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2017/08/15

アカマツ樹冠の巣で抱卵するハシブトガラスと警戒声♪(野鳥)



2017年5月上旬

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#1


郊外でアカマツの樹幹にカラスの巣を新たに見つけました。
かなりの高木です。
巣材は多数の小枝を組み合わせてお椀状に作られています。
巣に座っている親鳥は、抱卵中の♀なのでしょう。

ところが在巣の♀が急に飛び立ち、旋回して左手の針葉樹に止まりました。
その枝には先客のカラス(恐らく番の♂)が居て、下で見ている私に対して「カァカァカァカァ♪」と切迫した警戒声を発していました。
澄んだ声なのでハシブトガラスCorvus macrorhynchos)のようです。

なぜか♀はまたすぐに飛び立ち、アカマツの左横の雑木林の樹冠に止まり直しました。
他のカラスの領空侵犯があったのかもしれません。(縄張り防衛の行動?)
その後は、怪しいヒト(=私)が見ている間は帰巣したくない(巣の位置をヒトに悟られたくない)というハシブトガラス♀の意志を感じました。(この日だけでなく後日の観察でもそのような印象を受けました。)
これだけ嫌がっているのにしつこく撮影して営巣放棄されては私も困るので、このまま撤退しました。

私のフィールドでカラスと言えば北方系のハシボソガラスの方が圧倒的に優占種で、南方系のハシブトガラスは滅多に見かけません。
同時期に営巣中のハシボソガラスよりもハシブトガラスの番(つがい)の方がバードウォッチャー(私)に対する警戒心がかなり強い印象を受けました。
これはカラスに関する本で読んでいた通りで、この後の定点観察でも毎回悩まされることになります。

例えば松原始『カラスの教科書』によると、

・特にハシブトガラスは巣が丸見えになるのを嫌うらしく、針葉樹・広葉樹を問わず常緑樹に営巣することが多い。(p47より引用)
・ハシブトガラスは巣の位置を秘匿することに非常に気を遣う。(p52より)
・カラスは巣や雛を見る視線に非常に敏感である。野生動物の世界にはバードウォッチャーとか研究者とかいうおかしな奴はいないので、巣をジロジロ見る者は「巣を狙っている敵」と見なして差し支えないからである。まして巣立ち雛の方を見ていたり、巣立ち雛の近くにいたりすれば、確実に「我が子に迫る危険」と認定される。(p287より)



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2:縄張り防衛に余念がない繁殖中のハシブトガラス♀♂(野鳥)



2017/07/31

雨の日に巣内の雛に給餌するハシボソガラス(野鳥)



▼前回の記事
雨の日は巣にこもって雛を温めるハシボソガラスの親鳥(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#6


2017年5月中旬・午後15:13~15:14

雨に打たれながら巣でじっと抱雛しているハシボソガラス♀?(Corvus corone)を長撮りしていると、もう1羽の親鳥(♂?)が飛来しました。
巣の右横の鉄骨に一旦着地してから外巣に乗ると、♀が立ち上がって少し横にどきました。
外出できない♀に給餌するのか、興味深く見守りました。
どうやら♂は雛に給餌したようです。
餌乞いする雛のシルエットが見れなかったのは、♀が背後に立っていたからでしょう。
♂はすぐに巣を離れ、右に飛び去りました。
一方♀は巣に座って抱雛を再開。
やはり親鳥は性別による役割分担があるのか、抱雛を交代しませんでした。(外見ではカラスの性別を形態的に見分けられません。)
さすがに親鳥♀自身の空腹が限界に達すれば、抱雛を♂と交代して採餌に出かけるはずです。

雨の日は餌となる虫を探すのも苦労するのかな?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#7:水田で水を飲むハシボソガラス(野鳥)


2017/07/30

雨の日は巣にこもって雛を温めるハシボソガラスの親鳥(野鳥)



▼前回の記事
巣内の雛に給餌し辺りを見張るハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#5


2017年5月中旬・午後15:06~15:20

この日は前線の通過に伴い、朝から雨が降り続いています。
それほど激しい雨ではなく、1~2mm/hの降水量。

これまで観察してきたように、晴れた日は夫婦共稼ぎで餌を探しに出かけ、雛だけで留守番します。
この巣は雨ざらしで剥き出しの状態ですから、未だ体温調節能力の低い幼い雛を守るために雨の日はハシボソガラスCorvus corone)の親鳥は抱雛するのではないか?と予想しました。
雨仕度をしていそいそと様子を見に行きました。


予想通り、おそらく♀と思われる親鳥が雛の上に覆い被さって雨に打たれながら雛鳥をひたすら温めていました。
在巣の親鳥は巣に座ったまま動きが無く、ときどき身震いのように尾羽根を動かしています。
もし雛が未だ小さい時期に雨天が続くと、雛への給餌ペースが半分に落ちて雛の発育が遅れそうですね。
つまり梅雨入りする前に危険な時期を早く乗り切ることが育雛のポイントだと思われます。
カラスぐらいの知能があれば雨風が凌げる営巣地を選ぶか、巣材で雨避け・日除けの屋根を作ればいいのに…、とお節介なことを思ってしまいます。

かなり退屈な映像ですが、記録としてそれが狙いです。(写真よりも説得力、証拠能力があるでしょう)
昼間に晴れていれば、これほど長時間、親鳥が巣にじっと座っている(休んでいる)ことは決してありません。
傘に当たる雨音と、走行車が水しぶきを跳ね上げる音で、雨天だと伝わるでしょう。

比較対照として、同時並行で観察している他のカラスの巣も巡回して観察すべきでしたね。
しかし雨の日にこれ以上足を伸ばすのは億劫で、さぼってしまいました。
言い訳としては、巣によって雛の発育段階が不揃いだったのです。(この巣#19が最も早い)

※ 暗い雨雲を示すために、今回は動画に自動色調補正を施していません。
下の写真では色調補正してみました。

つづく→#6:雨天の給餌


【追記】
唐沢孝一『カラスはどれほど賢いか―都市鳥の適応戦略 (中公新書)』によると、

 産卵後は、♀親によって約20日抱卵されて孵化する。孵化したばかりの雛は、羽毛は生えておらず、普通の小鳥の雛のようにピンク色をしている。しかし、数日後には皮膚は黒色に変化し、つぶれたゴムタイヤのような皺だらけでグロテスクな雛になる。羽毛の生えていない雛は体温維持が不十分なため、さらに二週間にわたり♀親が抱雛する。雛の巣立つのは孵化後、約1ヶ月である。(p114より引用)



2017/07/26

高圧線鉄塔の巣に出入りするハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)



2017年4月下旬・午後17:36~17:39
▼前回の記事
高圧線の鉄塔に作られた巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#2

ハシボソガラスCorvus corone)の巣を狙って撮っていたら、鉄塔の左下から2羽の親鳥が相次いで帰巣しました。
性別は見分けられないのですが、これが♀♂の番(つがい)なのでしょう。
足環を付けて標識しない限り個体識別も無理なので、繁殖ペア以外のヘルパーの存在は当面考えないことにします。

ヘルパー (動物) - 動物行動学で、仔が成長後も親の元に残り、親の子育てを助けること、あるいはそれを行う仔のこと。(wikipediaより引用)

親鳥の直前の行動をしっかり見ていないのですが、2羽ともに巣を留守にしていたということは、縄張りへの侵入者を協力して追い払っていたのかもしれません。

小枝などの巣材を搬入しなかったので、造巣中でないことは確かです。

(産座のために柔らかい巣材を搬入したのを見落とした可能性は残ります。)
鉄骨に阻まれて、巣内の行動がよく見えないのがもどかしい…。
外巣の縁に止まった親鳥は巣の中をしきりに覗き込んでいます。
卵の様子を確認しただけかもしれませんが、もしかすると卵から孵化したばかりの小さな雛たちに給餌したのかもしれませんね(想像)。
雛がお椀状の巣の深さよりも成長すると遠くからでも雛の姿が見えるようになるのですけど、雛が若い(小さい)うちは鉄塔を登って巣の中を覗きに行かない限り様子が全く分かりません。

先に飛び立った親鳥の1羽(♂?)が左に滑空し、住宅地に姿を消しました。
もう1羽の親鳥(♀?)が巣に座り込むと、その尾羽根が巣から突き出て見えます。
抱卵・抱雛しているとすれば、♀なのでしょう。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:高圧線鉄塔の巣で雛に給餌するハシボソガラス♀♂(野鳥)



2017/07/24

高圧線の鉄塔に作られた巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年4月下旬・午後17:26~17:28

高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#1


郊外の住宅地にそびえ立つ高圧線の鉄塔#19の最上部付近に新しくハシボソガラスCorvus corone)の巣を発見。
巣材はやはり多数の小枝をお椀状に組み合わせたものでした。
♀と思われる親鳥が巣に座って抱卵しているようです。
(造巣から見届けている訳でもありませんし、鉄塔に登って巣の中を確認した訳ではないので、抱雛の可能性を否定できません。)
油断なく辺りをキョロキョロ見回しています。
高所にある営巣地ですけどアングルを工夫すれば観察しやすそうなので、ここも定点観察に通うことに決めました。
前年は中途半端な観察しか出来なかったので、今年は繁殖の初期から気合を入れて通います。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#2


以下の写真はアングルが悪くて在巣の親鳥が写らず。

2017/07/23

アケボノスギ梢の巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年5月上旬
▼前回の記事
メタセコイア樹上の巣で抱卵・転卵するハシボソガラス♀(野鳥)

メタセコイア(=アケボノスギ)の梢に営巣したハシボソガラスCorvus corone)の定点観察記録。

見に行っても親鳥が不在のことが多く、久々に在巣の親鳥を撮ることが出来ました。
廃巣ではないと分かり一安心。
巣に座って抱卵中の親鳥(♀?)は警戒して辺りをキョロキョロ見回しています。
メタセコイアの葉が茂り始めました。
背後の里山からもようやく雪が溶けて消えました。

おそらく抱卵だろうと勝手に想像したものの、高木によじ登って巣の中を確認した訳ではないので、抱雛の可能性を否定できません。
(卵から雛が孵化しているかもしれない。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

その後も通りかかる度に定点観察を続けたのですが、メタセコイアの葉が生い茂ると巣がすっかり隠蔽されてしまいました。
親鳥はそれを見越してここに巣を作ったのかもしれません。
観察しやすい別の営巣地を見つけたこともあり、ここからは足が遠のきました。
悪いことは重なるもので、この営巣地の近くで大規模な土木工事が始まり騒々しい重機が何台も出入りするようになりました。
おそらく親鳥は環境悪化によりここでの繁殖を断念したのではないかと想像しています。
結局、ここでは親鳥が巣に出入りして雛に給餌するシーンも撮れずに終わり、残念でした。



2017/07/21

メタセコイア樹上の巣で抱卵・転卵するハシボソガラス♀(野鳥)



2017年4月中旬

未だ落葉した状態のメタセコイア(=アケボノスギ)
の梢で鳥の巣を見つけました。
多数の小枝をお椀状に組み合わせた巣です。
よく目を凝らすと、巣にハシボソガラスCorvus corone)が座っています。
抱卵しているとしたら、♀なのでしょう。

松原始『カラスの教科書』によると、

・ハシボソガラスはハシブトガラスほど神経質ではなく、春先のスカスカの落葉樹に平気で巣を作る。(p47より引用)
・抱卵はほぼ♀のみが行い、抱卵期間はだいたい20日である。(p52より引用)



やがて巣の中で親鳥が立ち上がると、嘴で卵を転がしているように見えました。
(複数の卵を万遍なく温めるための転卵)
産座を嘴で整えてるだけかもしれません。
巣に座り直すと後姿になりました。

造巣の段階から定点観察していた訳でもありませんし、高木に登って実際に巣の中を覗いてみた訳ではないので、「抱卵ではなく抱雛ではないのか?」と問われたら「分からない」と正直に答えるしかありません。

実は別個体のカラスが近くで鳴き騒いでいたのですけど、撮り損ねてしまいました。
番(つがい)の片割れ(♂?)が縄張りを防衛していたのだろう、と想像しました。
背後の山々には未だ残雪が見えます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

この巣も定点観察してみましょう。

つづく→アケボノスギ梢の巣で抱卵するハシボソガラス♀(野鳥)


実は7年前にもこの近くの柳の樹上でカラスの古巣を見つけています。

▼関連記事 
カラスの巣?【野鳥】


2016/11/17

イエユウレイグモ♀(蜘蛛)の卵嚢ガード



2016年7月下旬

物置部屋の扉の陰の床上でイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)が不規則網を張り卵塊を抱えて守っていました。
照明で照らしながらマクロ動画に記録しました。

眩しい光を浴びてもクモに動きは無く、逃げたりしませんでした。

母クモを刺激すると卵嚢を抱えたまま網を揺する振身威嚇するかどうか、試してみればよかったですね。
私が下手に手を出すと♀はこの営巣地から逃去しそうな気がして、躊躇してしまいました。

もうひとつ心残りは、卵嚢ガード中に給餌したときの母クモの行動を観察できなかったことです。(卵嚢を一時的に保管して獲物を捕食するらしい。)
これは来期以降の宿題になります。

幼体が孵化する様子を観察したかったのですが、この時期は他に色々と手を広げ過ぎてしまい余力がありませんでした。
(カメラがもう一台あれば…。)



2015/02/19

コクサグモ♀(蜘蛛)は卵嚢ガードする?しない?



2014年10月下旬

里山の頂で建物の外壁の隅にコクサグモ♀(Allagelena opulenta)を発見。
背景が白壁なので分かり難いのですが、よく見ると卵嚢に覆い被さるように乗り上を向いてガードしているようです。
南壁と西壁が接する角で高さは地上82cm。
コクサグモの卵嚢は初見です。
クサグモの卵嚢は星形なのに、コクサグモの卵嚢はまるで違うシンプルな円盤形なのですね。

▼関連記事
クサグモの卵嚢と一齢幼体
卵嚢に枯れた松葉や細かなゴミが付着しているのはジョロウグモ♀みたく産卵後に偽装工作(カモフラージュ)したのでしょうか?
どうやって適当なゴミを集めて来るのか興味があります。
それとも単に風で飛ばされて付いたのかな?



卵嚢ガード行動を観察するために、動画に撮りながら枯れ葉で軽くつついたら、短距離ダッシュで下に逃げました。
(※ それほど手荒な真似はしていません。クモの体には触れておらず、産室の網に触れただけです。)
卵嚢を死守して威嚇してくるかと予想していたので、この薄情で臆病な反応はとても意外でした。
すぐに戻るかと思いきや、そのまま壁面に静止してのんびり日光浴。
卵嚢のことなどまるで忘れてしまったかのように、数時間たって私が下山する時も卵嚢に戻りませんでした。
これではとても卵嚢ガードとは呼べない(定義に反する)気がします。
本種は卵で越冬するはずなので、成体♀が越冬用住居に潜んでいたのではなさそうです。
ひょっとして別種・別個体のクモが作った卵嚢にたまたま居ただけ?…などと疑うのも強引ですし。
(春になって卵嚢から幼体が孵化すれば種類は分かりますね。)
ちなみに、6日後に再訪した時にはコクサグモ♀は姿を消していました。
インターネット検索すると、コクサグモ♀が卵嚢に乗っている写真が幾つもヒットします。
クモ生理生態事典 2011』サイトにもコクサグモは卵嚢保護すると解説されています。
しかし母クモを刺激したり闖入者(天敵の虫など)に対して実際に防衛行動するかどうか確かめた例は見つかりませんでした。
卵嚢に乗っているコクサグモを見つけても産卵直後に疲れて休んでいるだけかもしれませんし、母性本能とか母性愛として美化されがちな「卵嚢ガード行動」は過大評価されている可能性もありますね。
たとえば生涯で何個も卵嚢を作るのであれば、危険が迫ったら一つの卵嚢に執着せず一目散に逃げるのが正解でしょう。(命あっての物種)
私の実験もこの一例だけなので自説を強く主張するほどではなく、定説に軽い疑念を抱いただけです。

もちろんクモ♀による卵嚢ガード全般を疑っている訳ではなくて、これまで種々のクモで実際に観察しています。

卵嚢を放棄して逃げた後

2014/11/26

スジアカハシリグモ♀(蜘蛛)による卵嚢保護



2014年8月中旬

山道でアカソ?の葉にスジアカハシリグモ♀(Dolomedes saganus)が乗っていました。
日向ぼっこ(日光浴)しているのでしょうか。
腹面に丸い卵嚢を抱えガードしています。
撮りながら慎重に撮影アングルを変更すると、意外にも逃げません。
振動に反応して歩脚を一瞬動かしただけです。
背側から見ると、左の第二歩脚が根元から欠損(-L2)していました。

採寸代わりに右手の人差し指をクモの横に並べて写し込んでも逃げません。
クモの背後から歩脚に触れると驚いて駆け出し、隣の葉に素早く移動しました。
もう一回触れると葉先へ移動。
更にその葉を揺らすと下の葉に跳び下りました。
逃げるときも卵嚢を持ち歩きます。



2014/11/01

初期巣の外被を作り始めたコガタスズメバチ創設女王



2014年5月中旬

コガタスズメバチ巣の定点観察#2014-1

神社の軒下にコガタスズメバチVespa analis)創設女王が巣作りを始めました。
外被の天井部分を軒下の桟に固定する基礎を作っています。
地上からの高さは240cmで、南に面しています。
この営巣地は庇で上手い具合に隠れた場所で、真下から見上げないと巣の存在に気づかないでしょう。



作業を終えた女王は育房に戻って点検し、身繕い。
新たに増築した部分は未だ巣材のパルプが唾液で湿っていて黒っぽく見えます。
剥き出しの巣盤(一段目)の育房数は6室で、産卵済みでした。
女王蜂は巣柄にしがみつきカールするような抱卵姿勢に入りました。
卵を温めるカーリング行動です。



引きの絵にすると、隣の桟にもスズメバチ古巣の跡が残されています。

巣の大きさの比較として、営巣基質となった太い垂木?の幅を採寸すると10cm、屋根裏の細い材の幅3cmでした。

巣材集めの活動は見ていませんが、境内は古い木造建築ですし、周囲にはスギが何本もそびえ立っているので、樹皮の調達に苦労しないはずです。


▼つづく
コガタスズメバチの巣口を守る門衛♀

2014/08/07

卵嚢を守り♂を牽制するイエユウレイグモ♀(蜘蛛:微速度撮影)



2014年6月中旬・室温25〜26℃
▼前回の記事
イエユウレイグモ(蜘蛛)の交接から卵嚢ガードの再開まで【10倍速映像】

交接を観察してから11日後の午後。
屋内の天井隅に張られたイエユウレイグモ♀(Pholcus phalangioides)の不規則網に触肢の発達した成体♂がまた訪れていることに気づきました。
前回交接に成功した♂と同一個体なのか別個体なのか分かりません。
また求愛行動が見られるかと期待して、10倍速のタイムラプス動画で録画開始。

今回♂の行動は草食系というか不活発で、どうも求愛行動とは違うようです。(倦怠期のカップル?)
子持ちの♀が次の交接を許してくれるまで(卵嚢から幼体が孵化するまで?)健気にひたすら待っているのでしょうか。
それとも実は交接を済ませており、♀の網にライバル♂が侵入しないように交接後ガードしているのかもしれません。
卵嚢を口に咥えて持ち歩き保護している♀が網から♂を追い出そうとしている意図をなんとなく感じられるものの、激しい闘争は見られませんでした。
冷たくされて♂は♀に近づけませんが、網から出て行こうとしません。
♀は糸を張りながら動き回り不規則網を補修している可能性もありそうです。
しかし背景が白いため、網や糸が全く見えず真相は不明です。

写真や動画では2匹のクモ同士の奥行きを含めた空間的な位置関係を伝え難いです。
3Dカメラが欲しいと初めて思いました。

微速度撮影の途中で脚立に登り、♀♂ペアを接写してみました。
卵塊が白黒斑になっているのは、発生中の胚が透けて見えているのかな?
幼体の孵化が楽しみです。



定点観察を続けていると日によって♂が行方不明になるので、同一個体の♂が通い婚しているのか確認したくなりました。
そこで♀の不規則網に居座る♂に個体識別のマーキングを施すことにしました。
初めは網にぶら下がっている♂に直接マーキングを試みました。
しかし警戒して逃げられたので、仕方なく捕獲作戦に切り替えました。
透明カップで一時捕獲した♂を炭酸ガスで麻酔し、水色の油性ペンで腹背にマーキングしました。
このとき手元が狂い、うっかり歩脚にもインクが付いてしまいました。
麻酔から完全に醒める前に不規則網にそっと戻してやりました。
♀にも別の色で標識すれば良かったのですが、捕獲・麻酔・標識という一連の操作で身の危険を感じた♀が卵嚢を捨てたり網から逃去したりする可能性をおそれて、思いとどまりました。
(案ずるより産むが易しで、♀はそれほど神経質ではなく実はマーキングしても平気なのかもしれません。)





翌朝に様子を見に行くと、マーキングした♂水色が依然として♀の網に同居していました。
卵嚢を咥えた♀が居候♂を追いだそうとしています。
母は強し。
網に獲物がかかったらどちらが捕食するのか、興味があります。

つづく



2014/07/27

イエユウレイグモ(蜘蛛)の交接から卵嚢ガードの再開まで【10倍速映像】



2014年6月上旬・室温23℃
▼前回の記事
卵嚢ガードを中断して♂と交接するイエユウレイグモ♀(蜘蛛)
室内の天井隅に張られた不規則網で交接を始めたイエユウレイグモPholcus phalangioides)の♀♂ペアが別れるまで確実に見届けたいと思いました。
♀が交接中に♂を捕食してしまう性的共食いの有無にも興味があります。
交接がどれぐらい長く続くのか予想できなかったので、長期戦に備えて10倍速の微速度撮影(ジオラマモード)で監視記録しました。
早回し映像にすると♂が外雌器に挿入した触肢を動かしている様子がよく分かります。

長い交接中に突然、♀が激しく暴れ出しました。(@5:26〜5:41)
それでも♂触肢の連結は外れず、♂には特に動きがありません。
再び♀が暴れ、♂を蹴飛ばして交接が終わりました。(@7:34)
性的共食いは行わず、♂は無事に逃げ延びました。
♂は網に居座って交接後ガード(♀が浮気しないように見張る)をすることもなく、天井の縁を右手の角(南東角)まで移動し、壁を下りて埃だらけの棚の裏へ隠れました。
(♂を一時捕獲して個体識別のマーキングを施したかったのに、残念ながら行方不明になりました。)

交接後に卵嚢を回収する♀
一方、交接後の♀は卵嚢の保管場所にすぐ戻りました。
卵嚢は全く動きませんから、網にかかった獲物のように振動で位置を知るのではなくて、どこに置いたかしっかり記憶していたのでしょう。
あるいは自分が移動中に残した「しおり糸」を辿って卵嚢まで戻るのかもしれません。
もし交接中に卵嚢をこっそり網から外して隠したり移動したりすれば、♀はどうするでしょう?
ダミー(偽物)の卵嚢を幾つも網に置いてやると、自分の卵嚢を正しく選んで回収できるでしょうか?
異変にすぐ気づいて卵嚢を守るために交接を中断しますかね?

▼関連記事
イオウイロハシリグモ♀による卵嚢選択実験

歩脚で抱えた卵嚢に口づけしたのは、不規則網に固定していた糸を噛み切ったのでしょう。
次に♀は身繕いを始めました。
歩脚を一本ずつ舐めて掃除しています。
その間、卵嚢を手の届く位置に(体の下面)に置いています。
歩脚の先で常に卵嚢に触れている…という訳ではないようです。
化粧が済むと卵嚢に何度もキスしてからようやく口に咥えました。(卵嚢ガードの再開)
向きを変えて不規則網を少し移動し、静止したところで撮影終了。

卵嚢をくわえてガード再開

♀の外雌器に交接プラグが残されているかどうか確認したかったのですが、腹面をじっくり接写するには♀を捕獲して麻酔する必要があります。
しかしこれをやるとストレス(身の危険)を感じた♀が卵嚢を捨てたり不規則網から逃去したりする可能性を恐れ、結局やりませんでした。

捕獲したついでに飼育してみる、という発想はこのとき無かったです。

この卵嚢から幼体が孵化するまで定点観察することにしました。

さて、今回の交接が長引いたのは、♂が触肢から移精する前に、♀が前回交接したライバル♂の精子を外雌器から掻き出していた(あるいは押し込んでいた)からのようです(精子間競争)。

そんな面白い話を予め知っていれば、交接中に♂の触肢の動きにもっと注目して接写したのにー。
一方イエユウレイグモ♀も完全に受動的ではなく、♂が気に入らなければ交接を早々に打ち切ることが多いそうです。(♀による密かな配偶者選択)
特に2回目の交接では選り好みが激しくなるのだとか。
実際に今回も交接中に♀が暴れました。
ドイツの研究グループが発表した実験結果によると、欧州産イエユウレイグモ(日本産と同種のPholcus phalangioides)♀が2匹目の♂と交接した持続時間は1.3〜221.7分間(平均30.7分間、中央値5.25分間、標準偏差51.48、サンプル数73)。
今回私が観察したペアは交接の持続時間が約90分間と比較的長い部類に入るようです。

▼参考文献
Schäfer, Martin A., and Gabriele Uhl. "Determinants of paternity success in the spider Pholcus phalangioides (Pholcidae: Araneae): the role of male and female mating behaviour." Behavioral Ecology and Sociobiology 51.4 (2002): 368-377.
検索すれば無料PDFファイルがダウンロードできます。

この文献を読んでみると、イエユウレイグモの配偶行動について以下のことを知りました。

  • 自然環境でイエユウレイグモは一妻多夫の乱婚。
  • 交接中にイエユウレイグモ♂は外雌器に挿入した触肢を捻るようにリズミカルに動かす。このとき前回の交接で蓄えられたライバル♂の精子を掻き出している。
  • 父子関係を調べると、♀と最後に交接した♂の精子が受精・産卵で優先的に使われている。
  • イエユウレイグモ♀の意志で交接の持続時間をコントロールできる。
  • 2回目の交接は初回よりも求愛から交接開始まで時間がかかり、持続時間がずっと短い。
  • 飼育下でイエユウレイグモは2年以上も生存し、室温を20℃に保てば季節を問わず繁殖活動を行う。♀は生涯に2〜6個の卵嚢を産む。(したがって、精子競争や性的対立を研究する実験動物としてなかなか優れている。)

この論文では飼育下でイエユウレイグモ♀一匹に対して2〜6時間という短い間隔で二匹の♂と連続して交接させています。
私が今回観察したような、卵嚢を一時的に手放して交接する事例は書かれていませんでした。


『クモの生物学』第10章「配偶戦略」も改めて読み返してみると非常に勉強になりました。

つづく


【追記】
「クモ蟲画像掲示板」にて、くも子さんより貴重な情報提供を頂きました。(吉倉眞1987『クモの生物学』より)
【卵のうの構造】イエユウレイグモの卵数は少なく20~30ほど。母グモはそれを鋏角でくわえ、蝕肢で支持している。捕虫の時は、卵塊を一時網に吊り下げておき、食事が終わるとまたそれをとり上げる。※

【姿勢の変化】イエユウレイグモの姿勢は温度変化によって変わる。温暖なときは、細長い脚で網糸にぶら下がっている(夏型)。ところが寒くなってくると一種の硬直姿勢をとるようになる(冬型)。広げていた脚を集束し、第一脚、第二脚を揃えて前方へ伸ばす。(この姿勢はクモが網を激しくゆすぶるときの姿勢である。)刺激に対する感受性は低下し、ほとんど体を動かすことがない。実験的に温度を下げて10℃にしたところ、メスの約50%、オスの約30%が冬型の姿勢をとった。これを温室に移してみると、一週間後には夏型に回復した。
※ てっきり卵嚢ガード中の♀は絶食してるのかと思い込んでいたので吃驚。
卵嚢を一時的に手放す行為に♀はさほど抵抗ないのだとすると、私のイメージも大分変わってきます。

2014/07/26

卵嚢ガードを中断して♂と交接するイエユウレイグモ♀(蜘蛛)



2014年6月上旬・室温23℃
▼前回の記事
卵嚢を持つイエユウレイグモ♀(蜘蛛)に求愛する♂

屋内の天井隅でイエユウレイグモPholcus phalangioides)の♂♀ペアが向かい合って牽制するように長い歩脚の先で触れ合っていたのはやはり求愛行動でした。
卵嚢を常にくわえて持ち歩きガードしていた♀が突然、左に向きを変えて♂から離れました。

てっきり争いに負けた♀が退散するのかと思って見ていました。
ところが♀は不規則網の片隅に卵嚢を一旦置くと、待っている♂の所に戻りました。
これは予想外の事態で、卵嚢を手放す決定的瞬間を撮り損ねてしまいました。

♀♂ペアは再び長い歩脚で互いに触れ合い、慎重に接近します。
遂にイエユウレイグモ♀は♂を迎え入れて交接を始めました。
頭を同じ向きに揃え、♂は♀の下面から触肢を外雌器に挿入しています。
計16本の長い歩脚が絡まること無く交接する様子は壮観です。
歩脚で抱き合うことはしません。

交接直前に♀が卵嚢を預けに行く間、♂が追いかけずにじっと待っているのも不思議でした。
「子どもを預けてくるからそこで待ってて♪」という意思疎通がちゃんとできているようにも見えますし、儀式化された手順があるのかもしれません。

野暮は承知の上で脚立に登りマグライトで照らしながら交接シーンを接写してみました。
なかなか撮りにくい体勢なので、触肢の結合状況があまりよく見えません。
以前オオハエトリの交接を飼育下で観察した際と同様に、♂の触肢から基部血嚢と呼ばれる薄い袋が飛び出しているようです。
この袋をリズミカルに膨張・収縮させることで、触肢内に貯えられた精子を外雌器に注入します。
マクロレンズを不用意に近づけると目に見えない不規則網に触れてしまい、その振動でクモを警戒させてしまいます。
眩しい照明もクモは嫌うようなので、接写はそこそこで諦めて遠くから見守ることにしました。

♀があれほど大切に抱えていた卵嚢を一時的に手放して交接するとは意外でした。
幼体が孵化するまで♀は卵嚢ガードを続けて次の交接を頑なに拒否するのかと思っていた私の予想は見事に外れました。
もし♀が卵嚢を保持したままだと、♂との交接に何か支障を来すのでしょうか?

素人の浅知恵ですけど、♀が卵嚢を口に咥えて保護するのではなく腹端の糸疣に付けて持ち歩くように進化すれば、卵嚢ガードと安全な再交接が両立できそうな気がします。
この卵塊は受精卵であることが後に判明します。

つまり、この♀は撮影時に処女ではなく既交尾♀でした。
一番知りたいのは、イエユウレイグモの♀は同じ♂と繰り返し交接しているのか(一夫一妻)それとも乱婚なのかという点です。(※)
つまりこの♂は♀が守る卵の父親なのか、DNA鑑定で血縁関係を調べてみたいものです。

卵嚢が別の♂の遺伝子を受け継いでいる場合、次に交接を試みる♂が卵嚢を壊したり食べたり強奪して捨てたりする子殺しを行う危険性があるのかもしれません。
♂が下手に子殺ししようとすると怒った♀に返り討ち(性的共食い)に合うリスクが高いのでしょうか? 
しかし♀が卵嚢を口に咥えている限り、毒牙で噛む反撃手段は封じられている気がします。
卵嚢を一時的に手放して交接するという行動が、卵を守りたい♀と何が何でも交接したい♂の双方にとってメリットがあるのでしょう(性的対立の妥協点でwin-win)。

♂は♀が持っていた卵塊の血縁度を認識できるのかな?
今回♂が子殺しをせず紳士的に振る舞ったのは卵が我が子と知っていたから?…なんてね。
やはり父子鑑定してみたくなります。

もし交接中に新たなイエユウレイグモが不規則網に侵入してきた場合、♀は卵嚢を守るために交接を中断し慌てて取りに行くのかどうか、興味があります。
これはやろうと思えば実験可能です。
網に預けている卵嚢を観察者が取り上げようとするだけでも振動で♀は異変に気づくはずです。

それとも交接中の♂の方が先に反応して、侵入したライバル♂または外敵を追い払おうとするかな?

つづく

※ 後日イエユウレイグモ♂に個体識別のマーキングを施した結果、何匹もの♂が入れ替わり立ち代り♀の居る不規則網を訪れては同居?することが判明しました。(ただし、交接を観察できたのはこの一度だけ。)


【追記】
イエユウレイグモ♀は自然環境で一妻多夫と調べが付いているようです。
Female Pholcus phalangioides are polyandrous in natural populations....
(Schäfer, Martin A., and Gabriele Uhl. "Determinants of paternity success in the spider Pholcus phalangioides (Pholcidae: Araneae): the role of male and female mating behaviour." Behavioral Ecology and Sociobiology 51.4 (2002): 368-377.)
検索すれば無料PDFファイルがダウンロードできます。

【追記2】
「クモ蟲画像掲示板」にて、きどばんさんより以下のコメントを頂きました。
卵を守っている、若しくは産卵予定の♀にとって♂の求愛は一種の脅威です。この脅威を回避する方法は大別して2種類あり、「雌雄の体格差が大きい場合は単純に♂を追っ払う、小さい場合は無理に争わず♂の求愛を受け入れる」というのがクモ屋の「一般的常識」となっています。既に産卵している♀に「精子間競争」は無意味のように思えますが、複数回産卵する種にとっては大きな意味を持つのかもしれませんね。また♀は意識的に遺伝的多様性を確保しようとしている可能性もありますし。
確かに今回のペアは目測ではほぼ同サイズでした。



2014/07/25

卵嚢を持つイエユウレイグモ♀(蜘蛛)に求愛する♂



2014年6月上旬・室温22℃

室内の天井隅(北東の角、床からの高さ240cm)に不規則網を張っていたイエユウレイグモPholcus phalangioides)がある朝、2匹で接近戦のような不思議なダンスを踊っていました。
1匹は口に卵嚢(卵塊)を咥えていることから成体♀のようです。
もう1匹は接写してみると触肢が発達した♂成体と判明。
目視では体長に性差は無さそうです。
♂♀ともに8本の歩脚は完全無傷で大きな欠損はありません。
この部屋でイエユウレイグモの存在を意識しなかったので、不規則網の持ち主は誰なのか不明です。
予想ではこの場所に元から居を構えていた♀のもとに♂が交接目当てでやって来たのでしょう。

♀♂ペアが不規則網で互いに向き合い、長い歩脚で優雅に触れ合っています。
網の所有権(縄張り)を巡って「近づくな!」と牽制しているようにも見えますし、♂が糸を弾いて求愛信号を送っているのかもしれません。
果たして♀の琴線に触れるでしょうか?
背景の天井や壁が白いので、不規則網や糸が見えないのは残念です。

いかにもこれから交接しそうな予感がしました。
気になる点として、♀が卵嚢を持ち歩いていることです。
このまま♂を受け入れて交接できるのでしょうか?
それとも、卵嚢ガード中の♀は
幼体が無事に孵化するまで♂を頑なに拒むでしょうか?(「触わらないで!」)
だとすれば、子持ちの♀と交接するためなら♂は子殺し(食卵)も辞さないでしょうか?(※)
♀は卵嚢を咥えている(触肢で保持?)限り、毒牙で噛む反撃は不可能です。
交接中に性的共食いを行うでしょうか?
以上のポイントを念頭に、固唾を呑んで観察を続けます。

脚立に登り白色LEDのマグライトで照らしながら接写してみると、先ず♀が抱えている卵嚢の大きさに驚かされます。
直径は体長の半分ぐらいでしょうか?
少なくとも、♀頭胸部よりも卵嚢の方が大きいです。
この卵塊は受精卵であることが後に判明します。
眩しい照明を嫌ったのか、♀は横を向いてしまいました。
次に♂を接写すると、触肢が発達しています。
♂が精網を作っている様子は見ていないので、既に触肢への移精が済んでいるのでしょう。
接写するとカメラがうっかり網に触れてしまいますし、照明がクモの配偶行動を邪魔してしまうようです。
離れた位置からの撮影に戻すとクモは落ち着いてくれました。

イエユウレイグモ♀の方が積極的になるときもあり♂は及び腰に見えますが、「押して駄目なら引いてみな」という恋の駆け引きかもしれません。
やがて♂が熱烈な求愛アタックを再開しました。
かなり接近したものの、未だ交接には成功していないようです。
一旦離れました。

つづく

クモ生理生態事典 2011』サイトを参照すると、イエユウレイグモの

産卵期は6~8月,卵は糸で薄く包んで口にくわえて保護する。
ごくありふれた普通種なのに誰も調べていないのか、配偶行動に関する記述はありませんでした。


英語版wikipediaでは「♀は20〜30個の卵を触肢で抱える」という表現をしています。

卵嚢の持ち方は一体どちらが正しいのでしょう?
卵嚢ガード中のイエユウレイグモ♀を捕獲して麻酔下で卵嚢をピンセットでそっと取り上げてみればきっと分かるでしょう。


※【追記】
子殺し」というショッキングな現象は動物行動学において重要なテーマの一つです。
ハヌマラングールという猿やライオンの♂がハーレムを乗っ取った後に♀の連れ子を次々に殺す例が有名です。
昆虫ではタガメの♂が守る卵塊を♀が襲って卵を壊してから♂と交尾する子殺しが日本で初めて発見されました。

クモで見られる子殺しの例として
クモの一種Stegodyphus lineatusである。このクモのオスはメスの巣に侵入して卵包を捨てる。メスは生涯で一つのクラッチしか持たないためにこれは繁殖成功を著しく減少させる。そのため怪我や死もまれではない激しい闘争が起きる。(wikipediaより)



卵嚢をくわえガードする♀成体
♂成体の触肢
♂成体の触肢

2013/05/03

樹上の巣に座るハシボソガラス(野鳥)



2013年4月中旬

川の堤防に立つ大木(樹種不明)に止まった一羽のハシボソガラスCorvus corone)がしばらく辺りを見回してから、樹冠に作られた巣に戻りました。
抱卵しているのでしょうか?
こうした状況でもラジコンヘリにカメラを搭載したら巣の様子を安全に空撮できるかな〜?と夢想してみる。


2011/03/20

ツバメ(野鳥)の屋内営巣



2008年6月上旬

使われなくなった倉庫の天井でツバメHirundo rustica)が営巣していました。
蛍光灯の上に泥の巣が出来ていました。
普通に見られる軒下の巣よりも遥かに安全な環境なのでしょう(天敵のカラス対策)。
親は一羽しか見ませんでしたが抱卵中なのでしょうか。
割れた窓から自由に出入りしている模様。
巣の近くから撮っている間は警戒しているのか、ぐるぐる旋回するだけで決して帰巣しませんでした。

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