2014年8月下旬
里山のキャンプ場の東屋(休憩所)で軒下にフキバッタの一種がぶら下がっていました。
梁の太い角材の角をまるで面取りをするように線状の食痕が残っています。
顔を接写してみると、確かに大顎で材木の表面を齧り取っていました。
軒下は薄暗いので、後半は補助照明としてビデオカメラの白色LEDを点灯しました。
それでもフキバッタは逃げようとしません。
警戒して角材にしばらく身を伏せていましたが、すぐに食事を再開してくれました。
撮影後は、しばらく目を離した隙にいつの間にか居なくなっていました。
周囲には食草となりそうな草や灌木は幾らでも生えているのに、何を好き好んで栄養価の低そうな材木を食べているのでしょう?
便秘を解消するために植物繊維を重点的に摂取している…なんてね。
角材の表面を処理した化学薬品(防腐剤や塗装)の味が気に入ったのかな?
草食のフキバッタが木造家屋の建材を食害するという衝撃的な事件を見るのはこれが初めてではありません。
実は4年前の夏にも観察しています。
▼関連記事
木の柱を食害するフキバッタ
これは異常行動(異食行動)などではなく、フキバッタの習性なのでしょう。
前回見たフキバッタの食べ方は面取りになっていませんでした。
不思議なことに必ずしも死んだ材木が好きな訳でもなさそうで、自然界の朽木や倒木を食べているフキバッタは未だ一度も見たことが無いのです。
飼育してみれば何かヒントが掴めるでしょうか。
私にはフキバッタの種類を見分けられないのですけど、せめて性別ぐらいは知りたいところです。
どなたか教えて下さい。
2014年8月中旬
買ってきたビデオカメラの暗視機能をテストするために、深夜(23:24 pm)の庭に出てみました。
どこか近くでハヤシノウマオイ♂(Hexacentrus hareyamai)がスイーッチョン♪と繰り返し鳴いています。
ビデオカメラを暗視モードにして液晶画面を見ながら、強い鳴き声を頼りに探すと声の主はすぐに見つかりました。
庭に放置された手押し一輪車の鉄パイプ部分に乗っています。
虫の目は赤外線を感知できないので、間近から接写しても逃げません。
明るい昼間ならすぐ逃げられてしまうでしょう。
逆に近過ぎて、録音した鳴き声が割れてしまうぐらいです。
最後は突然逆に向き直ってから飛んで逃げました。
長い触角にカメラが触れてしまったのでしょうか。
あるいは、鳴き終わりの自発的な徘徊(場所移動)なのかもしれません。
3年前に飼育した時もそのような行動が見られたのを思い出しました。
▼関連記事
身繕いしながら鳴くハヤシノウマオイ♂(動画と声紋解析)
気温を測り忘れました。
同定用の写真も撮れていないのですけど、鳴き声の特徴からハヤシノウマオイとしてしまいます。
▼関連記事
ハヤシノウマオイ♂の鳴き声♪(HD動画)
ハヤシノウマオイ♂の鳴き声を声紋解析してみる
コオロギなど他の昆虫の鳴き声も混入していますが、オリジナルのMOV動画ファイルから音声部をWAVファイルにデコードし、適当に切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
これまでの私の使っていたカメラとは違って高音域が不自然にカットされていないのは朗報です。
このビデオカメラは声紋解析に向いていますね。
図鑑『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』のCD音源とあまり遜色ないかもしれません。
ビデオカメラをちょっと使ってみた感想
2万円を切る値段だけあって、HD映像の画質は正直言うと少し落ちます。
それでも赤外線LED内蔵で暗視可能であること、高音部の音声周波数をカットしていないこと、の特長二点は非常に満足しています。
(音声コーデックはDVI ADPCM, Stereo, 48000 Hz。)
決定的瞬間を逃さないために、録画開始ボタンを押す10秒前から記録される(プレ録画)点も気に入りました。
欲を言えば、外付けマイクを接続できるようにして欲しかったです。(入力端子が無い)
ズーム倍率や手ブレ補正機能も弱いので、用途を割り切って使い分けるつもりです。
2014年8月中旬
夜の雑木林で(21:30 pm)樹液が滲むミズナラの木にマダラカマドウマ♀(Diestrammena japonica)が来ていました。
産卵管があるので♀ですね。
かなり巨大な印象でした。
樹皮に口を付けて樹液を吸汁しているようです。
背側も動画に撮ろうと長い触角に触れて幹を回り込ませようとしたのですが、上手く行かず逃げられました。
採集も失敗。
2014年8月中旬
農村部の道端で半分に割れかけているスイカが捨てられていました。
何気なく横を通り過ぎようとしたら、キリギリスがスイカから動きました。
ヒガシキリギリス(Gampsocleis mikado)で産卵管が伸びた成虫♀です。
それまで果肉を吸汁していたようです。
じっと待てば警戒を解いて食事に戻ってくれたかもしれませんが、暑いし先を急ぐので断念。
映像として面白味はありませんけど、西瓜とキリギリスはちょっと意外な組み合わせでした。
飼育してみれば良かったですね。
2014年7月中旬
山間部の路上におそらくニホンザルの物と思われる新鮮な糞が落ちていました。
ハエ類の他にフキバッタの一種(種名不詳)も集まっていました。
フキバッタが糞を食べるとは意外でした。
死んだ獣の毛を食べたり(リンク1、2)材木を齧ったり(リンク)、知れば知るほどフキバッタの食性はゲテモノ好きなようです。
せめてフキバッタの性別ぐらいは知りたいところです。
最後にフキバッタの排便シーンが偶然撮れていました。(@2:00〜2:12)
食事中にときどき後脚を同時に持ち上げる謎の運動を繰り返していたのは排泄の前兆だったのかな?
排泄した瞬間に糞を右後脚で蹴飛ばしています!
1/4倍速のスロー再生でリプレイ。
機会があればハイスピード動画に撮ってみたいものです。
ちなみに自分の糞を蹴り飛ばす行動は、以前アシグロツユムシの幼虫でも動画に撮っています。(リンク)
獣糞を食べるフキバッタの口元を接写しようとマクロレンズを取りに離れたら、その間に逃げられてしまいました…。
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定規を並べて置いて採寸。 |
2014年6月下旬
平地(郊外)の舗装路でスズメ(Passer montanus saturatus)が何か褐色のバッタ(種名不詳)を捕食していました。
じっくり観察する間もなく車が来てしまいました。
慌てたスズメは獲物を咥えホッピングして去りました。
【追記】
佐野昌男『わたしのスズメ研究 (やさしい科学)』p34に
脚や羽を撮って食べやすくしたバッタを、雛に運ぶ。(長野県東御市)
と題した生態写真が掲載されていました。
もし車に邪魔されなかったら私も同様の前処理が観察できたかもしれません。
2014年6月上旬
低山の草むらでススキの葉裏に止まり脱皮中のヒメギス(Eobiana engelhardti subtropica)幼虫を発見。
刺激しないよう少し離れた位置に三脚を慌てて立て、ジオラマモードで10倍速の微速度撮影を行いました。
撮影アングルの調節などでタイムロス。
褐色の幼虫が抜け殻から長い触角を抜こうとしています。
前胸後端部にある白線と抜け殻が黒いことからヒメギスだろうと予想しました。
未だ翅が無いので、成虫ではありません。
齢数は不明ですが、腹端に産卵管があるので幼虫後期の♀でした。
ようやく抜け殻から長い触角が抜けました。
しばらく抜け殻からぶら下がって休んでいます。
やがて腹筋で起き上がり、次は抜け殻から腹端を抜き始めます。
腹端が抜けるとススキの葉裏にしがみつき抜け殻の横で休息。
体が固まり葉表に移動したところで撮影終了。
次に機会があれば、脱皮の初めから観察してみたいものです。
ところで撮影中に辺りを探索すると、すぐ近くのススキの葉でも別個体のヒメギスが脱皮していました(映像なし)。
たまたま脱皮に適した時間帯だったのか、脱皮の同調を興味深く思いました。
脱皮殻と一緒に幼虫を捕獲して持ち帰りました。
翌日まで放っておいたら、容器内で抜け殻を完食していました。
虫の抜け殻をコレクションしているのですけど、これは痛恨のミス…。
幼虫の体が黒くなり、確かにヒメギスの幼虫だと確認できました。
2013年9月下旬
道端の畑でエンマコオロギ♀(Teleogryllus emma)がカボチャの花に来ていました。
腹部が大きく膨らんだ中には卵が一杯に詰まっていそうです。
以前、エンマコオロギを飼っていたときは南瓜の実の切れ端を給餌していたことを思い出しました。
▼関連記事▼
カボチャを食べながら鳴く♪エンマコオロギ♂
野生のコオロギがカボチャの花弁や花蜜を採食するのかどうか興味があって撮り始めたのですが、ただウロウロしていただけでした。
隠れ家として花筒に侵入することもありませんでした。
もう少し粘ればよかったかな?
2012年9月下旬
飼育していたアシグロツユムシ(Phaneroptera nigroantennata)の♀♂ペアが、尾繋がり状態のまま容器内を歩き回っていました。
慌てて撮影開始。
交尾器の結合部に注目して接写してみました。
容器の蓋を開けて観察していると、逃げ出そうとした♀が容器の縁に乗りました。
前屈した♂は♀の産卵器を「やっとこ」のような把握器(?)で挟み込もうとしています。
どうも上手くフィットせず、外れてしまいました。
♂は再び腹端を♀の交尾器に近づけると、連結しようと悪戦苦闘しています。
やがて下手糞な♂に痺れを切らした♀が動き始め、♂を足蹴にして離れました。
求愛シーンを見逃したのが残念です。
『里山昆虫ガイドブック』p29によれば、アシグロツユムシの♂は翅を反り上げ、腹部を見せるようにして後ろ向きに求愛するらしい。
wikipediaによると、
(アシグロツユムシの)オスはメスに背中を向けながら交尾を促す。メスの尾端に精球が渡されると交尾は完了する。
薄暗い照明下での撮影でしたが、精球を確認できなかったことから交尾未遂と判断しました。
(暗い映像ですけど、もしかしてこれ、交尾に成功してますかね?)
結局、その後も交尾の成功例は観察できていません。
中途半端な結果に終わったので、今までお蔵入りになっていた映像です。
機会があれば再挑戦してみるつもりです。
2013年7月中旬
ヤブキリ(Tettigonia orientalis)の♂成虫だと思います。
産卵管が無いので♂ですね。
山間部の舗装路を横断すると、クズの草むらに逃げ込みました。
慌てていたようで、3回連続で羽ばたいて短く飛びました。
ハイスピード動画に切り替える余裕はなかったのですけど、飛翔シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイしてみます。
今思うと、採集・飼育して鳴き声を録音すればよかったですね
2013年7月下旬
里山で見慣れない直翅目の小さな虫がノブドウの葉に乗っていました。
葉の上で静止しており、カメラを近づけても逃げません。
指を近づけたらようやく逃げました。
あまりの暑さでマクロレンズを装着するのも億劫でした。
未採集、未採寸。
帰ってから調べると、マダラスズ(Dianemobius nigrofasciatus)の幼虫ですかね?
翅が見えないので成虫では無いと思います。
2013年9月下旬
ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#21
2頭の死骸それぞれにフキバッタ(種名不詳)が一匹ずつ居座り、摂食していました。
1匹目のフキバッタは死骸の頭部で眼窩の縁の組織(干からびた瞼?)を齧っていました。
てっきり草食性だとばかり思っていたフキバッタが獣毛や、脊椎動物の屍肉も食べる(腐肉食、屍肉食)とは衝撃的でした。
「死骸の掃除屋としてのフキバッタ」というのは私にとって新鮮な発見でした。
飼育経験のある方には周知の事実なのかもしれませんけど…。
もう一匹のフキバッタは左後脚が根元から欠損しており、3日前の定点観察で見たフキバッタ♀(右後脚欠損)と同一個体かと早とちりしたのですが、左右逆の脚なので別個体でした。
関連記事→「死んだ猿の毛を食すフキバッタ♀」
これらのフキバッタは檻に閉じ込められている訳ではありません。
金網の隙間をくぐり抜けて、外の草むらと自由に出入りできます。
同時並行で死骸の全身像を微速度撮影した監視映像を見直すと、猿の死骸に居座るフキバッタは何度も繰り返し訪れていることが分かりました。
関連記事→生物分解が一段落したニホンザルの死骸【微速度撮影】
草むらを徘徊中にたまたま檻に迷い込んだというよりも、明らかに屍肉を目当てに続々とやって来るようです。
未採集ですが、もしこのフキバッタの性別および正式な種名(せめて属名だけでも)が分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
つづく→シリーズ#22
【追記】
虫好きな私は推理小説の中でも法医昆虫学が登場するミステリを愛読しているのですが、興味深い記述を見つけました。
川瀬七緒『水底の棘:法医昆虫学捜査官シリーズ』p46より
わたしがハワイに留学していたときに、こんなことがありました。腐敗の進んだ遺体が見つかった。遺体についた虫のグループにおかしなところはなかったんですが、なぜかばらばらになったバッタのかけらがあちこちに落ちていた。バッタは屍肉食種の昆虫じゃないうえに、みんな揃って千切れている。
これが重要な手掛かりとなって殺人事件が解決したという話です。
下線部を読んで「でも私(しぐま)は例外を見ているぞ」と思ったのですが、法医昆虫学が扱うのはあくまでもヒトの遺体ですから、体毛の多いニホンザルの死骸に来る昆虫相とは異なるのかもしれません。
また、ハワイよりも日本の里山の昆虫相の方が断然豊かですから、それでも説明できそうです。
もちろん専門書ではない推理小説ですから正確な情報かどうか鵜呑みにはできませんが、個人的な備忘録として書き記しておきます。
【追記2】
現役の法昆虫学者が書いた本、三枝聖『虫から死亡推定時刻はわかるのか?―法昆虫学の話』を読むと、死体を食糧とする昆虫を順に概説した最後に、次のように書いてありました。
ゴキブリ(網翅目)、コオロギ(直翅目)なども雑食性で、死体の軟部組織を食べることがある昆虫である。 (p52より引用)
アメリカに比べて日本の法昆虫学は未だ遅れているのだそうです。
2013年9月下旬
ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#17
フキバッタの一種がニホンザルの死骸Lの毛皮に陣取り、歩き回っています。
右の後脚が根元から欠損している個体です。
頻りに口器を動かしているのでよく見ると、驚いたことに、ときどき死骸の長い毛を口にしていました。
たとえ死んだ獣毛を噛み切ることが出来たとしても、草食性のフキバッタが果たして毛のタンパク質(ケラチン)を消化分解できるのかな?
ミネラル補給のため、毛を舐めているだけかもしれません。
単なる気紛れや暇潰しでモグモグしているだけかもしれませんが、とにかく不思議な摂食行動でした。
本気になって調べたければ、このフキバッタを解剖して消化管の内容物を調べれば答えが判明したと思います。
当時はそこまで思いつきませんでした。
まさかバッタが生物分解に参加するとは思いもよりませんでした。
(もちろん獣毛を分解する主役ではないでしょうけど…。)
ヒトや猿などでは栄養価の無いものを食べる異常行動はストレスによる異食症(食毛症)が疑われますけど、バッタではどうなんでしょう?
このフキバッタは檻に閉じ込められている訳ではありません。
金網の隙間をくぐり抜けて、外の草むらと自由に出入りが可能です。
同時並行で死骸の全身像を微速度撮影した監視映像(連載記事#09、#14)を見直すと、猿の死骸に居座るフキバッタは何度も繰り返し訪れていることが分かりました。
草むらを徘徊中にたまたま檻に迷い込み死骸に遭遇しただけではなく、腐乱臭をものともせず、明らかに何か気に入ることがあって死骸にわざわざ戻って来るようです。
未採集ですが、もしこのフキバッタの性別および正式な種名や、せめて属名だけでも分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。※
※ YouTubeのコメント欄にてドイツのRüdiger Hartmann氏から貴重な情報をご教示頂きました。
このフキバッタ♀が獣毛を食べているのは間違いない。私(Hartmann氏)の知る限り、フキバッタ亜科は全て似た行動を示す。例えばスイスの山中で捕獲した個体は、すぐに指を齧り始め、皮膚の角質を食べた。また、昆虫や脊椎動物の死骸を肉食する種類もいる。(超訳byしぐま)
どうやら、フキバッタは草食性だという単純な思い込みを改めないといけないようです。
つづく→シリーズ#18
【追記】
フキバッタは草食系の筈ですが、実はゲテモノ食いの個体を見るのは今回が初めてではありません。
- 「木の柱を食害するフキバッタ」
- 中に含まれる未消化の種子が目当てで獣糞に来たフキバッタ(写真↓のみ)
2013年9月下旬
キツリフネの花の横でアシグロツユムシ♀(Phaneroptera nigroantennata)が葉に止まっていました。
産卵管を有する成虫の♀です。
のんびりと足先を舐めて掃除しています。
おもむろに糞を排泄しました。(@0:50)
肛門は産卵管の上にあるようです。
今回、糞を蹴飛ばす行動は見られませんでした。
関連記事
脱糞後はゆっくりと移動を始め、再び身繕い。
2013年9月中旬
河川敷の堤防(舗装路)で褐色型のトノサマバッタ(Locusta migratoria)が交尾していました。
そっと近寄ってよく見ると、♂は♀の背にマウントしているだけで交尾器は連結していません。
交尾後ガードなのかな?
♂が右前脚で顔(右触角)を拭って身繕いする以外は目立った動きはありませんでした。
いつもはすぐに逃げられてしまうので、今回も警戒して飛ぶかな?と思い念の為に動画で撮ったのですけど、ペアは静止したままでした。
後で思えば、♂だけでも採集して「バッタ釣り」の実験をしてみればよかったですね…。
【追記】
バッタは産卵管が短いので♂が上になり、腹端を曲げて♀の腹の下側から交尾する。直翅目でも産卵管の長い種類では♀が上になる交尾が行われる。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p103-104より引用)
【追記2】
『カラー自然シリーズ44:バッタのくらし』によると、
トノサマバッタの♂は、飛んでくるバッタの羽音や着地の音を頼りに、交尾の相手をさがしはじめます。(中略)♀の背なかにのった♂は、他の♂が近よってくると、足で羽をこすり、シュルシュルと音をたてて追いはらいます。(p15より引用)
いつか私も配偶行動の一部始終を観察してみたいものです。
2013年9月上旬
真っ直ぐで長い産卵管を持つヤブキリ♀(Tettigonia orientalis)成虫が朽木に止まり食事中でした。
餌食となったフキバッタの一種をよく見ると、生気が無く褐色に変色しています。
ヤブキリが棘のある前脚を使い自力で狩ったのではなく、昆虫病原糸状菌(Entomophaga grylli ?)に感染し朽木にしがみ付いたまま力尽きて死んだフキバッタを見つけて捕食したようです。
獲物の頭部の方から豪快にかじっています。
やがて獲物の前脚を齧り取り、根元から食べ始めました。
食べたヤブキリ♀も虫カビに経口感染してしまうのではないかと心配になるのですけど、採集・飼育して確認すればよかったですね。
忙しくて余力がありませんでした。
もしかすると虫カビが感染する寄主に種特異性があって、ヤブキリは感染する心配が無いのかな?
マクロレンズを装着し、口器の動きを接写してみても食欲旺盛なヤブキリ♀は逃げません。(@4:06〜)
獲物の頭部は既に食われており、その断頭した首から胸部に頭を突っ込んで中の肉を貪っています。
どうも獲物の中身はミイラのように干からびているようです。
ようやく満腹したのか、それともしつこいパパラッチに嫌気が差したのか、食べ残しを落としました。
最後に朽木を登りながら小便をピッと排泄したように見えました。
1/4倍速のスローモーションでリプレイしてみます。
おしっこにしては排泄口の位置が解剖学的に変ですかね?
2013年7月下旬
林道脇に咲いた背の高い黄色い花をアシグロツユムシ(Phaneroptera nigroantennata)の幼虫が食べていました。
隣の花に歩いて移動すると、花弁に食痕が残されていました。
接写してみると、今度は雄しべの花粉を食べているようです。
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花弁の食痕 |
さて、この黄色い花の名前は何でしょうか?
キク科であることは間違いないのですが、コウゾリナですかね?
もし間違えていたらご指摘願います。