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2017/01/11

餌付けされたハシボソガラス(野鳥)



2016年9月下旬

街中の交差点で信号待ちをしていたら、前方の路上にハシボソガラスCorvus corone)が一羽立っていました。
車の交通量が結構多い通りですが、赤信号で車が来ないタイミングをカラスは理解しているようです。
クルミ割り行動ではないので不思議に思って撮り始めると、左手の豆腐屋から急に食物が投げられました。
カラスは転がった餌を走って取りに行くと、その場では食べず、嘴に咥えて飛び去りました。
繁殖期は終わっているはずなので、巣に帰って雛に給餌するのではなく、どこか落ち着いた場所で自分が食べるのか、あるいは貯食しに行ったと思われます。
どうやら店の主人がカラスに餌付けしているようです。
餌は茶色の塊でしたから、おそらく「油揚げ」または「がんもどき」でしょう。
「鳶に油揚げをさらわれる」という諺がありますけど、「烏に油揚げをさしあげる」のは初めて見ました。



【追記】
 柴田佳秀『わたしのカラス研究(やさしい科学)』によると、
実験の結果から、カラス(ハシブトガラス)は生肉が一番好きで、次に魚肉ソーセージと油あげが好きだということがわかりました。反対に野菜やめざしはきらいなようです。 
・カラス(ハシブトガラス)を飼育している人から聞いた話では、パンにバターをぬると、その部分だけを食べるといいます。とにかくカラスは「あぶら」が大好きなのです。(p19より引用)

2016/12/28

交尾前ガード中のアカオニグモ♀♂(蜘蛛)の網にムラサキツメクサの花を給餌すると…?



2016年9月上旬・午後16:07〜16:09

▼前回の記事
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

造網性クモが花を食べるという再現性に乏しい奇妙な食性がずっと気になっていて、機会がある度に調べています。

▼まとめ記事(リンク集)
花を食べる造網性クモの謎
営巣地の近くに咲いていたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の花を採取してアカオニグモAraneus pinguis)の垂直円網に投げつけてみました。
1投目は花が網を素通りしてしまい、失敗です。
網が揺れたのに隠れ家に潜むクモは♀♂共に無反応でした。
(映像はここから)

2投目で花が網に付着しました。
それでも意外なことに、隠れ家(画面左のイヌタデ)のクモは♀♂共に無視したままです。

そこで花に振動を与えるために、音叉を鳴らして花や網に触れてみました。
この振動数(A-440Hz)は網にかかった昆虫が暴れる羽ばたきとほぼ同じらしく、クモを騙せることが知られています。
ところが繰り返しやっても今回のクモは無反応でした。
♀を交接前ガードしているだけの♂成体の食欲が無いのは当然というかよく分かります。
しかし、♀は色気より食い気なのが普通です。
つい先程、隠れ家の♀が歩脚の先で網から伸びる信号糸に触れていることを確認したばかりです。
網にかかった花や音叉の振動を気づいているはずなのに、無反応なのは不思議です。
食欲がなくても網にかかった異物を取り除くために隠れ家から出てきても良さそうなものです。
♀は脱皮前の眠なのかな?

後で思うと、もう少し小さな花を給餌していれば結果は変わっていたかもしれません。
巨大な虫が網にかかったのかと思い、アカオニグモはすっかり怖がってしまったのかな?
以前、造網性クモが食べてくれたアメリカセンダングサの花は未だ咲いていませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

しつこい私はそれでも懲りずに、生きた昆虫を網に給餌してみることにしました。


つづく→網に給餌したアキアカネ♀を捕食するアカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)





2016/10/06

セマダラコガネを狩り肉団子を作るコガタスズメバチ♀



2016年7月上旬・午後18:37

堤防の土手に咲いたネムノキの灌木にコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が訪花していました。
花蜜が目当てではなく、獲物を探して飛び回っています。
未だ明るいのに、ネムノキの葉が閉じかけています。

蜂が花の陰で何か獲物を捕らえました。
近くに生えたススキの群落に飛んで移動し、枯れ茎にぶら下がると、獲物を解体して肉団子を作り始めました。
コガタスズメバチ♀は左後脚の跗節を引っ掛けただけで器用にぶら下がっています。
獲物はおそらくセマダラコガネExomala orientalis)だと思います。

▼関連記事
ウツギの花で食事するセマダラコガネ
獲物の翅を毟り取って捨て、邪魔な脚も切り落としているようです。
セマダラコガネの筋肉を噛みほぐして肉団子が出来上がりましたが、かなり粗挽きの挽肉です。
コガタスズメバチはこれを咥えて巣に向かって飛び去りました。



2016/09/16

ウワミズザクラ?樹上で授乳するニホンザル♀の警戒心



2016年6月下旬

山間部の道端で雑木林の樹上で野生ニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が枝の又の部分に腰掛けていました。
単独行動かと思いきや、赤ん坊ザルを抱いていたと後に判明します。
非常に警戒心が強く、チラチラとこちらを気にしています。
離れたところから望遠レンズで撮っている私にも赤ん坊を絶対に見られないように背を向けていました。
樹種はおそらくウワミズザクラかな?
母猿は口をモグモグと動かしています。
手を動かす採食活動はしてませんので、頬袋に溜め込んだ食物を咀嚼しているのでしょう。

右の樹上にもう一頭のニホンザルが居たようですが、木を下りるまで私は気づきませんでした。
一方、ウワミズザクラ樹上の母猿は動きません。

最後に私がそっと近づいてから撮ると、気づいた猿が慌てて逃げ出す際に、赤ん坊ザルを腹に抱えていました!
素早く木から下りて森へ逃げて行きました。
私に背を向けて乳児を隠しながら、長い間ずっと授乳していたのかもしれません。
私はこの日どうしても先に急ぎたい用事があり、母猿の横をの道を通る必要がありました。
しばらく待っても遊動する気配がなかったので、母猿を驚かせたくはなかったのですけど、動画を撮りながら静かに進みました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/09/15

枯れたハンノキでさえずり♪虫を捕食するオオヨシキリ♂(野鳥)



2016年6月中旬

池の畔で立ち枯れしたハンノキオオヨシキリ♂(Acrocephalus arundinaceus)が枝から枝へ飛び回り、枝を啄んでいました。
早朝(午前6:33)から餌となる虫を探索しているようです。
やがて樹冠へ登り囀り始めたので、♂と判明。

ラストシーン(午前7:20)は別個体かもしれませんが、嘴に何か虫を咥えたまますぐにハンノキから飛び去りました。
巣で待つ雛に給餌するのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2016/09/13

授乳中の子連れニホンザル♀の身体能力



2016年6月下旬

峠道のガードレールに座っていたニホンザルMacaca fuscata fuscata)子連れ♀です。
赤ん坊猿を胸に抱いて授乳していました。
私に気づくと、母猿は赤ん坊ザルを腹にしがみつかせたままガードレール上を渡りながら歩き去りました。
さすがに少し重そうで、一度は足元を滑らせかけました。
母猿がガードレールから立ち上がったのでどうするのかと思いきや、子猿を胸に抱いたままシナノキの枝を掴むと飛びつきました。
素晴らしい身体能力に惚れ惚れしました。
最後は木に登って安全な枝に腰掛けました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


赤ん坊は母親の乳首をしっかり吸っています。

2016/09/08

青虫で肉団子を作るコアシナガバチ♀



2016年6月下旬

平地の道端の草むらでコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀が青虫を狩りました。
イネ科の草の葉先に止まると、獲物を噛み解してせっせと肉団子に丸めています。
最後は住宅地の方へ飛び去ったので、そちらに巣があり自分たちの幼虫に給餌するのでしょう。



2016/09/04

蛾を捕食するオオヨシキリ(野鳥)



2016年6月中旬・午前7:50

溜池の岸に生えたヨシ原で獲物を探していたオオヨシキリAcrocephalus arundinaceus)が水際の根元付近で白い蛾(種名不詳)を捕らえました。
その場で自分で食べずに嘴に貯めて、巣で待つ雛に給餌するようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/08/27

川でゴミを漁るハシボソガラス(野鳥)の親子



2016年6月中旬

街中を流れる川でハシボソガラスCorvus corone)の親子が採食していました。
岸辺に漂着したビニール袋を成鳥が調べています。
口の中が赤い幼鳥が餌乞いしながら親鳥に近づくと、軽く嘴で撃退されました。
袋の中に食物は無かったようで※、成鳥は歩き去り、下流の方へ飛び立ちました。
取り残された幼鳥が恨めしそうに鳴いています。
その幼鳥も飛び立つと、川岸のお寺の境内で仲間(家族群)に合流しました。
親子が並んでいて、幼鳥がやかましく餌をせがんでいます。

※ 動画のスナップショットを拡大すると、切り花を川に捨てた(落ちた?)ようにも見えました。


今回の親鳥(成鳥)のように、頭部が出っ張っているのに嘴は太くない、というカラスをたまに見かけてその度に迷うのですけど、これはハシボソガラスですよね?
雑種の可能性もあるのでしょうか?
性差なのかな?



2016/08/22

木炭を採食し幼鳥に巣外給餌するハシボソガラス(野鳥)



2016年6月中旬・午前4:46

中庭の原っぱで早朝、ハシボソガラスCorvus corone)の親子が採食していました。
木の根元でゴミをあさっています。
採食している成鳥の目の前で翼を持ち上げ鳴いて餌をねだる個体は、口の中が赤いので幼鳥です。
幼鳥は鳴いて空腹を訴え、餌乞いの姿勢をして親鳥から餌を求めます。

実は全く同じ場所で約1年前にも給餌シーンを撮影しています。

▼関連記事
巣立ち雛に給餌するハシボソガラスの家族群(野鳥)
今回驚いたのは、給餌メニューです。
どうやらバーベキューなど焚き火した跡でカラスは木炭を採食しているようです。
なんと驚いたことに、幼鳥にも木炭を給餌してやりました。
更に木炭を嘴でかき分け、何か食物を探しています。
幼鳥も真似して自分で啄んでいます。
やがて幼鳥が離れて行きました。
親鳥の地上採食を撮り続けていると、幼鳥が駆け寄ってやかましく餌をねだり、給餌を受けました。

木炭に集まる虫を捕食しているのか?とか、炭ではなく黒土なのかも?と疑問に思ったのですが、残念ながら勝手に立ち入れない場所なので現場検証できませんでした。

整腸作用のある木炭を野鳥が採食する行動は、2年前にカワラヒワで観察していたので、初めての時ほど驚きや衝撃はありません。

▼関連記事
木炭を採食するカワラヒワ(野鳥)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/08/20

ヨシゴイ♂(野鳥)との出会い:葦原で朝の日光浴



2016年6月中旬・午前5:45

溜池の畔で青々と茂ったヨシ原に早朝、全体が褐色の見慣れない野鳥が止まっていました。
徹夜明けで疲れた私の脳は、色形がまるでカレハガ科のタケカレハという蛾の成虫にそっくりだなと連想しました。(もちろん擬態などと言うつもりはありません。)
帰ってから図鑑で調べてみると、ヨシゴイ♂(Ixobrychus sinensis)と判明。

ヨシゴイ♂は背が高く伸びたヨシ原の中で枯れた茎に足で掴まってじっとしています。
朝の日光浴なのでしょうか?
朝露で濡れた羽根を広げて乾かす訳でもなく、羽繕いもせずにただ静止しています。
性別は後に♂と分かります。
近くの線路を列車が通過しても無反応で、ヨシゴイ特有の擬態姿勢(上を向いて首を伸ばす)にはなりませんでした。

引きの絵にすると、葦原の右側に一羽のオオヨシキリAcrocephalus arundinaceus)を見つけました。(@2:05)
水際でヨシの茎から茎へ活発に飛び回り虫を次々と捕食しています。
その場で獲物を食べずに嘴に虫を貯めているので、巣に持ち帰って雛に給餌するのでしょう。
枯れ茎に止まってポトリと脱糞しました。(@3:10)
最後は茂みの奥に消え、巣の位置は突き止められませんでした。
その間、ヨシゴイは全く無反応でした。
葦原を住処とする二種の動と静の対比が興味深く思いました。



つづく→ヨシゴイ♂(野鳥)が葦原で活動開始






2016/08/17

モズ♀(野鳥)の縄張りでセグロセキレイが虫を捕食していると…



2016年6月中旬

溜池の岸辺でセグロセキレイMotacilla grandis)がせっせと虫を捕食していました。
ヒトを恐れないのか、それとも私に気づいていないのか、水際を小走りでどんどんこちらに近づいて来ます。

捕らえた虫をその場で食さず嘴に貯めているので、巣で待つ雛に給餌するのだろうと分かりました。
大きな虫も素早く捕らえました!
撮影中はカゲロウの仲間かと思ったのですが、動画のスナップショットを見直すとオツネントンボSympecma paedisca)のように見えます。

やがてセグロセキレイが嘴を閉じたままヂュン、ヂュン♪と大声で鳴き始めました。
最後は鳴きながら慌てて逃げ去りました。
何事かと思いきや、モズ♀(Lanius bucephalus bucephalus)がすぐ近くの岸で枯れたガマ群落の茎のてっぺんに止まりました。
この溜池一帯を縄張りとするモズ♀(映像公開予定)が、競合するライバルを狩場から追い払ったのでしょう。

▼関連記事枯木で羽繕いするモズ♀(野鳥)
あわよくばセグロセキレイを狩ろうと急襲を試みたのかもしれません。
最後は百舌鳥♀も飛び去りました。






2016/07/30

毛虫を狩り肉団子を作るホソアシナガバチの一種♀



2016年6月上旬

山間部の道端に生えた灌木(ヤマボウシ??)の葉にホソアシナガバチの一種のワーカー♀が乗っていました。
毛虫を狩った直後だったようで、獲物を解体して毛皮を剥いで肉団子を作っています。
糞の詰まった内臓(消化器官)も選り分けて捨てています。
死臭をすばやく嗅ぎつけて、ニクバエがすぐ横で待機している他、微小のコバエも飛来しました。
獲物の正体は不明ですが、なんとなくクスサンの中齢幼虫かな?と勝手に想像しました。

毛虫の毛はアシナガバチから身を守る役には立ちませんでした。

そっと回り込んで肉団子作りを蜂の側面から撮影するのが精一杯で、ムモンホソアシナガバチ(Parapolybia indica)またはヒメホソアシナガバチ(Parapolybia varia)の識別ポイントである顔が正面から見れませんでした。
完成した肉団子を抱えて蜂は飛び立ち、帰巣しました。



2016/06/13

投げ落として割ったクルミの実を仲間に半分譲るハシボソガラス(野鳥)



2016年5月上旬

水田の裏手の駐車場でハシボソガラスCorvus corone)がクルミの硬い実を割ろうと投げ落としていました。
クルミの実を咥えて飛び上がり、電線よりも少し高い位置から放して落とします。
カラスも追いかけて着地すると、舗装された駐車場に落ちたクルミが割れたかどうか調べています。
再びクルミを咥えて電線に飛び乗りました。
電線で一休みすると飛び上がり、再びクルミを投げ落とします。
もう一度クルミを咥えて飛び上がり、電線よりも少し高い位置の空中から放して落としました。
クルミが落ちた衝撃音がカツーン♪と駐車場に響き渡ります。
車体にもぶつかったようです。
カラスは根気強くクルミの投げ落としを繰り返しています。

落としたクルミが毎回ほぼ真下に落ちて、どこかへ転がって紛失しないことに感心します。
駐車場など開けた場所の真ん中に落とすなど、何かコツがありそうです。
この駐車場はもしかすると完全な平面ではなく、水はけを良くするために画面の左右に向かって僅かに高くなっていて(傾きがあり)、中央部が少し低いのかもしれません。
なぜなら中央部に、コンクリート蓋の付いた排水溝が見えるからです。
(実験でビー玉を置いてみれば傾きの有無はすぐに分かりますね。)
だとすれば、この駐車場に投げ落とされた物は必ず低い中央部に向かって転がり、勢い良く遠くに転がって紛失するリスクは低いでしょう。
試行錯誤の結果そこまでカラスが洞察してこの駐車場でクルミ割りをやってるとしたら、恐るべき知能ですね。

必死で頑張るハシボソガラスaがクルミを咥えて電線に飛び乗ったとき、同じ電線の少し右に離れた位置に別個体のハシボソガラスbが止まってクルミ割りをじっと見守っていることに私は気づきました。

何度も投げ落とした苦労が実り、ようやくクルミの実が割れたようです。
二つに割れた胡桃の殻が駐車場の左右に飛び散りました。
すかさず、もう一羽bが電線から駐車場に舞い降りました。
クルミの実が割れたときは、衝撃音の変化で分かるのでしょう。
カラスbがaに駆け寄ると、aは横取りされないようにクルミを咥えて歩き去りました。※
bから少し離れた位置でカラスaは割れたクルミの実を食べ始めました。
足でクルミの実を押さえながら啄んでいます。
それを見たbは翼を半開きにしながら近寄り、餌をねだります。(餌乞い)
このとき残念ながらbの嘴の中の色が見えず、若鳥か成鳥か見分けられませんでした。
カラスの幼鳥が餌をねだる際に特有の鳴き声は聞こえませんでした。

▼関連記事
巣立ち雛に給餌するハシボソガラスの家族群(野鳥)

苦労して割ったクルミをこのままカラスaが独り占めするかと思いきや、aは割れたクルミの半分だけを持って右へ歩き去りました。
食べ残しの半分をカラスbが喜んで啄んでいたので、実が少し残っていたようです。
分け前を食べ終えたbは、殻をその場に残してaの元へ駆け寄りました。
カラスが2羽とも車の陰に入ってしまい、その後の顛末は不明です。

※ 映像を何度も見直すと、実はカラスbは決定的なミスを犯していました。
電線から駐車場に舞い降りたときに、割れたクルミの片方をaよりも先に取得するチャンスがあったのに、もう片方を咥えたカラスaの元に駆け寄ってしまったのです。

カラスが苦心して割ったクルミの実を仲間とシェアする利他行動を観察したのは初めてで、とても興奮しました。
図々しいカラスbがちゃっかり分け前を催促したときに、カラスaは拒否したり割れたクルミの実を持って飛んで逃げることもできたでしょう。
カラスaは単にお人好しの(寛大な)個体だったのですかね?
以前見た個体は、クルミの実を横取りされまいと必死でした。

▼関連記事
採餌中にクルミの実を取り合うハシボソガラス(野鳥)
労働の成果を盗まれたくない(労働寄生されたくない)のであれば、わざわざクルミ割り行動を見せびらかす必要はなく、賢いカラスならどこかで独りこっそりやるはずです。
おそらくこの2羽は血縁関係があり、私の想像では親子なのでしょう。
コツと根気が必要なクルミの投げ落とし行動を若鳥の見ている前で実演し、教育していたのではないでしょうか?
もうひとつの可能性は、つがいの♂が♀に食物を分け与えた求愛給餌かもしれません。
ハシボソガラスではヘルパー‡が幼鳥に給餌する例があるらしいので、血縁関係が薄くてもクルミの実を割る匠の技を伝授してもらおうと(技を盗もうと)年長者に弟子入りしていても不思議ではないのかもしれません。

‡ ヘルパー (動物) - 動物行動学で、仔が成長後も親の元に残り、親の子育てを助けること、あるいはそれを行う仔のこと。(wikipediaより)


2016/05/28

池の護岸で虫を捕食するセグロセキレイ♂(野鳥)



2016年5月上旬

溜池のコンクリート護岸の階段でセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が虫を捕食しに通っていました。
よく見ると嘴に虫を何匹も咥えたまま走り回っています。
何度も連続で虫を捕らえ、嘴に獲物を貯めてから帰巣して雛にまとめて給餌するのでしょう。
自分のために捕食しているのであれば、嘴に獲物を貯めずにすぐ飲み込むはずです。
ときどき池の水面をかすめるように飛んでは岸の階段にすぐ戻ってくるのは、水生昆虫を見つけて捕らえたのでしょう。
また、岸から水面に嘴を付けて水を飲んだように見えましたが、もしかすると水面のアメンボなどを素早く捕食したのかもしれません。
本当の飲水行動なら嘴を水に浸した直後に上を向いて喉に水を流し込むはずですし、嘴に獲物を何匹も咥えたまま水を飲むのはとても難しそうです。

飛ぶときに発する鳴き声が確かにハクセキレイとは違い濁っていますね。
(近くでオオヨシキリやカルガモが喧しく鳴いています。)



2016/05/19

餌を運ぶミソサザイ(野鳥)



2016年4月下旬

渓流沿いのスギ倒木にミソサザイTroglodytes troglodytes)が乗っていました。
映像の冒頭、後ろ姿でポトリと排便。
嘴に何か虫を数匹咥えていますね。
自分で食べるのであれば直ちに捕食するはずですから、誰かに給餌するのでしょう。
ミソサザイが求愛給餌する習性は聞いたことがありません。
親鳥が雛に給餌するために川虫を捕っていたと考えられます。
本種の産卵期は5~8月らしいのですけど、今年は暖冬の影響で少し早まったのかな?
最後はどこかへ(巣へ?)飛び去りました。

鳴き声は聞き取れませんでした。
横を流れる渓流の水音でかき消されたのかもしれません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/02/20

キアシナガバチ♀の肉団子作りと給餌



2015年8月中旬

キアシナガバチ巣の定点観察@軒下#3


真夏の昼下がり、キアシナガバチPolistes rothneyi)の巣では在巣の蜂が静かに身繕いしたり育房を点検したりしていました。

すぐ近くの庭木で狩りに成功したワーカー♀を見つけました。
ハンディカムを近づけると怖がって逃げました。
木の葉に止まり直すと、芋虫を解体し肉団子を作っています。(@0:53〜)
葉縁がカールした木の葉に止まっているせいで、肝心の蜂の口元がよく見えません。
私が下手に動くと蜂が逃げそうな予感がするので、じっと我慢。
ようやく慎重に横へずれてアングルを確保した時には、既に獲物の原型は留めていませんでした。
したがって、獲物の正体は不明です。
蜂は肉団子を咥えて飛び去ると、軒下の巣に帰りました。(@5:27〜)
コロニーは数分前より騒然としています。
おそらく雄蜂や新女王に肉団子を分配して給餌しているのでしょう。

つづく→#4:キアシナガバチの巣:昼と夜の動静【暗視映像】


2016/02/18

巣上で餌を分配するキアシナガバチ♀♂



2015年8月上旬

キアシナガバチ巣の定点観察@軒下#2


11日ぶりに様子を見に行くと、キアシナガバチPolistes rothneyi)のワーカー♀だけでなく、顔が白く触角の長い雄蜂♂(触角の先がカールしている)も巣上に居ました。
なかなか大きく育った巣ですが、寄生蛾の幼虫による食害は発生していないようで、至って健康なコロニーに見えます。
ワーカー♀が狩りから戻る度に在巣の蜂が殺到して、餌(おそらく肉団子)の分配を求めます。
巣盤の下の方でも成虫間(片方は♂)で口づけを交わし、栄養交換しています。
ワーカー♀が巣から次々に飛び立ち外役に出かけます。
その一方、「頭隠して尻隠さず」状態で育房に潜り込みじっとしている個体は一体何をしているのでしょうね?

つづく→#3:キアシナガバチ♀の肉団子作りと給餌


顔の白い♂が2匹@時計盤の3時と8時

2016/01/18

網にかかったトンボには目もくれず花を食べるイシサワオニグモ♀(蜘蛛)



2015年10月上旬

花を食べるイシサワオニグモ♀(蜘蛛)の謎#3:


このイシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)がゲテモノ食いに走ったのは、ひどく飢えているからでしょうか?
空腹状態を調べるために、何か普通の獲物(昆虫)を網に給餌してみましょう。

2年前の観察によれば、イシサワオニグモ♀は食事中にもし網に新たな獲物がかかれば食べかけを置いて新しい獲物を確保しに行くはずです。
梱包ラッピングして網に吊るしてから食べかけの獲物に戻りました。

▼関連記事
網にかかったオツネントンボ♂を捕帯でラッピングするイシサワオニグモ♀(蜘蛛)

この時期はめっきり虫の数が減り探すのに苦労したのですが、なんとか近くでアキアカネ♀(Sympetrum frequens)を生け捕りにしました。



ところが私の予想に反して、給餌したトンボが円網上で暴れても隠れ家のクモは完全に無視していました。(午後15:18)
甑から隠れ家に伸びる信号糸が切れている訳ではありませんし、クモは網の振動を感知しているはずです。

活きの良い虫よりもアメリカセンダングサの花に夢中!という驚くべき結論になりました。

※ 映像では網に付けたトンボが擬死したようにおとなしく、クモが気づかないのは当然と思うかもしれません。
撮影を止めてから(両手を使って)念の為に網上のトンボをつついたりして刺激してもクモは無反応でした。

イシサワオニグモ♀が虫と花のどちらを欲しているのか嗜好性を調べるのであれば、その2つを網に同時に付けてやりクモに選ばせるべきでしょうか?

次は音叉で網に振動刺激を与えてみました。(午後15:25)
残念ながら動画ファイルが破損してしまいお見せできませんが、実験をしつこく繰り返してもクモは騙されず無反応でした。
音叉をかなり強く叩いて鳴らしてから網に触れたのにクモは隠れ家から網に降りて来ず、相変わらずアメリカセンダングサの花を手放しませんでした。

以上の結果から、この悪食の個体は飢えているせいで止むなく花を食べたのではなく、花の味がよほど気に入って病みつきになったのでしょう。
造網性のオニグモの仲間が自然状態で花を常食しているとは考え難いのですが、それでも花を与えれば副食として食べることがあるというのは衝撃的で興味深い知見です。

※ 素人臭い実験でネガティブな結果が出た時(クモが無反応)にいつも解釈に悩むのですけど、私が続けざまに変な物を網に付けるのでクモがいじけてしまったり、学習して「狼少年にはもう騙されないぞ!」と不信感を強めてしまった可能性もありますかね?
もっと時間間隔を開けて実験すべきなのか、こうした実験の正式な作法を知りたいところです。


いつになったらクモが花を捨てるのか、花がどこまで体外消化されるのか、見届けたかったのですけど帰る時間が迫り、泣く泣く観察を打ち切りました。
最後に見た午後15:30にもイシサワオニグモ♀は花を食べ続けていました。
夜まで待てば円網の張り替えを観察できたかもしれません。

網に残されたトンボ1匹とアメリカセンダングサの花2個をクモは結局食べたのか、捨てたのか、どちらでしょうね?

花を食べるクモというのは非常に興味深く、更に追求する価値がありそうです。
私も未だ半信半疑なので、とりあえず追試が必要です。
同一個体のイシサワオニグモ♀に後日もう一度アメリカセンダングサの花を給餌すると、今度はすぐに捨てるでしょうか?
もし再び捕食すれば、本当に花の味が気に入ったと言えるでしょう。
花の種類を変えてみたらどうなるでしょうか?
また、イシサワオニグモ以外の造網性クモは花を食べるのか?などの対照実験もしてみたいですね。

これ以来、クモの網を見つける度に花を投げつける日々が始まりました。

つづく→#4:隠れ家でアメリカセンダングサの花を噛むイシサワオニグモ♀(蜘蛛)


2015/08/26

巣立ち雛に給餌するスズメ(野鳥)



2015年7月上旬

巣立ったばかりのスズメPasser montanus)の幼鳥が民家の板壁に並んでいます。
頬や喉の黒班が薄く、嘴の根本が黄色い※点がスズメの幼鳥の特徴です。
「嘴が黄色い」というと「若くて、まだ経験が少ない」を意味する慣用句になっています。(『新明解国語辞典』より)
成鳥になると頬や喉の黒班が濃くなります。



※ 雛鳥の大きく開けた口の角にある黄白色のこぶの模様は、親鳥が薄暗い巣の中で正しい位置に餌を与える目印として役立っているのだろう。(参考:『鳥はどこで眠るのか』p159)



親鳥が飛来すると、育ち盛りの幼鳥は持ち上げた羽根を細かく震わせながら餌をねだります。
このとき幼鳥は独特の鳴き声を発しているようですが、群れの鳴き声がチュンチュン♪うるさくて、聞き取れませんでした。


童謡「雀の学校」の歌詞に出てくるチーチーパッパ、チーパッパ♪の後半部「パッパ」の意味がようやく分かりました。

チィチィと鳴きながら翼をパッパッと開き、あるいは半開きの翼を小刻みに震わせて親鳥(先生)に餌をねだる。(『スズメ百態面白帳』p89より)
幼鳥の方から素早く駆け寄って催促する場合もあれば、じっと座っている幼鳥の所へ親鳥がホッピングで駆け寄って来る場合もありました。
親鳥は口移しで給餌してやります。
親鳥の嘴の端にあった白い粒が、給餌後は無くなっていました。
給餌メニューは穀物や種子のようです。

板塀に並んでいる幼鳥は同じ巣から産まれた兄弟姉妹なのかな?
近所の別な巣から巣立った幼鳥も混じっているのでしょうか?
『スズメ百態面白帳』p72によると、

♀が一回の繁殖で産む卵の個数、一腹卵数(クラッチサイズ)は、普通4〜6個(3個や8個の例もある)。
スズメの親鳥は我が子であるという血縁関係をどのように認識しているのですかね?
足輪を付けて個体識別できたら色々と面白いことが分かりそうです。

『スズメ百態面白帳』p90によれば、

何組かの親子が鉢合わせになると、(中略)明らかによその子と思われるものに給餌していることもある。この時期には出来るだけ口を大きく開いて催促した方が勝ちで、親鳥はわが子よその子に関係なく本能的にそのような口に餌を与えてしまうものらしい。
巣外給餌が済むと、親鳥は次の餌を探しに飛び立ちますが、幼鳥が後を追って板塀を離れることもありました。
給餌後にしばらく板塀に居残って鳴いたりのんびり休んだり羽繕いしたりする親鳥は、幼鳥の空腹度合いが満たされたと判断したのかもしれません。






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