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2014/05/22

囀りながら♪電線を横歩きするカワラヒワ♂(野鳥)



2014年5月上旬

住宅街の電線にカワラヒワ♂(Carduelis sinica)が止まって鳴いています。
さえずりながら細かくステップを踏んで電線を(カワラヒワから見て)左へ左へと横歩きしているのが興味深く思いました。
この横歩き行動には何か意味があるのでしょうか?
♀に対するアピールが増すのかな?
同一個体がすぐ近くの電線に止まり直すと、今度はなぜか右往左往しません。
隠し撮りされていることに気づいたのか、飛び去ってしまいました。

カワラヒワ♂の囀りを声紋解析してみる
オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから鳴いている部分を適当に切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
各図で後半の強くて長い声紋がビーン♪(ジューイン♪)という鳴き声。
その前後はキリリコロロ♪
今回も外付けマイクを使用。
前回と比べてどうでしょう?

▼関連記事▼
カワラヒワ♂(野鳥)のさえずりを声紋解析してみる


さえずり
さえずり

映像の最後で飛び去りながら鳴いた声

2014/05/19

ハンノキの蕾を採食するヤマガラ(野鳥)



2014年4月下旬

里山で道端の柱?の天辺でヤマガラParus varius)が鳴いていました。
群れの仲間の姿は見えませんが、鳴き交わしているようです。
すぐ近くの枝に飛び移り、(おそらく撮影する私に対して)警戒声を発し続けています。

やがて枝先に飛び移ってぶら下がり、アクロバチックな体勢で細長い実のような物を採食しました。
(手前の枝が邪魔でよく見えませんね…。)
樹種はハンノキでしょうか?
だとしたら採食メニューは実ではなく花穂の蕾になります。
採食中は鳴き止んでいます。
最後は杉林の方へ飛び去り、また鳴きました。


【追記】
ハンノキの花は(少なくとも平地では)3月には咲くので、この映像のヤマガラは、ハンノキの蕾ではなく花(が咲き終わった状態)に来る虫を捕食していたのかもしれません。



ヤマガラの鳴き声を声紋解析してみる
オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから、鳴いている部分を切り出しスペクトログラムを描いてみました。
せっかく外付けのマイクを用いたものの、残念ながら鳴いている鳥までの距離がやや遠く、沢の流れ?のノイズも混入していて、下記の関連記事(2012年5月下旬)のようなきれいな声紋は得られませんでした。

▼関連記事▼
ヤマガラの警戒声♪を声紋解析してみる【野鳥】



2014/05/06

カワラヒワ♂(野鳥)のさえずりを声紋解析してみる



2014年4月中旬

平地の住宅地でカワラヒワ♂(Carduelis sinica)が電線に止まって頻りに鳴いています。
車が通り過ぎる間は鳴き止んでいるのが興味深く思いました。
同種間のコミュニケーションとして鳴いている声が騒音でかき消されて伝わらない間は休んでいるのでしょうか?
単に車を警戒したり緊張したりしているのですかね?

『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p169によると

3月になると♂はビーンと濁った声を出すようになるが、これが♂の囀り。(中略)もっともカワラヒワの♂はビーンだけでなく、キリリ、コロロも複雑に混ぜてリズミカルにも歌う。これはちょっとカナリアを思わせるが、じつはカナリアは同じアトリ科というグループなのだ。


同じ日の撮影ですが、映像の前後半で別個体。



【追記】
日本野鳥の会『みる野鳥記3:カワラヒワのなかまたち』を読むと、驚きの事実が書かれていました。

カワラヒワも、春になると、よくさえずります。でも、カワラヒワの場合、相手を探して、結婚相手を決めるのは、実は秋。春、さえずっているのは、秋に相手を決められなかったり、きびしい冬をこす間に、相手が死んでしまった♂です。 (p34より引用)




カワラヒワ♂のさえずりを声紋解析してみる

いつものようにオリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから鳴いている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。



各図の中央付近(t=4〜5秒)の強い声紋がビーン♪(ジューイン♪)という鳴き声。
その前後はキリリコロロ♪
外付けマイクで録音したのに、いまいちきれいな声紋を得られませんでした。
ノイズの多い街中では集音マイク(パラボラ)が必要なのかもしれません。

下の2図は、ビーン♪(ジューイン♪)を連発して鳴いていた例です(別個体)。



2014/05/05

樹上でさえずる♪ホオジロ♂(野鳥)と声紋解析



2014年4月上旬

平地で道端の潅木に止まったホオジロ♂(Emberiza cioides)が縄張り宣言で鳴いています。
胸を膨らませ、喉を上げて高らかに囀ります。


上田啓介『鳥のなわばりを描く』によると、

ホオジロなどでは、♂は一度なわばりを確立すると、数年にわたって(おそらくその個体の生涯)なわばりを維持することが知られています。 (『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇』p20より引用)


今回はカメラの内蔵マイクではなく、最近買った外付けのステレオ・マイクを接続して録音しました。
確かに音質やステレオの臨場感は向上しましたけど、せっかく動画を撮ってもマイクの電源を入れ忘れるという痛恨のミスを犯しがちです。
自戒を込めて失敗例をブログ限定で公開します↓。
ホオジロ♂がカメラを向いて鳴いてくれて映像としてはこちらが優れているのに、まさかの無音でした…。
ミスに気づき慌てて引き返して撮り直したのが上の映像です(Take2)。

外付けマイクを使うもう一つの利点として、動画を撮りながらズームするときに拾うノイズが軽減しました。






ホオジロ♂のさえずりを声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから、鳴いている部分を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
風切り音のノイズのせいで、あまりきれいな声紋は得られませんでした。

私が真似事で解析した声紋には16,000Hz以上の高音域(非可聴域)が不自然にカットされている点がいつも気になっていました。
外付けマイクに変えても同じ症状でした。
従ってこれはマイクの性能によるものではなく、動画として録音する際の不可逆圧縮(ac3コーデック)による副作用(カメラの仕様)であることがはっきりしました。
動画の音声を無圧縮PCM(あるいは可逆圧縮形式)で録音するオプションがあれば良いのですけど、私のカメラにはありません。
そんなマニアックな需要は無いのですかね?
これから本格的に声紋解析をやろうと思ったら、仕方がないので無圧縮PCMで録音するサウンドレコーダーを別途購入して、外付けマイクに接続する必要がありそうです…。



2014/04/13

カシラダカの地鳴き♪を声紋解析してみる【冬の野鳥】



2014年3月中旬

窓の外でチョッチョッ♪と繰り返し鳴いている声が気になり、カーテンの隙間から隠し撮りしてみました。
この鳥はカシラダカEmberiza rustica)ですかね?(冬羽には冠羽がない)
同じく冬鳥のツグミにしては嘴が短く、ホオジロにしては腹が白い
です。
手元にある図鑑には「カシラダカは積雪の少ない地方で越冬する」と書いてあり、この辺りは雪が多いので不安になりました。
ときどきお世話になっている「日本野鳥の会 宮城県支部・山形県画像掲示板」で質問したところ、Toshiboさんにカシラダカだろうと確認してもらいました。

撮り始めたら庭木の枝からすぐに飛び去ってしまいました。
ガラス窓越しに撮った映像なので、やや不鮮明です。
下の写真は自動補正処理を施してあります。



鳴き声を声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルとして抽出し、スペクトログラムを描いてみました。

カシラダカの地鳴きは「チッ、チッ」。(wikipediaより)



2014/01/25

ノスリ(野鳥)の旋回飛翔と鳴き声の声紋解析



2013年9月下旬

山麓の上空で上昇気流に乗ったノスリButeo japonicus)が旋回飛翔していました。
鳴き声からてっきりトビかと思いレンズを向けたのですが、翼下面の特徴からノスリでした。
秋晴れの青空と白い雲を背景にくるりくるりと輪を描いています。




ノスリの鳴き声を声紋解析してみる
図鑑ではノスリの鳴き声はピーエー♪と表現されています。
今回撮れたオリジナルのMTS動画ファイルからWAVファイルに音声を抽出した後、鳴いている2箇所を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
ノイズが非常に多いものの、黄色い線でかすかに声紋が認められます。
カメラの内蔵マイクでは性能に限界を感じます。
外付けマイクと集音器を使えば改善するのかな?



2013/10/20

アキカラマツの花で振動集粉するクマバチ♀



2013年8月中旬

線路横の砂利の斜面に生い茂ったアキカラマツの群落でキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。
複数個体(2匹以上)居ました。
後脚の花粉籠にうっすらと白い花粉団子を付けています。
風に揺れるアキカラマツの動きに合わせて停空飛翔(ホバリング)し、タイミングを見計らって着陸します。
飛翔時は重低音の羽音が迫力あります。
花で翅を休めている間にときどき振動集紛の甲高い音が聞こえました。
マルハナバチ類ではよく耳にしますが、クマバチでは初耳でした。
採餌が済んだクマバチ♀は、水田を飛び越え一直線に帰巣しました。
2匹は西および北の方角へ飛び去ったので、別の巣から来ているのかもしれません。


【追記】
坂上昭一、前田泰生『独居から不平等へ―ツヤハナバチとその仲間の生活』の第5章は『クマバチの生活』となっています。
クマバチの訪花行動についても短く要点をまとめられていました。
ナス科・ツツジ科などに多い長い葯の先の小孔から花粉が出てくるような花では、クマバチは翅の振動で花粉をゆすぶり出す。この方法―バズ・ポリネーション―は、他の一部のハナバチもやるが、ミツバチなどは決して行わない。(p151より引用)




クマバチの振動集粉を声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声部をWAVファイルとして抽出し、適当に切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
私の耳には羽音と振動集粉は明確に聞き分けられるのですけど、残念ながら素人目にも分かるような違いは声紋に認められませんでした。
おそらく録音の精度がいまいちなのだと思います。(カメラの仕様で高音域がカットされているなど)


羽音→振動集粉→羽音
羽音→振動集粉→羽音
振動集粉→振動集粉→羽音

この花の名前を調べても分からなかったので、植物の画像掲示板で問い合わせてみました。
するとアキカラマツだと親切に教えて頂きました。



2013/08/24

カッコウ♂の縄張り争い?【野鳥】



2013年7月上旬

この日も早朝から、電線に止まったカッコウ♂(Cuculus canorus)が鳴いています。
後で新聞で調べてみると、撮影時刻はちょうど日の出の頃でした。(AM 4:25 〜)

前回の撮影よりも近くに止まってくれたので、いっそう大きく見えます。
初めは後ろ向きでしたが尾羽根を左右に振り振りし、やがてこちらへ向き直りました。
電線から脱糞。
横を向いて何かを睨んでいたカッコウ♂が、急に鳴きながら飛び立ちました。
引きの絵にすると元の電線のすぐ横に止まっています。
急旋回して止まり直したのか、別個体と入れ替わったのでしょうか?
脱糞の直後にまた飛び立ちました。
鳴きながらこちらへ向かって来ます。
飛び立ちの瞬間を1/4倍速のスローモーションにてリプレイ。

数分後に再び電線に止まりました。
尾羽根を左右に振り振りしたり、キョロキョロと辺りを見渡しています。
いきなり方向転換すると飛び立ち、鳴きながらこちらへ向かって来ました。
慌てたような鳴き声が木霊のように聞こえます。

今回見られた一連の行動は♀に対するアピールで一種のディスプレー飛翔(求愛飛翔)なのかと考えたりもしたのですが、図鑑やネット情報で調べてもそのような記述は見当たりません。
片方(一羽)の行動しか見れていないのでもどかしいのですが、おそらく♂同士の縄張り争いの喧嘩だろうと想像しました。
それなら♂が激しくさえずってアピールしそうなものです。
しかし不思議なことに、電線に止まっている間はカッコー、カッコー♪という鳴き声をあまり発しませんでした。
(隠し撮りしたつもりでしたが、警戒されたかな?)
カッコウといえば「静かな湖畔の森の影から♪」で始まるのどかな童謡や輪唱で有名ですけど、郭公の世界も色々と大変なようです。


「カッコウ 喧嘩」を検索ワードに調べてみると、「カッコウの実態」と題したブログ記事が見つかりました。

二羽来て,電線上で鳴き合っています。そのうち激しく喧嘩を始めました。どうも縄張り争いの様です。 電線上で羽根を逆立てたりして威嚇攻撃し合っていたかと思うと,飛びながら空中戦です。飛びながらもカッコウ・カッコウと鳴くこと(こころなしか忙しないかんじがします)を知りました。威嚇のような声も出しています。



カッコウ♂の争いの鳴き声を声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出しました。
急に飛び立って鳴いた部分を3箇所切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
鳴き声が周囲に木霊しているのか、もう一羽の鳴き声と混じっている可能性もあります。
羽ばたきの音も入っているかもしれません。

欲を言えば、同一個体が普通に(リラックスして)カッコー、カッコー♪と鳴いている声も録音できたら声紋を比較できたのですけど、残念でした。
5日前に同じ電線で撮ったカッコウ♂のさえずりの声紋はこちらです。
この一帯を縄張りとしている同一個体♂かもしれません。





【追記】
『アユの話』p48によると、

カッコウの仲間は、“一つの谷には一つがいしかいない“といわれるように、ひろいなわばりをもつ。


『カラー自然シリーズ68:カッコウ』p6によると、
♀より先に高原に渡ってきた♂は、広い空間をなわばりにします。そして、遠くまでひびきわたる声で自分のなわばりを主張します。広いなわばりのなかには、カッコウの♀が托卵をするための小鳥たちがすんでいます。梢の上で見張る♂は、ほかの♂がなわばりに近づくと、たとえ遠くであっても、飛んでいって追いはらいます。♂が、なわばりを確保したころ、南の国から♀たちが渡ってきます。なわばりのなかに♀が姿をみせると、つがいになるために、♂が♀を追いまわします。



水野仲彦『野鳥のくらし―卵から巣立ちまで』によれば、
 かつては柳の茂る川辺の草原などで、三つどもえで追いかけ合うカッコウの姿が見られたものだった。托卵相手の巣を確保し、同じ巣に複数のカッコウの卵が入るのを防ぐ縄張り争いだった。最近は追いかけ合うほどのカッコウはいなくなってしまった。(p124より引用)




2013/08/21

電線に止まったカッコウ♂の羽繕いと鳴き声♪(野鳥)



2013年7月上旬

カッコウ♂(Cuculus canorus)が早朝から鳴いている姿をようやく望遠で隠し撮りすることができました。
初めて撮れた印象は「大きな鳥だな〜!」というものでした。

この辺りは水田と芦原が広がっていてオオヨシキリにとって格好の営巣地となっています。
しかし近年は宅地造成で埋め立てが進み、営巣地が圧迫されています。
カッコウはこのオオヨシキリの巣に托卵を企んでいるのでしょう。

電線に止まり、黙って首だけキョロキョロと動かしています。
ときどき羽根をかすかに広げるような仕草は、今にも飛び立とう飛び立とうと葛藤しているのか、それとも朝露で濡れた羽根を乾かすためでしょうか?
ようやくカッコー、カッコー♪と囀り始めました。
後半は羽繕いや脱糞(@5:53)も見られました。



カッコウ♂の鳴き声を声紋解析してみる

少し遠くて音量が小さいのですが、動画ファイルから音声を抽出し、鳴き声のスペクトログラムを描いてみました。



2013/08/10

ムラサキシキブの花で振動集粉するクロマルハナバチ♀



2013年6月下旬

庭木のムラサキシキブクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠にオレンジ色の花粉団子を付けています。
ピンクの花の上を歩き回りながら甲高い音を立てていますが、このとき羽ばたいていないので羽音ではありません。
また、飛び回るときの羽音よりも力強く高音です。
これは振動
集粉と言ってマルハナバチの採餌行動です。

※『マルハナバチ・ハンドブック:野山の花とのパートナーシップを知るために』p40によると、

葯には振動に応じて少しずつ花粉をこぼす穴があります。マルハナバチは、葯を顎と脚で押さえ込んでぶら下がると、胸の筋肉を小刻みに振るわせて葯を揺すって花粉を落とし、体毛で受け止めるというやり方で花粉を集めます。そのような花粉集めの行動を「振動集粉行動」と呼びます。

関連記事→「クロマルハナバチの振動受粉@タケニグサ



クロマルハナバチの振動集粉を声紋解析してみる

オリジナルのMTS動画ファイルから音声をWAVファイルに抽出し、振動集粉の部分を切り出してスペクトログラムを描いてみました。



【追記】
秋になり、同じ潅木に紫色の実がなりました。



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