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2018/07/12

カキドオシの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬

ニセアカシアを主体とする河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
この時期に見かける大型の♀個体はワーカーではなく創設女王だと思います。

クロマルハナバチ創設女王の訪花シーンをよく見ると、ミツバチ♀ヒゲナガハナバチ♂のようにカキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、毎回必ず花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜していました。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる採餌行動で、クマバチやクロマルハナバチのような舌の短い蜂の得意技です。
次々に花を訪れても雄しべの花粉に全く触れませんから、当然ながら後脚の花粉籠は空荷でした。

後半は、盗蜜行動と飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@3:44〜)
カキドオシの花に止まる際にうっかり正当訪花しそうになっても、慌てて穿孔盗蜜に切り替えた様子(@3:53)が興味深いです。
複数個体を撮影。

この辺りではクマバチよりも個体数が少ない印象で、日当たりの良い堤防ではクロマルハナバチ♀を見かけませんでした。
同所性に採餌しているとすれば競争相手になるはずですが、この二種のハナバチの微妙な棲み分けが興味深く思いました。
(短い観察時間だったので、たまたまそう見えただけかもしれません。)


クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/11

カキドオシの花蜜を吸うヒゲナガハナバチの一種♂



2018年5月上旬

川沿いの日当たりの良い土手に咲いたカキドオシの大群落でヒゲナガハナバチの一種♂が何匹も活動していました。

花筒の入り口から頭を突っ込んで花蜜を吸っています(正当訪花)。
吸蜜後に顔を出すと体毛が白い花粉で汚れていました。
雄蜂はその場で身繕いして花粉を軽く落とすと、次の花へ飛んで行きました。

一方で、カキドオシの葉に止まってじっと休んでいる個体もいます。

この仲間の蜂の種類を正確に同定するには採集して翅脈などを精査する必要があるのですが、残念ながら逃げられてしまいました。
映像の前後半に登場するのは別個体です。
したがって、別種である可能性も否定できません。


ヒゲナガハナバチsp♂@カキドオシ訪花吸蜜
ヒゲナガハナバチsp♂@カキドオシ訪花吸蜜
ヒゲナガハナバチsp♂@カキドオシ葉

2018/07/09

カキドオシの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬

川の堤防や河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。
頭楯が黒く、複眼がそれほど大きくないので♀です。
クマバチ♀の訪花シーンをよく見ると、ミツバチのようにカキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、毎回常に花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動で、クマバチのような舌の短い蜂の得意技です。
雄しべの花粉に全く触れませんから、当然ながら後脚の花粉籠は空荷でした。

後半は、盗蜜行動を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@2:00〜)
複数個体を撮影。

この辺りで活動するハナバチ類の中ではクマバチが優占種らしく、かなり個体数が多い印象を受けました。
日当たりの良い堤防でもやや薄暗い林床でもどちらでも採餌活動していました。
ニセアカシアを主体とする河畔林は未だ冬芽から葉が茂っておらず、林床まで日光が届いて明るい状態でした。
つまり春に開花するカキドオシは、スプリング・エフェメラルの一種と言えるかもしれません。

つづく→雄蜂♂は穿孔盗蜜するかな?


クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/08

カキドオシの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2018年5月上旬

日当たりの良い河原の土手に咲いたカキドオシの大群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
花から花へ忙しなく飛び回り、吸蜜しています。
後脚の花粉籠に白っぽい(灰色)花粉団子を付けていました。


セイヨウミツバチ♀@カキドオシ訪花採餌

2018/06/29

白梅の花蜜を舐めるヒヨドリ(野鳥)



2018年4月中旬

民家の庭に植栽されたウメ(白梅)の木が満開に咲いていました。
今年もヒヨドリHypsipetes amaurotis)が吸蜜しにやってきまし。
嘴には未だほとんど花粉が付着していませんが、下顎が黄色い花粉で汚れているのを確認できました。
ヒヨドリが次の花で吸蜜すると、この花粉が次の花の雌しべに触れて、受粉が成立します。
昆虫が少ない早春に咲くウメは甘い花蜜を報酬として鳥類に受粉を助けてもらう鳥媒花なのです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヒヨドリ(野鳥)@白梅+訪花吸蜜

2018/06/28

ノブドウの花で吸蜜するヒメスズメバチ♀



2015年8月中旬

農道脇に繁茂するノブドウのマント群落でヒメスズメバチVespa ducalis)のワーカー♀が訪花していました。
一緒に咲いていたボタンヅルの白い花には見向きもせずに、専らノブドウの花蜜を舐めて回ります。
花の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれました。


ヒメスズメバチ♀@ノブドウ訪花吸蜜

2018/06/27

エゴノキの花で採餌するヒゲナガハナバチの仲間♀?



2017年6月上旬

農業用水路沿いで満開に咲いたエゴノキで、ちょっと見慣れないハナバチの仲間が何匹も訪花していました。

後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。
花の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれましたが、その際に長い舌が見えました。
吸蜜後、花にぶら下がりつつ身繕いしている個体がいました。

胸背に白い花粉の塊が付着している個体もいました。
エゴノキの花粉とは違うようですが、その植物の正体が気になります。

ハチを採集できなかったので名前ははっきり分かりませんでした。
なんとなくハイイロヒゲナガハナバチ♀などの仲間ではないかと思います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/06/26

ツリフネソウに訪花するクロホウジャク?(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬・午後17:00頃

山麓の湿地帯に咲いたツリフネソウの群落で夕方近くにスズメガの一種が複数個体(少なくとも2頭以上)訪花していました。
花から花へとにかく忙しなく飛び回り、ホバリング(停空飛翔)しながら、ゼンマイのように巻かれた長い口吻を距の奥に差し込んで吸蜜しています。

後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えて、この激しい羽ばたきを撮ってみました。(@0:13〜)
1/8倍速のスーパースロー映像で見ても羽ばたきが速過ぎて、翅の斑紋などの特徴が見分けられません。

蛾を同定するためにストロボを焚いて翅の動きを止めた写真を撮りたかったのですが、やや遠くてストロボの光が届かないかな?と躊躇していたら蛾は逃げてしまいました。
近づくには長靴を履いてぬかるんだ湿地帯に踏み込まないといけないのですけど、この日は普通の靴でした。
おそらくクロホウジャクMacroglossum saga)ではないかと思うものの、定かではありません。
私の撮影スタイルは行動を記録するための動画中心なので、どのぐらい粘って動画を撮ったら写真に切り替えるか、という咄嗟の判断が遅れると虫に逃げられ悔しい思いをすることが多いのです。

同じ場所で後日、同じ被写体の撮影に再チャレンジしました。
同定用の写真とHD動画は撮れたものの、今度はハイスピード動画を撮る前に逃げられてしまいました。
どれか一つ撮るなら比較的容易いのですが、三つ全て撮るのはなかなか難しいのです。


▼関連記事
ツリフネソウの花で吸蜜ホバリングするクロホウジャク(蛾)

スズメガ類はツリフネソウに正当訪花するのですが、送粉者ではりません。
スズメガ類は細長い口吻を伸ばして手を汚さずに(雄しべの葯に全く触れずに)花蜜を効率的に吸えるので、花の受粉には全く寄与しません。
ツリフネソウにしてみれば、困った泥棒(盗蜜者)なのです。


田中肇『花と昆虫:不思議なだましあい発見記』によれば、

ツリフネソウの花をねらう泥棒は多く、花の正面から蜜や花粉をねらう昆虫もいる。(中略)スズメガ類はヘリコプターのように飛びながら花のまえの空中に静止し、3cm以上もある長い口を花の奥にさしこんで蜜を吸う。筒はその口よりは浅いので、ガの頭や体は雄しべや雌しべに触れない。もし口が触れることがあっても、細い口につく花粉はわずかだし、ついた花粉が針のように細い雌しべの先につく確率はたいへん低いと考えられる。このガも、ツリフネソウにくる泥棒なのだ。 (p140より引用)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際はもう少し薄暗い条件でした。


2018/06/22

ヤツデの雌花に集まるハナアブ、クロバエ、カメムシの仲間



2017年11月上旬

民家の庭に植栽されたヤツデが地味な花を咲かせていました。
雌しべだけが見えるので、雌性期の花です。
色々なハナアブ科やクロバエ科の仲間が訪花して吸蜜していました。

その間、1匹のカメムシが枝を伝い歩いて下りてきました。
残念ながら背面がしっかり見えないのですが、ミヤマツノカメムシかもしれません。
カメムシがヤツデのどこから吸汁するのか、観察したかったです。



2018/06/18

オオハンゴンソウの花蜜を吸うクロマルハナバチ♂



2016年9月下旬

農道沿いに咲いたオオハンゴンソウの群落でクロマルハナバチ♂(Bombus ignitus)が訪花していました。
吸蜜しています。
雄蜂♂の体色は♀と全く異なり(性的二形)、黄色・黒・茶色という明るくカラフルな縞模様です。


この日はオオハンゴンソウの花で他の種類のマルハナバチを見かけず、クロマルハナバチの♀も来てないのは不思議でした。
(オオハキリバチは多数、訪花していました。)
オオハンゴンソウの同じ花でクロマルハナバチ♂とオオハキリバチが出会っても、互いに無関心で争いになったりしませんでした。



▼関連記事
オオハンゴンソウに訪花するクロマルハナバチ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】




【追記】
この花はハチミツソウではなくてオオハンゴンソウでした。
遅まきながら訂正します。
YouTubeのコメント欄でsatoko kurodaさんからご指摘頂きました。





2018/06/14

夕暮れにセイタカアワダチソウの花で吸蜜するキクキンウワバ(蛾)



2016年10月上旬・午後17:28〜17:31

郊外の住宅地の道端に咲いたセイタカアワダチソウの群落で、日没後に2頭の蛾が訪花していました。
吸蜜中も羽ばたきを続けていますが、脚を花に掛けているのでホバリング(停空飛翔)ではありません。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:13。

同定するために動画だけでなくストロボを焚いて写真に撮ったものの、ピントがしっかり合う前に逃げられてしまいました。
おそらく3年前にも撮影したキクキンウワバThysanoplusia intermixta)だと思うのですが、どうでしょうか。

前回も撮影時刻は夕暮れでした。


▼関連記事
セイタカアワダチソウの花蜜を吸うキクキンウワバ(蛾)

キクキンウワバ?2(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
キクキンウワバ?2(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜

2018/06/13

葉桜の花蜜を吸うヒヨドリ(野鳥)



2017年5月上旬

郊外の道端に育ったソメイヨシノの老木で花が散りつつある葉桜の状態でした。

一羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が訪花していました。
細い枝でも逆さまにぶら下がった姿勢で嘴を花につっこみ、器用に吸蜜します。

次から次へと訪花するヒヨドリの嘴は桜の花粉で汚れています。
この時期は未だ活動する虫の数が少ないので、もしかすると桜の花の受粉を主に担っているのは昆虫ではなくヒヨドリなのかもしれません。
(桜は鳥媒花か虫媒花なのか?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/06/05

ニラの花で吸蜜するフタモンアシナガバチ♂



2016年10月中旬

線路沿いの道端に咲いたニラの貧弱な小群落で、フタモンアシナガバチ♂(Polistes chinensis antennalis)が訪花していました。
隣の株で吸蜜している2匹の雄蜂♂は、互いに無関心でした。
同じ花でニアミスしても触角で軽く触れ合っただけで、相次いで飛び去りました。
♂同士の誤認求愛なども見られませんでした。


フタモンアシナガバチ♂2@ニラ訪花吸蜜

2018/06/01

ウドの花で吸蜜するコガタスズメバチ♀



2016年9月下旬

川沿いの土手に咲いたウド(独活)の群落でコガタスズメバチVespa analis insularis)ワーカー♀の複数個体が訪花していました。
おそらく同じコロニー出身のワーカー♀だと思うのですが、出会い頭に軽い小競り合いのような空中戦を繰り広げています。
何匹ものコガタスズメバチ♀が忙しなく飛び回り、どの個体を撮ろうか目移りしてしまいました。


コガタスズメバチ♀@ウド訪花吸蜜
コガタスズメバチ♀@ウド訪花吸蜜

2018/05/29

ヘクソカズラの花蜜を盗むクロマルハナバチ♀



2017年7月下旬・午前8:42〜8:46

住宅地の板塀に絡みつくように繁茂したヘクソカズラの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。

後脚の花粉籠が空荷だったので、吸蜜シーンをよく観察すると、正当訪花していませんでした。
毎回必ず白い花筒の根元を外側から噛み切って穿孔し、その穴から舌を差し込んで蜜腺を舐めていました。
舌の短い種類のハナバチがよく行うこのような吸蜜法を盗蜜行動と呼びます。
ヘクソカズラの雄しべにも雌しべにも触れないので受粉に全く関与しません。
植物の立場にしてみれば、せっかく受粉行為の報酬として生産した花蜜の盗られ損になりますから、クロマルハナバチは招かれざる客です。

クロマルハナバチと同じく盗蜜の常習犯であるクマバチも同時にこの群落で訪花していたため、既にほとんどの花筒に穿孔跡が残されていました。

▼関連記事
ヘクソカズラの花で盗蜜するクマバチ♀
つまり今回の場合、クロマルハナバチは二次盗蜜者と呼ぶのがふさわしいのかもしれません。
(最初に穿孔した一次盗蜜者はどちらの蜂なのか、不明です。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



実は同じテーマで4年前にも記事にしています。
改めて動画を撮り直してみました。
少しは撮影技術が向上しているかな?


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ヘクソカズラの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀


クロマルハナバチ♀@ヘクソカズラ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ヘクソカズラ訪花+穿孔盗蜜

2018/05/23

ヤツデの雄花で吸蜜するオオハナアブ♀



2017年11月上旬

民家の玄関脇に植栽されたヤツデに咲いた雄性期の花にオオハナアブ♀(Phytomia zonata)も訪花していました。
左右の複眼が離れているので♀ですね。

♀だけでなく♂も来ていたのに、交尾行動を始めませんでした(見たことがありません)。

▼関連記事
ヤツデの雄花を舐めるオオハナアブ♂


オオハナアブ♀@ヤツデ訪花(雄花)吸蜜
オオハナアブ♀@ヤツデ訪花(雄花)吸蜜

2018/05/18

ヤツデの雄花を舐めるハナアブ類(ナミハナアブとシマハナアブ?)



2017年11月上旬

民家の玄関脇に植栽されたヤツデが雄性期の花を咲かせていました。
様々な種類のハナアブ類が訪花し、玉状の散形花序を歩き回りながら花蜜を舐めています。

普通種だと思うものの、ハナアブ類はとにかく種数が多くて難しいので私は苦手意識が強く、どうしても名前を調べるのが億劫になってしまいます。
どなたか教えて下さい。
なんとなく、シマハナアブEristalis cerealis)とナミハナアブEristalis tenax)ですかね?
きちんと同定できれば一種類ずつ動画を切り分けるのですが、面倒なので一緒くたにしました。



田中肇『花と昆虫、不思議なだましあい発見記』によると、
・(ハナアブ類は)花にもぐりこんだり、下向きの花に止まったり複雑な花を操作したりするのは得意ではない。彼らが得意とするのは、比較的低温でも飛べることである。 (p99より引用)
・ハナアブ類が活動できる下限の温度は15℃。 p100より)
撮影後に気温を測るべきでしたね。
また、この名著のハナアブ類に関する章を読んで一番驚いたのは、「ハナアブ類のあいだには、種類により花を利用するさいの優劣関係がある。優位の昆虫が来たら席をゆずる。」という記述でした。(p113-114より)
樹液酒場に集まる昆虫類に序列があるのは有名ですが、訪花するハナアブ類に序列があるとは初耳でした。
研究データに基づいた具体的な序列が書かれてあり、ハナアブは1位、シマハナアブは3位とのことでした。




2018/05/16

ユリズイセンの花で盗蜜するクロヤマアリ♀の群れ



2017年8月中旬

家庭菜園の片隅の花壇に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が訪花していました。
花弁がオーソドックスなピンク色の品種です。



クロヤマアリ♀は花筒の根元付近に群がっていました。
ユリズイセンの隣り合う花弁と花弁の間に隙間があるため、体の小さなアリは自由に出入りして、結果的に盗蜜になっています。
植物側にとってみれば、アリは花蜜をただで盗むだけで受粉に関与していません。
アリの体はとても小さいので、たとえラッパ状に開いた花の入り口から侵入(正当訪花)したとしても、雄しべの葯や雌しべに触れることなく奥の蜜腺に到達できます。
しかもアリは地面から茎を登って来るので、正当訪花するためにはわざわざ花弁上をかなり遠回りする必要があります。
私は昆虫の盗蜜行動に興味があるので、今回も注目して撮ってみました。
しかし、細長い口吻を持つチョウによる盗蜜行動が珍しくないように、アリによる盗蜜行動も、仕組みこそ違えど実は特に珍しいことではありません。
やはり一番面白いのはハチ類による穿孔盗蜜ですね。


田中肇『花と昆虫、不思議なだましあい発見記』によると、

普通の花の場合、羽をもたない働きアリたちは草や木をよじ登って花にいき、蜜を腹一杯吸うと、もときた道をおりていく、そして地におりると、まっしぐらに巣に帰ってしまう。
アリは体が小さいので雄しべや雌しべの先に触れないし、たとえ花粉がついても真っすぐ巣に帰ってしまっては、ほかの株にまでは運ばれない。そのため、植物の立場からは、蜜の吸われ損になり、多くの花にとってアリはきてほしくない昆虫となっている。 (p95より引用)

クロヤマアリ♀群れ@ユリズイセン訪花+盗蜜
クロヤマアリ♀群れ@ユリズイセン訪花+盗蜜

2018/05/15

ヤツデの雄花を舐めるオオハナアブ♂



2017年11月上旬

民家の玄関脇に植栽されたヤツデで様々なハナアブ類に混じってオオハナアブ♂(Phytomia zonata)も訪花していました。
雄しべがある雄性期の花で花蜜や花粉を舐めていました。
オオハナアブは私にも唯一、見分けられるハナアブです。
この個体は複眼が接しているので♂です。
なぜか腹部の橙色の縞模様が色褪せていました。

四季折々の訪花昆虫を観察してきましたが、シーズン最後の初冬を代表する花はヤツデです。
ずっと撮りたいテーマだったので、夏の頃から出歩く度にヤツデが植えられた庭を地図に記して花が咲くのを待っていました。



オオハナアブ♂@ヤツデ訪花(雄性期)吸蜜
オオハナアブ♂@ヤツデ訪花(雄性期)吸蜜
ヤツデ花・全景

2018/05/13

キイロスズメバチ♀がセイタカアワダチソウの花で吸蜜しセイヨウミツバチ♀を狩る



2017年10月下旬

湿地帯に近い遊歩道の脇に背高く咲いたセイタカアワダチソウ群落でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
種々のハナアブ類に混じって花蜜を舐めているようです。

スズメバチの吸蜜シーンは珍しいと思い動画を撮り続けていると、急に花穂の外側に向き直り、近くに飛来したセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀を捕獲しました。
花上で獲物を狩った瞬間を撮れたのは初めてですが、無造作に飛びついて捕獲しただけでした。

セイタカアワダチソウの黄色い花の上ではキイロスズメバチの体色はあまり目立ちませんから、もしかすると花蜜目当てに訪花していたのではなく、獲物を待ち伏せするための攻撃的擬態(ペッカム型擬態)なのかもしれない?と妄想してみました。
それまでに何度かハナアブ類とニアミスしていたキイロスズメバチ♀は、獲物に対して敏感になっていたのでしょう。

餌食となったミツバチの花粉籠に少量の花粉団子が付いていました。
キイロスズメバチは毒針は使わずすぐに大顎で獲物に噛み付いて仕留めるはずですけど、花の陰に隠れてしまいました。
獲物の首元(頭部?)を咥えて飛び去る瞬間、セイヨウミツバチ♀は反撃の毒針を出していました。
この後、キイロスズメバチはどこか近くで肉団子を作り、巣に持ち帰るはずですが、見失ってしまいました。



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