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2016/07/28

イタドリの葉を巻いた揺籃を点検して回るドロハマキチョッキリ♀



2016年6月上旬

山間部の道端でヒトの背丈よりも高く伸びた(>2m)イタドリの群落でドロハマキチョッキリ♀(Byctiscus (Byctiscus) puberulus)が揺籃を作っていました。
仕上げの段階なのか、♀はひたすら揺籃上をぐるぐると巡回、点検していました。
とても小さいながらも、緑色の金属光沢に輝く非常に美しい甲虫です。




同じイタドリの株の下の方に似たような揺籃が作りかけも含めて幾つもぶら下がっていました。
おそらく同一個体の♀が次々に作製したのでしょう。



途中からは三脚を立てて微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい(@2:44〜4:39)。

交尾したり♀をガードしたりする♂の姿は見当たりません。
ときどき休息したり身繕いしたりするものの、基本的にひたすらパトロールしているだけであまり面白くありません。
ぐるぐる歩き回ることが葉をきつく巻きつける行為になっているのでしょうか?
遂に完成した揺籃から離れて茎を下り、隣の葉の葉柄にて静止しました。



一仕事終えた♀が葉を食べているのか、それとも次の揺籃作りのために噛み傷をつけているのか、あまりにも高所のため様子が全く分かりません。
何枚も葉を寄せ集めて細長くて大きな葉巻型のゆりかご(揺籃)を作るのが本種の特徴です。
したがって、新しい葉を萎れさせて揺籃に更に追加して巻きつけるのかもしれません。
移動してきた葉は虫喰い穴だらけなので、普通に考えれば揺籃作りの材料に選ばれないと思うのですが、ドロハマキチョッキリは無頓着なのかな?

やがて日も暮れかけてきました。
気温の下がる夜はここで寝るのか、それともドロハマキチョッキリ♀は徹夜で作業を続けるのですかね?
観察を続けたいのはやまやまですけど、ビバークする用意をしていなかったので泣く泣く観察を打ち切って下山しました。
イタドリの背丈が非常に高いため、採集は断念。
本種の揺籃作りの一部始終を観察しようとすると、他のオトシブミ類よりもおそろしく長い時間がかかりそうです。

海野和男『ポケット図鑑:昆虫』p161によると、ドロハマキチョッキリは

夏は前蛹で過ごし、8月末に蛹となり、秋の初めに羽化し、ほんの少し活動した後、土中で越冬する。




つづく


2016/07/24

アカガネサルハムシとクロヤマアリ♀の喧嘩【ハイスピード動画】



2016年6月上旬

アカガネサルハムシAcrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii)の飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画で撮ろうとしていると、偶然に面白い対決シーンが記録されていました。
クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀がやって来て背後から大顎でつついたり噛み付こうとしています。
一方的に攻撃されても、硬い鞘翅で身を守られたアカガネサルハムシは動じません。
なぜか尻切れトンボの映像になってしまったのが残念です。


2016/07/22

フランスギクの花で食事後に飛び立つコアオハナムグリ



2016年6月上旬

道端に咲いたフランスギクの群落でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。
花蜜や花粉を食べているようです。
風で花が揺れて撮りにくい…。
最後に翅を広げて花から飛び立ちました。
ハナムグリの仲間は前翅(鞘翅)を閉じたまま後翅だけを器用に広げて羽ばたきます。



2016/07/18

アカガネサルハムシ♀♂の交尾



2016年6月上旬

山麓の道端の茂みでアカガネサルハムシAcrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii)♀♂が交尾していました。

♀の背後からマウントした♂がときどき体を左右に激しく揺する行動が気になりました。
交尾器の結合部が見えないのが残念。
ライバル♂の精子を掻き出そうとしているのか?と想像しました。(精子競争
それとも挿入角度を調節しているのでしょうか?

ちなみに、交尾中の尻振り行動はナミテントウでも観察したことがあります。
そしてナミテントウの場合では研究の結果、交尾中の♂の体の振動はおそらく精子を送り込む運動であると考えられているそうです。


同時にアカガネサルハムシ♂が長い触角で♀の腹背(肩の辺り)を激しく叩いているのは、求愛行動の一種なのか、♀にじっとしているよう宥めの信号を送っているのかな?
更に♂はときどき後脚も激しく動かしています(側面からも接写したかった…)。
ところが、静止していた♀が♂を背負ったまま歩き出しました。

複数ペアを撮影した後に、1ペアを採集しました。
以下は標本写真。(掲載予定)







2016/07/16

揺籃を作るルイスアシナガオトシブミ♀c【10倍速映像】



2016年5月中旬・午後16:07〜18:06
▼前回の記事
完成した揺籃を切り落とすルイスアシナガオトシブミ♀a


里山に生えたハルニレの幼木で、ルイスアシナガオトシブミ♀c(Henicolabus lewisii)が揺籃を作っていました。
制作過程を10倍速の早回し動画でご覧ください。
カメラの三脚を一台しか持参してなくて、同時並行して別個体♀bの揺籃づくりを微速度撮影するのに使っていたので、こちらの個体♀cでは手持ちハンディカムでの映像が多いです。
風が吹いて枝が揺れる上に多少の手ブレもありますので、ご了承ください。

映像の冒頭は完成後も切り落とさず枝に残ったタイプの揺籃を写しました。
その下の葉で作業を始めた♀cと付き添う♂を見つけました。
既に葉の根元を両裁しており、萎れた葉が垂れ下がりつつあります。
しかし茂みに葉がひっかかり、うまく垂れ下がらないようです。
その間に♀は葉裏であちこちの葉脈に噛み傷をつけています。
徘徊していた♂が♀にマウントしました。
(結合部を接写していないので、交尾なのか交尾後ガードなのか不明です。)
♂は四六時中♀にマウントしている訳ではなく、辺りをパトロールしています。
♀の元に戻ってきた♂が焦って(?)前後逆向きにマウントすることがありました。
その後、♂が向きを変えて交尾に成功?

葉を巻き始める前に、主脈に沿って葉を縦二つ折りにしました。
これ以降は葉裏が揺籃の表側になります。

♂を背負ったまま♀cは葉先から巻き上げ始めました。
産卵行動は見落としてしまいました。

別個体♀bの揺籃づくりに気を取られている間に、♀cの作業がだいぶ進行してしまいました。
♂は近くの枝葉を徘徊しているものの、もはや♀にマウントしなくなりました。
♀が産卵を済ませた後は交尾後ガードする必要が薄れたのでしょう。
♂はどこかへ行ってしまいました。



最後は完成した揺籃を♀cが切り落とすタイミングを見計らって容器を差し出し、ポロリと落ちてきた揺籃を受け止めて採集しました。
揺籃作りの材料となった葉の地上からの高さは100cmでした。


採集3日後の撮影

採集した揺籃cをそのまま容器に入れて室内飼育しているのですけど、この記事を書いている現在(7月中旬)も未だに成虫が羽化してきません。
揺籃が乾燥し過ぎないように注意したつもりですが、もっと水気を与えるべきだったかもしれません。
カビの発生が怖くて霧吹きなどはしませんでした。
揺籃を切って中を調べてみるべきか、もう少し静観すべきか、悩みどころです…。

揺籃完成直後にルイスアシナガオトシブミ♀cを採集しました。
以下は標本の写真です。(掲載予定)




↑【おまけの動画】
同じ素材の映像ですが、ハンディカムで撮影したパートは早回し加工せずにそのままつなげました。
三脚を立てて微速度撮影したパートは10倍速映像になります。
16分間と長いのでブログ限定で公開します。


2016/07/15

飛べ!アカガネサルハムシ【HD動画&ハイスピード動画】



2016年6月上旬

山麓の道端で赤と緑のメタリックな輝きを放つ非常に美しい甲虫が多数集まっていました。
ハムシの美麗種アカガネサルハムシAcrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii)を撮れたのは初めてです♪

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:22〜)。
草の葉の縁でモジモジしているのは、これから飛び立つ予兆です。
ただし、必ずしも飛んでくれるとは限りません。
飛び立つ前は行く先を見定め、足踏みしてから翅をぱかっと広げて羽ばたきます。
前脚は万歳の姿勢になります。

よく晴れて日当たりが良いのは助かるですけど、接写の大敵である風が吹いて、やや厳しい条件でした。
複数個体を撮影。
なぜこの茂みに集まっている(個体数が多い)のでしょうか?
おそらく食草に関係するはずですが、様々な草が生い茂っている上に特徴となる花が咲いていなくて、私には植物名が分かりませんでした。



2016/07/13

ハルジオンの花を後食するカラカネハナカミキリ



2016年6月上旬

山間部の道端に咲いたハルジオンの群落で美しい金属光沢に輝く甲虫が萎れかけの花(蕾なのか?)に止まっていました。
見慣れないカミキリムシでしたが、帰ってから調べてみるとカラカネハナカミキリGaurotes (Paragaurotes) doris)という名前らしい。

触角や足を舐めたり足を擦り合わせたりして化粧(身繕い)しています。
やがて頭を花に突っ込んで花粉や花蜜を食べ始めました。
最後は隣の花に移動しました。

実は撮影後に採集を試みたものの、失敗しました。
危険を感じたカミキリムシが擬死(死んだふり)して花からポロリと転げ落ち、見失いました。



2016/07/09

完成した揺籃を切り落とすルイスアシナガオトシブミ♀a



2016年5月中旬


▼前回の記事
ルイスアシナガオトシブミ♀bの揺籃作り【10倍速映像】

里山に生えたハルニレの若い灌木で、ちょうど作り終えた揺籃をルイスアシナガオトシブミ♀(Henicolabus lewisii)が切り落とそうとしていました。
この♀aに対して、♂は揺籃の完成間際まで交尾後ガードを続けていました。
♀aはハルニレの葉柄ではなく、最初の工程で葉を両裁して残った主脈を噛んでいます。
風が吹いたせいで、肝心の揺籃がポトリと落ちる瞬間がピンぼけになってしまいました。
枝の真下の地面(茂み)を探してなんとか揺籃aを見つけ出し、採集しました。
手のひらに乗せて転がし、ちっぽけな虫けらの作り上げた芸術作品をお見せします。

今回、ルイスアシナガオトシブミ♀aは揺籃作りの材料として未だ葉緑素が少なくて赤っぽい若葉を選んだ点が興味深く思いました。
確かに柔らかそうですけど、なんとなく青々とした(緑色の)葉の方が生まれてくる幼虫にとって栄養価が高いような気がします。
母親オトシブミ♀は気にしないのですかね?


3日後の揺籃


採集した揺籃aをそのまま容器に入れて室内飼育しているのですけど、この記事を執筆中の現在(7月上旬)も未だに成虫が羽化してきません。
揺籃が乾燥し過ぎないように注意したつもりですが、もっと水気を与えるべきだったかもしれません。
カビの発生が怖くて霧吹きなどはしませんでした。
揺籃を切って中を調べてみるべきか、もう少し静観すべきか、悩みどころです…。(※追記参照)

以下は、採集したルイスアシナガオトシブミ♀aの標本写真です。(掲載予定)


※【追記】
小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p182-183によれば、
(オトシブミの)落ちた葉巻は地面の湿気を吸ってやわらかくなり、カビも生えやすくなっていきますが、中の幼虫にとっては快適な状態となります。
幼虫は、湿気で腐りかけた葉のほうがやわらかくて食べやすく、また消化しやすいので都合がいいようです。逆に乾燥しすぎると、葉巻の中で休眠に入ってしまい、再び雨などで湿り気を帯びるのを待つといわれています。



2016/07/03

ルイスアシナガオトシブミ♀bの揺籃作り【10倍速映像】



2016年5月中旬・午後15:32〜17:34
▼前回の記事
ハルニレの葉裏で交尾するルイスアシナガオトシブミ♀♂

里山に生えたハルニレの幼木で若葉を巻いて揺籃を作っているルイスアシナガオトシブミHenicolabus lewisii)♀が数匹いました。
その中の一匹♀bに注目して、微速度撮影で作業の一部始終を記録してみました。
10倍速の早回し映像をご覧ください。
ただし、映像のラスト22秒間のみ5倍速に落としました。(♀が揺籃を切り落とし始め、受け止めて揺籃と♀bを採集するまで)
この日は風が絶え間なく吹く悪条件でしたので、マクロレンズによる接写は早々に断念しました。
山の陰に日が沈み夕方になると風が止んで助かりました。
余談ですが、野外に持ち運べる風除けのための衝立があれば虫を楽に接写できるのになーといつも夢想します。
巨大なテントを立てても良いのでしょうが、被写体が暗くなったり中が暑くなったりと、色々と副作用がありそうです。
大名行列のように助手を何人も引き連れて出かけ、被写体を取り囲むように円陣を組んで長時間立たせるのも現実的ではありませんね。
閑話休題。

ルイスアシナガオトシブミ♀bが加工に適したハルニレ葉の吟味を終え、葉の根本(短い葉柄の少し上)で両裁型の加工を始めました。
残った主脈に傷をつけると葉が垂れ下がりました。
体重を利用しているのでしょう。
次に♀bは垂れ下がった葉の下方に移動しました。
いつの間にか♂が来ていて、作業中の♀の背後からマウントしていました。
交尾器が結合しているのか、それとも交尾後ガードでマウントしているだけなのか、接写しない限り分かりませんね。
♂を背負ったまま♀はハルニレ葉裏の主脈に噛み傷をつけているようです。
動きがあまり無くて退屈ですが、♀は葉が適度に萎れるのを待っているのでしょう。

しばらくすると、別のライバル♂が上から登場しました。(@3:30)
♀をめぐって♂同士が闘争を始めました。
♀はその喧騒から離れて黙々と作業と続けます。
交尾後ガードしていた♂も含めて、♂は2匹とも落下してしまいました。(喧嘩両成敗@3:48)
『オトシブミハンドブック』p26-27によると、

(ルイスアシナガオトシブミの)♀をめぐる♂同士の闘争では、向かい合って長い前脚を振り上げ合ったり、レスリングのように組み合う行動が見られる。
興味深い♂の闘争シーンを微速度撮影ではなくリアルタイムのマクロ動画でじっくり記録したかったです。
残念ながら撮影中はこの闘争シーンに気づきませんでした。
おそらく他の虫のことに気を取られていたのだと思います。

独り残された♀は垂れ下がった葉の主脈を中心に葉裏が表になるように二つ折りにします。
そして葉先から巻き上げ始めました。
この辺りで♀は産卵したはずですが、接写しないと産卵行動の詳細が分かりませんね。

再び♂が飛来して辺りを徘徊し始めました。(@4:57)
揺籃製作中の♀をランダムウォークで探し当てると♂は直ちにマウントしました。(@5:15)
先程争っていた♂の一方が戻って来たのでしょうか。
♂を背負ったまま♀bは葉の巻き上げ作業を続けます。

オトシブミ♀が揺籃を巻く向きを考えて撮影アングルを決めないと、♀が作業する裏側ばかり撮ることになります。
画面に写っているのは、交尾後ガードで♀に付き添いウロウロと徘徊する♂ばかりかもしれません。
しかしフィールドの現場では他の茂みがあったり斜面だったりと諸事情により、三脚を立てて撮影できるアングルに制限があるので仕方がありません。

明らかに産卵が済んだ揺籃作りの後半になっても♂がしつこく交尾後ガードを続けている点が不思議に思いました。
素人目には♂はただ♀の作業を邪魔しているだけのように見えますし(お邪魔虫)、♂の立場で合理的に考えれば次の交尾相手の♀を探しに出かけた方が良さそうな気がします。
ライバル♂から♀を守るだけでなく、労働寄生種のオトシブミ♀に托卵されないように献身的に警護する意味もあるのでしょうか?
葉の巻き上げが完了するとようやく♂が交尾後ガードを止めて♀から離れました。
マウントを解除しても♂はしばらく揺籃上をウロウロ徘徊しています。

完成した揺籃を切り落とす最後の工程を微速度撮影と同時並行で別アングルでも撮影しました。
真下に受け皿を置いて、完成した揺籃を採集します。
揺籃がポトリと落ちる肝心の瞬間がピンぼけになってしまいました。

カメラのバッテリー交換に手間取ったせいです。
『オトシブミハンドブック』p26-27によれば、ルイスアシナガオトシブミの♀は完成した揺籃を切り落とす場合と切り落とさない場合があるらしい。
実際にこのハルニレ幼木で探すと、切り落とされず枝に残ったままの揺籃も見つけました。


3日後の揺籃

採集した揺籃をそのまま容器に入れて室内飼育しているのですけど、この記事を執筆中の現在(7月上旬)も未だに成虫が羽化してきません。
揺籃が乾燥し過ぎないように注意したつもりですが、もっと水気を与えるべきだったかもしれません。
カビの発生が怖くて霧吹きなどはしませんでした。
揺籃を切って中を調べてみるべきか、もう少し静観すべきか、悩みます…。

以下は、採集したルイスアシナガオトシブミ♀bの標本写真です。(掲載予定)


2016/07/02

ハルニレの葉裏で交尾するルイスアシナガオトシブミ♀♂



2016年5月中旬
▼前回の記事
飛べ!ルイスアシナガオトシブミ

里山に生えたハルニレの幼木でルイスアシナガオトシブミHenicolabus lewisii)の♀♂カップルが若葉の裏面で交尾していました。
接写の大敵である風が絶え間なく吹いて悩まされるのですが、マウントしているだけで交尾器は結合していませんでした。
♂は交尾を済ませた後もライバル♂から♀を守っている(交尾後ガード)のでしょう。
♂の腹端に見える白いものは精子なのかな?(交尾器?)
一方、♀は揺籃作りの途中だったのかもしれません。


撮影後にペアを採集しました。
以下は標本写真。(掲載予定)


2016/06/26

飛べ!ルイスアシナガオトシブミ



2016年5月中旬

里山でハルニレの灌木(幼木?)に、小さくて真っ赤なオトシブミが何匹も集まっていました。
葉先でモジモジした後で翅をパカッと広げて飛び立つシーンが撮れました。

見たことのない種類なので帰ってから調べてみると、ルイスアシナガオトシブミHenicolabus lewisii)と判明。
揺籃を作る樹種の一つとしてハルニレが含まれていました。


2016/06/22

ウワミズザクラの花で食事するクロハナムグリ



2016年5月中旬

里山で満開に咲いたウワミズザクラクロハナムグリGlycyphana fulvistemma)も訪花していました。
花に潜り込んで花蜜や花粉を黙々と食べています。

コアオハナムグリも多数来ていたのですが、この場所での撮影に飽きてしまい、また来年撮ることにします。
(この映像にもコアオハナムグリがちらっと写っています。)

余談ですが、クロハナムグリが食事している同じ花穂で吸蜜していたウスバアゲハ(=ウスバシロチョウ)にもう一頭が飛来して交尾を試みるも失敗し、諦めてすぐに飛び去りました。
性別は分からず仕舞いです。

この映像にはマドガという小蛾も登場しています。



2016/06/19

ミズキの花で食事をするコアオハナムグリ



2016年5月中旬

沢筋に生えたミズキの高木でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。
花に潜り込んで花粉や花蜜を食べています。
花上でかなり活発に歩き回り、飛び立って隣の集合花へ移動します。

ノーマルの緑色タイプ以外に赤銅色タイプの個体も居ました。(映像公開予定



2016/05/26

ナミテントウ黒色二紋型♀♂:交尾中の尻振り



2016年5月上旬

斑紋の異なるナミテントウ♀♂の交尾を見たすぐ近くの柳の枝で黒色二紋型のナミテントウHarmonia axyridis)の♀♂ペアも交尾していました。

ときどき♂が交尾器を結合したまま体を左右に激しく振る謎の行動が見られました。
先にこの♀と交尾したライバル♂の精子を掻き出そうとしている動き(精子競争の一種)なのかと想像してしまいます。
♀に対して何らかのシグナルを送っているのですかね?
他の昆虫(甲虫?)の交尾でも以前見たことがある気がするのですけど、思い出せません。
単に、交尾器の挿入角度を調節したり引き抜こうとする動きなのかな?
柳の若葉が邪魔で、側面からの接写アングルは確保できませんでした。

一方、♀は交尾中もアブラムシをむしゃむしゃと捕食していました。

私の印象では、北国なのに当地のナミテントウは黒色二紋型が主流派です。(温暖化の影響?)



【追記】
ナミテントウの配偶行動を研究した小畑晶子『幸せを運ぶテントウムシ』を読んでいたら、この尻振り行動の謎が解けました。
私が予想したような、前に交尾した♂の精子を掻き出す行動ではありませんでした。
・♂が交尾中に体を左右に振動させる 
・個体による差異はほとんどなく、特徴として交尾開始後約35分経過してから振動が始まること、振動の間隔が25〜30秒と一定していることなどがわかってきた。 
・ナミテントウでは交尾が始まっても、♂の体の振動が起こるまでは精子が♀の体内に送り込まれていないことを示唆している。直接的な証明はできていないが、♂の体の振動はおそらく精子を送り込む運動であると考えられる。 
・交尾開始から♂の体の振動が始まるまでの約30分は、精包の材料を送り込むのに必要な時間だった。 
(『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第1-3章p36-37より箇条書きで引用)



2016/05/25

ライラックの花とコアオハナムグリ



2016年5月上旬

民家の庭に咲いたライラック(=リラ、ムラサキハシドイ)の薄紫色の花にコアオハナムグリGametis jucunda)が潜り込んでいました。
花粉や花蜜を食べているのでしょう。




2016/05/22

斑紋の異なるナミテントウ♀♂の交尾



2016年5月上旬

柳の枝先で斑紋タイプの違うナミテントウHarmonia axyridis)の♀♂ペアが交尾していました。
黒色二紋型の♀と紅色型十九紋型の♂です。
ナミテントウの斑紋はメンデルの法則に従うことが知られています。
今回の組み合わせでかけ合わせると、次世代はどんな斑紋になるのでしょうね?

参考サイト:ナミテントウの斑紋の遺伝実験についてナミテントウの斑紋について
側面から接写してみて交尾器の結合を確認できました。
枝に静止した♀は身繕いしています。
♂を背負ったまま♀が徘徊移動を始めました。

接写の大敵である風が吹いて枝が揺れ、虫撮り泣かせでした。




【追記】
七尾純『テントウムシ (カラー自然シリーズ 7)によれば、
テントウムシのはでな紋様は、仲間への合図というよりは、食べるとにがい虫だということを、敵に知らせる役目をしているようです。葉の上で、まるでちがう紋様の黒い♂と黄色い♀の同じナミテントウが、まちがえずに交尾できるのは、仲間をにおいで見分けたからです。



2016/05/20

ヤナギハムシ♀♂の交尾



2016年5月上旬

湿地帯に生えた柳の灌木で交尾中のヤナギハムシChrysomela vigintipunctata)の♀♂を発見。
若葉の葉柄に止まっています。
そのままでは撮影アングルがうまく確保できなかったので、 左手で持った枝を回すようにして背側と側面を接写しました。
意外にも逃げず交尾を続けてくれて、交尾器の結合も確認できました。




2016/05/19

瀕死のクリストフコトラカミキリ



2016年4月下旬

郊外の路上で美しいカミキリムシがひっくり返っていました。
黄色と黒の模様で蜂っぽく、なかなか見事なベーツ擬態です。
腰に一対の黄紋があるので、フタモンアシナガバチにしては変だな?と一瞬騙されかけました。
見たことのないカミキリムシなので帰ってから調べてみると、クリストフコトラカミキリPlagionotus christophi)と判明。
接写するために静かな場所に持って行きました。
地面に置くとアリが集ってくるので、望遠レンズを台として横倒しで置きました。
死骸かと思いきや、摘み上げると弱々しく脚を動かしました。
顔を見ると、大顎があまり発達しない種類のようです。
ときどき脚がぴくぴくと動くだけで、死にかけています。
飛んでいるときに車に衝突されたのでしょうか?



2016/05/18

カメノコテントウ♀♂の交尾と食卵



2016年4月下旬

柳の枝でカメノコテントウAiolocaria hexaspilota)の♀♂ペアが交尾していました。
側面から接写すると、交尾器の結合を確認できました。
交尾しながら♀が柳の葉表に付着した何か真紅のゼリー状の塊を食べています。
手前にある葉が邪魔で捕食メニューがよく見えないのですけど、これはクルミハムシの卵ですかね?
本種はクルミハムシの幼虫を捕食することが知られています。
クルミハムシの卵の色を知らない私は「クルミハムシの産卵」でインターネット検索してみると、白色であることがわかりました。(参考サイト1
柳でよく見かけるヤナギハムシの卵も白色でした。(参考サイト2
一方、カメノコテントウの卵塊がこのような赤色をしているそうです。(参考サイト3
一種の共食いになりますが、別個体の♀が産んだ卵なら構わずに見つけ次第、食べてしまうのでしょうか。(食卵)

参考:海野和男のデジタル昆虫記より
ヤナギハムシの卵を食べるカメノコテントウ
ヤナギハムシとカメノコテントウの卵



赤い卵を食べ終えた♀は♂を背負ったまま(交尾器を結合したまま)、柳の小枝をウロウロし始めました。
「色気より食い気」の♀は次の獲物を探しているのでしょう。

※ 逆光気味の接写パートのみ、動画編集時に自動色調補正を施しています。



2016/05/16

柳の枝を歩き回るカメノコテントウ



2016年4月下旬

カメノコテントウAiolocaria hexaspilota)が柳の枝をせかせかと登り下りしていました。
かなりの早足で徘徊しています。
獲物を探索しているのかな?
日本最大のテントウムシで、クルミハムシの幼虫を捕食するらしい。



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