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2016/10/13

カメラを舐めるオオハナアブ♀



2016年7月中旬

里山の峠道に三脚を立てて別の撮影をしていたらオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が飛来して、カメラの本体およびストラップをぺろぺろ舐め始めました。
雨水や私の汗および皮脂が染み込んでいるはずなので、そのミネラル成分を摂取しているのでしょう。
味見してかなり気に入った様子で、軽く追い払ったぐらいではすぐに舞い戻って来ます。
ハンディカムのレンズを近づけても逃げずに、口吻を伸ばして一心不乱に舐めています。

オオハナアブは秋に出会う昆虫だと勝手に思い込んでいたのですけど、今期初見です。





2016/10/05

死んだイモムシに集まるミスジヒメヒロクチバエの翅紋誇示



2016年7月上旬

峠道を法面補強した土留のコンクリート壁面に蔓植物イワガラミが垂れ下がり壁面緑化されています。
その葉陰から覗いている妙な物が気になって葉をめくってみたら、かなり大型のイモムシ(蛾の幼虫)の死骸でした。
死後かなり経過しているようで、腐って全体に黒変しています。
下半身は溶けたように千切れています。
なんとなく、死因は虫カビや寄生などによる病死ではないかと勝手に推測しました。
腐りかけたイモムシの種類を同定するのは無理そうですが、頭楯は真っ黒です。

微小のハエが数匹、死骸に取り付いて身繕いしながら翅紋を誇示していました。
カメラを近づけても逃げない個体を接写してみます。
2匹のハエが死骸の上下に居残っています。
死骸から逃げた個体が近くのイワガラミの葉で前脚を擦り合わせていました。
素人目にはミバエの仲間に見えます。
しかし、死骸を吸汁しに集まるという話は聞いたことがありません。

この日はあまりにも暑くて日射病気味だった私は、マクロレンズを取り出して装着するのも億劫でやりませんでした。
左手で葉をめくりながら右手だけで接写しようとすると、幼虫が絶え間なくブラブラと揺れるので非常に難しいのです。
同定のためにハエだけでも採集すればよかったですね。
もしハエが死骸に産卵したとすれば、芋虫の死骸を採集して飼育すれば次世代が成虫まで育つでしょうか?



いつもお世話になっている「一寸のハエにも五分の大和魂」掲示板でハエの写真鑑定を依頼したところ、茨城@市毛さんよりご教示頂きました。

写真のハエは,ミバエ類ではなく,ヒロクチバエ科のRivellia nigricansミスジヒメヒロクチバエかその近縁種のようです.
また、芋虫の死因についてliriomyzaさんより以下のコメントを頂きました。
おそらく,核多角体病(NPV),ウイルス病かもしれません。死骸の一部をスライドグラスに,一滴の水を垂らして,400倍程度で,六角形の多角体が見えれば核多角体病と思います。
wikipediaの解説によれば、
(バキュロウイルス科に属するNPVに感染した)感染虫は、動きが鈍くなり、変色し、内部が崩れて液状化し死ぬ。表面は黒くなってその後破れ、内部の多角体をまき散らすことになる。


【追記】
成田聡子『したたかな寄生:脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様 (幻冬舎新書)』によると、マイマイガ幼虫に感染するバキュロウイルスによる行動制御が遺伝子レベルで詳細に調べられているそうです。
私が今回観察した宿主の幼虫は芋虫タイプであり、マイマイガの毛虫とは明らかに異なりますが、参考のために引用しておきます。
バキュロウイルスは節足動物に感染し、宿主に対する種特異性が高いことで知られています。つまり、マイマイガに感染しているバキュロウイルスは他の種類の昆虫には感染できません。(中略)通常、ガの幼虫の成長はかなり早く数日に一度は脱皮して大きくなりますが、バキュロウイルスに感染している幼虫はいくら食べても一向に体が大きくなりません。食べたエネルギーはすべてウイルスの増殖に使われているからです。 そして、ウイルスが体内で十分に増殖し、次なる宿主に移動する段階になると、現在の宿主であるマイマイガの行動を操ります。 通常、マイマイガの幼虫は昼間、鳥などの天敵に見つからないように地面に近い場所でじっと身を隠しています。そして、夜になると木の上に登って葉を食べます。しかし、バキュロウイルスに感染した幼虫は、昼も夜も関係なく木や葉の上を目指して登り始めます。そして、葉の一番上に登りきると、動かなくなり、何かを待っているかのようにそこでじっと待機します。このとき、幼虫の体内ではバキュロウイルスが幼虫の体を溶かす大量の酵素を生成して、宿主である幼虫をドロドロに溶かしてしまいます。 そうして、体の形を保てなくなった幼虫は、溶けながら、葉の上から下に流れ落ち、ウイルスを大量にまき散らしていきます。そして、葉の上に落ちたウイルスは新たな宿主に葉と共に食べられることで、また感染を繰り返していくのです。p166-167より引用)

研究者は更に、バキュロウイルスがコードする遺伝子の中で、感染したマイマイガ幼虫を木に登らせるという異常行動を引き起こす原因遺伝子を見事に突き止めています。
延長された表現型」が遺伝子レベルで解明された例としてエレガントな研究です。
新書の中で原著論文も紹介してくれているのは親切ですね。
Hoover, Kelli, et al. "A gene for an extended phenotype." Science 333.6048 (2011): 1401-1401.(検索すれば全文PDFが無料ダウンロード可)
ただし、マイマイガを用いた研究の結果がそのまま別種の蛾の幼虫に当てはまるとは限らないので注意が必要です。
ウイルスと宿主の組み合わせによって、ウイルスによる行動制御の仕組みがそれぞれ異なっていると、現在では考えられています。p169より)



渡部仁『微生物で害虫を防ぐ (ポピュラー・サイエンス)』という昆虫病理学の入門書を読んだら、核多角体病についてしっかり勉強することができました。
りん翅目昆虫(チョウやガの仲間)に核多角体病の発生が多いようです。幼虫が病気になると、体節と体節の間の皮ふがふくれてそこが傷つきやすくなり、体が黄色味を帯びてきます。正常な幼虫の体液は無色か、あるいはやや黄味を帯びていても透き通っていますが、病虫は皮ふの傷口から白く濁った牛乳のような体液を流しながら落ち着きなく歩きまわります。やがて病気の末期になると、不思議なことに、昇天を急ぐかのように高い所へと登って行き、そして、木の枝の先あるいは草の葉の先端にはい登り、腹肢を固定してぶら下がって死にます。やがて、死体はどろどろに溶けてしまうのです。樹木の先端に、時々このような病虫がたくさん集まって大きな塊になることがあります。 (p24-25より引用)

 虫の病死体から飛散した多角体は、広く土の表層に分布し、周辺の植物の葉に付着する機会が多いといわれています。昆虫が植物を食害する際に、たまたま葉に付着していた多角体を一緒に食べると、核多角体病が伝染することになります。つまり、食下された多角体は、虫の消化管の中でアルカリ性の消化液によって溶かされ、中からばらばらになって出てきたウイルスが、消化管壁から体の中へ侵入し、いろいろの組織に感染するのです。(p29より引用) 


2016/08/13

オオマルハナバチに擬態したマツムラハラブトハナアブ♀?【名前を教えて】



2016年6月上旬

山麓の農村部の民家の花壇に咲いたキリンソウの群落で、オオマルハナバチにベイツ型擬態したハナアブが訪花していました。
花粉や花蜜を舐めています。


手元にある図鑑『札幌の昆虫』p214-215でマルハナバチに擬態するハナアブの仲間を調べてみると、素人目にはトゲミケハラブトハナアブ♀(Mallota tricolor)が一番似ています。
一方、「ハナアブの世界」サイトに掲載された標本写真を見比べると、マツムラハラブトハナアブ♀(Mallota rubripes)が一番似ている気がします。
今回は採集できなかったので標本はありませんが、もし間違っていたらご指摘願います。
ハラブトハナアブ属の一種(Mallota sp.)としておいた方が無難でしょうか。



▼関連記事(4年後の撮影)
マツムラハラブトハナアブ♀の身繕い【ベイツ型擬態】



【追記】
中公新書:鈴木紀之『すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く 』を読んでいたら、とても興味深いことが書いてありました。
今回のハナアブは大型ですから、確かに優れたベーツ擬態になっています。
アブの仲間で擬態のうまさを網羅的に比較した研究では、アブの体サイズが小さいほど擬態が不完全になっていく傾向が見出されました。天敵はどちらかというと体の大きなアブを狙います。体が大きい分だけエサとしての栄養分が多く含まれているからです。そのため、体の大きなアブはできるだけ蜂に姿を似せて天敵からの攻撃を未然に回避する必要があります。一方で、体の小さなアブはそもそも天敵からの攻撃をそれほど受けないので、ハチに似せていく方向に働く圧力がそこまで強く生じません。天敵にしてみれば、エサの候補となりにくい小さい種類はアブであろうがハチであろうがどちらでも構わないため、そもそも識別しようとしないのです。この研究は、天敵からの圧力が弱い種類ほど不完全な擬態が維持されやすいことを示唆しています。 (p218より引用)





2016/08/03

ヤドリバエの卵を付けたツマジロカメムシ



2016年6月上旬

山間部のガードレール脇に生えたタニウツギの灌木でツマジロカメムシMenida violacea)を見つけました。
葉上を歩き回り今にも飛び立ちそうな予感がしたので、飛翔シーンを撮ろうと粘ってみたものの、空振りに終わりました。

途中でクロオオアリ♀とニアミスしても互いに無関心でした。

背中の小楯板に目立つ白点は寄生者(ヤドリバエ類)に産み付けられた卵だと思われます。

身繕いで落としたくても足が届かない場所にあります。
ヤドリバエの幼虫が孵化して捕食寄生する様子を観察するのも面白そうですが、寄主となったカメムシ成虫を飼育法(餌は?)が分からないことには難しそうです。




2016/06/16

柳の葉を舐めるハグロケバエ♂



2016年5月中旬

湿地帯でハグロケバエ♂(Bibio tenebrosus)がオノエヤナギの葉に止まって表面を頻りに舐めていました。
舐めているのは朝露の残りなのかもしれませんが、肉眼で水滴は見えません。
アブラムシの甘露が付着しているのかな?

それとも柳の花外蜜腺があるのでしょうか?
一方、ハグロケバエが訪花している現場は未だ見たことがありません。



2016/06/11

虫の死骸を吸汁するキアシアシナガヤセバエ



2016年5月上旬

湿地帯に生えたオノエヤナギの葉に止まっているスマートなハエが気になりました。
帰ってから名前を調べてみると、図鑑『札幌の昆虫』p193に登場するキアシアシナガヤセバエCompsobata japonica)らしい。

接写してみると、葉の表面を舐めています。
風が強く吹く日で、接写に苦労しました。
常に葉が揺れるので分かり難いのですが、葉そのものを舐めているのではなく、有翅アブラムシやチョウバエなど微小の昆虫を捕食しているようにも見えました。

snowmelt氏のブログ「北のフィールドノート」にキアシナガヤセバチの食性に関する興味深い動画付きの記事を見つけました。

食べるものは、葉の上に落ちている小昆虫の死体だ。
死体は、クモにやられた残りカスの様な気がする。
水場で水を飲む野獣のような姿勢で餌につく。
私の観察と同じ行動ですね。
屍肉食だと思ったのですが、まさか自ら狩りを行い獲物を仕留めた可能性もありますかね?
英語版ウィキペディアによれば、本種が属するマルズヤセバエ科の生態は
Adults are either predatory on small insects (for example Calobata in Britain[1]) or are attracted to excrement or decaying fruit.
無風の日にもう一度撮り直したいところです。

実は、このオノエヤナギの木の周りを同種と思われる多数の小さなハエが群飛していました。
配偶行動に関連するかもしれないこの群飛シーンも動画に撮るべきだったのですが、他のこと(営繭中のホシカレハ幼虫)に気を取られて忘れてしまいました。
複数個体を接写。
未採集、未採寸。
後で思うと、ハエに逃げられても良いから獲物を回収して正体を突き止めるべきでしたね。


2016/06/10

ミズキを訪花するジョウザンメバエ♀?



2016年5月中旬

沢に生えたミズキの高木でジョウザンメバエConops flavipes)が訪花していました。
翅を半開きにしたまま集合花の上を歩き回り、口吻を伸ばして花蜜や花粉を舐めています。

一瞬ハチかと思ったら、ベーツ擬態したハエでした。
全体が黒く、腹部に黄色の横縞が3本入っています。
翅の前半部が黒っぽく、顔(頭楯?)が白い。
見慣れないハエでしたが、手元の図鑑『札幌の昆虫』をめくってみると、p193のジョウザンメバエが似ていると思いました。
p216のニトベナガハナアブにも似ていて悩ましいのですけど、触角の形状が異なるので除外。
「ジョウザンメバエ」でインターネット検索した交尾写真(リンク12)を見ると、素人目には複眼の形状で性別判定できない種類のようです。
口吻の形状に性差があるのかな?
真っ直ぐ長い口吻を持つ個体がマウントしているので♂なのでしょう。(そんな特殊化した形状の口吻は吸蜜専門?)
一方、私が撮った個体の口吻はよく見るハエ型の舐める口器でした。(ということは♀?)
♀は卵巣の発達にタンパク質が必要なので、花粉を摂取できるように舐める口器なのかな?(ド素人の勝手な予想です)
それとも全く違う種ですかね?
もし間違っていたらご指摘ください。
未採集、未採寸。



2016/02/26

キイロスズメバチの巣に侵入する寄生ハエ?



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#11


ハエ(またはアブ)の仲間が飛来しキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣に止まると外被の上を歩き回りました。
これは果たして偶然ですかね?
寄生バエの一種だとすれば面白いのですが、同定用の写真を撮る間もなく飛び去ってしまいます。
例えばベッコウハナアブの仲間は♀がスズメバチの巣に産卵することが知られています。

▼関連記事
寄主モンスズメバチの巣の近くに産卵するムツボシベッコウハナアブ♀
越冬用の隠れ家を探索中にキイロスズメバチの巣(外被)に迷い込んだクサギカメムシとは違い、今回の双翅目は明らかに巣口に興味を示して接近したように思います。(気のせいかもしれませんが、侵入意図が見て取れました。)
巣口に近づく怪しいハエを門衛が追い払ったのでしょうか。

※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。

好蟻性昆虫が非常に繁栄しているのに対して好蜂性昆虫の種類がいまいち少ないのは、社会性蜂の多くの種は(ミツバチを除いて)一年限りの営巣のためでしょう。
あまりよく調べられていないだけですかね?

シリーズ完?


2016/01/31

網にかかった蚊を捕食するイシサワオニグモ♀【蜘蛛:暗視映像】



2015年10月上旬・午前5:24〜5:38・気温11.3℃

イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)が夜中に網を張り替えることを期待して徹夜で観察していると、夜が少しずつ明けてきました。
退屈のあまり、私は居眠りしてしまったようです。
いつの間にかクモが垂直円網の甑に占座していました。
慌てて赤外線の暗視カメラで撮り始めました。
歩脚で周囲の糸を引き締めて揺すると、すぐ左下に付着していた蚊の存在に気づいたようです。
私が網に生き餌を給餌したのではなく、自然に網にかかった物です。
おそらく私の血を吸おうと飛んできた藪蚊が天然の蚊帳に囚われたのでしょう。
こんな小さな獲物が網にかかってもイシサワオニグモは隠れ家に居ながらにして感知できるとは、信号糸の感度の良さに驚かされます。
梱包ラッピングするまでもない小さな獲物なので、クモはその場で噛み付いていきなり捕食しました。
甑に戻ると再び網を引き締めて揺らし、他の獲物の有無を確認しています。
そのまましばらく下向きに占座。
それまでこの個体は昼も夜も基本的に隠れ家に潜んでいて必要に迫られなければ網に出てこなかったので、甑に堂々と占座する様子は新鮮でした。



隠れ家に戻る様子を撮り逃さないよう通常のカメラに切り替え、三脚に据えて監視記録してみます。
夜明け前でかなり暗いものの、補助照明無しでもなんとか写っています。
※ この中盤(@1:14〜1:55)の映像のみ動画編集時に自動色調補正を施して、自然光下の暗い映像を増感しています。

やがてクモはゆっくりと信号糸を登り、隠れ家に戻りました。

午前5:00および5:30に測った気温はともに11.3℃、湿度100%
ちなみにこの日の日の出時刻は公式発表で5:42。


2016/01/20

ノコンギク?の花を舐めるシロスジベッコウハナアブ♀



2015年10月上旬

郊外に広がるスギ防風林のやや薄暗い林床に咲いた野菊(種名不詳;ノコンギク?)の群落でシロスジベッコウハナアブ♀(Volucella pellucens tabanoides)が訪花していました。
口吻で花蜜や花粉を舐めています。
途中で軽く飛んで隣の花に移動し、最後はどこかに飛び去りました。


▼関連記事(ちょうど1年前の同じ時期に撮影)
野菊を訪花するシロスジベッコウハナアブ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】


2016/01/13

イヌサフランの花粉を舐めるオオハナアブ♀



2015年10月上旬

道端の花壇に咲いたイヌサフランオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。
花蜜ではなく雄しべの葯から花粉を舐めています。
(※ 雄しべが6本なので、3本のクロッカスは除外できます。)
食事の合間に脚を擦り合わせて身繕いしています。
粘って撮り続けると、花から飛び立ち見事なホバリングを披露してくれました。



2016/01/06

ノダケの花蜜を吸うシロスジベッコウハナアブ♀とメスグロヒョウモン♀



2015年9月下旬

林縁の農業用水路沿いの草むらに咲いたノダケシロスジベッコウハナアブ♀(Volucella pellucens tabanoides)とメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が同じ花序で仲良く吸蜜していました。
花から飛び立ったシロスジベッコウハナアブ♀は次に近くのイヌタデの花穂に止まりました。(撮り損ね)

地味な花ですけど、今回初めてノダケという植物の名前を知りました。

多くの図鑑などでは、分布は「本州(関東地方以西)」とあるが、東北地方でも分布が確認されている。(wikipediaより)



2015/12/27

ノダケの花蜜を吸うコガタスズメバチ♀とセスジハリバエ



2015年9月下旬

農業用水路沿いの草むらに咲いたノダケの群落でコガタスズメバチ♀(Vespa analis insularis)とセスジハリバエTachina nupta)が訪花していました。
テーブル状の同じ花序で歩き回りながら吸蜜しています。
目障りなハエをスズメバチが押し出したり払い除けたりする小競り合いも何度か見られましたが、敏捷で図太いハエはすぐに舞い戻ります。
最後に花から飛び立ったコガタスズメバチが黒いカメラに向かってホバリングしてきたので少し焦りました。
ハエのせいでコガタスズメバチは少し苛立っていたのかもしれません。
羽音がいかにも恐ろしげですけど、ゆっくり後退すれば刺されることはありません。(スズメバチを手で払い除ける動きはくれぐれも厳禁です)



2015/10/19

路上のアカウシアブ♀



2015年8月中旬

峠道でアカウシアブ♀(Tabanus chrysurus)が路上を徘徊していました。
路面を舐めてミネラル摂取しているのかと思い撮り始めてみると実はそんなこともなく、ウロウロと歩き回っているるだけでした。
少し飛んで日陰に移動したので、熱射病で弱っている個体なのかな?
最後は飛び立ち見失いまた。



2015/07/02

死んだムクドリ(野鳥)に群がるミドリキンバエ



2015年6月上旬

堤防の階段にムクドリSturnus cineraceus)の死骸が一羽転がっていました。
羽根の黒色が薄いので若鳥(巣立ち雛)なのかな?
成鳥でも死後は血の気が引いて褪色する、なんてことはないですよね?

丁度樹の下だったので、樹上の巣から落鳥したのかと探してみたものの、巣は見当たりませんでした。
死骸に外傷や出血は認められず、死因は不明です。
鳥インフルエンザの流行は最近とんと聞きません。
バードストライクやロードキル(交通事故の轢死体)を誰かが道端から投げ捨て、たまたまここに落ちたのかもしれません。
巣立ち雛が何か有毒植物を誤って食してしまった(食中毒)という可能性も考えられます。
解剖して胃内容物を調べたら空腹による餓死ではありませんでした。(詳細は別の記事に書きます)



写真に撮りつつ死骸を裏返したら緑色の美しい(ミドリ)キンバエが数匹、死臭を嗅ぎつけて飛来しました。(※追記参照)
開いたままの眼球に興味を示しました。
♀が産卵(産仔)しに来たのかもしれません。
(ハエの種名は全然まじめに検討してません。)

ムクドリの死骸をどうするか迷いました。
現場に放置して生物分解される様子を定点観察したかったのですが、檻にでも入れない限り野生動物にすぐ持ち去られそうなので却下。
頭骨標本作りのために持ち帰りました。
つづく



※【追記】
大園享司『生き物はどのように土にかえるのか: 動植物の死骸をめぐる分解の生物学』によると、
動物のからだを構成する細胞は、酸素が不足すると、細胞自身のもつ酵素のはたらきによって分解しはじめます。これが、自己消化です。(中略)自己消化は、死後数分のうちに始まります。自己消化が始まるのとほぼ同じタイミングで、クロバエやニクバエが遺体に飛来して卵を産みはじめます。 (p37より引用)

15cm定規を並べる



2015/05/09

福寿草を訪花するハナアブの羽ばたき【ハイスピード動画】



2013年4月下旬

川(上流部)の土手に咲いた福寿草(フクジュソウ)の群落でハナアブの一種が訪花していました。
口吻を伸ばして花蜜や花粉を舐めています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
複数個体を撮影。



2015/04/12

タヌキの溜め糞で身繕いするベッコウバエ♂



2014年11月下旬

水路の脇に溜め糞を見つけました。
2日前に近くで見た足跡はタヌキのものでしたので、これはホンドタヌキの溜め糞でしょう。
実はこの近くで一度だけアナグマをちらっと見かけたことがあります。
アナグマの溜め糞かもしれないと内心期待していたのですけど、糞を嗅いでみても「黄土色の絵の具」のような匂いはしませんでした。
糞の中に柿の種が混じっています。(※追記参照)

その溜め糞に一匹のベッコウバエ♂(Neuroctena formosa)が乗って身繕いしていました。

以前見られたような思わせぶりな翅の誇示行動はしていません。
両脚を擦り合わせているベッコウバエの側面から見ると腹部が黄色っぽいので♂ですかね?
採集を試みたものの、私の気配(殺気?)に敏感で逃げられてしまいました。



※【追記】
余談ですが、『種子散布―助けあいの進化論〈2〉動物たちがつくる森』によると、
カキの種子はぬるぬるしたゼリー状の物質に覆われ、ケモノの歯を容易にすりぬける。




2015/04/04

ミズナラ樹液酒場に来たガガンボ【暗視映像】



2014年9月中旬

里山の雑木林で樹液が滲むミズナラの幹にガガンボの一種が日没後(午後18:37)に来ていました。
赤外線の暗視カメラで撮影すると、脚を広げて止まっています。
口を樹液に付けている…かな?
点灯するとすぐ逃げてしまうのです。
横着してストロボ写真を撮り忘れましたが、翅に斑紋あります。

同じ樹液酒場で夜の定点観察に通っている期間中に、長い脚で屈伸運動しながら樹液を吸汁しているガガンボを見かけたのですけど、そちらは撮り損ねました。


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