撃するような場所は夜を過ごす塒として明らかに良くないと予想できます。
追い出された弱い個体や若い個体は、サブの集団塒(隣の電柱N)に行く羽目になるのだと思われます。
こうした小競り合いが塒入りの度に毎夕行われるとなると、なかなか体力を消耗しそうです。
ハクセキレイの群れを個体標識してきちんと調べれば、きっと面白いに違いありません。

(ハクセキレイは)日中は離れて採食しているが、夕方になると水田などの開けた場所に集まりはじめ、小集団でねぐらへ向かう。そして大木の枝や橋の下、市街地の街路樹や看板などに多数集まって眠る。ときには1000羽以上集まることもある。(『日本動物大百科4鳥類II』p77より)





【おまけの動画】
2016年5月上旬・午後18:28〜18:49

個人的な記録として残したい方はこちらのロングバージョンです。
同じ日の晩に同じ電柱Sにハクセキレイが続々と集まってくる様子を、時間を遡ってもう少し明るいうち(日没直前)からハイスピード動画に記録しました。
やや引きの絵でも撮っています。
再生時間が長過ぎる動画はどうしても敬遠されるので、就塒の最後だけ抜粋したショートバージョンも制作し、ハイライトとして先に紹介しました。

就塒の初期段階は電柱自体よりも電線や細いケーブルに多くの個体が止まっています。
これから徐々に電柱に集結します。
塒内の位置取りは決して早い者勝ちという訳ではなく、互いに牽制し合って(小競り合いで)決まるようです。
塒内で落ち着くまでに何度も塒入りをやり直し、少し飛んでは泊まる場所を変えています。
小競り合いの空中戦がアクロバチックな連鎖反応になることもあって、見ていて飽きません。
夕焼けがもっときれいな晩だと一層フォトジェニックな映像になったでしょうね。

つづく→#5:サブの集団塒Nに飛び込むハクセキレイの羽ばたき【ハイスピード動画】


2016/06/01

早朝からカラスの空中戦♪



2016年5月上旬・早朝4:47

夜が明けたばかりの早朝に、おそらく塒となっていた高木(映像のアングルでは背後にある)から計4羽のカラス(種名不詳)が喧嘩しながら飛び出してきました。
激しく鳴き、追いかけっこしながら、もつれ合うように北へ飛び去りました。
本気の闘争なのか、朝から元気に遊んでいるだけのか、分かりません。

ちなみに、この日の日の出時刻は午前4:36。


2016/04/24

マダラスジハエトリ幼体(蜘蛛)同士の対決



2015年11月中旬

雪国では庭や神社の石灯籠が積雪で倒壊しないように、晩秋になると木材を組み合わせ荒縄で縛った「雪囲い」で石灯籠を一つずつ保護します。(庭木や生け垣なども同じく丹念に雪囲いします。)
雪囲いの陽の当たる南面でマダラスジハエトリPlexippoides annulipedis)を3匹、見つけました。
同種のハエトリグモばかり雪囲いに集まっていたのは偶然でしょうか?
図鑑『日本のクモ』p301によると、本種は「冬季はスギ、ヒノキなどの樹皮下に袋状住居を作って越冬する」とのこと。
越冬場所を探索していたのかもしれませんが、冬籠りするには未だ少し気が早い気がします。

しかも3匹とも♀タイプでした。
マダラスジハエトリ成体の斑紋は性的二型を示すので、未熟な幼体はすべて♀タイプの体色なのかもしれません。(要確認)

一匹の♀cに注目して撮り始めると、こちらに向き直ってビデオカメラのレンズを見つめました。
カメラへの距離を測ると、マダラスジハエトリ♀cは板からカメラに跳び移りました。
そのまま私がビデオカメラを雪囲いの横木にそっと近づけると、♀cは自ら飛び移ってくれました。(映像なし)
すると右上の支柱に居た別個体の♀bが、♀cを目ざとく見つけました。
2匹の幼体は発育状態が異なり、体長の目測では♀b>♀c。
大型の♀bが♀cをめがけて横木に跳び下りました!
縄張り争いのような闘争(小競り合い)なのか、捕食行動(狩り)なのか、どちらでしょう?
跳びかかって来られた瞬間に、狙われた小型の♀cはしおり糸を引きつつ横木から緊急離脱しました。
相手を見失った♀bは、横棒を左に歩き去りました。
難を逃れた♀cはいつの間にか宙吊り状態から雪囲いに戻り、荒縄の上に居ました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



つづく→雪囲いを登るマダラスジハエトリ♀(蜘蛛)

2016/02/27

落穂を採食するドバト(野鳥)の群れとつつきの順位



2015年11月上旬

住宅地に囲まれた稲刈り後の田んぼにドバト(=カワラバト;Columba livia)が群がっていました。
列になった刈株の間でイネの落穂を採食しているようです。
ときどき頭を上げて辺りを警戒しています。
群れで採食する利点の一つとして、交互に見張りを務めることで採食時間を最大に出来るのです。



採食中、近くにいた個体に跳びかかるように軽くつついて追いやることが度々あります。
やられた方は反撃せずおとなしく離れました。
群れ内につつきの順位(順位制)があるのでしょう。

聞こえるのは背後の住宅地に居るスズメの群れの鳴き声だけで、ハトは鳴いていないようです。
最後は何かに驚いたのか、一斉に飛んで逃げられました。
撮影後に田んぼの様子を見に行くと、刈株から新芽も伸びていましたけど、ハトは種子食のはずなので「落穂拾い」としました。
水溜りは無かったので、飲水行動ではありません。





2016/02/24

巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#10


以前の定点観察#3キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が営巣する軒下をウロウロと歩き回っている黒っぽい昆虫が気になりました。
スズメバチの巣に寄生するハネカクシやゴキブリだとしたら面白い話です。

▼関連記事
コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
巣に侵入するナミクシヒゲハネカクシ?を殺すモンスズメバチ♀門衛

この日の観察では、謎の虫の正体を突き止めることに専念しました。


シーン1:6倍速映像

クサギカメムシHalyomorpha halys)が軒下の垂木に沿って右往左往しています。
おそらく越冬場所を探し回っているのでしょう。
晩秋になると毎年クサギカメムシは屋根裏や屋内にも続々と侵入して集団越冬することが知られています。
カメムシの歩行を見ていても、スズメバチの巣に誘引された動きではなさそうです。
遂にキイロスズメバチの外被に偶然迷い込みました。(@1:14〜)
しかし巣の本体まで降りてくることはなく、そのまま軒下の棟木へ移動しました。
在巣のスズメバチは未だカメムシに気づいていないのか、それとも無害だと無視(黙認)しているのでしょうか。
カメムシを攻撃したり獲物として狩ったりすることはありませんでした。



シーン2:1倍速(リアルタイム)映像(@1:25〜)

棟木の付近の外被にクサギカメムシが迷い込んで徘徊しています。
近くで外被を増築していたキイロスズメバチ♀にも気づかれず、ひっそりと立ち去りました。


シーン3:1/8倍速スローモーション(@2:10〜)

後半は巣に出入りするキイロスズメバチ♀の飛翔シーンを狙って240-fpsのハイスピード動画に記録しようと長撮りを繰り返しました。
軒下が薄暗いせいで(光量不足)蜂の羽ばたきがあまり上手く撮れなかったのですが、その映像の中に興味深い対決シーンが偶然写っていました。
巣の外被上はなぜか騒然としており、4〜5匹の蜂が巣口の周りを羽ばたきながらパトロールしています。
巣に迷い込んだクサギカメムシが外被に静止していると保護色で非常に見えにくいですね。(動き出さないと気づきません。)
外被上に迷い込んだクサギカメムシが遂に外被点検中のキイロスズメバチのワーカー♀に見つかってしまいました。
蜂は羽ばたいて威嚇しながらカメムシを追い立てます。
安易に噛み付いたり攻撃を加えないのは、毒ガスの反撃を恐れているのかもしれません。
(これまでに何度も繰り返し侵入されて、蜂もカメムシ対処法を学習していそうです。)
慌てて逃げるカメムシは外被から転げ落ちました。(@3:10)
追跡者は震わせていた羽ばたきを止めました。

同様のシーンがもう一度繰り返されます。
ところが今回は、外被上を逃げるカメムシが一直線に巣口へ向かっています。
巣内へ侵入した!と思いきやキイロスズメバチの門衛に撃退され、挟み撃ちされたカメムシは落下しました。(@4:55)
追跡していた蜂もすぐに飛び立ちました。
その後の展開も興味深く、巣口から出てきた門衛が興奮したように羽ばたきながら巣口周囲の外被をパトロールしてから巣に戻りました。
映像ではいまいちはっきりしないのですが、入巣直前の羽ばたきが扇風行動のように見えました。
頭は巣内を向いているので、ニホンミツバチがやるような排気行動だとすると、追い払ったカメムシの最後っ屁(毒ガス)を換気しているのかもしれません。
巣内の冷却が必要になるほどこの日の気温は暑くありませんし、扇風行動が見られたのはカメムシ遭遇戦の直後だけでした。


肉食性のカメムシでない限り、もしスズメバチの巣への侵入が成功したとしても無害な居候として潜伏するだけでしょう。
寄生や共生のような緊張を伴う緊密な関係ではないはずです。
スズメバチの巣は断熱材で守られたシェルターですから、クサギカメムシが越冬する隠れ家として向いているかもしれません。
クサギカメムシがキイロスズメバチの巣に次々と侵入すれば、やがて集合フェロモンの効果であたかもスズメバチの巣に誘引されているように見えるはずです。




コロニーが解散した後にスズメバチの古巣を調べてみれば、多数のカメムシが集団越冬していそうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#11:キイロスズメバチの巣に侵入する寄生ハエ?



2016/02/22

巣口付近で激しく争うキイロスズメバチ



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#9


この日は、妙な事件が起こりました。

シーン1:撮影開始時刻13:00

キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)が出入りする巣口に狙いを定めて撮影していると、帰巣したワーカーに門衛が突然飛びかかりました。(@0:27)
大顎で噛み合う喧嘩になり、一匹が落下。
残った方は興奮したように羽ばたきながら外被上を徘徊してから入巣。
門衛が勝ったのかどうか、定かではありません。
喧嘩の原因は何だったのでしょうか?
他のコロニー出身の蜂が迷い込んだのでしょうか?
つづいて門衛?が巣内から♀を追い出しました。
巣口で誰何する門衛がピリピリと殺気立っているとしたら、その原因として特にこの時期はオオスズメバチによる襲撃が考えられます。
実はそれを半ば期待して様子を見に来たのですが、この日オオスズメバチの襲撃はありませんでした。
この時期はワーカーの数に対して外役に出ない生殖虫(新女王と雄蜂)の割合が増えてコロニーの食糧事情が悪化し、苛烈な口減らしが行われているのでしょうか?

先日は、幼虫の餓死あるいは子殺しが疑われる事件も観察しています。
▼関連記事 
巣の外に捨てられたキイロスズメバチ幼虫の謎【子殺し?】
狩りや採餌に出撃したのに空荷で帰巣するワーカー♀を許さず門衛が追い返しているのかな?(ノルマが厳しい)
喧嘩騒ぎの一方で、巣口の左下では別個体のワーカー♀が外被をせっせと増築しています。


シーン2(@1:01〜):撮影開始時刻13:44

巣口で2匹の蜂が激しく喧嘩しています。
一方的に噛んでいるようで、やられている蜂はほとんど反撃しません。
映像では性別をしっかり見分けられないのがもどかしい限りです。
(同定用にストロボ写真を撮るべきでしたが、動画撮影を優先しました。)
もし交尾行動なら♂がマウントを試みるはずですが、そのような展開にはなりませんでした。
巣に侵入を試みた雄蜂(または他コロニー出身の♀)が撃退されたのかな?
アシナガバチでよく見られるような優位行動がスズメバチにもあるのでしょうか?
権勢の衰えた創設女王に対してワーカー♀がクーデターを蜂起したのでしょうか?
無抵抗で動かない相手の体を2匹の門衛?が噛み続けています。
喧嘩に毒針は使わず、大顎で噛み付くだけでした。
鎧のように固いクチクラは噛み切れないらしく、致命傷を与えられないでいます。
やがて2匹とも外被からもつれ合うように落下しました。(@3:24)
死闘を繰り広げている間に、その横では平然と造巣作業が続いています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。


つづく→#10:巣に侵入したクサギカメムシを追い払うキイロスズメバチ♀



2016/02/08

寄生蜂コクロオナガトガリヒメバチ♀と寄主ヒメクモバチの攻防:その2



2015年10月上旬

境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#11


シーン1:午前10:50

寄主のヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)♀bが在巣のときに、境界標の左の縁から寄生蜂が泥巣に近づいてきました。
寄主と正面から向かい合い、ヒメクモバチが追い払いました。
しかし激しい闘争行動と呼べるようなものではなく、軽く突進する素振りを見せるだけでした。
ヒメクモバチは穏健な性格なのでしょうか。
もしかすると、コクロオナガトガリヒメバチ♀の姿形が寄主に擬態していてヒメクモバチ♀の目には紛らわしく見えるのかもしれません。

それとも、コクロオナガトガリヒメバチは白い触角を激しく動かすことで寄主を幻惑しているのかな?
寄生蜂は境界標の角を曲がった死角に隠れるだけで、執念深くチャンスを窺っています。
しばらく境界標の天辺を徘徊してから、寄生蜂は飛び去りました。




シーン2:午前10:52

寄主のヒメクモバチ♀bが吸水に出掛けた隙に寄生蜂がまた飛来しました。
泥巣の近くを徘徊している間に母蜂が泥巣に戻って来たので、絶好の産卵機会を逃しました。
ヒメクモバチ♀に睨まれた寄生蜂は境界標の天辺に登ってから、あっさり飛び去りました。
泥巣をガードしている間に、寄生蜂は未練がましく周囲を飛び回っています。
寄生蜂に挑発を繰り返されても深追いせず、泥巣から動かないのは賢明な防衛戦略と言えるでしょう。
しつこい天敵がようやく居なくなると、ヒメクモバチ♀は巣材集めのため地面に歩いて降りました。
泥玉を持って登り、造巣作業を続けています。
次は飛び去り、おそらくまた水を飲みに出掛けたようです。



シーン3:10倍速映像

シーン1、2と同時並行に微速度撮影した映像(@2:59〜)にも寄生蜂との攻防が写っていました。
引きの絵では小さな蜂は見えにくいのですけど、コクロオナガトガリヒメバチ♀は触角に白い部分があるのでなんとか見分けられます。



この日の総括:

この日は寄生蜂の産卵が見られず、前回ほど泥巣に執着して近づかなくなったのは何故でしょう?
寄主の巣作りの進捗状況を見に来ているだけかもしれません。
寄主ヒメクモバチの育房内で胚発生が進み、寄生蜂の産卵に適さなくなったのでしょうか?
母蜂の造巣ペースを見定め、次の貯食物が新しい育房に搬入されるまで待っているのかもしれません。
寄生蜂が人懐こくカメラの三脚に乗って来ることもありました。(映像は撮り損ね)

一方ヒメクモバチ♀も寄生蜂の存在に気づいているのにも関わらず、平気で巣を留守にしたり造巣活動を続けているのは不思議です。
もしこの日初めて観察していたとすれば、我が子を危険に晒す投げやりの態度にも見えたでしょう。
前回の観察(5日前)ではしつこい寄生蜂のせいで母蜂は泥巣に釘付けになり、ひたすらガードしていました。
造巣どころではなく、泥巣のガードを優先していました。

▼関連記事
寄生蜂コクロオナガトガリヒメバチ♀の産卵および寄主ヒメクモバチとの攻防

シリーズ完。


2016/01/26

寄生蜂コクロオナガトガリヒメバチ♀の産卵および寄主ヒメクモバチとの攻防



2015年10月上旬

境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#7


ヒメクモバチ♀b(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)が作った泥巣bに招かざる客の到来です。
真っ直ぐに伸びた長い産卵管を有する黒いヒメバチの一種♀が境界標を思わせぶりに徘徊しています。
産卵するチャンスを虎視眈々と窺っている寄生蜂だとしたら、7年前の記憶が鮮明に蘇りました。

▼関連記事(2008年9月下旬撮影)
コクロオナガトガリヒメバチ@ヒメベッコウ泥巣
そのときヒメクモバチ(Auplopus carbonarius)に寄生する蜂として名前を教えてもらったコクロオナガトガリヒメバチ♀(Picardiella tarsalis)の写真(@「日本産ヒメバチ目録」サイト)にそっくりです。

たまたまホスト(寄主)が油断して泥巣を留守にした隙に、寄生蜂が泥巣の下部を触角で探りながら丹念に調べていました。
初めは境界標の側面でマイマイガ幼虫の死骸を調べていたのですが、寄主は鱗翅目ではなく本命はヒメクモバチの泥巣にありました。



「山形県」の刻印(窪み)を利用して泥を詰め込んで作った巣の中で、「形」の字の第6画後半に強い興味を示しています。
ここにヒメクモバチの育房があるようです。

(育房内には母蜂が狩ってきたクモが貯食され、麻酔されたクモの表面に卵が産み付けられているはずです。もしかするとヒメクモバチの幼虫が既に孵化していてクモを食べているところかもしれません。)
寄生蜂♀は腹端を前方に曲げ、産卵管を前に向けると産卵姿勢になりました。
厚く泥塗りされ乾いた巣にこんな華奢な蜂が細い産卵管で突き刺し産卵するとは驚きです。
産卵シーンを背面ではなくできれば側面から撮りたいのですが、私が下手に動くと気配を感じて寄生蜂が逃げてしまいそうで我慢しました。
まさに産卵中に母蜂が空荷で帰宅しました。(@2:20)
境界標の下から登ってきたヒメクモバチ♀bは寄生蜂を見つけても特に激しい攻撃は加えないのが意外でした。
ヒメクモバチ♀が近寄ると寄生蜂が慌てて逃げました。
母蜂は泥巣全体を心配そうに見回ります。
一方、追い払われた寄生蜂は境界標の泥巣がある面の角を曲がった側面に止まっています。
ホスト♀が横を通ると寄生蜂は飛んで逃げるものの、またすぐに舞い戻って来て境界標の天辺の角に静止しました。

マクロレンズを装着して寄生蜂を接写してみました。
しっかり背面を接写するのはアングルが確保できず無理でした。
触角の中央部、腹端、および後脚の先が白色で、残りは全身黒色の蜂です。
泥巣をガードしているホストの顔も接写すると、触角の根本が白く見えました。
寄生蜂の居る上を向いたまま油断なくじっとしています。
(※ マクロレンズで接写したパートのみ動画編集時に自動色調補正を施してあります。)


ほとぼりが冷めると、寄生蜂は境界標の側面から慎重に泥巣へ忍び寄りました。
泥巣上のヒメクモバチ♀bは後ろを向いていて、恐るべき天敵の存在に気づいていません。


「志村〜、後ろ、後ろ〜!!」
ヒメクモバチ♀はなんとなく警戒しているのですが、なぜか寄生蜂とは逆方向へ泥巣を離れてしまいました。
その間に寄生蜂が泥巣の下部に到達し、触角で探っています。
ようやく異変に気づいたヒメクモバチ♀が駆け寄ると、寄生蜂は慌てて飛んで逃げました。
産卵未遂と思われます。
ヒメクモバチ♀は泥巣上で油断なく警戒を続けています。

逃げたと思った寄生蜂はちゃっかり境界標の天辺に居ました。
触角を拭い身繕いしています。
産卵のチャンスを虎視眈々と待っている印象。
急に飛び立つと、境界標の横に生えた灌木(常緑樹)の葉に止まりました。
しばらく休んだり身繕いしてから飛んで境界標へ戻りました。
その間、寄主のヒメクモバチ♀bが警戒して泥巣をガードしています。

7年越しに寄生産卵の決定的瞬間を撮影できて感無量でした。

寄生蜂と寄主が境界標で繰り広げる小競り合いも何度か観察しました。
ヒメクモバチがいくら寄生蜂を追い払っても、しばらくするとまた戻って来ます。
個体識別のマーキングを施していませんが、おそらく同一個体のコクロオナガトガリヒメバチ♀なのでしょう。
ヒメクモバチ♀は天敵の寄生蜂を撃退する有効な対抗手段や防衛戦略を持ち合わせていないようです。
寄生蜂は素早く飛んで逃げてしまうため、殺すこともできません。
もしこの泥巣を採集して蜂の子を飼育すると、果たしてヒメバチが羽化してくるでしょうか?(ヒメクモバチの寄生率を調べる)

母蜂(ヒメクモバチ♀b)がこの日は全く造巣活動せずに泥巣をひたすらガードしていたのは寄生蜂対策だったようです。
息詰まるような神経戦が続き、天敵が心配でおちおち外出できないのでしょう。
もし仮に寄生蜂を採集・除去したらヒメクモバチ♀bは安心して造巣を再開してくれるかな?
それとも別個体の寄生蜂が侵入して来るだけでしょうか?
逆に、泥巣をガードする寄主のヒメクモバチ♀bを除去すれば寄生蜂が産卵する様子をじっくり観察できるかもしれません。
(除去実験は頭をよぎっただけで、今回は自然の成り行きに任せ見守りました。)

つづく→#8:ヒメクモバチは夜どこで寝るのか?【暗視映像】




2016/01/07

採餌中にクルミの実を取り合うハシボソガラス(野鳥)



2015年9月下旬

郊外の脇道で1羽のハシボソガラスCorvus corone)が半分に割れたオニグルミの実を嘴に咥えていました。
クルミの堅果を舗装路に投げ落として割った直後のようです。
地面に埋めて貯食しようとしていたのかもしれません。
カメラを向けている私に警戒したカラスaはクルミを咥えたまま芝生から飛び立ち、低空飛行で逃げました。


仲間の近くに降り立つと(計3羽:三羽烏の群れ)採食を開始。
奥の路上にクルミを置くと、カラスaが半分に割れたクルミの実を足で押さえつけながらコツコツと啄んでいます。
食べ残しを路上に放置して仲間のもとへ歩き始めると、別個体のカラスbが駆け寄って来ました。
3羽の中でこの一羽だけがクルミの実を持っていません。
するとカラスaはカラスbに盗まれないように慌ててクルミの実を拾い直しました。
少し離れた位置で採食を再開。
争ってクルミの実を強奪することはありませんでした。(仲間に襲われそうになったらカラスaはクルミを持って飛んで逃げてしまうでしょう)
横取りされるのが嫌なら独りでこっそり食べても良さそうなのに、わざわざ見せびらかすのはちょっと意地悪な行動にも見えます。
自分で捨てておきながら誰かが欲しがると急に惜しくなる(独占欲)というのはヒトの子供の喧嘩を見ているようで、微笑ましく思いました。
もしカラスbが若鳥だとしたら、採餌法を教育しているのかな?と想像したりしました。

なんとなくカラスbの行動は以前観察した雛が餌をねだる行動の名残のような気がしました。
▼関連記事 
巣立ち雛に給餌するハシボソガラスの家族群(野鳥)
ただし、今回この距離では遠過ぎて若鳥かどうか、口の中の色を見分けられません。
カラスaは再びクルミを手放し、歩き去りました。
その間、左奥でもう一羽のカラスcが同様にクルミの実を食事中ですけど、建物の死角でよく見えません。
この後でカラスbが忍び寄ってカラスaの食べ残しを入手できたかどうか、興味深いところです。
しかし、こうした一連のドラマに気づいたのは後で映像を見直してからで、撮影中の私は全く気づかずにすぐ飽きてしまい、撮影を終了してしまいました。
もう少しだけ粘って撮るべきだった…と後悔しても後の祭りです。

カラスがクルミの堅い殻を割るために空中から投げ落として舗装路に叩きつけたり走って来る車に轢かせたりする賢い行動が話題になります。
こうした高度な採餌行動はおそらく仲間(親世代)の真似をして学習し、群れに広まった文化だと思われます。
ところが、私がこれまで何回か撮影したカラスのクルミ割り行動は全て単独行動でした。
今回群れの行動が「固いクルミの実はこうやって割って食べるんだよ。後は自分でやりなさい。」という教育を垣間見れたのだとしたら、ミッシングリンクに近づいたかもしれません。
賢いカラスは仲間に教育してやろうという意識がなくても、結果としてお手本になっているということもありそうです。
「教育」以外で何かもっとふさわしい用語が思いつきません。






2015/12/30

ノダケの花蜜を吸うヒメスズメバチ♂



2015年9月下旬

用水路沿いの草むらでヒメスズメバチ♂(Vespa ducalis)がノダケを訪花していました。
触角の長い雄蜂ばかり(少なくとも2匹)集まっているのがちょっと不思議でした。
ノダケの集合花は素人目には枯れかけているように見えますが、蜂は構わず吸蜜しています。
蜂は緑色の蕾よりも明らかに黒っぽい粒状の花を好んでいます。
ちなみにノダケの果実はカレー粉のような香りがするらしいのですが、私は未だ嗅いだことがありません。
同じ花序でニアミスした2匹のヒメスズメバチ♂同士で小競り合いになり、もつれ合うように花から落下しました。
餌資源(蜜源)を巡る争いや縄張り争いというよりも、相手を♀と誤認して交尾を試みたのかもしれません。

その一方で、メスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が同じ花序に飛来してもヒメスズメバチ♂は無視して吸蜜を続け、攻撃したり追い払ったりすることはありませんでした。



2015/12/27

ノダケの花蜜を吸うコガタスズメバチ♀とセスジハリバエ



2015年9月下旬

農業用水路沿いの草むらに咲いたノダケの群落でコガタスズメバチ♀(Vespa analis insularis)とセスジハリバエTachina nupta)が訪花していました。
テーブル状の同じ花序で歩き回りながら吸蜜しています。
目障りなハエをスズメバチが押し出したり払い除けたりする小競り合いも何度か見られましたが、敏捷で図太いハエはすぐに舞い戻ります。
最後に花から飛び立ったコガタスズメバチが黒いカメラに向かってホバリングしてきたので少し焦りました。
ハエのせいでコガタスズメバチは少し苛立っていたのかもしれません。
羽音がいかにも恐ろしげですけど、ゆっくり後退すれば刺されることはありません。(スズメバチを手で払い除ける動きはくれぐれも厳禁です)


関連記事(同所同時期の撮影)▶ ノダケの花蜜を吸うヒメスズメバチ♂


【追記】
ノダケなど一部のセリ科植物はスズメバチ媒花であることを示す研究結果が報告されました。
スズメバチ類に受粉される新たな植物の発見
――典型的なジェネラリスト植物であるセリ科における特殊化した送粉様式―― (日本語によるプレスリリース
MOCHIZUKI, Ko. Hunt and pollinate: Hornet pollination of the putative generalist genus Angelica. Ecology, 2024, e4311.(Open Access
この論文を読んで私も再度ノダケの訪花昆虫を観察し直したくなったのですが、当時の貴重なノダケ群落は草刈りで消失していました。
それ以来、フィールドで探し歩いてもノダケの花を見つけることができていません。
筆者の主張とは違い、ノダケの散形花序でスズメバチ類がハエやハナバチなど他の訪花昆虫を狩るシーンを私は見ていません。(観察時間が短かったのでしょう。)



2015/11/27

キアシナガバチ♀同士が巣上で喧嘩



2015年7月下旬

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#8


在巣の蜂は計6匹写っています。
この日はキアシナガバチ♀(Polistes rothneyi)♀同士の激しい優位行動が繰り広げられ、巣上は絶え間ない闘争で騒然としています。
何がきっかけとなったのか不明ですけど、かなり気が立っていてます。
劣位個体は何をされても無抵抗です。
常識的に考えれば、ヒステリックに攻撃している個体は創設女王でしょう。
ミツバチの女王蜂は女王物質というフェロモンで化学的にコロニーを統治しますが、アシナガバチは女王が娘(ワーカー♀)を力づくで支配しないとクーデターを起こされ勝手に産卵されてしまいます。
虐められた劣位の♀ほど卵巣が退縮するそうです。
個体標識すれば順位制がはっきり見えてくるはずですが、とても余力がありませんでした。

映像後半では幼虫と栄養交換してから、成虫間で口づけを交わしました。(@1:00)
栄養交換以外にも「相手を宥める挨拶」「優位性を確認する儀式的行動」という意味合いがあるのかもしれません。

依然として繭キャップが作られていない点も気がかりです。
成虫の数に対して幼虫がいつまでも少なく成虫の栄養源である栄養交換にも事欠くのではないか?と心配になります。
このコロニーはシーズンの途中で引っ越してきた二次巣と考えられるのですが、実は何らかの理由で女王が不在ではないか?という疑念が浮かびます。
ワーカー♀産卵が横行し互いに食卵し合っているせいで、なかなか幼虫が孵化しないのかもしれません。
(個体識別できていませんし観察時間も少ないので、ただの想像に過ぎません。)

つづく→#9:夜に繭を紡ぐキアシナガバチ老熟幼虫【暗視映像】


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