2016/06/07

堤防の階段を下るキジ♂(野鳥)



2016年5月上旬・午前7:00

遠くから定期的に聞こえる縄張り宣言と母衣打ちの主を探して、そっと接近しました。
すると、おそらく堤防の陰で鳴いていたキジ♂(Phasianus versicolor)♂個体が降りて来ました。
初めは私の存在に気づいていない様子です。
コンクリートの階段をトコトコとジグザグに下りて行き、枯れた葦原の茂みに姿を消しました。

実は私がこの場所に忍び寄る直前に、茂みからキジ♀が驚いて逃げて行きました。
地味な♀は完璧な保護色なので、飛び出して来る前に見つけるのは至難の業です。
先日も同じ場所から♀が逃げたので、もしかして巣や塒があるのかもしれません。
今回の♂の行動はもしかすると、囀り♪に引き寄せられた♀の姿を堤防の上から認めて後を追い、求愛するつもりなのかな?



柳の枝で繭を紡ぐホシカレハ♀(蛾)終齢幼虫



2016年5月上旬

ホシカレハの飼育記録#1


湿地帯に生えたオノエヤナギの木で大きく育った灰色の毛虫を見つけました。
枝先で周囲から柳の葉を何枚も引き寄せて絹糸で綴り、繭を紡いでいます。
絹糸で繭の足場が粗く作られているだけで、未だ繭を作り始めたばかりのようです。
この日は風がやや強く吹いて枝が揺れるので、左手で枝を掴んで固定しながら撮影しました。



撮影当日はてっきりカレハガの幼虫だろうと予想したのですが、後日に羽化した成虫を見てホシカレハGastropacha populifolia angustipennis)♀の終齢幼虫と判明しました。

柳の種類を見分けるのが昔から苦手で敬遠していたのですけど、後日に枝葉を採集して検討した結果、オノエヤナギだろうとなんとか分かりました。

(オノエヤナギは)冬は雪が積もるような寒冷地に多く、北日本で数が多い。葉は細長く、カワヤナギなどに似るが、表面にしわが目立ち、裏面に葉脈が隆起して細かい毛が密生することが特徴である。葉脈は表面でくぼみ、裏面に隆起する。(『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p75より)


葉裏


ホシカレハ幼虫の食餌植物として、ヤナギ科のハコヤナギ属が知られています。
この個体はオノエヤナギ(ヤナギ属)の葉を食べて育ったと考えるのが自然ですが、確かにハコヤナギの幼木も現場近くの湿地帯で見かけています。
繭を紡ぐ場所を探し求めて、わざわざオノエヤナギの木を登って来たのでしょうか?
今回は低い枝に居たので見つけることが出来ました。
英語版ウィキペディアによれば、本種(の欧州産亜種)は柳類の葉も普通に食べるようです。

The larvae feed on Populus and willow species.

撮影後に柳の枝ごと切り落としてホシカレハ幼虫を採集し、急いで持ち帰りました。
飼育下でじっくり営繭を観察します。
映像の後半(@2:23〜)は飼育下で接写したものです。

つづく→#2:営繭の微速度撮影


2016/06/06

池の護岸で虫を捕食するハクセキレイ♀♂(野鳥)



2016年5月上旬

溜池のコンクリート護岸でハクセキレイMotacilla alba lugens)が虫を捕食しに通っていました。
水辺や階段で虫を捕食したり、飛びながら池の水面で水生昆虫をキャッチしたりしています。
遠くて獲物は見えませんが、トンボやアメンボ、カワゲラ等かな?
暴れるカワゲラ?を階段に何度も叩きつけてから飲み込みました。
何度も連続で捕食していますが、同じ日にここで観察したセグロセキレイ♂のように嘴に多数の獲物を貯めてから帰巣して雛に給餌するのではなく、自分のためにその場で食べていました。
ときどき岸から水面に嘴を付けて水を飲んだようです。

映像の前後半に登場する個体は背中が灰色なので♀、中盤(@0:52〜1:35)に登場する個体は背中が黒いので♂だと思います。

階段で逃げ惑う虫を素早く追いかけて捕食しています。
階段の下を覗きこんで虫を探すこともありました。
この階段の下面でほぼ毎年、営巣していたフタモンアシナガバチの巣が大きく育つ前にことごとく壊されて落胆したのですが、犯人(捕食者の正体)はハクセキレイやセグロセキレイなどの野鳥だったのかもしれません。
これだけ熱心に階段の下を覗き込んで虫を探索していれば、間違いなく蜂の巣も見つけたことでしょう。

▼関連記事:フタモンアシナガバチの営巣
リンク123
池から飛び去る時の鳴き声が、セグロセキレイとは異なりチチッ♪と澄んでいたのは図鑑に書いてある通りでした。


写真は全て♀

ランダムに記事を読む