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2019/09/03

キンギンボクの花で採餌するクマバチ♀



2019年6月中旬

川沿いで見慣れない灌木に咲いた白い花にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
花から花へ忙しなく飛び回り、正当訪花を繰り返し吸蜜しています。(※追記参照)
腹背は黄色い花粉で汚れているものの、後脚の花粉籠は空荷でした。


※ 【追記】
映像を見直すと、正当訪花ではなく穿孔盗蜜しているようです。


▼関連記事(1年後に撮り直し)
キンギンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

クマバチ♀@キンギンボク訪花採餌
クマバチ♀@キンギンボク訪花採餌

さて、気になるのはこの植物の名前です。
川沿いのコンクリート・ブロックの護岸を覆うように低く繁茂したり、隣接する河畔林でニセアカシアやタニウツギなどの木々に絡みつく蔓植物のようにも見えます。
外来植物の群落なのかと思いきや、キンギンボク(別名ヒョウタンボク)と教えてもらいました。


キンギンボク(ヒョウタンボク)花
キンギンボク(ヒョウタンボク)花
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:コンクリート護岸
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:河畔林(ニセアカシア)
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:河畔林(ニセアカシア)
キンギンボク(ヒョウタンボク)花・全景:河畔林(タニウツギ)

2018/08/27

ハコネウツギの蕾をこじ開けて吸蜜・集粉するクロマルハナバチ♀



2018年6月中旬


▼前回の記事
ハコネウツギの花で穿孔盗蜜と正当訪花を自在に切り替えるクロマルハナバチ♀

ハコネウツギ(別名ベニウツギ)の生垣で、後脚の花粉籠に白い大きな花粉団子を付けたクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が正当訪花を繰り返しています。
開花前の白い蕾を見つけると、閉じた入口をこじ開けて(食い破って)中に侵入しました。
蕾の花弁に穿孔したものの、雄しべに触れたので穿孔盗蜜ではなく正当訪花の一種と呼べるはずです。
吸蜜を済ませて外に出てくると体中が大量の白い花粉で汚れていました。
開花直前の蕾内の雄しべには花粉が手付かずのまま豊富に残っているため、それを知っているハナバチ類は集粉のために好んで訪れるのかもしれません。
クロマルハナバチ♀はそのまま花にしがみついて身繕いを始めました。
飛び立つとホバリング(停空飛翔)しながら身繕いを続け、後脚の花粉籠に花粉を移しています。

シーン1の最後では動画撮影をうっかり中断してしまいましたが、ハコネウツギの蕾に押し入ったものの正当訪花では舌を伸ばしても蜜腺に届かなかったようです。
外に出て来た蜂は同じ蕾に対して今度は花筒の外側から穿孔盗蜜を始めました。(@0:15〜0:18)


クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ蕾+穿孔(侵入)開始

2018/08/23

ハコネウツギの花で盗蜜するクマバチ♀



2018年6月中旬

ハコネウツギ(別名ベニウツギ)の生垣でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
忙しない吸蜜シーンをよく見ると全く正当訪花せずに、毎回常に穿孔盗蜜しています。
漏斗状の花筒の根元を外側から噛んで小さな穴を開け、そこから舌を差し込んで蜜腺を舐めるのです。
クマバチはハナバチ類の中でも舌が短い上に体格が太いので、正当訪花しても花筒の奥まで潜り込めず、舌を伸ばしても蜜腺に届かないのでしょう。
数日前に同じハコネウツギの花で穿孔盗蜜と正当訪花を自在に切り替えていたクロマルハナバチ♀とは対照的です。

盗蜜を繰り返すクマバチ♀は花筒内の雄しべに体が触れませんから、花粉を集めず、後脚の花粉籠は空荷なのは当然です。
訪れた花に古い盗蜜跡がある場合もそれを利用(二次盗蜜)せずに、新たに穿孔盗蜜しました。(例えば@0:18)
未開花の白い蕾からも盗蜜していました。(@0:31)
ハコネウツギの赤い花が萎れかけで蜜も残っていないと判断すると、クマバチ♀はちょっと調べただけで次の花に移動することもありました。(@1:55)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
絶え間なく風が吹く午後で枝揺れが激しいので、あえて手ブレ補正処理しませんでした。


クマバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜

2018/08/19

ハコネウツギの花で穿孔盗蜜と正当訪花を自在に切り替えるクロマルハナバチ♀



2018年6月中旬
▼前回の記事
ハコネウツギに正当訪花で採餌するクロマルハナバチ♀

ハコネウツギ(別名ベニウツギ)の生垣でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。

少なくとも2匹のワーカーが採餌していたのですが、動画に撮りながら同一個体を追いかけると、正当訪花と穿孔盗蜜を切り替えていました。
穿孔盗蜜とは、漏斗状の花筒の根元を外側から噛んで穴を開け、そこから舌を差し込んで蜜腺を舐める採餌行動のことです。
特にラストシーンを見てもらうと(@4:00〜)、穿孔盗蜜の手順がよく分かります。(これは会心の証拠映像!と自画自賛)
蜂は後ろ向きなので口元の動きは見えませんが、花筒の奥を正面から見ていると、蜂が花弁の根元に外側から小さな穴を開け、次に黒くて細長い舌をその穴に挿入して蜜腺を舐めています。
植物の側からすると送粉の報酬としてせっかく花蜜を用意したのに、盗蜜されると丸損になります。
クロマルハナバチはマルハナバチ類の中でも舌が短く、盗蜜の常習犯として知られています。
ハコネウツギの花筒に対してクロマルハナバチ♀は正当訪花でも吸蜜できるのに、なぜか盗蜜行動⇔正当訪花と自由自在に(気紛れに?)スイッチするのがとても面白く思いました。
ハコネウツギの咲いたばかりの白い花でも、咲いてから日にちの経ったピンクの花でも、クロマルハナバチ♀は穿孔盗蜜していました。

後脚の花粉籠に注目すると、白い大きな花粉団子を付けていました。
もし盗蜜に専念しているのであれば、花筒の中で待ち構えている雄しべに全く触れませんから体は花粉で汚れず、後脚の花粉籠は空荷のはずです。
こうした個体は花粉籠が満タンなのに胃は未だ満腹ではない、と仮定すれば説明できるでしょうか。
つまり、「もう花粉で体が汚れるのは煩わしいけれども帰巣する前に蜜だけ吸いたい」と判断した蜂が正当訪花から盗蜜に切り替えたのかもしれません。
しかし、逆に盗蜜から正当訪花に切り替える場合もあることをこの仮説は説明できません。
自分で穿孔するのは面倒でやらないけれど、もし先客が穿孔した盗蜜痕を見つけたら手っ取り早くそれを利用して盗蜜する、という二次盗蜜者の採餌戦略なのかもしれません。
あるいはもしかすると、ハコネウツギの花筒の長さには変異があるのでしょうか。
訪花するクロマルハナバチ♀はそれを瞬時に見分けて、正当訪花しても舌が蜜腺に届きそうにない長い花筒の場合は盗蜜するのかな?

興味深い問題ですが、素人にはこれ以上どうやって追求したらよいものやら、分かりません。
とりあえず、個体標識したワーカー♀をひたすら追跡して採餌法を記録する、ぐらいしか思いつきません。

その後で蜂の舌の長さや訪花した花筒の長さを丹念に採寸すれば何か分かるかもしれません。
そもそも盗蜜行動は各自が学習によって身につけるものなのか、それとも生得的な採餌法なのか、気になります。



【追記】
同じハコネウツギの花でひたすら穿孔盗蜜に専念するクマバチ♀とは対照的です。


クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ハコネウツギ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/19

カキドオシの花で穿孔盗蜜するクマバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬
▼前回の記事
カキドオシの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

川の堤防や河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の♀ばかりでなく雄蜂♂も穿孔盗蜜していました。

複眼が大きく発達していて顔の頭楯が白いのが雄蜂♂の特徴です。
♂は採餌せず自分の空腹を満たすために吸蜜するだけですから、集めた花粉を巣に持ち帰るための花粉籠と呼ばれる器官が後脚には元々ありません。
訪花シーンをよく見ると、クマバチ♂は体が大きい(太い)ため、カキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花することができません。
毎回常に花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動で、クマバチやクロマルハナバチのような舌の短い蜂の得意技です。
雄しべの花粉に全く触れませんから、カキドオシの受粉には関与しません。
カキドオシの立場にしてみれば、せっかく受粉の報酬として用意した花蜜が盗まれ損ということになります。


後半は240-fpsのハイスピード動画でも記録してみました。(@3:22〜)
複数個体を撮影。
リアルタイムでは見ているこちらの目が回りそうなくらい忙しなく飛び回ってます。
1/8倍速のスーパースロー映像でクマバチ♂の行動をじっくり見ると、面白いことが色々と分かります。
先客が残した盗蜜痕をそのまま利用することがありました。(例:@4:32)
このようなケースを二次盗蜜者と呼ぶらしい。
いちいち穿孔する手間も面倒なので、なるべく楽して省エネで盗蜜したいのでしょう。
腹端から白い小さな液滴がポトリと落ちたのは、飛びながら脱糞したのかもしれません。(@6:51)


クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♂@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/12

カキドオシの花で盗蜜するクロマルハナバチ創設女王【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬

ニセアカシアを主体とする河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)が訪花していました。
この時期に見かける大型の♀個体はワーカーではなく創設女王だと思います。

クロマルハナバチ創設女王の訪花シーンをよく見ると、ミツバチ♀ヒゲナガハナバチ♂のようにカキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、毎回必ず花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜していました。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる採餌行動で、クマバチやクロマルハナバチのような舌の短い蜂の得意技です。
次々に花を訪れても雄しべの花粉に全く触れませんから、当然ながら後脚の花粉籠は空荷でした。

後半は、盗蜜行動と飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@3:44〜)
カキドオシの花に止まる際にうっかり正当訪花しそうになっても、慌てて穿孔盗蜜に切り替えた様子(@3:53)が興味深いです。
複数個体を撮影。

この辺りではクマバチよりも個体数が少ない印象で、日当たりの良い堤防ではクロマルハナバチ♀を見かけませんでした。
同所性に採餌しているとすれば競争相手になるはずですが、この二種のハナバチの微妙な棲み分けが興味深く思いました。
(短い観察時間だったので、たまたまそう見えただけかもしれません。)


クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ創設女王@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/07/09

カキドオシの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2018年5月上旬

川の堤防や河畔林の林床に咲いたカキドオシの大群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。
頭楯が黒く、複眼がそれほど大きくないので♀です。
クマバチ♀の訪花シーンをよく見ると、ミツバチのようにカキドオシの花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、毎回常に花筒の根本に外側から口器を突き刺して吸蜜しています。
これは穿孔盗蜜と呼ばれる行動で、クマバチのような舌の短い蜂の得意技です。
雄しべの花粉に全く触れませんから、当然ながら後脚の花粉籠は空荷でした。

後半は、盗蜜行動を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@2:00〜)
複数個体を撮影。

この辺りで活動するハナバチ類の中ではクマバチが優占種らしく、かなり個体数が多い印象を受けました。
日当たりの良い堤防でもやや薄暗い林床でもどちらでも採餌活動していました。
ニセアカシアを主体とする河畔林は未だ冬芽から葉が茂っておらず、林床まで日光が届いて明るい状態でした。
つまり春に開花するカキドオシは、スプリング・エフェメラルの一種と言えるかもしれません。

つづく→雄蜂♂は穿孔盗蜜するかな?


クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜
クマバチ♀@カキドオシ訪花+穿孔盗蜜

2018/05/29

ヘクソカズラの花蜜を盗むクロマルハナバチ♀



2017年7月下旬・午前8:42〜8:46

住宅地の板塀に絡みつくように繁茂したヘクソカズラの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。

後脚の花粉籠が空荷だったので、吸蜜シーンをよく観察すると、正当訪花していませんでした。
毎回必ず白い花筒の根元を外側から噛み切って穿孔し、その穴から舌を差し込んで蜜腺を舐めていました。
舌の短い種類のハナバチがよく行うこのような吸蜜法を盗蜜行動と呼びます。
ヘクソカズラの雄しべにも雌しべにも触れないので受粉に全く関与しません。
植物の立場にしてみれば、せっかく受粉行為の報酬として生産した花蜜の盗られ損になりますから、クロマルハナバチは招かれざる客です。

クロマルハナバチと同じく盗蜜の常習犯であるクマバチも同時にこの群落で訪花していたため、既にほとんどの花筒に穿孔跡が残されていました。

▼関連記事
ヘクソカズラの花で盗蜜するクマバチ♀
つまり今回の場合、クロマルハナバチは二次盗蜜者と呼ぶのがふさわしいのかもしれません。
(最初に穿孔した一次盗蜜者はどちらの蜂なのか、不明です。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



実は同じテーマで4年前にも記事にしています。
改めて動画を撮り直してみました。
少しは撮影技術が向上しているかな?


▼関連記事
ヘクソカズラの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀


クロマルハナバチ♀@ヘクソカズラ訪花+穿孔盗蜜
クロマルハナバチ♀@ヘクソカズラ訪花+穿孔盗蜜

2018/05/16

ユリズイセンの花で盗蜜するクロヤマアリ♀の群れ



2017年8月中旬

家庭菜園の片隅の花壇に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が訪花していました。
花弁がオーソドックスなピンク色の品種です。



クロヤマアリ♀は花筒の根元付近に群がっていました。
ユリズイセンの隣り合う花弁と花弁の間に隙間があるため、体の小さなアリは自由に出入りして、結果的に盗蜜になっています。
植物側にとってみれば、アリは花蜜をただで盗むだけで受粉に関与していません。
アリの体はとても小さいので、たとえラッパ状に開いた花の入り口から侵入(正当訪花)したとしても、雄しべの葯や雌しべに触れることなく奥の蜜腺に到達できます。
しかもアリは地面から茎を登って来るので、正当訪花するためにはわざわざ花弁上をかなり遠回りする必要があります。
私は昆虫の盗蜜行動に興味があるので、今回も注目して撮ってみました。
しかし、細長い口吻を持つチョウによる盗蜜行動が珍しくないように、アリによる盗蜜行動も、仕組みこそ違えど実は特に珍しいことではありません。
やはり一番面白いのはハチ類による穿孔盗蜜ですね。


田中肇『花と昆虫、不思議なだましあい発見記』によると、

普通の花の場合、羽をもたない働きアリたちは草や木をよじ登って花にいき、蜜を腹一杯吸うと、もときた道をおりていく、そして地におりると、まっしぐらに巣に帰ってしまう。
アリは体が小さいので雄しべや雌しべの先に触れないし、たとえ花粉がついても真っすぐ巣に帰ってしまっては、ほかの株にまでは運ばれない。そのため、植物の立場からは、蜜の吸われ損になり、多くの花にとってアリはきてほしくない昆虫となっている。 (p95より引用)

クロヤマアリ♀群れ@ユリズイセン訪花+盗蜜
クロヤマアリ♀群れ@ユリズイセン訪花+盗蜜

2018/02/15

ユリズイセンの花で盗蜜するキンケハラナガツチバチ♂



2017年8月下旬

平地の花壇に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)の群落でキンケハラナガツチバチ♂(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。
吸蜜シーンをよく見ると、開いた花の入り口から素直に潜り込む(正当訪花)だけでなく、花筒を形成する花弁の隙間をかき分けて(穿孔して?)根元の蜜腺を直接舐めることもありました。

これは「花弁(花びら)や蕚(がく・花被片)の間から蜜を吸い取る。」タイプの盗蜜行動です。
同一個体が正当訪花と盗蜜行動を臨機応変に?切り替えた証拠映像が撮れました。
どちらが楽に吸蜜できるか、試行錯誤で学習するのですかね?
ただし正当訪花よりも盗蜜する方が多くて雄しべに触れる機会が少ないため、ユリズイセンの受粉にはあまり関与していないようです。

ユリズイセンの花から盗蜜する狩蜂を新たに見つけることができて、非常に興奮しました!
(これまでのリストは、フタモンアシナガバチ♀エントツドロバチ♀オオフタオビドロバチ。)
こうして見ると、どうやら盗蜜はハチ類にかなり普遍的な行動のようです。

この花壇でユリズイセンの送粉者としては、トラマルハナバチ♀がせっせと正当訪花で採餌していました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

キンケハラナガツチバチ♂@ユリズイセン訪花盗蜜
キンケハラナガツチバチ♂@ユリズイセン訪花盗蜜
キンケハラナガツチバチ♂@ユリズイセン正当訪花+吸蜜

ちなみに、隣に咲いた花でクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀も同様に盗蜜していました。(@2:35〜2:50)
アリは「花よりも相対的に小さな体であるため、葯や柱頭に触れないで花の奥にもぐりこみ、蜜を取る」タイプの盗蜜者でもあります。


キンケハラナガツチバチ♂+クロヤマアリ♀@ユリズイセン訪花盗蜜

2018/02/09

ユリズイセンの花で盗蜜するオオフタオビドロバチ



2017年8月下旬

平地の花壇に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)の群落でオオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatum)が訪花していました。
吸蜜シーンをよく観察すると、正当訪花せずに花筒の根元の隙間から頭を突っ込んで蜜腺を直接舐めています。
雄しべに体が全く触れませんから、ユリズイセンの受粉を媒介しません。
これは盗蜜行動の一種ですね。
「花弁(花びら)や蕚(がく・花被片)の間から蜜を吸い取る。」タイプの盗蜜です。


茎を登り降りしているのは、獲物のイモムシを探索しているのかな?
(オオフタオビドロバチの性別の見分け方を知りません。)
後半は、葉に止まって身繕いを始めました。
実は、正当訪花っぽいシーンも稀にあったのですが、撮り損ねてしまいました。


ユリズイセンを園芸植物としてヒトが品種改良する間に、花筒が隙間だらけになってしまった、言わばセキュリティがユルユル、ガバガバになってしまったのではないかと思います。
ユリズイセンの原種にはこんな隙間は無かったのではないかと私は予想しています。
しかし、もしユリズイセンが主に球根で増えるのだとしたら、盗蜜されても大した損失は無くて、隙間の無い花筒を進化させて送粉者を限定する(花と虫の共進化)必要があまりないのかもしれません。

あるいは、ユリズイセンの花の形状と長い雄しべ、雌しべから考えると、想定している送粉者はハナバチではなく、大型のアゲハチョウの仲間なのかもしれません。
▼関連記事 
ユリズイセンの花蜜を吸うキアゲハ



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ユリズイセンの花から盗蜜する狩蜂を新たに見つけることができて、とても興奮しました!
(今までのリストは、フタモンアシナガバチ♀エントツドロバチ♀。)
この日は更にもう一種類の狩蜂が盗蜜していました。(映像公開予定


【追記】
花が赤い品種のユリズイセンに正当訪花して吸蜜する個体を観察しました。



2018/01/21

ツリフネソウの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

山麓の休耕田(湿地帯)の端に咲いたツリフネソウの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく飛び回っていました。
訪花シーンをよく見ると、花の開口部からは一度も正当訪花せず、ひたすら穿孔盗蜜していました。
花蜜が溜まっている筒状の距の先端に口吻を突き刺して盗蜜しています。
雄しべに全く触れないので、当然ながら体は花粉で汚れていませんし、後脚の花粉籠も空荷です。
後半は、花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@2:32〜)

この群落をよく見ると、散った花の一部が既に結実しています。
受粉しているとすると、ツリフネソウの送粉者は何者なのでしょう?
映像を見直すと、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けたセイヨウミツバチ♀がクマバチの隣で正当訪花している姿が写っていますね。
体が小さいミツバチは花の入り口から楽々と潜り込めるので、盗蜜する必要がありませんし、花粉も集めることができます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/10/24

アベリアの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀



2017年7月下旬

アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の生垣でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀も訪花していました。
クロマルハナバチと言えば舌が短く盗蜜の常習犯として悪名高いマルハナバチです。

あまりにも忙しなく花から花へ飛び回るので分かりにくいのですが、スロー再生すると確かに盗蜜していました。
釣鐘型の花筒の入り口から潜り込んで正当訪花するのではなく、花筒の根本に外側から穿孔し吸蜜しているのです。

それにしても、クロマルハナバチ♀が花筒に着地したときに盗蜜する気満々だったのに、なぜ「この花には蜜がもう無い」とすぐに分かるのか、不思議でなりません。
最近に訪花した他のハチの残り香があるのか、それとも盗蜜痕(穿孔)の有無を調べているのですかね?

複数個体を撮影。
映像をよく見ると、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けている個体が中には居ます。
これは一体何の花粉なのでしょうか?
盗蜜だけしているのなら雄しべに触れることはありませんから、体も花粉で汚れず花粉籠は空荷のはずです。(実際にそのような個体もいます)
同一個体が正当訪花と盗蜜を臨機応変に切り替えながらアベリアの花で採餌(吸蜜、集粉)しているのでしょうか?

つづく→アベリアに正当訪花して吸蜜するクロマルハナバチ♀

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/10/22

アベリアの花で盗蜜するクマバチ♀



2017年7月下旬・午前8:08〜8:15

アベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)の生垣でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
クマバチといえば盗蜜行動の常習犯として有名です。
採餌シーンをよく見ると案の定、正当訪花せず常に釣鐘型の花筒の根本に穿孔して花蜜を吸っていました。
雄しべに触れることがありませんからクマバチの体も花粉で汚れず、後脚の花粉籠が空荷なのは当然です。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/10/20

アベリアの花で盗蜜するキンケハラナガツチバチ♀



2017年7月下旬・午前7:55〜7:59

駐車場の隅に生垣として植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が訪花していました。

釣鐘型の花に潜り込んで正当訪花で吸蜜するのは無理らしく、花筒の根本に外側から穿孔して盗蜜していました。
これなら体型が太く舌が短い蜂でも花蜜を舐めることが出来ます。
ツチバチの仲間も盗蜜するとは知らず、初めて観察した私はとても興奮しました。
ただし、一次盗蜜者によって開けられた穿孔をちゃっかり利用しているだけかもしれません。(二次盗蜜者)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



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