2017/10/18

ネムノキの実で見つけたホソヘリカメムシ幼虫



2016年10月上旬

堤防に生えたネムノキの灌木に実がなっていました。
その豆果でホソヘリカメムシRiptortus pedestris)の幼虫を発見。
本種の幼虫期はクロアリにベイツ型擬態していることで有名です。
それまで成虫しか見たことがなかった私にとって、嬉しい出会いでした。

食草はマメ科植物の子実とのこと。
ネムノキ(マメ科)の実を吸汁しているのかどうか、口器の状態が気になるところです。
いかにも硬そうな鞘を貫き通して種子から吸汁出来るのかな?
マクロレンズで口器を接写したくても、夕刻の木陰は非常に薄暗くて無理でした。
そこで豆果ごとそっと採集して、残光で少し明るい地面に置き、接写してみました。
ホソヘリカメムシ幼虫は警戒しているのか、実の裏面に回り込んで隠れてしまいます。
その実をゆっくりめくってみると、豆果を下りて地上を逃げ出しました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



撮影後に採集して持ち帰りました。
忙しくてほったらかしにしていたら、なんと容器内でいつの間にか脱皮していました!
抜け殻は食べておらず、無傷で残っていました。
(よく考えると、カメムシの口器は咀嚼できないので当然ですね。)
脱皮後も成虫ではなく、未だアリに似た幼虫でした。
何齢幼虫なのかは、不明です。
栄養状態が悪いまま死んでしまったと思われ、反省。

wikipediaの情報によれば、

幼虫はふだんは分散して暮らしているが、脱皮の直前に集まり、脱皮集団を作る[8]。幼虫は1齢から5齢までで20から30日を経過し、次には羽化して成虫になる[9]。


背面
側面
側面
腹面。口器が面白い
後脚腿節の斑紋が面白い
ホソヘリカメムシ幼虫:脱皮殻@方眼紙
ホソヘリカメムシ幼虫:脱皮殻(側面)@方眼紙

アベリアの花で盗蜜するクズハキリバチ♂



2017年7月下旬・午前7:45〜8:00

某施設の駐車場の隅に生垣として植栽されたアベリア(別名ハナツクバネウツギ、ハナゾノツクバネウツギ)でクズハキリバチ♂(Megachile pseudomonticola)が訪花していました。



腹部第2背板後縁に顕著な明色の毛帯があります。
頭楯が白いのは雄蜂の特徴です。
雄蜂は花粉を採餌しませんから、当然ながら腹面にスコパ(集粉毛、花粉刷毛)はありません。
長時間観察していても同種の♀を見かけなかったのは、♂が先に羽化する雄性先熟だからですかね?

訪花シーンをよく観察すると、鐘形の花筒に潜り込んで正当訪花するのではなく、常に花筒の根本に外側から穿坑して盗蜜していました。
撮影アングルが良ければ、短い舌の出し入れが見えました。
雄しべに全く触れませんから、体が花粉で汚れることはありません。
ただし、もしかすると一番初めに穿孔した一次盗蜜者は別の種類の蜂で、クズハキリバチは二次盗蜜者なのかもしれません。
多くの花筒に盗蜜痕が残っています。
実は様々な種類の蜂がこのアベリアの花で同様に盗蜜していました。(映像公開予定)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ハキリバチの盗蜜行動は以前に一度だけ観察したことがあります。

▼関連記事
タニウツギの花で盗蜜するハキリバチの一種
今回は雄蜂も器用に盗蜜することが意外でした。






右端の花筒に盗蜜痕
アベリアの花
葉は対生
生垣の全景

2017/10/17

給餌直後に雛の糞を持ち去るハシボソガラスの親鳥(野鳥)



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#23


2017年6月中旬・午前4:16〜6:16

早朝に撮れた2回の給餌シーンをまとめました。
食後のハシボソガラスCorvus corone)雛がお尻を持ち上げて脱糞する直前に親鳥が回り込んで待ち構えています。
ゼラチンに包まれた雛の糞を親鳥は嘴で摘んでから、嘴をパクパクさせて喉袋に入れ直し、巣の外へ捨てに行きました。

親鳥が餌も糞も同じ喉袋に入れて運ぶのは我々の目には信じられないほど不潔に見えますが、雛の糞がゼラチン質で包まれていれば衛生的に大丈夫なのでしょう。

2回目の給餌直後も、雛が尻を持ち上げて排便した瞬間に親鳥が嘴で糞を咥えました。
むしろ雛の肛門周辺を親鳥が嘴で刺激して排泄を促したようにも見えました。

早朝は気温が低く空気が澄んでいる上に逆光でカラスのシルエットがくっきりと強調されるため、とても観察しやすいですね。
暑い日中は陽炎が立ち昇ったりして、望遠レンズではあまりシャープな映像にならないのです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#24:高圧線鉄塔の巣に餌を運ぶハシボソガラス親鳥♀♂【10倍速映像:野鳥】


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