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2017/06/17

ムクドリの大群が電線に就塒前集合(野鳥)



2016年10月下旬・午後16:28~16:45(日の入り時刻は16:46)

ムクドリ(野鳥)の集団就塒:2016年をテーマに、機会がある度に撮影してきました。
前回の観察は7月下旬。
秋の夕暮れ時に、丸3ヶ月ぶりで集団塒の近くへ行ってみると…。
ムクドリSturnus cineraceus)の群れが次々に飛来し、街中の車道に沿った電線に止まり始めました。
街路樹のケヤキ並木には集まらず、その上を走る電線に群がっています。

ときどき電線から群れの「一部」が一斉に(自発的に)飛び立つものの、しばらくすると再び舞い戻って来ます。
この場所をそのまま塒にする訳ではありません。
夕方になると本格的な塒入りする前にムクドリは塒の近くに一度集結する習性があるのです。
これを「就塒前集合(しゅうじぜんしゅうごう)」と呼びます。
小群単位で電線に離合集散を繰り返し、落ち着かない様子です。

初めは逆光のアングルだったため、ムクドリのシルエットしか写りませんでした。
それでもリャーリャー♪と賑やかに鳴き交わす声でムクドリと分かります。
順光のアングルを探して電柱に近づきズームすると、ようやくムクドリとしっかり判別できるようになりました。

電線上にびっしりと鈴なりになったムクドリは、ほぼ等間隔で並んでいます。
どうやら電線上でも電柱に近い位置を好んでいるようです。
各々が隙あらば少しずつ飛んで電柱の方へ移動しています。


つづく→就塒前集合にヒトの介入があり、意外な展開に。


2017/06/16

川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第三、四陣



▼前回の記事
川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣
コハクチョウの塒入り#4

2016年11月上旬・午後17:00~17:16

新たに飛来した5羽の白鳥の群れが鳴きながら編隊飛行で川の上空を旋回しています。
夕日を浴びて飛ぶ姿が美しいですね。

先着組のコハクチョウCygnus columbianus)たちの頭上を飛び越え、下流側から着水しました。
到着直後に水を飲み羽繕いするのは同じです。
塒入りした第三陣は、成鳥3、若鳥2の群れでした。

更に13羽の群れが下流側より飛来しました。
一旦塒を通り過ぎてすぐ旋回すると、上流側から着水。
もう相当暗いのでズームできません。
細かい行動はもう観察できなくなりました。
コハクチョウかどうかも不明で、オオハクチョウの可能性もあります。
その場合は、混群の集団塒ということになります。
互いに鳴き交わしながら川面を移動し、複数の群れが合流しました。
灰色の若鳥は夕暮れの川面で保護色になっていて(「白鳥」ではない)非常に見つけにくいことを実感しました。
軍艦をカモフラージュのために灰色に塗装しているのと同じですね。

とっぷりと日が暮れると、動画に映っているのは河畔林のシルエットと遠くの外灯だけになりました。
暗くなってからの方が白鳥は頻りに大声で鳴き交わしています。(挨拶?)
(カモ類の鳴き声も聞こえます。)
新たに飛来した群れが着水したらしい水音が響くものの、姿は全く捉えられません。

ちなみに、この日の日の入り時刻は16:35、月齢5.4でした。
川に就塒した白鳥を合計すると11羽+αでした(暗くなってから帰投した個体はカウント不能)。
今回#4は実際の暗さをお見せするために、動画編集時に自動色調補正していません。

シリーズ完。
次の課題は、早朝に塒から飛び立つ白鳥を観察することです。→つづく


2017/06/15

川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣



▼前回の記事
川に塒入りしたコハクチョウが着水後に水をガブ飲み(冬の野鳥)


コハクチョウの塒入り#3


2016年11月上旬・午後16:49~16:58

第一陣として就塒したコハクチョウCygnus columbianus)のペアは常に行動を共にしています。

そこへ新たに4羽のハクチョウの群れ(うち若鳥1羽)が上流側から飛来すると、先着ペアの近くに着水しました。(@0:59)
第二陣の群れも着水の直後に水を盛んに飲みました。
若鳥は羽色が灰色で嘴が黄色くない(白っぽい)ので、見分けるのは容易です。※
着水の際に少し離れ離れになっても、川面を移動して再集合します。
家族群なのかな?

やがて後から来た4羽が川面を移動し、先客のペアに合流しました。
就塒した群れは、これで計6羽になりました。
毎晩塒を共にするので互いに顔見知りだと思うのですけど、挨拶のような行動は特に見られませんでした。
各々が川の水を嘴で掬って飲んだり、羽繕いしたりしています。

最後は白鷺の大群(20羽以上?)が飛来し、上流へ飛び去りました。
近くに白鷺の集団塒が別にあるのでしょう。

日が暮れてどんどん薄暗くなってきました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施していますが、実際はもっと薄暗いです。


※『しぜんのせかい10:はくちょう』p20によると、

ハクチョウの幼鳥は灰褐色です。翌年渡ってくる頃は白くなります。


つづく→#4:塒入り第三陣


2017/06/14

川に塒入りしたコハクチョウが着水後に水をガブ飲み(冬の野鳥)




▼前回の記事
夕方の川から飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)

コハクチョウの塒入り#2


2016年11月上旬・午後16:35~16:47


下流側から番(つがい)と思しき2羽のコハクチョウCygnus columbianus)が並んで飛んで来ると、ほぼ同時に川面に着水しました。
両足の水かきを拡げて水面との抵抗でブレーキをかけます。
第一陣の塒入りがちょうど日の入り時刻(午後16:35)である点が興味深く思いました。

塒の川に着いたコハクチョウは、すぐに水を何度も飲み始めました。
上空は空気が乾燥していたのか、あるいは激しい飛翔運動でかなり喉が渇いたようです。

熟練した白鳥の研究者は、群れから個体識別ができるのだそうです。
『日本動物大百科3:鳥類I』p64に「図C:コハクチョウのくちばしの模様による個体識別の一例」がイラストで描かれていました。


映像を見直すと、ペアのうち一羽の嘴の根元が灰色で黄色い部分が少なかったです。
先ほど飛び立った番が川の上空を旋回しただけですぐにまた戻って来たのかと思ったのですが、嘴を見比べると明らかに別の番でした。


羽繕いしながら川面を移動しています。

嵯峨悌二氏による写真集『白鳥 (クォークスペシャル) 』によると、

・水を飲むときは、水面にくちばしをつけて水をすする。それから頭をもたげると、喉に水が流れ落ちていく。(p52より)



嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、
渡ってきたばかりのハクチョウは、何回も水をすくって飲みます。水を飲みこむときにのどがくねくね動きます。 (p4より引用)



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣


2017/06/01

ハクセキレイの集団塒に紛れ込むムクドリ(野鳥)



2017年3月中旬・午後18:05前後

▼前回の記事
春の訪れとともに電柱の集団塒に戻ってきたハクセキレイ(野鳥)

ハクセキレイMotacilla alba lugens)の群れが塒入りしている電柱Sに、なぜか1羽のムクドリSturnus cineraceus)が迷い込みました。
冒頭では電柱の天辺にムクドリが止まっています。
ムクドリが電柱をピョンピョンと上へ下へと移動すると、近くのハクセキレイは遠慮して少し逃げ回っているように見えました。
体格で劣るものの数で圧倒しているハクセキレイは、塒からムクドリを追い払ったり排斥したりしませんでした。
激しい喧嘩にはならず、ムクドリもいつの間にか居なくなりました。
そのまま塒で混群になれば画期的だ!と期待したのですが、ムクドリの集団塒は別な所にあるはずです。
こんな事件を目撃したのは初めてで、興味深く思いました。
ムクドリにしてみれば、ハクセキレイをからかって遊んでいたのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
日没後で暗い上に逆光なので、シルエットだけではやや分かりにくいですね。


つづく→春の大雪が降った宵のハクセキレイ(冬の野鳥)塒入り:前編

2017/05/31

春の訪れとともに電柱の集団塒に戻ってきたハクセキレイ(野鳥)

【これまでの経緯】

昨年の春(2016年4月下旬)に市街地の交通量の多い通りでハクセキレイMotacilla alba lugens)の集団塒を見つけて以来、定点観察してきました。

▼まとめ記事
ハクセキレイ(野鳥)の集団塒:定点観察2016年
初めの頃は道端の電柱に就塒していたハクセキレイの群れが、やがて街路樹(ケヤキ並木)に葉が茂ると樹上に移って夜を過ごすようになりました。
集まるのは♂ばかりであった点も興味深いです。
しかも、どうやら同じ集団塒を通年使うのではなく、ここは繁殖期にしか使われていないようです。
塒で一通りの行動パターンの映像が撮れてしまうと、基本的に朝晩同じことの繰り返しなので飽きてしまいました。

次第に足が遠のくと、夏から秋の間にハクセキレイがいつの間にか居なくなっていたのです。

次に知りたい疑問は、毎年いつから集団塒に戻って来るのか?という点です。
電柱の柱上トランス(柱上変圧器)はじんわりと発熱していそうなので、雪国の寒い時期には柱上トランス付近に集まって暖を取るのではないか?と予想を立てました。

ハクセキレイは冬でもよく見かける留鳥です。
2016年12月下旬、および2017年1月中旬の2回、日没前後に調べたところ、この電柱や街路樹にハクセキレイは未だ1羽も来ていませんでした。
厳冬期の塒はどこか別の場所にあるのでしょう。
いつか突き止めたいものです。
別の可能性として、雪国のハクセキレイ個体群の多くは漂鳥(国内限定の渡り鳥)で、どこか暖かい越冬地に渡ってしまうのかもしれません。
ハクセキレイを一時捕獲して個体標識すれば、この問題を解明できるはずです。
定点観察と言っても、「今日も鳥が居ない」ことを確認するために寒い夕方に通いつめるのはちっとも面白くなくて苦行でしかありません。
さぼって定点観察の間隔が空いてしまいました。
確か3月上旬にも見に行ったのですけど、恥ずかしながら記録(不在記録)を残すのを忘れてしまいました。
言い訳になりますが定点観察に身が入らなかった理由として、本当にハクセキレイが再びこの場所に塒入りしてくれるのか、そもそも確信がもてませんでした。
夏から秋にかけて居なくなったのも、誰かに駆除されて追い払われたのではないか?という一抹の疑念があったのです。
悲しいことに、世間は野鳥に寛容な人ばかりとは限りません。
ハクセキレイに限らず野鳥の集団塒は各地で鳴き声による騒音公害や糞害など深刻な問題を引き起こす例があるからです。

▼関連記事ヒトに追い払われ就塒前集合の場所を変えるムクドリの大群(野鳥)



2017年3月中旬・午後17:46~18:16・気温~1℃・日の入り時刻は午後17:49

啓蟄も過ぎたのでそろそろかな?と思い、久しぶりに重い腰を上げて見に来てみました。

すると、去年と全く変わらぬ様子でハクセキレイが集団就塒していて一安心。
昨年と同じ個体群が記憶を頼りに同じ塒へ無事に戻ってきたのでしょう。
一体いつからここに戻って来たのでしょうか?
ある日いきなり群れが戻ってくるのか、それとも数日かけて少しずつ集結するのかな?
いよいよハクセキレイの繁殖期が始まったのでしょうか?
求愛行動の萌芽かもしれない思わせぶりな行動をこの日の就塒直前に観察しています。

▼前回の記事
ハクセキレイのお辞儀(野鳥:求愛行動?)

ハクセキレイは決まった場所で就塒前集合するはずですが、この日はなぜかはっきりしませんでした。
去年の夏とは異なり、近くの赤いトタン屋根に一度集まることはありませんでした。
これは群れの個体数が少ないためだろう、と私は推測しています。
日没直後から周囲の電線や電柱に三々五々集まって来て、互いに鳴き交わしています。
明るいうちは互いに追いかけっこ(空中戦)が頻発します。
居なくなっても、しばらくするとまた戻って来ます。

メインの集団塒である電柱Sだけを利用していて、サブの塒(車道を挟んで立つ電柱N)および丸裸の街路樹(ケヤキ)には一羽も塒入りしませんでした。
背中が灰色の♀が落葉状態のケヤキの樹上(2016年夏に使われた集団塒の隣の木)に止まった時は「おっ!」と思ったのですが、一時的ですぐにメインの集団塒(電柱S)に移動しました。(@1:52~2:02 このパートのみ自動色調補正を施しています。)

塒内でもお気に入りの場所取りがあるらしく、しばらく華麗なホバリング(停空飛翔)で飛び交い、小競り合い(陣取り合戦)が生じています。
気温は未だとても寒いのに(1℃)、私の予想とは異なり、柱上トランス周辺に集まって暖を取っている傾向は特に見られませんでした。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:49。


未だ穴だらけの定点観察記録ですが、気長に調べて少しずつ穴を埋めていくつもりです。

つづく→集団塒でムクドリと混群?


2017/05/27

晩の路地裏を散歩する長毛ネコ



2016年6月上旬・午後19:23

夜の路樹裏でネコFelis silvestris catus)と遭遇。
一瞬タヌキかと思って慌てて撮り始めたのですが、毛足の長い飼い猫でした。
私は猫を飼ったことがないので、この品種名をご存知の方はぜひ教えてください。(いかにも外国の品種の猫だと思います。)


外灯の明かりだけで暗くても普通のカメラでなんとか撮れました。
ぼろぼろの小屋(納屋?)に潜り込んだ猫は、入り口の匂いを頻りに嗅いでいます。
再び通りに出てくると角を曲がり、見失いました。
こちらを気にせず堂々としている人馴れした個体でした。
やはり近所で飼われている猫なのでしょう。

ちなみに、この日の日の入り時刻は19:00。


2017/05/24

白鷺が集団就塒する川【後編:冬の野鳥】



2016年12月中旬・午後16:30~17:02
▼前回の記事
白鷺が集団就塒する川【前編:冬の野鳥】


対岸の岸辺(中洲?)に2羽の白鷺(おそらく冬鳥のダイサギArdea alba)が相次いで舞い降りました。
集団塒の右端には前編で一番乗りしたアオサギが佇んで居ます。
白鷺は水際まで歩いて来ると嘴を浅瀬の水に浸しましたが、水は飲んでいない気がします。

次は下流側(画面左)より1羽の白鷺が飛来しました。
群れから左にかなり離れた位置(川の中央)に着水。
また少し低空で飛ぶと、塒の仲間に合流しました。
塒入りした個体は嘴を川の水に浸したり羽繕いしたり、各自がのんびり過ごしています。

白鳥のように群れで飛来して一斉に集団就塒するのではなく、白鷺は三々五々集まって来ます。
川へ続々と舞い降りるので、撮影しながらはとても個体数をカウントできなくなりました。
滑空、旋回して川に舞い降りる白鷺の姿が優雅で美しいですね。
実は白鳥の塒入りを見に来たつもりだったのですが、騒々しい白鳥の塒入りなんかよりも白鷺の方が遥かに優雅で美しい光景だと思い、見とれてしまいました。
暗くなるとズームインしてもAFピントが合わなくなるので、粗い画質でも引きの絵(広角)で撮り続けます。
相当暗くなっても、黒い川面に対して被写体の白鷺はコントラストが目立つのが助かります。

塒への着陸アプローチは上流からと下流からと両方ありました。
着陸に多少失敗して群れから離れてしまっても、すぐにまた少し飛んで移動し、群れの本体に合流します。
塒では初め大小2群に別れていたのですが、小群の個体が少し飛んで大群に合流しました。
塒内ではなるべく個体間距離を詰めて群れのサイズをコンパクトに保とうとしているようです。
暗くなると心理的な不安感が高まるのか、孤立を嫌うようです。

白鷺の塒入りについて予備知識のなかった私は、この時点では未だ就塒前集合なのかと疑っていました。
そのうちに就塒パターンが変わりました。
飛来した個体の一部が、集団塒を通り過ぎて上流へ飛び去るようになったのです。(@5:41)
集団塒が満員になったとは思えませんし、理由は不明です。
警戒心が強い個体が対岸で観察している怪しい人影(=私)を嫌って飛び去ったのかもしれません。
ところがしばらくするとまた上流(画面右)から飛んでくるので、さきほど塒を通り過ぎた個体が戻って来たのか、私には区別がつきません。

せっかく集まったのに、なぜか塒から自発的に飛び立って上流へ行ってしまう個体が現れました。(@10:37、11:45、11:52、…)
対岸の私に気づいて居心地が悪くなったのでしょうか。
(あまりの寒さに撮りながら身動きしてしまったのです。防寒対策が甘く、懐炉も持参すべきでした)
その後も1羽ずつ飛び去るので、もしかするとここまでが就塒前集合で、これから本格的に集団就塒するのかと思ったりしました。
あるいは上流にもう一つの集団塒が形成されつつあるのかもしれません。
鴨のように一斉に逃げるのではなく、一羽ずつ飛び立ちます。
上空を飛び去る白鳥の鳴き声につられて白鷺も飛び立ったのかな?
対岸の堤防を作業車が黄色い警告灯を回しながら通ったから、白鷺が警戒して逃げた可能性もあります。

気づけば東の空に、ほぼ満月(月齢12.6)が出ていました。
とっぷり日が暮れると遠くには外灯が見え、暗い川面に月明かりが映ります。
対岸の集団塒は真っ暗で全く見えなくなりました。
編集でカットしましたが、手前の川岸にはカモ類(オナガガモとマガモ)が集団就塒していて、小声で鳴き交わしています。
ちなみに、この日の月齢は12.6、日の入り時刻は午後16:19。

※ 日没後の薄暗い映像に対して動画編集時に自動色調補正を施しています。


就塒前集合なのかと途中で思ったりもしましたけど、どうやらこのまま夜を過ごすようです。(集団塒)
ダイサギは大型のせいか、集団塒での個体間距離は結構離れている印象を受けました。
私がこれまで見てきた別種の野鳥の集団塒ほど密集していません。
この集団塒は厳密に言えばダイサギとアオサギの混群ですけど、私が把握している限り、アオサギは一番乗りした個体の1羽だけでした。


日没時に白鷺が集団塒へ離合集散する様子を引きの絵で微速度撮影したら面白い映像になるかもしれません。
早朝の離塒と併せて、今後の撮影課題です。
次回は鳥を警戒させないように、隠れて撮影できるブラインドを持参するつもりです。



この写真2枚は16:34撮影




【おまけの動画】

周囲の実際の明るさを示すために、自動色調補正処理していないオリジナル・バージョンの薄暗い動画もブログ限定でお見せします。


2017/05/23

白鷺が集団就塒する川【前編:冬の野鳥】



2016年12月中旬・午後15:48~16:19

白鳥の塒入りを観察しようと川で待ち構えていたら今回はうまく撮れず、その代わりに予想外のスペクタクルが見れました。

まず上流から飛来したのは白鷺です
川の中の岩に着陸すると羽繕いを始めました。
白鷺(シラサギ)には何種類かいますけど、おそらく冬鳥で大型のダイサギArdea alba)だと思います。
望遠レンズを持って来なかったため、識別点である目元にズームできませんでした。
ところがしばらくすると、この白鷺は岩の上から上流へ飛び去ってしまいました。
(飛び立つ瞬間は撮り損ね)

次に、河畔林の落葉樹の天辺で休んでいる白鷺を見つけました。
この個体もカメラを向けられていることを嫌ったのか、川とは逆方向に飛び立ってしまいました。



再び上流から白鷺が飛来しました。
堰の上空で引き返し、旋回すると上流へ飛び去りました。
集団塒の候補地を偵察に来たようです。

対岸の集団就に一番乗りしたのはアオサギArdea cinerea)でした。(午後16:13)
背の高い枯れ草に隠れて姿が見えなくなりました。

また白鷺が上流から飛来しました。
先程と同じく堰の上空で引き返し、また上流へ戻って行きました。
集団塒に仲間が居ないと不安で、着陸する気になれないのでしょうか。
川岸に立っている私の存在に警戒しているのかもしれません。

ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後16:19。

私はそれまで白鷺の塒入りを見たことがありませんでした。
なぜ樹上のコロニー(鷺山)でそのまま寝ないのか、不思議に思いました。
落葉樹の塒は冬になると白鷺が目立ってしまい、危険を感じるのかもしれません。

『カラー版自然と科学22:シラサギのくらし』p31によると、

(秋のはじめに)サギ山を出たシラサギたちはいくつかの群れになり、近くの川岸の木や沼の林にあつまってそこをねぐらにします。



ここまでは序章で、いよいよ白鷺の群れの本格的な塒入りが始まります。
後編へつづく。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【おまけの動画】

周囲の実際の明るさを示すために、自動色調補正処理していないオリジナル・バージョンの薄暗い動画もブログ限定でお見せします。



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2017/01/02

スズメ(野鳥)がケヤキ並木に集団就塒♪



2016年9月下旬・午後17:33〜17:37

住宅地のケヤキ並木にスズメPasser montanus)の群れが塒入りしていました。
ここは最近新たに見つけた集団塒なのですが、夕方に何度も通ってようやく動画で記録することができました。

駐車場に隣接するケヤキ並木の中で、建物に一番近い所に立ってる木を中心に就塒しています。
ここのスズメは就塒前集合はしていないようです。
少なくとも私には見つけられませんでした。

集団でチュンチュン鳴く声が喧しく響いています♪。
続々と飛来する小群が梢に降り立つ瞬間が何度も撮れました。
まるで木の葉落としのように直接枝葉へ飛び込みます。
ときどき枝から枝へ飛び回って塒内を移動しています。

後半は少しケヤキの木に近づいてから続きを撮りました。
するとスズメが警戒し、次々と飛び上がって上の枝葉に移動しました。
しかし横の車道を車が通ってもスズメは気にしません。

この日の公式な日の入り時刻は午後17:37。
スズメの塒入りがまさに日没時刻と一致していたことに、ちょっとした感動を覚えます。

※ かなり薄暗い映像だったので、動画編集時にHDR-ishのエフェクトを施しています。





2016/12/25

晩に柱上変圧器で休むハシボソガラス(野鳥)



2016年8月上旬・午後19:07〜19:08

日没後の大通りで一羽のハシボソガラスCorvus corone)が電柱の柱上変圧器に着陸しました。
これはちょっと面白そうだと思い、動画に撮り始めました。
どうしてかというと、春にハクセキレイが柱上変圧器で暖を取りながら集団就塒するのを観察していたからです。

▼関連記事
電柱に塒入りするハクセキレイ♂の群れ(野鳥)
発熱して暖かいトランスの横でカラスも塒をとるのでしょうか?
しかし今は真夏ですから、暑くて逆に寝苦しい気がします。

私がアングルを変えつつ動画をしつこく撮っていたら、カラスは嫌がって飛んで逃げてしまいました。
がっかりして私も帰ったのですが、もしこの電柱を毎晩塒として使っているのなら、真下の歩道に糞が大量に落ちているはずですね。
この点をチェックすべきでした。

もしカラスに気づかれずに隠し撮りしていれば、どうなったでしょう?
おそらく私の考えすぎで、カラスの集団塒はどこか別な場所にあると思うのが自然でしょう。

ちなみにこの日の公式な日の入り時刻は午後18:40、月齢6.3。



2016/12/24

夕暮れにハチミツソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)



2016年9月上旬・午後17:58〜18:14

川沿いの堤防に生えたハチミツソウ(=ハネミギク、羽実菊)の群落で日没直後からシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が訪花していました。
私が草むらにそっと近づくと蛾は警戒して飛び立つものの、すぐ同じ株の花に舞い戻ってくれるので助かりました。
刻々と暗くなっても熱心に吸蜜を続け、花から花へ飛び回っていました。
吸蜜中も触角を激しく上下しています。
ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後17:55。
後で思えば、赤外線の暗視カメラでも夜行性の吸蜜シーンを記録すればよかったですね。



この黄色い花の名前を知りませんでした。
おそらくキク科だと思うのですが、オオダイコンソウにしては葉の形が全く違います。
外来種や園芸植物だろうと予想をつけて、植物関連の掲示板にて問い合わせたところ、北米原産のハチミツソウと教えてもらいました。
養蜂用の蜜源植物として1960年代に北海道に導入されて以来、野生化して日本各地に分布を広げている侵入植物らしい。



【追記】
後日、明るい日中も同様に訪花することを観察しました。
▼関連記事 
昼間にオオハンゴンソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)

2016/12/18

夜のオオトリノフンダマシ♀(蜘蛛)と卵嚢【暗視映像】

2016年9月上旬

平地の用水路沿いに生えたノリウツギの灌木でオオトリノフンダマシCyrtarachne inaequalis)の卵嚢を見つけました。
紡錘形で褐色の卵嚢が1つ吊り下げられています。
卵嚢の近くを探すと、葉に成体♀も発見。
少し離れているので、これを「卵嚢ガード」と称して良いものやら迷います。





夜になってから現場を再訪して、赤外線の暗視動画で撮影しました。
オオトリノフンダマシ♀はノリウツギ花穂の近くの葉表に静止していました。
辺りを夜蛾が飛び回っているのに、未だ造網を始めていません。
周囲に枠糸なども見当たりませんでした。
後半、白色LEDを点灯してもクモは逃げたりしませんでした。
おそらく夜も更けてから水平円網を張り始めるはずですが、この日の私はひどく疲れていたので夜間観察は諦めて帰りました。

いつか機会があれば、トリノフンダマシ類の室内飼育にも挑戦してみたいものです。
その場合は、生餌の蛾を調達する算段を整えないといけません。
貯穀害虫のカシノシマメイガなどが良いかもしれません。




2016/11/29

ゴイサギ幼鳥が群れる池の夜明け

2016年8月中旬

ゴイサギNycticorax nycticorax)は本当に夜行性なのかこの目で確かめようと、定点観察している溜池で深夜から朝まで徹夜の観察をしてみました。
ちなみに、この日は月齢16.3の満月が夜通し照らしていて、月の入り時刻は午前5:31。
日の出時刻は午前4:57。

我々ヒトの肉眼はなかなか暗視性能に優れていて、深夜の月明かりだけでも水鳥のシルエットは充分に見えます。
しかし、普通のカメラでは暗過ぎて闇しか写りません。
ストロボを焚いて写真に撮っても光が届かなそうですし、鳥がたちまち驚いて逃げてしまいそうな気がしたので、使いたくありません。
暗視カメラの赤外線投光機も非力で広い池では届かず、使い物になりません。
仕方がないので夜が明けるまでは池の畔にじっと座り込み、とにかく観察に専念しました。
蒸し暑い夜で、藪蚊の襲来に悩まされました。

溜池の北西より忍び寄ってみて分かったのは、夜でも水鳥の群れに近づくのは至難の業でした。
同じ池を集団塒としているカルガモAnas zonorhyncha)の警戒心がとにかく強く、すぐに私に気づくと大騒ぎして次々に飛び去ってしまいました。
新月の晩に忍者のような黒い服を着て行くべきかもしれません。
あるいは日中からブラインドを張って隠れ、夜の水鳥を待ち構えるしかなさそうです。




そのまま私がひたすらじっとしていると、逃げたゴイサギがときどき戻って来て、溜池の上空を偵察飛行しました。
池の畔に座っている私の姿を認めると、旋回してまた飛び去ってしまいます。
わざわざ私の様子を見に来て、その正体や危険性を確かめようとしているようです。
満月を背景にに飛ぶゴイサギのシルエットはとてもフォトジェニックでした。
これだけでも動画に撮りたかったです。

夜間、飛翔中に「クワッ」とカラスのような大きな声で鳴くことから「ヨガラス(夜烏)」と呼ぶ地方がある。昼も夜も周回飛翔をして、水辺の茂みに潜む。(wikipediaより)

夜も自由自在に飛べるゴイサギは、いわゆる鳥目(夜盲症)ではないことは明らかです。
ゴイサギの目に夜行性を実現するための解剖学的な秘密が隠されているのでしょうか?
ネット検索すると、やはりゴイサギはタペータム(輝板)を持っているようです。(参考ブログ:Backyard Biology)

徐々に水鳥が池に戻って来て、私から離れた池の中央または対岸近くに集まり始めました。
長時間粘って池を見張ってみたところ、本で読んだようなゴイサギの漁り火漁はここでは行われていませんでした。
この池には、水面を照らし魚が集まるような強い照明が無いのです。
そもそも池の状態に問題がありそうです。
雨が少ないせいか溜池の水位がかなり下がり、ほとんど泥沼の状態でした。
かなりドブ臭く、お世辞にも水質が良いとは言えません。
ここに集結する多数の水鳥(カルガモ、ゴイサギ、アオサギ、チュウサギなど)を養えるほど多数の餌や獲物(魚など)がこの池に生息するとはとても思えません。
水鳥がこの池に集まる理由が不思議でなりませんが、餌場というよりも比較的安全な集団塒として利用しているだけかもしれません。

午前2:40、明け方の撮影に備えて私は池の畔を東岸に移動しました。
すると池の水鳥は警戒して一羽残らず飛び去ってしまいました。
その間に柳の大木の下にブラインドを張って隠れました。(詳細は記事を改めて書きます。)
しばらくすると、逃げた水鳥が日の出前に続々と池に戻って来てくれました。
勇敢な初めの一羽が着水すると、それを見た後続の水鳥が安心して次々に飛来します。




動画の撮影時刻は午前4:34〜5:40。
ちなみに、この日の公式な日の出時刻は午前4:57、月の入り時刻は午前5:31。

ようやく夜が明けてきて水鳥が見分けられるほど明るくなると、未だかつて無いくらい多数のゴイサギ幼鳥を一度に観察することが出来ました。
初めて使ってみたブラインドの効果は抜群です。
昼間の定点観察で見ていたゴイサギの群れは氷山の一角でした。
優占種はゴイサギで、他にはアオサギ、チュウサギ、カルガモが居ました。
以前この池で営巣していたヨシゴイの姿は見当たりません。
ゴイサギの群れは幼鳥ばかりで、成鳥は一羽も居ないことが判明しました。
繁殖期を終えたゴイサギ成鳥は幼鳥を残して一足早く暖かい地域に渡りをするのですかね?
ゴイサギは留鳥とされていますが、寒い地域では冬に暖かい地域へ移動するらしい。

池の中を少し歩き回るゴイサギ幼鳥もいるものの、ほとんどの個体が呆然と佇んでいるだけです。
ゴイサギ幼鳥同士の小競り合いがときどき勃発します。
これだけ数が多いと、どの個体を撮るべきか目移りしてしまいます。
ゲッゲッ、ガッガッガッなどの鳴き声が聞こえますけど、どの鳥が鳴いているかよく分かりません。

後半になると水鳥の数がどんどん減っていくのは、池からどんどん飛び立って行くからです。
朝になって集団塒からの自然な離塒なのか、それとも私の存在に気づいて逃げて行ったのか、不明です。
苦しい体勢での長時間撮影に堪りかねて私がブラインドの陰で立ち上がったりしたからです。

つづく→池に飛来し、飛び去るゴイサギ幼鳥








2016/11/21

夜の自販機で円網に横糸を張るズグロオニグモ(蜘蛛)



2016年7月下旬・午後20:05頃

道端に設置されたコカコーラの自動販売機で夜、ズグロオニグモYaginumia sia)が造網中でした。
ちょうど粘着性の横糸を螺旋状に張っているところでした。
垂直円網が完成するとクモは甑を噛み切り、下向きに占座しました。
触肢をよく見ると、成体♂ではありませんね。
同じ自販機のあちこちに複数のズグロオニグモが造網していました。
サイズや発育段階はまちまちです。

日が暮れると自販機パネルのバックライトが点灯します。
照明に誘引される夜行性昆虫を捕食するために造網性クモはここで店開きするのでしょう。
動画に撮るとその蛍光灯がちらついて見難いですね。
次回は造網の一部始終をじっくり撮影してみたいものです。



2016/11/18

ネムノキの開葉運動【微速度撮影】



2016年8月上旬・午前3:40〜6:01

夜間に蒸散を防ぐために閉じていたネムノキAlbizia julibrissin)の葉が夜明けとともに開いていく様子を微速度撮影してみます。
夕方に就眠運動を記録したのと同じ灌木aを反対側から(堤防の東側の枝を)撮影します。

現場に着いてすぐ、未だ暗いうちに赤外線の暗視カメラで閉じた葉の状態を動画に撮っておきます。(午前3:40)
快晴で満天の星空が広がっています。



20秒間隔のインターバル撮影を2時間20分間行いました。
撮影対象の枝の東側に三脚を立てると朝日で影になってしまうので、南側に三脚を据えました。
早朝は完全な無風なので、微速度撮影には最適です。
途中でカメラのバッテリーを交換する羽目になったのは反省です。
バッテリーを十分に充電した状態で撮影を始めるべきでした。
連続写真にEXIFから時刻を焼き込んでから15fpsで動画に変換しました。
ただただ真っ暗なだけの前半部はカットして、2時間分(午前4:00〜6:01)の写真を使いました。
早回し映像にすると、明るくなるにつれてみるみる内に葉が開いている様子がよく分かります。



土手の斜面の上部に生えたネムノキの方が早く朝日を浴びることになります。
上の方の枝から日光を浴び始め、下の枝にはなかなか日が当たりません。
隣で白い花が咲いているネムノキにはマメ科特有の実がついていました。



午前4:02には空がやや明るくなり、星がほとんど見えなくなりました。
ちなみに、この日の公式な日の出時刻は午前4:45
実際は裏山から日が昇るので、もう少し遅くなります。
午前5:02にようやく東の山の稜線から日が昇りました。
照度計がバッテリートラブルのため使えないのが残念。

以下は現場の気象データ。
午前3:39の気温は25℃、湿度52%。
午前3:56の気温は21.6℃、湿度66%。
午前4:15の気温は19.7℃、湿度73%。
午前4:55の気温は18.7℃、湿度80%。
午前5:02の気温は18.9℃、湿度80%。


植物学の用語に私は疎いのですけど、この現象を展葉と呼ぶのは違うらしい。
展葉てんようとは、畳まれて発芽した葉が開くこと。





2016/11/15

真夜中にメマツヨイグサの花蜜を吸うヨトウガの一種【蛾:暗視映像】



2016年8月上旬・深夜3:00過ぎ

真夜中に平地の道端に咲いたメマツヨイグサの花にヤガ科の蛾(ヨトウガの一種?)が乗っていました。
吸蜜中というよりも寝ているのかな?と思い、赤外線の暗視カメラを近づけると、蛾は翅を細かく震わせていました。

補助照明の白色LEDを点灯すると覚醒し、翅を更に激しく震わせ始めました。
飛んで逃げるための準備運動かもしれません。
口吻の状態を確認したくて撮影アングルを変えてもよく分かりません。
花の中央から引き抜いたときには口吻が伸びていました。
蛾は向きを変えると花弁の裏側に素早く回り込んだり、すぐにまた戻ったりする行動を繰り返しました。
眩しい光を嫌ったように見えました。
私がしつこく接写すると、最後は飛んで逃げました。
飛ぶというよりもほとんど落下しただけです。
夜に例えばコウモリに捕食されそうになったらこんな感じで逃げるのですかね?

残念ながら同定用のストロボ写真は撮れませんでした。
映像だけで蛾の名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。
候補としてはヒメサビスジヨトウAthetis stellata)やシロテンウスグロヨトウAthetis albisignata)辺りではないかと思っています。


【追記】
加藤真『夜の送粉共生系』によると、

蛾媒の花は、色は白か淡色、夜間に開花し、通常甘い匂いを発散させ、細長い花筒(または距)に薄い糖濃度の花蜜を分泌する。 (『花の自然史:美しさの進化学』第6章:p81より引用)



2016/11/13

ケヤキ並木に塒入りするスズメ(野鳥)の群れ



2016年7月下旬・午後18:26〜18:57

ムクドリの大群を追いかけて塒入りを観察していると、面白いことに気づきました。
前の晩にムクドリが塒入りした同じケヤキ並木に、この日はスズメPasser montanus)の群れが就塒したのです。
葉の生い茂ったケヤキの樹冠にスズメが数羽ずつ飛び込んだ後も、しばらくは賑やかに鳴きながら枝から枝へ飛んで移動しています。
背後でハシボソガラスが鳴いています。
ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後18:49。

一方、少し遅れて飛来したムクドリの大群は運動場の反対側にあるヒマラヤスギの並木に塒入りしました。(→関連記事
ここで幾つか不思議に思うことがありました。

第一の疑問は、前の晩に使った塒からスズメをムクドリが追い払わなかったことです。
一説によるとムクドリの大群が夕方に飛び回る就塒前群飛は塒の周辺から天敵を追い払う威嚇の効果があるらしいのに、先客のスズメは全く動じずにケヤキ並木を占領していました。
体格でもムクドリが大きいですし、群れの数でもムクドリがスズメを圧倒しています。
それなのにムクドリは実力行使せず、まるでスズメに遠慮したかのように集団塒を臨機応変に変更したのが興味深く思いました。
鳥の世界で集団塒の占有権は単純に早い者勝ちなのかな?


あるいは次のような少し込み入った仮説も考えられます。
安全性などを総合した塒の価値としての順位はケヤキ<ヒマラヤスギで、前日の晩は例えばカラスがヒマラヤスギを占領した(←この点は未確認)ためにムクドリは仕方なく次善のケヤキを選んだ。
強さの序列はスズメ<ムクドリ<カラスと仮定しても不自然ではないでしょう。
翌日はカラスがどこかへ行ったのでムクドリが安心してヒマラヤスギに就塒することができて、空いたケヤキ並木に弱いスズメが塒入りした、と考えれば一応矛盾なく説明できます。


もしかするとスズメの存在はあまり関係なくて、ムクドリの集団塒は毎晩偶発的に決まるのでしょうか?
ムクドリは必ずしも毎晩同じ塒を使わないようです。
まさか大群で飛びながらリーダー格の個体による「鶴の一声」で群れの意思決定がなされるとは思えません。

第二の疑問は、なぜスズメとムクドリは同じ集団塒で混群になろうとしないのですかね?
塒内での位置を上手く棲み分けできれば、夜間に天敵を発見する探知能力が増すと思うのですが。

更に毎晩継続してムクドリの集団就塒を観察すれば何か分かったかもしれません。
しかし私も忙しくなり、この件はひとまず打ち切りました。
秋になってから観察を再開します。


ネムノキの葉が夜に閉じる就眠運動【微速度撮影】その3:全景



2016年7月下旬

堤防に自生するネムノキAlbizia julibrissin)の小葉が晩に閉じる就眠運動を動画に記録しようと、あの手この手で試行錯誤しています。
この日は新兵器を実戦投入します。
タイムラプス撮影専用のカメラ(Brinno TLC200)を購入したのです。


通常のカメラによる微速度撮影(連載記事その2参照)と同時並行でやります。
少し離れた場所に生えた別の灌木bを選んで三脚を立てました。
なぜか咲いている花が少ない木でした。
三脚の影が被写体に落ちないように注意しました。
明るいうちにまず、葉の開いた状態をハンディカムの動画で記録しておきます。
この冒頭部(〜0:34)のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。

日没前後の約2時間半(午後17:16〜19:43)、20秒間隔のインターバル撮影しました。
連続写真に日時と時刻を焼き込む設定にしました。
撮影終了後は15fpsの設定でAVI動画に変換しました。
やや引きの絵(全景)にしてみたら、葉の就眠運動はいまいち分かり難くなってしまいました。
(Night Sceneモードで撮れば少しはましだったかな?)
完全に暗くなってから(微速度撮影終了後)、葉の閉じた状態を赤外線の暗視カメラで記録しました。



ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後18:51。
実際はそれよりも早く裏山に日が沈んで暗くなります。

次は、夜明けにネムノキの葉が開く運動を撮影してみます。

つづく→ネムノキの開葉運動【微速度撮影】




2016/11/12

ヒマラヤスギ並木に塒入りするムクドリ(野鳥)の群れ



2016年7月下旬・午後18:53〜19:07

▼前回の記事 
ムクドリ(野鳥)小群が前日の就塒前集合場所を経由して塒入り
高圧線の鉄塔B#29に就塒前集合していたムクドリSturnus cineraceus)の大群はヒマラヤスギの並木に塒入りしました。
針葉の茂った梢の枝にかなり密集して騒々しく鳴き交わしています。
群れ全体が塒内でしばらくは落ち着かず、枝から枝へ飛んで移動しています。
着陸直前にホバリング(停空飛翔)しています。
西の夕焼け空を背景にヒマラヤスギ樹冠を飛び回るムクドリのシルエットが美しいですね。

ヒマラヤスギの並木は大小合わせて計10本植栽されていました。

余談ですが、名前とは裏腹にヒマラヤスギはマツ科です。
残念ながら勝手に立ち入れない敷地にあるため、暗くなってからの撮影や観察はできませんでした。

この日の公式な日の入り時刻は午後18:49。

前の晩は運動場(グラウンド)の反対側に位置するケヤキの並木にムクドリは塒入りしました。

▼関連記事 
ケヤキ並木に塒入りするムクドリ(野鳥)の大群
本に書いてあった通り、ムクドリは必ずしも毎晩同じ場所に集団就塒するのではないことが分かりました。
実はこの日の晩に、件のケヤキ並木を集団塒としたのは別の種類の野鳥でした。

つづく→ケヤキ並木に塒入りするスズメ(野鳥)の群れ






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