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2018/03/23

水田を飛び去る白鷺 【ハイスピード動画:野鳥】



2017年8月下旬

稲穂が実る田んぼの隅に居た白鷺しらさぎにカメラを向けると、身を屈めてその反動で飛び立ちました。
飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
力強く羽ばたいて飛び去る姿を流し撮りできました。
低空飛翔で田んぼを横切り、遠くの畦道に着陸。

チュウサギArdea intermedia)またはダイサギArdea alba)だと思うのですが、遠過ぎて見分けられませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


水田に着陸後の白鷺

2018/03/17

セイタカアワダチソウの花で吸蜜ホバリングするホシホウジャク?(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2016年10月中旬・午後16:52頃

夕暮れ時に、川沿いの農道の横に咲いたセイタカアワダチソウの群落でホウジャクの仲間が訪花していました。
高速で羽ばたき続けホバリング(停空飛翔)しながら口吻を長く伸ばして花蜜を吸っています。
同じ群落に繰り返し何度も戻ってきてくれました。

ホバリングする様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)
スーパースローで見ると、腹端付近から何か粒状の物体をポロポロと落下したのが興味を引きました。(@0:40〜0:41)
これは脱糞ではないでしょうか。
この個体が♀なのかどうか、私には性別を見分けられませんが、♀だとしたら産卵した可能性はどうでしょう?
ホウジャク類の♀が空中から卵を散布するという話は聞いたことがありません。
♀は幼虫の食草にきちんと(丁寧に)卵を産み付けるはずです。
体に付着していた花粉が落ちた可能性も考えにくいでしょう。
なぜなら、訪花中に口吻以外の体は花に全く触れていないからです。
アシナガバチは飛翔中に脚をだらりと垂らしていますが、それとは異なり、ホバリング中のホシホウジャク?は脚を体に引き寄せて空気抵抗を減らしていることが分かります。
吸蜜中も花に足を掛けていません。

動画だけではこの蛾を同定できないのでストロボ写真も何枚か撮ったものの、シャッタースピードの設定を誤り、残念ながら翅表の模様をしっかり撮れませんでした。

やがて、私の目線よりも背高く伸びたセイタカアワダチソウの花で吸蜜を始めたので、見上げるアングルでは翅表が撮れなくなってしまいました。
おそらくクロホウジャクMacroglossum saga)またはホシホウジャクMacroglossum pyrrhosticta)だと思うのですが、どうでしょうか?

成虫出現期を調べるとクロホウジャクは6〜9月、ホシホウジャクは7〜11月ということで、後者かもしれません。 (こんな推理は乱暴ですかね?)


2018/03/12

川面で争うオナガガモ♀♂の群れ(冬の野鳥) 【HD動画&ハイスピード動画】



2016年12月中旬

冬の川面で群れをなしてくるくると泳ぎ回るオナガガモ♀♂(Anas acuta)を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:19〜)
群れ内でときどき勃発する小競り合いが気になったので、長撮りした素材からそんなシーンばかりをまとめてみました。

オナガガモは性別を外見から容易に見分けられるので助かります。
(真っ黒な頭部と白い首のツートンカラーが目立つのが♂で、♀は全体が地味な茶色。)



・♂vs♂ 正面から嘴で軽くつつき合う。

・♀vs♂ 羽繕い中の♀が前方に居た♂の尾羽を突いた。(@0:19-0:55)
♂は驚いて向き直っても反撃しませんでした。
再び♀に軽くつつかれて、♂はたまらず離れて行きました。

・♂vs♂ 「邪魔だ! どけ!」とばかりに前方の♂を嘴でつついた。(@0:55-1:20)
突かれた方は驚いて向きを変えたが、反撃せず離れました。
やられた個体が直後に尾羽をフリフリ。

・♂vs♀ ♂が♀の正面から近づき、顎で♀を下に押し付けました。(@1:21-1:47)
その後の展開を見ても求愛行動には思えません。

♀はぼーっとしていて♂の接近に気づかなかったのでしょうか? 
慌てて逃げる♀を♂は追いかけず、共に尾羽を左右にフリフリしています。(転移行動?)



オナガガモの群れにはつつきの順位があるのでしょうか?
これだけ群れが大きくても互いに個体識別して順位を覚えていられるのか、私には疑問です。

餌を奪い合うための争いでないことは確かです。

こうした小競り合いの個人的な解釈としては、オナガガモ同士がパーソナルスペースを保ち互いに近づき過ぎないように突いて牽制し合っているのかと、なんとなく想像しました。

満員電車内の人々の殺伐とした行動を連想してしまいます。
一方では群れとして集まりたいという矛盾した衝動もある訳ですから、なかなか大変ですね。


小競り合いの後に尾羽を左右にフリフリする行動がよく見られました。

これは、降参のポーズもしくは和睦の挨拶なのかな?
対立の気まずい感情を和らげて気分転換する転移行動?
ただし、何かに驚いたのか急に少し飛んで着水した直後にも尾羽を左右にフリフリしています。(♂@1:51-2:19)
八木力『冬鳥の行動記』を読むと、「儀式的水浴び→転移性はばたき→尾を振る」という一連の流れがカモ類の転移行動らしい。

尾羽を左右に振るだけでは転移行動とは呼べないのですかね?



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


今回観察したオナガガモの小競り合いが繁殖期に特有の求愛行動や♀の取り合いと解釈すべきなのかどうか私には分からず、ずっと気になっていました。
『動物たちの気になる行動(2)恋愛・コミュニケーション篇』という動物行動学の研究を紹介する本を読んでいたら、福田道雄『人前で求愛ディスプレイをするオナガガモ』という総説が収録されていました。

読んでみると、とても勉強になりました。
私の興味を引いたポイントをかいつまんで引用します。
 日本に渡来するカモ類のつがい関係は、一回の繁殖期の間だけのものです。(中略)日本で過ごす間につぎの繁殖期のために、新しいつがいをつくります。(中略)カモたちは、いったんつがいになると、ほとんど別れることはなく、連れ添って行動し、繁殖地へ帰って行きます。(p26より引用)

囲い込み行動はオナガガモだけにみられるもので、他種のカモ類は行いません。オナガガモが多数飛来した水辺で、1〜2月ごろに注意深く観察していると、数羽以上の♂が一羽の♀を囲むようにして、追いかけながら泳いでいく光景がよくみられます。(中略)「囲い込み」が始まると、集まったメンバーはほとんど入れ替わることなく続けられます。(中略)そしてこの集団の♂たちが、♀に対して求愛のディスプレイを繰り返し行います。(p22より引用)

オナガガモの代表的な(求愛)ディスプレイには、つぎのものがあります。(あご上げ、げっぷ、水はね鳴き、そり縮み)ただし多くの場合、一つのディスプレイは単独で行われることはなく、組み合わせられたり、一連の行動として行われます。(それぞれの詳細は割愛)(p22-29より引用)

つがい形成とその後の行動についても、♂の「後頭さし向け」と♀の「けしかけ」ディスプレイについて解説されていました。(p30-31より)


さすがプロの研究者による専門的な解説はとても勉強になりました。
しかし、記述された一連のディスプレイはあまりにも細かな行動で、観察歴の浅い私にはしっかり見分けられそうにありません。
撮影時期が12月で、求愛するには少し早かったのかもしれません。
オナガガモを観察する上で目の付け所がこれで分かったので、今後の宿題です。




【追記】
渥美猛『オナガガモの奇妙なつがい形成』によると、
多くの渡り鳥は、繁殖地でつがいを形成します。(中略)同じ渡り鳥でもカモの仲間は、つがいを形成する場所と時期が違います。なんと、越冬地である日本で繁殖とは関係のない越冬期につがいを形成するのです。 (上越鳥の会 編『雪国上越の鳥を見つめて』p125より引用)


日本に渡ってきた頃は、♂の羽の色は♀にとてもよく似ています。 オナガガモは10月下旬から求愛を始め、12月下旬からつがいを形成します。♂は♀の気を引くために鮮やかな羽毛に換羽するのです。(中略)つがいを形成する時期以外は地味な迷彩になる (同書p126より引用)

鮮やかな羽毛に換羽した♂は、♀に気に入られようと、ポンプ、げっぷ、水はね鳴き、そり縮みといったさまざまな求愛行動をします。つがいになった♂と♀は、一定の距離を保って、寄り添うように行動します。(中略)つがい♂は、つがい♀に求愛したり、接近する他の♂に対して攻撃します。この行動を配偶者防衛行動と呼びます。 (同書p126より引用)



♂は♀を獲得すると採餌に専念できるのです。(中略)攻撃する頻度が一番多いのはつがい♂です。攻撃される相手はつがい♀に近づく独身♂やつがいにうっかり近づく独身♀でした。つがい♀はつがい♂に守られているため攻撃される頻度はごくわずかでした。(同書p127より引用) 
この報文には「オナガガモの求愛行動 水はね鳴き」および「オナガガモの求愛行動 そり縮み」を描いた♂のイラストも掲載されていて、素人にはとても参考になりそうです。


オナガガモ♀(右)♂(左)
オナガガモ♀♂(野鳥)群れ@川面

2018/03/11

ミソハギを訪花するヤノトガリハナバチ♀の羽ばたき 【HD動画&ハイスピード動画】



2017年9月上旬

山麓の湿地帯(休耕田)に咲いたミソハギの群落でヤノトガリハナバチ♀(Coelioxys yanonis)が訪花していました。
頭楯が橙色なのは、吸蜜の際にミソハギの花粉で汚れるからですかね?

花から花へ飛び立つ瞬間を狙って、後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@1:30〜)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



撮影後に同一個体を採集しました。
前回、ハチミツソウの花で採集した個体よりもずっと小型でした。
以下は標本の写真。(後で貼ります)




2018/03/06

ドバトの首振り歩行 【ハイスピード動画:野鳥】



2017年8月下旬

藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』という話題の本を遅まきながら読んで感動しました。
そこで、私も真似してカワラバト(=ドバト;Columba livia)の首振り歩行運動を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。



鳩は両足を交互に出してトコトコ歩きます。
スローモーションで見るとよく分かるように、一歩踏み出す度に頭を前後に動かすのが特徴です。
この首振り運動の謎を知りたい方は、ぜひ名著『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』を読んでみてください。(好きな本は勝手に宣伝)
街中の公園で地上採食しているドバトは半野生で、私がカメラを構えているだけで餌がもらえると思って近づいて来ます。

歩きながら首を振る動きが気持ち悪くてハトが苦手だと感じる人が意外に多いそうです。
その感覚が私にはさっぱり理解できないのですが、子供の頃に生きた野鳥を身近に見ないで育つとそうなってしまうのでしょうか…?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/03/03

マミガサキアザミを訪花するカラスアゲハ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

用水路と杉林に挟まれた農道に咲いたマミガサキアザミの群落でカラスアゲハ♂(Papilio dehaanii dehaanii)が訪花していました。
吸蜜中は翅を止めるときもあれば、小刻みな羽ばたきを続けることもあります。
蝶道のように繰り返し往復し、同じマミガサキアザミの花に何度も舞い戻ります。
草むらに隠れた背丈の低いマミガサキアザミの花で一心不乱に吸蜜することもありました。

後半は、花から花へ飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@2:14〜)
力強く羽ばたくとふわりと浮遊して次の花へ飛んで行く姿が、スローモーションで見ると優雅ですね。


つづく→カラスアゲハ♂の日光浴



初め私は、このアザミの仲間の種類を知りませんでした。
2週間後に現場を再訪すると、農道一帯がきれいさっぱり草刈りされていて落胆しました。
林縁に辛うじて残されたアザミを一株、根元近くから採集して持ち帰りました。

  • 花の総苞は粘着しない。
  • 葉は互生で、あまり棘がなくて、触れてもさほど痛くない。
  • 葉の基部は茎を抱いている。
  • 根生葉は無い。
これらの特徴をじっくり検討した結果、山形県特産のマミガサキアザミと判明しました。
どの植物図鑑にも載っていなかった謎がようやく解けました。

以前に撮ったアザミの名前もこれでようやく知れてすっきりしました。

▼関連記事
マミガサキアザミの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀



2018/02/27

ユリズイセンを訪花するオナガアゲハ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

農村部の道端に咲いたユリズイセン(アルストロメリア)の群落でオナガアゲハ♂(Papilio macilentus)が忙しなく訪花していました。
吸蜜中も半開きにした翅を細かく羽ばたいています。

花から花へ飛び立つ瞬間を狙って、後半は240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:25〜)
スローモーションで見ると、後翅の前縁に♂の特徴(性標)である白帯がよく目立ちます。


ユリズイセンの花の形状と長い雄しべ、雌しべから考えると、ユリズイセンの送粉者は大型のアゲハチョウ類なのかもしれません。(※追記参照)

▼関連記事:ユリズイセンの花蜜を吸うキアゲハ


※【追記】
 チョウ媒の花に、形状がラッパ状か漏斗状で、葯や柱頭が外に向かって大きく飛び出しているものが多いのも、蝶を送粉者としてターゲットにした戦略として理解できます。蝶のもつストロー状の口吻は、一般にハチ目やハエ目に比べてずっと長いので、ラッパ状や漏斗状の花の奥で花蜜を分泌し、葯や柱頭を外に向かって突き出すことで、蝶の体に葯や柱頭が触れやすくなると考えられるからです。花粉に粘着性があるのも、蝶の体に葯や柱頭が少ししか触れなくても花粉の受け渡しが行なわれるための適応と考えられます。花蜜の濃度がやや薄いのは、蝶の口吻では、濃度が高く年度の高い花蜜は吸いにくいためです。 (p63より引用)
こうした特徴は全てユリズイセンの花に当てはまりますから、赤色系の花をもつユリズイセンはチョウ媒でしょう。
ただし、ユリズイセンは球根で増えるので、必ずしも受粉して種子を作る必要はありません。

2018/02/17

鳴き止んだ♪アブラゼミ♂が電柱から飛び立つ【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

市街地の歩道を歩いていたら近くの電柱からアブラゼミ♂(Graptopsaltria nigrofuscata)が飛んで逃げ、交差点を渡って反対側の電柱に止まり直しました。
(映像はここから)

その場でジー♪と鳴き始めたので、♂と判明。
ところがジリジリジリ…♪と尻すぼみに鳴き止んでしまいました。

今にも飛び立ちそうだと思ったので、240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@0:30〜)
最後は更に1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
案の定、しばらくすると斜め上方に飛び立ちました。
前後の羽根(前翅と後翅)をフックで一体化させて羽ばたいていることが分かります。
ハイスピード動画の仕様により音声は録音されていませんが、鳴き止んでいたアブラゼミ♂は最後に一声ジッ♪と発して飛び去りました。
セミのおしっこをハイスピード動画で撮るのが長年の課題なのですけど、今回も飛び立つ瞬間に排尿していませんでした。
電柱からは樹液を吸汁できませんから当然ですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/02/16

飛べ!ブチヒゲカメムシ【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でブチヒゲカメムシDolycoris baccarum)が訪花していました
風で揺れる花穂の天辺で、吸汁するでもなくモジモジしている個体が気になりました。
今にも飛び立ちそうなので私も粘り、後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@3:30〜)
半翅目の羽ばたきも格好いいですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/02/14

交尾を迫るスズバチ♂を背負ったまま飛び回る♀【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬・午後15:19〜15:23

農業用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でスズバチ♀(Oreumenes decoratus)が訪花していました。
吸蜜シーンを撮っていると、雄蜂♂が飛来していきなり飛びついてきました。
儀式的な求愛行動は特に見られませんでした。
♂が♀に飛びつく瞬間を撮り損ねたのは残念無念。

♂がマウントしている間も♀は構わずに♂を背負ったまま花から花へ飛び回り吸蜜を続けています。(色気より食い気)
一方♂は♀の背に必死でしがみついているだけで、交尾器は未だ結合できていません。
したがって、トンボの配偶行動のように尾繋がりとか連結飛翔とは呼べませんね。
正式な用語を知らないので、ここでは勝手に「マウント飛翔」と呼ぶことにします。

スズバチ♂は♀を見つけてマウントしただけで安心してしているようで、おとなしくしているのが不思議でした。
必死に交尾しようと試みておらず、余裕を感じさせます。
とりあえず♀を確保してライバル♂から守ることができれば(交尾前ガード)満足なのかな?
この♀が交尾拒否行動をしているようには見えませんが、このペアは体格差があり過ぎて、マウントしたままでは交尾器が届かないのかもしれません。

花からペアで飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮影してみました。(@1:40〜)
♀♂がほぼ同時に羽ばたいて離陸しているように見えますが、1/8倍速のスローモーションで見ると、羽ばたき始めるのは♀の方がほんの一瞬だけ早いことが分かりました。
加速がつくと♂はすぐに羽ばたきを止めてしまい、♀任せで次の花まで運ばれて行きます。
つまり、マウント飛翔の主導権は完全に♀が握っていました。
画角から見切れる寸前にも♂が再び羽ばたくことがあったので、失速して揚力が必要な着陸時も♀に協力するのかもしれません。
スズバチの♀はこれから巣材の泥玉を運んだり獲物の芋虫を巣に運んだりしないといけませんから、華奢な♂を背負って飛ぶぐらいは朝飯前なのでしょう。

最後スズバチ♀♂のペアは川を渡って田んぼ(休耕地?)の方へ飛び去りました。
どこか落ち着いた場所で交尾するのでしょう。

狩蜂の交尾開始を観察できたのは、これが初めてかもしれません。
とても幸運でした。

スズバチの雌雄をフィールドで同時に見れるのは交尾のときだけなので、この機会に性別の見分け方を検討しておきます。
体長は♀>♂で、雄蜂の方が華奢。
頭楯の色は、♀が濃い黄色(オレンジ色)で♂は白っぽい淡黄色。
顔色で見分けられたら一番楽なのですが、もしかすると羽化後の日齢で色が変わる(濃くなる)のではないか?と個人的には疑っているので、未だ保留にしておきます。(♀よりも♂が先に羽化する雄性先熟だとすれば私の杞憂?)
♂の触角は先端がやや屈曲している?ようにも見えますが、単独で居たときにこれだけで見分けられる自信はありません。
腹部(膨腹部)の体節を数えれば確実に見分けられそうです。(♂6節、♀5節で、♂の方が1節多い)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



▼関連記事 (いきなり飛びかかる瞬間が撮れています)
スズバチの交尾拒否


スズバチの交尾(腹部の体節が♂は1つ多い)
スズバチの交尾(頭楯の色が♂は薄い)

2018/02/07

屋根裏の巣に出入りするチャイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】



2016年9月下旬
▼前回の記事
チャイロスズメバチの巣に近づく謎の寄生?ハエ【ハイスピード動画】

破風板の裏側に営巣したチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀が飛び回り帰巣、出巣を繰り返す様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
帰巣の際に獲物や巣材を搬入しているシーンは別の記事にまとめておきました。

▼関連記事
肉団子や巣材を巣に搬入するチャイロスズメバチ♀【ハイスピード動画】

今回の映像はそれ以外のシーンです。
実は、空荷で巣に出入りしていることがずっと多いのです。
巣のある建物の真下で私が立って撮影しているので、警戒したワーカー♀が私を偵察・威嚇に来ていました。
つまり、この映像は平時の状態ではないかもしれません。(観測者問題)

また、出巣しても空中で旋回しただけですぐ破風板に戻って来る個体がいました。
外役の経験の浅いワーカー♀が出巣の前に巣口の位置をしっかり記憶するために定位飛行を繰り返してしているのかもしれません。
その場合は、巣の方を向いてホバリングしながら扇状に、少しずつ大きな弧を描くように飛ぶはずです。
引きの絵(広角)で撮っていないため、この映像からは定位飛行かどうか区別がつきません。

初めに説明したように、今回の撮影の目的としては、巣材または肉団子を巣に搬入する瞬間をハイスピード動画で記録したかったので、寄りの絵にしていたのでした。

素人目には、未熟なワーカー♀による飛行訓練、あるいはコロニー全体が警戒中(やや興奮状態)、という印象を受けました。

帰巣する個体と出巣する個体が空中で衝突し、もつれ合うように落下しました。(@0:23)
敵が飛来したと誤認して門衛が迎撃したのか、それとも偶然の事故(空中のすれ違いに失敗)なのか、分かりません。

熱が篭った巣内を冷却するために門衛の一部が羽ばたく扇風行動は見られませんでした。
巣口の周囲で歩き回りながら羽ばたいていた個体もすぐに飛び立ってしまいます。(出巣)
ところが破風板に少しズームインしてみると、画面上端付近で扇風行動をしている個体を一匹見つけました。(@6:16〜6:50)
巣口から外に向いて立ち止まったまま羽ばたき続けています。
これがもし本当に扇風行動なら、外気を巣内に送り込んでいることになります。
現場ではこの個体に気づかなかったので、気温を測るのを忘れてしまいました。
現場は特に暑かった記憶がありませんし、鎮守の森(スギ林)に囲まれているので、少なくとも私には過ごしやすい気温だった(あまり暑くなかった)と思います。
別種ですがコガタスズメバチやキイロスズメバチでは、気温が30℃を越えると扇風行動が発動されることをこれまでに観察しています。
この個体が本当に扇風行動をしたのか、離陸前の準備運動として羽ばたいていただけなのか、気になるところです。(※追記参照)
しかしすぐに撮影を打ち切ってしまったので、残念ながら分からずじまいです。
1/8倍速のスローモーションで34秒間ということはリアルタイム(実時間)ではたった4.25秒しか羽ばたきが記録されておらず、とても扇風行動だと言い切れません。

扇風行動ならもっと長時間(少なくとも数分間)、巣口の近くで羽ばたき続けます。
とりあえず、扇風行動は今回無かった、ということにしておきます。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




【追記】

動画編集前のオリジナル素材を見直してみました。
巣口から出てきて破風板で扇風行動のように少し羽ばたいていた個体Aは、羽ばたきを止めて隣の個体Bと栄養交換の口づけを交わしていました。
そこへ帰巣した別個体Cが飛びついて、♀Aの出巣衝動はうやむやになってしまったようです。


2018/01/28

クロマルハナバチ:コロニー衰退の謎【HD動画&ハイスピード動画】



クロマルハナバチの巣:定点観察#11


2016年7月中旬

▼前回の記事
クロマルハナバチの巣に侵入して獲物を探索するクモバチ♀

15日ぶりにクロマルハナバチBombus ignitus)の営巣地へ登ってみると、峠道の側溝に蔓延る雑草がきれいさっぱり刈り取られていて、巣口となっている排水口が丸見えの状態に戻っていました。



巣に出入りするワーカー♀をまず通常のHD動画で記録し、後半は240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@0:10〜)
帰巣した個体をよく見ても、後脚の花粉籠はすべて空荷でした。

この時期は山地でも蜜源植物の花が不足する夏枯れの季節なのでしょうか?(そうは思えないのですけど…。)

気になったのは、巣に出入りするワーカー♀の数が以前より減っていて、しかも小型のサイズばかりだった点です。
コロニーの食糧事情(幼虫の栄養状態)が悪化したことを伺わせます。
定量的なデータをとった訳ではないのですが、どうもコロニーが以前よりも少し衰退したような印象を受け、心配になりました。
私なりに原因をいくつか考えてみました。

(1)草刈機の激しい騒音・振動などで危険を感じてコロニーの主力が巣から逃去したのかな?
草刈りした結果、巣口の周囲の景色が激変し、迷子になり外役から巣に帰れなくなったワーカー♀が続出したのかもしれません。
帰巣の際に迷子になるワーカー♀を実際に目撃しました。
本来の巣口から1m離れた左隣りの排水口に入ろうとしていました。

草刈りに関連して私が考える悪夢のような最悪のシナリオは、草刈りの作業員によってマルハナバチの巣が発見され、すぐに駆除されてしまった(殺虫剤を散布された)というものです。
もちろん、そんな証拠は無くて、ただの悪い想像(被害妄想)です。


巣口は右側の排水口

(2)法面を補強するコンクリート壁面の排水パイプの奥に営巣していますから、梅雨の時期は巣穴が浸水した可能性があります。
巣内にカビが生えたり営巣環境が急激に悪化したのではないかと心配になるのですが、大丈夫なのでしょうか?
実際、巣口が中からの土砂で埋もれそうになっている点が気がかりです。
こういう非常事態に際してマルハナバチはミツバチのように巣を引っ越して作り直すことがあるのか、興味があります。




(3)もしかすると、クロマルハナバチではなくてコマルハナバチのコロニーなのか?と同定に自信のない私は不安になります。
以前、出巣する個体を採集した標本写真はこちらの記事を参照。
これがもしコマルハナバチの巣ならば、コロニーが繁殖を済ませ営巣を終了する時期がクロマルハナバチよりも早いので、この時期にコロニーの勢いが衰えても不思議ではありません。
しかし、コマルハナバチの雄蜂♂の姿をこの辺りで見かけたことがありません。

加えて、以前に活動していた大型のワーカー♀は、いかにもクロマルハナバチっぽい外見でした。
同定の疑念を払拭するためにもう一匹ワーカー♀を採集したいところですが、コロニーの個体数が回復するのを待つことにして次回に持ち越しました。
(結果的に、これは痛恨の判断ミスでした。)

(4)今思えば、単に観察する時間帯が遅かったせいもありそうです。(午後15:40〜16:20)
この営巣地は里山の北東の急斜面にあるため、午後になると日没よりもずっと早い時刻に太陽が稜線の陰に沈み(
日光がささなくなり気温も下がる)、蜂の外役活動が鈍るみたいなのです。





観察を打ち切って帰る間際に見たワーカー♀は、出巣するとコンクリート壁面の上の斜面に飛んで行きました。

つづく→#12:クロマルハナバチの古巣に侵入を繰り返し獲物を探すクモバチ♀

コロニーの栄枯盛衰をなんとか最後まで見届けたいのですが、どうなるでしょうか?


2018/01/24

ハチミツソウの花で採餌するトモンハナバチ♀♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード映像】



2017年8月下旬

農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でトモンハナバチ♀♂(Anthidium septemspinosum)が訪花していました。
採餌している♀(背板に十紋ともん)は腹面のスコパに橙色の花粉を付けています。

後半は、雄蜂♂(背板に十二紋、頭楯が黄色)が花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:32〜1:20)
スーパースローの最後に登場する個体は♀ですね。(@1:20〜)

♀♂をそれぞれ別の動画に分ければ良かったのですが、♀♂が混じっていることに後で気づきました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

ハチミツソウの隣に咲いていたクサフジの群落で訪花中のトモンハナバチ♀に♂が飛びかかって交尾を試みるシーンを目撃しました。
交尾には至らず(交尾拒否?)別れてすぐに飛び去ってしまいました。


トモンハナバチ♀@ハチミツソウ訪花採餌(♀は腹部背板の黄色斑が5対あり、腹部下面にスコパが有る)
トモンハナバチ♀@ハチミツソウ訪花採餌
トモンハナバチ♂@クサフジ訪花吸蜜(♂は頭楯が黄色)

2018/01/21

ツリフネソウの花で盗蜜するクマバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

山麓の休耕田(湿地帯)の端に咲いたツリフネソウの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく飛び回っていました。
訪花シーンをよく見ると、花の開口部からは一度も正当訪花せず、ひたすら穿孔盗蜜していました。
花蜜が溜まっている筒状の距の先端に口吻を突き刺して盗蜜しています。
雄しべに全く触れないので、当然ながら体は花粉で汚れていませんし、後脚の花粉籠も空荷です。
後半は、花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@2:32〜)

この群落をよく見ると、散った花の一部が既に結実しています。
受粉しているとすると、ツリフネソウの送粉者は何者なのでしょう?
映像を見直すと、後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けたセイヨウミツバチ♀がクマバチの隣で正当訪花している姿が写っていますね。
体が小さいミツバチは花の入り口から楽々と潜り込めるので、盗蜜する必要がありませんし、花粉も集めることができます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/01/19

チャイロスズメバチの巣に近づく謎の寄生?ハエ【ハイスピード動画】



2016年9月下旬
▼前回の記事 
肉団子や巣材を巣に搬入するチャイロスズメバチ♀【ハイスピード動画】

神社の破風板(南側)の裏に営巣したチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀が飛んで巣に出入りする様子を240-fpsのハイスピード動画で撮っていたら、ちょっと興味深いシーンが記録されていました。

地味なハエ(種名不詳)が単独で飛来し、破風板に着陸しました。
チャイロスズメバチの巣口へ向かってまっしぐらに、少しずつ歩いて接近したのが思わせぶりです。

もちろん、ただの偶然でハエの気紛れな行動かもしれません。
スズメバチ類の巣に寄生・産卵するアブ(ベッコウハナアブ類)が知られているので、もしかするとこのハエの目的もそうなのか?と期待が高まりました。
ところがハエは巣内には侵入せず、やがて破風板から飛び去りました。
高所で遠い上にハイスピード動画は画質が粗いために、ハエの行動の詳細がよく見えないのは残念です。

もしかすると、破風板に産卵したのかもしれません。
孵化したハエの幼虫(ウジ虫)が自力で寄主の巣に侵入する可能性も考えられます。

(諺で「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と言いますが、虎穴に入らなくても寄生ハエは目的を達成できる?)

ただし、今回のハエの見かけは明らかに既知のベッコウハナアブ類ではありませんでした。
たとえば普通のニクバエの仲間だとすると、肉食性であるチャイロスズメバチの巣内から食べ残しなど掃除屋(scavenger)にとって魅力的な屍臭(腐臭)がしたのかもしれません。

ちなみにドロバチ類の巣に寄生・産卵するニクバエ(ドロバチヤドリニクバエ)も知られています。

破風板に多数集結しているチャイロスズメバチの門衛は、このハエに対して特に警戒したり追い払ったり獲物として狩ったりしませんでした。
「ハエなど眼中にない」という感じです。
もし襲いかかってもハエの方が俊敏で、易々と逃げられてしまうでしょう。

最後は1/8倍速のスローモーションから1倍速に戻してリプレイ。(@1:48〜)


つづく→屋根裏の巣に出入りするチャイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】

2018/01/18

ハチミツソウを訪花するヤノトガリハナバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2017年8月下旬

農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落でヤノトガリハナバチ♀(Coelioxys yanonis)が訪花していました。
腹端が尖っているので♀ですね。
ハキリバチ科の♀であっても労働寄生種なので、当然ながら腹面に花粉を運ぶためのスコパは無く、集粉も行ないません。
訪花するのも自らの栄養源としての花蜜が目当てなのです。

後半は、花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@1:40〜)

複数個体を撮影。
本種の寄主として知られるスミスハキリバチも同じ群落で訪花していたのですが、2種が出会うシーンは撮れませんでした。
オオハキリバチとヤノトガリハナバチがニアミスしたときは、互いに無関心でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


顔面の毛が黄褐色

2018/01/14

帰巣時に渋滞・追突するクロマルハナバチ♀【ハイスピード動画】



▼前回の記事
フキバッタの幼虫を捕食するニホンカナヘビ【ハイスピード動画】


クロマルハナバチの巣:定点観察#9


2016年7月上旬

峠道の法面を補強したコンクリート壁面の排水口に営巣したクロマルハナバチBombus ignitus)のコロニーを調べています。
水が枯れた側溝内に雑草(ハナタデ??)が繁茂しているせいで、巣口がほとんど隠れてしまいました。
巣に出入りするワーカー♀の様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみると、興味深いシーンが記録されていました。

シーン1:

ワーカー♀2匹が相次いで帰巣すると、巣口を見つけられずに、その手前で渋滞になりました。
後脚の花粉籠を見ると、1匹は空荷でもう一匹は橙色の花粉団子を運んでいます。
空中でどのような譲り合いがあったのか分かりませんが、空荷の個体が先に巣穴に入りました。
花粉団子を付けた個体は飛び去ってしまい、改めてアプローチからやり直すようです。



シーン2:

先に戻った個体が巣口の手前で躊躇うようにホバリング(停空飛翔)していると、後続のせっかちな個体が空中で追突し、軽い墜落事故が発生しました。
擬人化すると、「ほら、早く行けよ!」と急かしたのかもしれませんね。
幸い雑草がクッションになって蜂は2匹とも無事でした。


営巣地の周囲を除草すれば、帰巣する蜂にとって目標となる巣口がはっきり見えるようになり、このような渋滞や衝突事故は無くなると思います。
私が巣口の目印にしているのは、上から垂れ下がっているヨモギの枯草なのですが、クロマルハナバチも同じかもしれません。
マルハナバチ(ミツバチ科)は自ら雑草を噛み切って巣の周囲を草刈りしないのでしょうか?
スズメバチ科の蜂はそのような除草をすることが知られているそうです。
巣口が目立たない方が天敵に襲われにくくて好都合なのかもしれません。


一方、出巣の際の渋滞や出会い頭の衝突事故(出巣する個体と帰巣する個体の衝突)は今まで私は見たことがありません。
何か混雑を上手く回避する方法をハチは編み出しているのでしょう。


つづく→#10:クロマルハナバチの巣に侵入して獲物を探索するクモバチ♀



2018/01/11

肉団子や巣材を巣に搬入するチャイロスズメバチ♀【ハイスピード動画】



2016年9月下旬
▼前回の記事
チャイロスズメバチの巣を新たに発見


神社の破風板(南側)の裏に営巣したチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀の出入りを240-fpsのハイスピード動画で記録してみました。
長撮りした素材から、帰巣時に何かを搬入したシーンをまとめてみました。
営巣地が高所なので、何を運んで来たのか映像ではしっかり突き止められないこともあります。

シーン1:(0:00〜0:30)

緑色の葉のような謎の物体をヒラヒラさせながら持ち帰りました。
イモムシなどの獲物をそのまま搬入したのですかね? 
以前、チャイロスズメバチ♀がカマキリを狩ったときは肉団子を作らずに持ち帰ったのを観察しています。

▼関連記事
オオカマキリを狩るチャイロスズメバチ♀


シーン2:(0:30〜0:50)

二番目に帰巣した個体♀が黄緑色の肉団子を搬入。



シーン3:(0:50〜1:14)

緑色の肉団子を搬入。



シーン4:(1:14〜1:31)

黒っぽい肉団子?を搬入。
団子から虫の脚のようなものが突き出ている。
巣材の樹皮かもしれない。



シーン5:(1:31〜2:04)

画面の上端で着地した個体が黄緑色の肉団子を咥えていた。
破風板を歩いて巣口に向かう。



シーン6:(2:04〜3:44)

♀αが白っぽい肉団子を搬入。
破風板に居た別個体♀βが迎撃に飛び立ち(スクランブル発進)、帰巣する個体♀α(+肉団子)と空中で衝突した。
門衛βが外敵と誤認したのだろうか?
♀αが帰巣をやり直している間に、更に別個体♀γが黒っぽい団子(巣材?)を咥えて帰巣。
その後も続々と帰巣する個体は空荷のようでした。


肉団子を持ち帰っても破風板でたむろしている多数の門衛?が獲物の分配を求めて殺到することはありませんでした。
したがって、コロニーはさほど飢えていないのでしょう(食糧事情は満ち足りている)。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→チャイロスズメバチの巣に近づく謎の寄生?ハエ【ハイスピード動画】


2018/01/09

クロイトトンボの産卵連結飛翔で主導権を握るのは♀【ハイスピード動画】



2017年8月上旬
▼前回の記事
連結態でスイレンの葉裏に産卵するクロイトトンボ

睡蓮池で尾繋がり状態(連結態)のクロイトトンボ♀♂(Cercion calamorum calamorum)ペアは頻繁に産卵ポイントを変えていました。
卵塊として産みつけるのではなく、おそらく1粒ずつあるいは少数の卵を浮葉植物の組織内に埋め込むのでしょう。
飛び立つ際に♀♂どちらが主導権を握っているのでしょうか?
240-fpsのハイスピード動画で連結飛翔を撮ってみました。(@0:15〜)

スローモーションで確認すると、決して♂が♀の首根っこを掴んで無理やり引き回している訳ではないと判明しました。
♀が産卵を終えたり場所が気に入らなかったりしたことで先に離陸を開始すると、僅かに遅れて♂も追従して飛び立っています。
必ず♀が先に飛び立ち、♂も瞬時に反応して追随するのです。
お手数ですがYouTubeの再生速度を0.25倍速のスローモーションに切り替えてご覧頂くと、よく分かるはずです(リアルタイムに対して1/32倍速の映像となります)。
クロイトトンボの♀♂カップルは亭主関白というよりもかかあ天下でした。
産卵のための飛翔ですから♀が主導権を握るのは別に不思議なことではありませんが、スーパースローの映像で突き止められたのは嬉しいことです。

ただし、一度だけ例外がありました。(@3:29〜4:17)
珍しく♂が先に飛び立とうとしたものの、♀はピクッとしただけで産卵を続けます。
結局はタンデムで飛び立ちました。(改めて♀が先行離陸)

最後の例はまた興味深いです(@4:20〜)。

♀が腹端で睡蓮の葉を探りながら軽く羽ばたいても、♂は無反応で飛び立ちませんでした。
♀の羽ばたきが激しくなり♀の脚が睡蓮の葉から完全に離れると(離陸)初めて♂が羽ばたき始めました。

イトトンボの連結飛翔をハイスピード動画で撮るのは意外にも今回が初めてでした。
タンデム(連結態)でパラパラと羽ばたくペアの影が美しいですね。
離陸後はどこへ向かって飛び(方向転換)、どこに着陸するのか、その主導権も♀が握っているのか、それとも♂が力強く♀をリードしているのか、気になるところです。

しかし、映像ではよく分かりませんでした。
♀が先に産卵地点に着陸する場合が多いようです。
連結飛翔中は一心同体に見えますが、どのように意思疎通をしているのですかね?

プロペラではなくトンボの羽ばたきを模倣したドローンを作り、列車のように何台も連結して飛ばしたら面白そうです。


腹部背面は黒いが、♂の腹端は水色。



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