2021/11/29

タヌキの溜め糞を食べ下に潜り込むセンチコガネ

 

2021年8月下旬・午後14:22〜15:07・晴れ 

里山の尾根道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞にセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が来ていました。 
新鮮な糞の上を歩き回り、大顎を開閉して糞を食べています。
鞘翅は紫色の金属光沢(メタリックカラー)に輝いていて、まさに肥溜めの宝石です。
正面から顔を見た時に頭楯の下縁が半円状に丸みを帯びていたので、オオセンチコガネではなくセンチコガネと判明(@3:02、3:42)。 
最後は糞塊の下に潜り込もうとするセンチコガネのせいで、糞塊全体が上下に大きく揺れています。

少なくとも2匹のセンチコガネが集まって来ていたような気もしますが、撮影中に個体識別できていません。 
最後に糞をひっくり返して隠れているセンチコガネを数えるべきでしたね。 

微小な白っぽいダニや小型の赤アリもタヌキの糞に集まって徘徊しています。 
気になりますが、私には名前が分かりません。 
特に、アリは何が目的なのでしょうか? 
溜め糞に含まれる植物の種子を巣に持ち帰ろうとしているのかな? 

2021/11/28

蜂に擬態したサッポロヒゲナガハナアブ♀?がタヌキ溜め糞の横で身繕い

 

2021年8月下旬・午後15:05頃・晴れ 

山道に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞を観察していると、辺りを黄色い昆虫が素早く飛び回りました。 
てっきりキイロスズメバチのワーカー♀がハエを狩るために飛来したのかと初めは思いました。
関連記事(8、9年前の撮影)▶ 
タヌキの溜め糞で停空飛翔するキイロスズメバチ♀ 
タヌキの溜め糞に集まるキイロスズメバチ♀
しかし、キイロスズメバチにしては黄色が鮮やか過ぎます。 
小径の横に生えたミズナラ幼木の葉に止まった昆虫をよく見ると、ベーツ擬態したサッポロヒゲナガハナアブ♀(Chrysotoxum sapporense)でした。
黄色と黒は勇気のしるし♪ 
葉に乗って身繕いしています。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
しかしすぐに近くの葉(樹種不明)に止まり直しました。 
思わせぶりにタヌキの溜め糞の近くに居続けるのは果たして偶然でしょうか? 
ハナアブなら獣糞の近くで油を売ってないで訪花するのが本分だと思うのですけど、近くに蜜源植物は見当たりませんでした。 
もしかして糞の上に産卵するのかと思ってその後もしばらく溜め糞の観察を続けたのですが、サッポロヒゲナガハナアブ♀が溜め糞の上に着陸することはありませんでした。
糞に集まる他のハエなどのライバル(先客)に遠慮しているのでしょうか?
 
関連記事(2、3年前の撮影)▶ 
蜂に擬態したサッポロヒゲナガハナアブ♀がニラを訪花 
アカザカズラの花蜜を舐めるサッポロヒゲナガハナアブ♀

スギの樹皮の裏側に群生するマダラカマドウマ

 

2021年8月下旬・午後13:40頃・晴れ 

山道沿いに聳え立つスギ(杉)大木の樹皮が下から剥がれかけて隙間ができていました。 
その樹皮を私が何気なく下からベリベリと剥がしてみると、裏側に大量のマダラカマドウマDiestrammena japanica)が潜んでいました。 
(樹皮を剥がすシーンから動画を撮り直すべきでしたね。) 
マダラカマドウマは日光を嫌って樹皮の下に潜り込もうとするものの、パニックになって走り回る個体は意外と少なく、ほとんどの個体はその場で呆然と(?)じっとしていました。 
大小いろいろの群れで、幼虫から成虫まで様々なステージが勢揃いしているようです。 
大型で腹端に産卵管をもつ個体が♀成虫、無ければ♂成虫です。 

樹皮を剥いだ後の幹には茶色の樹脂が点々と滲んでいたり、垂れたりしていました。 
マダラカマドウマは雑木林の樹液酒場に来ることもあります。
しかし、まさか針葉樹スギの樹液を舐めていたとは考えにくいです。 
夜行性のマダラカマドウマが昼間、樹皮の裏側に隠れていただけだと思います。
(マダラカマドウマは)林床にすみ、昼間は樹洞や洞穴などに入って集団になることが多い。(中略)夏〜秋に成虫。(『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p52より引用)
跳んで逃げる瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
最後は剥がれかけの樹皮を戻してやりました。(私が手を離すと樹皮自体の弾性で自然に元の状態に戻りました。)

カマドウマがどうして世間で不快害虫として嫌われているのか、私には全く理解できません。
虫好きの強がりでも何でもなく、無害でひたすら美しい造形だとおもうのですけど…。
いつかカマドウマを飼育してみたいものです。
跳躍力が強いので、かなり大きな容器が必要になりそうです。


【追記】
インターネット上で本種の学名の種小名に表記の揺れがあるようです。
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』を信用する限り、Diestrammena japonicaではなくD. japanicaだと思います。
日本大百科事典ではjaponicaとなっていて困ります。
wikipedia英語版でもjapanica表記になっています。


♀成虫
♂成虫

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