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2022/10/18

コナラの樹液を吸うアオカナブンとしばし遊ぶ

 

2022年7月中旬・午後16:10頃・晴れ 

里山の山道の横に生えたコナラの幹に鮮やかなメタリックグリーンが光っていました。 
お!と思って近づくと、アオカナブンRhomborrhina unicolor)が樹液酒場で吸汁していました。 
黒くボロボロに朽ちかけた部分の幹から樹液が滲んでいるようですが、樹液の発酵臭を私の鼻では全く嗅ぎ取れませんでした。 
初めは下向きで幹をうろついていたアオカナブンが上向きに方向転換し、幹の裂け目に口吻を差し込んで吸汁開始。 

他にはハエ類とアリ類も樹液酒場に群がっていました。(種名不詳) 
近くに居る煩いハエを追い払うために、アオカナブンは前脚で軽く払い除けたり頭を跳ね上げたりしています。 
アオカナブンの体の側面から横に生えている尖った突起が格好良くて、いつも気になっています。 
この器官の正式名称と役割を知りたいところです。 
自衛用の武器なのでしょうか? 
それとも飛翔時に役立つ器官なのかな? 

アオカナブンと正しく同定するためには、識別点の腹面を確認する必要があります。 
カナブンの緑化個体と似ていて紛らわしいのですが、私は未だ調べた数が少ないこともあり、カナブン緑化個体を見つけたことがありません。 
手掴みした瞬間に驚いたアオカナブンが反射的に透明なオシッコを排泄したものの、残念ながら私の手で隠れてしまい、しっかり写っていません。 
樹皮に食い込んだ爪を引き剥がすのに苦労しました。 
仰向け状態で擬死している間に腹面を接写すると、胸部中央部から細長い突出した構造があることからアオカナブンと判明。 
また、左右の後脚のつけ根が接していることもアオカナブンの特徴です。
【参考図書】 
・『くらべてわかる甲虫1062種』p59 
・『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49

なんとか自力で起き上がると、私の手の上を慌てて走り回り、すぐにブーン♪と重低音の大きな羽音を立てて飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、 鞘翅は閉じたままで、横の隙間から後翅を広げて羽ばたいていることが分かります。

2022/09/19

柳の樹液酒場でシロテンハナムグリが後脚を上げてコムラサキを牽制

 

2022年6月下旬・午後12:20頃・晴れ
前回の記事:▶ 柳の樹液に集まるコクワガタ♂♀、シロテンハナムグリ、コムラサキ♀♂

同じ柳の別の枝に樹液酒場をもうひとつ発見しました。 
2匹のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)が樹液スポットに頭を突っ込んでいます。 
樹液を吸汁しながらときどき後脚を高々と持ち上げてライバルの接近を牽制しています。 (軽い占有行動)

シロテンハナムグリに牽制されても、2頭のコムラサキApatura metis substituta)は少し離れた位置(アウトレンジ)から長い口吻を伸ばして樹液を吸汁することが出来ます。 
翅を開閉しながら樹液を舐めています。 

この樹液酒場にコクワガタは来ていませんでした。


2022/09/11

柳の樹液に集まるコクワガタ♂♀、シロテンハナムグリ、コムラサキ♀♂

 

2022年6月下旬・午後12:20頃・晴れ
前回の記事:▶ 柳の葉から飛んで樹液酒場に辿り着いたコムラサキ♀

川沿いで柳(樹種不詳)の樹液酒場を立派なコクワガタ♂(Dorcus rectus rectus)が守っていても3頭のコムラサキ♀♂(Apatura metis substituta)が怯まずに長くて黄色い口吻を伸ばして樹液を吸汁しています。
1匹のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)もコクワガタ♂に追い払われること無く、樹液を舐めていました。 

翅を開閉しながら樹液を吸っているコムラサキは、翅表がメタリックな紫色に輝く♂と地味な♀と、両方いました。 
しかしなぜか、樹液酒場でコムラサキの配偶行動(求愛・交尾)に発展することはありませんでした。 
ライバルに追い払われて飛び去っても、すぐに舞い戻ってきます。 

コクワガタ♂は茶色いブラシ状の口吻を伸ばして樹液を舐めています。 
大顎を素早く跳ね上げて、目の前に居るシロテンハナムグリを牽制しました。 
シロテンハナムグリは少し身を引いて、コクワガタ♂が居なくなるまでおとなしく待っています。 
やがてコクワガタ♂が身繕いを始めました。 
樹液でべたつく左中脚と後脚を互いに擦り合わせています。 
横から見ると、コクワガタ♂の体の薄さがよく分かります。 

虫たちが集まる樹液酒場をよく見ると、柳の枝の古い損傷部がえぐれていて、その中に別の甲虫が潜んでいました。 
動画撮影中は日陰になっていて穴の奥がよく見えず、ストロボを焚いて撮った写真を後で見て初めて真っ黒な甲虫だと気づきました。 
(現場では、もう1匹のシロテンハナムグリが潜んでいるのかと予想していました。)
謎の甲虫がミニ樹洞から一度だけ顔を出した際に、短い大顎が白い樹液の塊に覆われていました。(@3:19) 
これはおそらくコクワガタの♀で、コクワガタ♂は上に覆い被さるように配偶者ガードしていると状況が飲み込めました。 
コクワガタ♂は単に樹液酒場の最高のポイントを占有(独り占め)しているだけではなく、ライバルの同種♂が交尾相手の♀に近づかないようにしっかり守っているのでしょう。 



撮影後にコクワガタ♂を手掴みで捕獲することができました。 
(ミニ樹洞の奥に潜むコクワガタ♀の存在には気づきませんでした。) 
持ち帰って飼育開始。 
実は恥ずかしながらクワガタムシ類の飼育をまともにやったことがないので、何事も経験です。 
普通種のコクワガタは飼育しやすい種類らしく、クワガタ飼育の入門用としてうってつけです。
帰り道に100円ショップに立ち寄って、昆虫ゼリー、昆虫マット、昆虫ゼリーホルダーを買い揃えました。 
水を飲ませる代わりに、昆虫マット(雑木林の落ち葉と朽木を粉砕したもの)に予め水を霧吹きして湿らせる必要があるらしい。 
容器内に放すと、コクワガタ♂はすぐに昆虫マットの下に潜り込みました。 
本来は夜行性らしい。

2022/09/05

柳の葉から飛んで樹液酒場に辿り着いたコムラサキ♀

 

2022年6月下旬・午後12:15頃・晴れ 

用水路が川の本流に合流する手前の岸に自生する(樹種不詳)の若葉にコムラサキApatura metis substituta)が止まっていました。 
翅を半開きにしたまま日当たりの良い葉表に静止しています。 
柳はコムラサキの食樹ですが、♀の産卵行動でもありません。 
柳の葉の表面(に付着した甘露)を舐めていたら面白いと思って撮り始めたのですけど、私がカメラを向けたら黄色い口吻の伸縮を止めてしまいました。 

レンズをズームアウトしかけたら、急にコムラサキが飛び立ちました。 
コムラサキ♀の飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:59〜) 

河畔林の柳の灌木の周りを素早く飛び回ると、同じ柳の幹に着地しました。 
そこは樹液が滲み出す場所の少し上でした。 
翅表の色が地味なので、ようやく♀と判明。 
コムラサキ♀は柳の枝を歩いて降りて樹液酒場に辿り着くと、黄色い口吻を伸ばして吸汁開始。 
現場では樹液の発酵臭(甘酸っぱい芳香)を私の鼻で嗅ぎ取れず、樹液酒場の存在に気づきませんでした。
コムラサキ♀が教え導いてくれた樹液酒場は先客で混み合っていました。 

2022/01/24

ミズナラの樹液を吸うオオスズメバチ雄蜂♂

 

2021年10月下旬・午後14:00頃・くもり 

里山の薄暗い雑木林でブーンと重低音の羽音が聞こえました。 
 羽音の主を探すと、飛来した蜂がミズナラの幹に止まりました。 
オオスズメバチ♂(Vespa mandarinia japonica)です。 
触角と腹部が長いので、雄蜂♂と判明。 
長い触角の先端がカールしています。 
私の鼻では樹液の発酵臭を嗅ぎ取れなかったものの、樹液を舐めに来たようです。 
幹に下向きに止まって樹液をしばらく舐めてから上に向き直り、飛び去りました。 
現場は水場の畔です。 

約4分後にオオスズメバチ♂が再び飛来しました。 
全く同じ樹液スポットに迷いなく戻って来て、先程と同じ下向き姿勢で吸汁を始めたことから、同一個体が再訪しに来たのでしょう。 
腹式呼吸するだけで、一心不乱に樹液を吸汁しています。 
背側からの撮影では肝心の口元が見えません。 
大顎を動かしているようには見えませんし、オオスズメバチ♂が飛び去った後の樹皮に新しい噛み傷はありませんでした。 
オオスズメバチ♀とは違って雄蜂♂は樹液の分泌を促すために樹皮を齧ることはないようです。 
雄蜂♂は大顎の発達が悪くて非力だからでしょう。 

やがて樹液の匂いを嗅ぎつけたのか、謎の昆虫が飛来しました。(@1:58) 
オオスズメバチ♂の背後で一瞬ホバリングしただけで、樹液酒場には着陸しないで慌てて逃げて行きました。 
スロー再生しても、飛来した虫はぼやけてしまい同定できませんでした。 
なんとなく、クロスズメバチの仲間ではないかと思います。 
オオスズメバチ♂は半開きにした翅を斜めに立てて震わせ、警戒姿勢になりました。 
樹液酒場の占有行動というほどでもありませんが、オオスズメバチ♂の貫禄勝ちです。
警戒を解いたオオスズメバチ♂は樹液吸汁を再開。 
ミズナラの樹液を長々と味わったオオスズメバチ♂は、最後に樹液酒場でウロウロと方向転換してからようやく飛び去りました。 
このミズナラの木は一部黄葉しかけていました。

 樹液酒場でオオスズメバチの雄蜂♂は初見かと思いきや、2回目でした。
関連記事(8年前の撮影)▶ オオスズメバチ♂がコナラで日光浴と樹液吸汁
2021年10月中旬

余談ですが、6日前に全く同じミズナラの木で樹液を吸うオオスズメバチ♀を観察しています。
そのときも水場の岸に生えたミズナラの樹上から重低音の羽音が繰り返し聞こえ、蜂を発見できました。
この時はあまりにも薄暗く(夕方で光量不足)、手持ち夜景モードでも動画に記録できませんでした。
ストロボを焚いて証拠写真を撮ると、オオスズメバチ♀と判明。

その後、事件が勃発しました。
もう1匹の蜂が飛来すると、ミズナラ樹上で2匹が格闘になり、そのままもつれ合うように地面に落下。
1匹は飛んで樹上に戻り、もう1匹は飛び去りました。
動画に撮れなかったのが残念でなりません。
2匹ともオオスズメバチだったかどうか定かではありませんが、この樹液酒場はオオスズメバチ♀同士が戦って取り合う(占有行動)ほど樹液の量は豊富ではない気がします。
もしかすると雄蜂♂が♀に交尾を挑んで拒否されたのかもしれない、と想像しました。

2021/12/13

ミズナラの樹液酒場を巡って争うヒメスズメバチ♀・チャイロスズメバチ♀・オオスズメバチ♀・アカタテハ

 

2021年9月上旬・午前11:50頃・くもり 

里山の尾根道で見つけたミズナラの樹液酒場で3種類のスズメバチが興味深い占有行動を繰り広げていました。 
登場するのはチャイロスズメバチVespa dybowskii)、ヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)、およびオオスズメバチVespa mandarinia japonica)のいずれもワーカー♀です。 
結局、樹液酒場を独り占めするのは、最強のオオスズメバチ♀です。 
オオスズメバチ♀が樹液を吸汁したり樹皮を齧って樹液酒場を拡張したりしている間、他の種類のスズメバチは怖くて近づけません。 
遠慮がちに少し離れて順番待ちしています。 

ヒメスズメバチの体長はオオスズメバチと遜色ありませんが、体の太さで負けます。 
ヒメスズメバチがオオスズメバチに戦いを挑むことはありませんでした。
もう1匹のヒメスズメバチ♀が飛来して2:1になっても、オオスズメバチ♀は樹液酒場を譲りませんでした。(@0:38) 
それどころか、2匹のヒメスズメバチ♀間で小競り合いがあったのが興味深く思いました。(@0:52) 
もしかすると、別のコロニー出身のヒメスズメバチ♀なのかもしれません。 

そこへ2匹目のオオスズメバチ♀が飛来しました。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。(@1:00) 
直後に等倍速でリプレイ。 
オオスズメバチ♀は樹液酒場の横で待機していたヒメスズメバチ♀にいきなり飛びかかり、追い払いました。 
一瞬の攻撃の間に毒針で刺す素振りまでしたので驚きました。 
不意をつかれたヒメスズメバチ♀は幹から転げ落ちるように逃げて行きました。 
ライバルを1匹減らしたオオスズメバチ♀は次に、先客のオオスズメバチ♀に狙いを定めると果敢に飛びかかりました。 
やられた個体は翅を震わせて威嚇しながら、腹部をねじって相手に腹端の毒針を誇示しました。 
その間、チャイロスズメバチ♀は慌てて幹を登って物騒な戦場から離脱します。 

飛来したオオスズメバチ♀は幹に着陸すると先客と触角で挨拶し、同じコロニー出身と互いに認識したようです。 
先客の個体と口づけを交わしました。(栄養交換) 
2匹のオオスズメバチ♀に樹液酒場を専有されると、ヒメスズメバチ♀やチャイロスズメバチ♀はますます近づけなくなります。 

オオスズメバチ♀は頑丈な大顎で樹皮を齧り取ると、その欠片を口から捨てました。 
チャイロスズメバチ♀が飛来したものの、オオスズメバチ♀に睨まれただけで勝負あり。 
幹に着陸することなく慌てて飛び去りました。(@2:27) 
オオスズメバチ♀は身繕いしながら振り返ってヒメスズメバチに睨みを効かせています(牽制)。 

スズメバチ異種間で生まれつきの順位が既に決まっているようで、無駄に争うことはほとんどありませんでした。 
岩田久二雄『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』p318 によると、
樹液の出る場所での、席次争いで強いものから弱いものへの順列は、オオ>チャイロ>コガタ>モン>ヒメ(スズメバチ)

今回、チャイロスズメバチとヒメスズメバチの間での力関係を観察できなかったのは残念です。 


実はこの樹液酒場を見つけたときには初め、アカタテハVanessa indica)が吸汁していました。(@3:07〜) 
その翅の羽ばたきで樹液酒場の存在に気づいたのです。 
完全に逆光のアングルだったので、動画編集時に逆光補正しました。 
それでも他人に披露するにはいまいちの映像なので、前後を入れ替えて最後に持ってきました。 (YouTubeでは視聴者が途中で離脱しないような工夫が必要です。) 
スズメバチ類は未だチャイロスズメバチ♀とヒメスズメバチ♀しか来ておらず(1匹ずつ)、比較的平和でした。 
チャイロスズメバチ♀とヒメスズメバチ♀は同じ樹液スポットの反対側から吸汁しています。 
アカタテハは翅を開閉しながら吸汁していたものの、チャイロスズメバチ♀との占有行動に負けてミズナラ樹液酒場から飛び去りました。 
最後に私がカメラをズームアウトしかけたら、オオスズメバチ♀とヒメスズメバチ♀が飛来しました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@4:06〜) 

他にはハエも樹液に来ていたものの、私には種類が見分けられません。 
ハエはいつでも素早く飛んで逃げられる自信があるのか、強い昆虫に混じって大胆に吸汁しています。

2021/12/08

ミズナラの樹液酒場でヒメスズメバチ♀に喧嘩を売るキマワリ

 

2021年9月上旬・午前11:50頃・くもり 

里山の尾根道でミズナラの樹液酒場を観察していると、キマワリPlesiophthalmus nigrocyaneus)が歩いて幹を降りてきました。 
そのままヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀にぶつかりました。
ヒメスズメバチは背後から不意をつかれたものの、滑落したのはキマワリでした。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
これは樹液酒場を巡る占有行動(闘争)のひとつなのでしょうか? 
しかし私の知る限り、キマワリは朽木やキノコを食べるので樹液を吸汁しません。 
うっかりヒメスズメバチ♀にぶつかっただけのように思います。 
もし割り込みたいのなら、樹液酒場を占領している2匹のオオスズメバチVespa mandarinia japonica)ワーカー♀こそ追い払うべきでしょう。 

ヒメスズメバチ♀は2匹のオオスズメバチ♀が占有する樹液酒場に近づけず、辺りをウロウロして順番を待っています。 

つづく→

2021/12/04

ミズナラの幹から樹液の塊を持ち去るオオスズメバチ♀の謎

 

2021年9月上旬・午前11:50頃・くもり 

里山の尾根道に自生するミズナラ灌木に樹液酒場が開店していました。 
オオスズメバチVespa mandarinia japonica)のワーカー♀2匹が集まり、樹皮を齧り取ったり樹液を舐めたりしています。 
その背後でヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis pulchra)がウロウロしていますが、オオスズメバチが怖くて樹液が滲むスポットに近づけません。 
(オオスズメバチによる樹液の占有行動については別の動画を公開予定。) 

オオスズメバチ♀は頑丈な大顎で齧って樹皮に傷を付け、樹液の分泌を促しているのです。 
その作業中に、白く固まった樹液の小さな塊がオオスズメバチ♀の口に入り、吐き出しました。 
しばらくすると、1匹が樹液酒場から飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、白く固まった樹液の塊を大顎に咥えたまま持ち去っていました。 
まさか巣に持ち帰って幼虫に給餌するのでしょうか? 
スズメバチ類がそんな採餌行動をするのを見たのは初めてで、驚きました。 
ゼリー状に白く固まった樹液は素人目には甘くて美味しそうに見えますけど、虫が食べているのを見たことがありません。
動画の前半でも口に入った白い塊をオオスズメバチ♀は不味そうに(?)捨てています。
私の個人的な予想では、樹液の白い塊を持ち去った個体は帰巣する前に飛びながら捨てたのではないかと予想しています。
白い塊が樹液(液体)よりも濃厚で栄養豊富なら、積極的に集めて団子状に丸め巣に持ち帰るスズメバチの姿をもっと頻繁に見かけているはずです。

白く固まった部分の樹液の成分を知りたいのですが、誰か分析した人はいないのでしょうか?
煮込み料理で出る灰汁あくのような物なのかな?


【追記】
矢島稔『樹液をめぐる昆虫たち:わたしの昆虫記4』第4章「樹液とその成分」によると、
クヌギやコナラの樹液の成分についての研究は少なく、まだわからないことがいくつもあります。しかし、水に溶ける性質をもつ成分にはアルコール、酢酸、グリセリン、果糖、ブドウ糖、乳酸、2・3-ブタンジオールがあります。水に溶けないものは、白いペースト状に見え、この中にはタンパク質がふくまれていて、遊離アミノ酸もあることがわかっています。(p37より引用)
私が観察した樹液酒場はミズナラですが、大まかな成分は共通でしょう。
水に溶けない成分にはタンパク質や脂肪酸、それに遊離アミノ酸もふくまれていることがわかっています。これは、昆虫たちにとっては栄養豊かな貴重なえさです。
 昆虫たちは、タンパク質などの塊りをもとめて樹液にやってくるのでしょうか。しかし、タンパク質などは量が少ないと、白い塊りに見えません。
 むしろ、しみ出した水のように見える樹液に、昆虫たちが集まっている(p40より引用)

樹液の白い塊にタンパク質やアミノ酸が 多く含まれているのなら、スズメバチが巣に持ち帰って幼虫に給餌したとしても不思議ではありません。

しかしそれでも、獲物を狩って作る新鮮な肉団子に比べたら栄養価(タンパク質やアミノ酸の含有量)が低そうですから、肉の代用食としてたまにしか持ち帰らないのではないでしょうか。

獲物が少なくなる晩秋になると、樹液の塊を頻繁に持ち去るようになるのかな?

スズメバチの幼虫に飼育下で樹液の塊を給餌したら嫌がらずに食べてくれるでしょうか?


 
オオスズメバチ♀2+ヒメスズメバチ♀@ミズナラ樹液酒場

2021/10/05

樹液酒場でカブトムシ♀を襲うモンスズメバチ♀【ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後14:30頃・晴れ
前回の記事:▶ 柳の樹液を吸いながら片足を上げて排尿するカブトムシ♀【HD動画&ハイスピード動画】

シーン1: 
湿地帯に自生する柳(樹種不詳)の樹液酒場に来ていたモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が先客のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)に足蹴にされて退散しました。 
正確には、シロテンハナムグリが天敵を蹴飛ばしたというよりも、後脚を持ち上げて「近寄るな!」と牽制したようです。 
これも樹液酒場を巡る占有行動の一種と言えるでしょう。 

※ 冒頭シーンだけ動画編集時に逆光補正を施しています。 


シーン2:(@0:05〜) 
カブトムシ♀(Trypoxylus dichotomus)の吸汁シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、飛来したモンスズメバチ♀が突然カブトムシ♀の胸背に着陸しました。 
この2種には圧倒的な体格差がありますし(カブトムシ♀>>モンスズメバチ♀)、カブトムシは全身がクチクラの硬い装甲で守られているため、スズメバチでも歯が立たないようです。 
(スズメバチは狩りの際に毒針を使うことはなく、大顎で獲物に噛み付くだけです。) 
モンスズメバチ♀はカブトムシ♀を諦めてすぐに飛び去りました。 
その間、カブトムシ♀は全く無反応で、平然と樹液を舐め続けていました。 
このモンスズメバチ♀は獲物を探索中だった(探餌飛翔)という解釈です。 
モンスズメバチ♀はセミを狩るのが得意だという噂ですけど、私は狩りの様子を未だ観察できていません。

あるいは、もしかするとモンスズメバチ♀は柳の幹かと誤認してカブトムシの背中にうっかり着地しただけかもしれません。 
カブトムシから離れたモンスズメバチ♀は柳の幹の手前でホバリングしながら上昇して行きました。 
樹液がもっと多く分泌する場所を探索しているのでしょう。 
柳の葉の甘露を舐めに行った可能性も考えられます。
関連記事(6年前の撮影)▶ 柳の葉を舐めるモンスズメバチ♀



【追記】

森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』に面白いことが書いてありました。

スズメバチ類は、力勝負でもカナブンやコクワガタには十分勝てるのだが、樹液酒場がこみ合ってくると、背後から甲虫たちの脚に噛みついては、パッと空中に逃げるという行動をくり返す。たまりかねた甲虫が向き直ると、その動きが隣の甲虫を刺激し、これを宣戦布告と受け止めた相手が応戦すると、そこで甲虫どうしの戦いが始まる。この混乱に乗じて、樹液上に空きスペースができると、スズメバチは空中からそこに舞い降りて自分の場所を確保するのである。甲虫を挑発して、同士討ちを誘発させるわけだ。(p36〜37より引用)

私が思っていたよりもスズメバチは賢いようです。

今回私が観察した樹液酒場は混み合っていませんでしたが、モンスズメバチ♀はカブトムシ♀を背後から挑発してどかそうとしていたのかもしれませんね。

しかしカブトムシ♀は、その挑発に乗りませんでした。

 

2021/09/28

柳の樹液を吸いながら片足を上げて排尿するカブトムシ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月中旬・午後14:20〜15:05・晴れ 

湿地帯に生えた柳の木(樹種不詳)の幹から樹液が滲み出していて、カブトムシ♀(Trypoxylus dichotomus)が来ていました。 
柳の樹液酒場にカブトムシが来るとは意外でした。 
幹に残るカミキリムシ♀の産卵痕(地上〜2mの地点)から樹液が出ています。 
その後にスズメバチ類が更に樹皮を齧り取って樹液の分泌を促したかもしれません。 
私の鼻では樹液の発酵臭を何も感じませんでした。 
(風向きの問題なのか、それとも最近になって樹液が出始めたばかりなのかな?) 

カブトムシ♀は柳の幹の同じ場所に居座ってひたすら樹液を吸汁しています。 
アングルを変えても口吻の伸縮などは見えませんでした。
カブトムシ♀の鞘翅の表面はうっすらと土で汚れていたので、羽化直後なのかもしれません。 
やがて、透明な液体を腹端から排泄しました。(@0:13) 
初回は分かりにくいので、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
腹端の排泄孔がよく見えず、透明な液体がジュワッと滲み出た感じです。 
初回は排尿時に片足を持ち上げていません。 
そのため、おしっこが幹に直撃して自分の体に跳ね返ったようです。 
排尿直後に後脚で腹端を拭いました。 
これ以降、カブトムシ♀は学習したようで、自分の体を汚さないように片足を持ち上げてからオシッコするようになりました。 

排尿シーンをしっかり記録するために、後半から三脚を立ててカメラを固定し、長撮り監視しました。
右後脚の先で再び腹端を拭いました。(@1:06) 
先程の排尿失敗で濡れてしまった腹端を気にして拭いたようです。 (この尻拭き行動はその後二度と見られなくなりました。) 

しばらくすると、ようやくまた排尿しました。(@1:21) 
今度は右後脚を軽く持ち上げてから、透明な液体を勢いよく後方に噴射しました。 

次は側面から撮ってみます。 
前回と同じく右後脚を軽く持ち上げて体を傾けながら、犬の小便のように排泄しました。(@1:33) 
毎回決まった足を持ち上げるのは、この個体の利き足なのかな? 
それとも、たまたま止まった幹の形状(凹みなど)などから決まってくるのかもしれません。 

次は240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:42〜) 
排尿シーンは(@1:47、2:03、2:22)。 
オシッコし終わった後に腹端に残った最後の雫は、幹に付くと吸い込まれるように無くなりました。 

排尿間隔は? 撮り損ねた回がある?

私は以前、ノコギリクワガタ♀の排尿シーンを飼育下で観察したことがあります。
関連記事(6年前の撮影)▶ ノコギリクワガタ♀のおしっこ噴射【ハイスピード動画】
ノコギリクワガタ♀も腹端を少し持ち上げてピューッと排泄します。 
しかしカブトムシ♀とは異なり、排尿の瞬間にノコギリクワガタ♀は一度も片足を持ち上げませんでした。

撮影後にカブトムシ♀を採寸すべきだったのに、この日はとにかく暑くて、熱射病気味の私はすっかり忘れてしまいました。
気温も測ってません。
 
私はヤナギの種類を見分けるのが苦手です。 
この柳の枝葉や幹の映像・写真から樹種を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
つづく→樹液酒場でカブトムシ♀を襲うモンスズメバチ♀【ハイスピード動画】

2021/09/23

柳の樹皮下に坑道を掘り進めるカミキリムシの幼虫

 

2021年7月上旬・午後14:35頃・晴れ 

湿地帯に自生する柳の灌木(樹種不詳)の幹の途中で樹皮が裂けて、隙間から白い幼虫の姿が覗いて見えます。 
おそらくカミキリムシの仲間の幼虫でしょう。 
丸々と太った幼虫が蠕動運動で坑道内を移動していました。 
幼虫が横を向いたときに頭部の大顎を正面から見せてくれました。 
坑道の掘削作業中のようで、木屑を外に排出しました。 
樹皮の裂け目や穴からフラス(幼虫の糞と木屑の混合物)を大量に排出した跡が残っていました。(排糞孔)
関連記事(7年前の撮影)▶ 柳に穿孔する昆虫が木屑を外に排出する瞬間
食樹の材内に穿坑するカミキリムシ幼虫の姿が外から見えるなんていう機会は滅多に無いので、せっかくなら引きずり出して全身像を調べるべきでしたね。 
やがてカミキリムシの幼虫は引っ込んで姿が見えなくなってしまいました。 
仮にカミキリムシ幼虫を採集したとして、素人が飼育して成虫まで育てることは可能なのかな? 
食樹の柳をどのような状態で与えれば良いのでしょう? 

鈴木知之『新カミキリムシハンドブック』によると、
 カミキリムシの幼虫は互いに似ていて、種を同定するには、飼育して確かめるか、標本を作り細部を調べる必要がある。ただ、幼虫の生息環境や食樹などから種が確定できることもあり、また亜科や属までなら判別可能なこともある。(p107より引用)
ちなみに、1匹のヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)が柳の樹皮の割れ目に頭を突っ込んで樹液を吸汁していました。(頭隠して尻隠さず) 
この樹皮をめくってみると他にも様々な昆虫(魑魅魍魎)が潜んでいそうです。
関連記事(3年前の撮影)▶ 柳の樹液を吸いに集まるヨツボシケシキスイ
私は柳の種類を見分けるのが苦手です。 
最後に撮った枝葉の様子などから、この柳の和名が分かる達人がいらっしゃいましたら、教えて下さい。

2021/01/17

カミキリムシの産卵痕から滲むコナラの樹液を舐めるオオスズメバチ♀

 

2020年9月下旬・午後13:50頃・くもり 

里山の林道の横が雑木林になっていて、コナラの樹液酒場にオオスズメバチVespa mandarinia japonica)のワーカー♀が重低音の羽音を響かせて飛来しました。 
コナラの幹にはカミキリムシ♀が産卵した傷痕が多数並んでいます。 
オオスズメバチ♀は幹を歩き回りながら身繕いしただけですぐに飛び去りました。 
どうやら樹液の出る量が少なかったようです。 
私の鼻でも樹液の発酵臭を嗅ぎ取れませんでした。  

コナラをホストとするカミキリムシは種類が多過ぎて絞り込めないのですが、新開孝『虫のしわざ観察ガイド—野山で見つかる食痕・産卵痕・巣』p108-109に掲載されたシロスジカミキリ♀(Batocera lineolata)による産卵痕の写真がそっくりでした。

2020/08/06

柳の樹液を吸う越冬明けのキタテハ



2020年5月中旬・午後14:40頃

川岸に生えた柳(樹種不明)の樹液酒場に越冬明けのキタテハPolygonia c-aureum)秋型が来ていました。

柳の幹に下向きに止まり、口吻を伸ばして樹液を吸汁しながら翅をゆるやかに開閉しています。
翅の縁がボロボロに破損していました。
暖冬だったとは言え、冬越しの厳しさが忍ばれます。(キタテハは成虫で越冬します。)
翅裏のCマークがキタテハの紋章です。
翅裏の地色が薄い褐色なので、シータテハは除外できます。
やがて幹を回り込むと、上に登り始めました。
柳の枝には若葉が生い茂っています。

幹の一部が小さな樹洞のようにえぐれていて、キタテハは樹洞の内側を口吻で舐めていました。
近寄ってきたアリを嫌ったのか、キタテハは翅を開閉しながら樹洞から歩き去ります。
幹の陰に回り込んで再び死角に消えたので、もしかすると私を警戒しているのかもしれません。
樹液を充分に吸汁すると、満ち足りたキタテハは柳の幹から飛び去りました。

キタテハの樹液吸汁シーンは、意外にもこれまで1例しか撮ってませんでした。

▼関連記事(7年前の撮影)
樹液酒場で飛ぶキタテハ、シータテハ、アカタテハ【ハイスピード動画&HD動画】


ちなみに、柳の樹液が滲む樹洞内には得体の知れない白い蛆虫のような謎の幼虫が大小数匹、蠢いて(泳いで)いました。
ハエ類なのか甲虫の幼虫なのか、私にはさっぱり分かりません。
この蛆虫を採集し、昆虫ゼリーを与えれば成虫まで飼育できるかな?


さらに余談ですが、撮影中に頭上から水滴が何度も滴り落ちてきました。
透明で冷たい液体でした。
雨水ではないと思うのですが、アブラムシの甘露かな?

『ヤナギハンドブック』を手に入れたので、自力で樹種を同定できるように頑張ります。
この辺りでよく見かける平凡な普通種だと思います。
花や葉、実など通年で総合的に判断しないといけないみたいで、定点観察に通うことにします。







2019/10/16

柳の枝で樹液を舐めるコムラサキ♀とシロテンハナムグリ



2019年6月下旬
▼前回の記事
柳の枝で樹液を舐めるシロテンハナムグリ

河畔林の小路に沿って生えた柳(樹種不明)の灌木にできた樹液酒場にコムラサキ♂(Apatura metis substituta)も来店しました。
黄色い口吻を伸ばして樹液を吸いながら翅を開閉していますが、翅表に日が当たっても瑠璃色に輝かないので♀のようです。
コムラサキ幼虫の食樹は柳類ですから、コムラサキ成虫♀が柳によく来るのも納得です。
この個体は左右の後翅の肛角付近がえぐれたように大きく破損していました。
左右対称の破損ですから、鳥に襲われたビークマークだと思われます。

樹液酒場に陣取って吸汁しているシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)の背中をコムラサキ♀が足で踏んでしまうと、シロテンハナムグリも後脚を上げて軽く威嚇しました。
コムラサキはおとなしくその場を離れたものの、近くで順番待ちをしています。
この樹液酒場はさほど混み合っていませんし、長い口吻を持つ蝶類は少し離れた位置からでも樹液を吸えるはずですから、順番待ちをする必要は無い気がします。
だとすれば、酔っ払ったコムラサキ♀が樹液酒場の横で日光浴しているだけかもしれません。

これと同じ組み合わせを6年前にも別の場所で撮っています。(ただしコムラサキの性別が違います)

▼関連記事
柳の樹液を吸うコムラサキ♂とシロテンハナムグリ


コムラサキ♀:ビークマーク:翅表@柳枝:樹液酒場
コムラサキ♀:ビークマーク:翅裏@柳枝:樹液酒場
コムラサキ♀:ビークマーク+シロテンハナムグリ2@柳枝:樹液酒場

2019/10/11

柳の枝で樹液を舐めるシロテンハナムグリ



2019年6月下旬

河畔林の小路の横に生えた柳の灌木に2匹のシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)が集まっていました。
枝から滲み出た樹液を舐めに来たようです。
同じ横枝の下面に居る個体は、休息しているだけでした。
枝の上面で盛んに樹液を舐めている個体が尻を高々と上げたので排尿するかと期待したのですが、私の予想は外れました。

つづく→コムラサキ♀も樹液酒場に合流


▼関連記事(6年前の撮影)
柳の樹液を舐めるシロテンハナムグリ


シロテンハナムグリ2@柳枝+樹液吸汁
シロテンハナムグリ2@柳枝+樹液吸汁

2019/05/29

コナラの樹液を舐め幹を登り飛び立つアオカナブン



2018年7月下旬・午後16:05頃

里山の雑木林でコナラの幹の樹液酒場にアオカナブンRhomborrhina unicolor)が来ていました。
白く泡立つ樹液スポットを探し当てると、口吻で舐め始めました。

しばらくすると、なぜか樹液酒場を離れて幹を登り始めました。
私の手が届かない高所に行ってしまう前に、手掴みで捕獲しました。
裏返して腹面の識別点を見ると、左右の後脚のつけ根が接していることから、カナブンの緑化個体ではなくアオカナブンと判明。
腹面も美しく輝くメタリック・グリーンでした。

元居たコナラの幹にそっと戻してやったのに、アオカナブンaは怖がってすぐに飛び去ってしまいました。
鞘翅は閉じたままで後翅だけを広げると、ブーン♪と重低音の羽音を立てて羽ばたきました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

直後に同じ樹液酒場で見つけた別個体のアオカナブンbでは、飛び立ちをスーパースローで撮っています。

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飛べ!アオカナブン【HD動画&ハイスピード動画】


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブンa@コナラ樹液吸汁
アオカナブンa:背面@捕獲
アオカナブンa:腹面@捕獲

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