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2018/09/20

棚網に給餌したワラジムシを嫌うクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬

農道と用水路の間に生えたタケニグサの群落でおそらくクサグモAgelena silvatica)と思われるクモの棚網を見つけました。
棚網の地上からの高さは約85cm。
クモを採集していないので、性別やステージ(幼体か成体か)については真面目に検討していません。

近くの杉の幹で見つけたワラジムシPorcellio scaber)をクサグモの棚網に給餌してみました。
雨の水滴が付いた棚網に生き餌を乗せると、管状住居からクサグモが素早く飛び出して捕獲しました。
このとき獲物に噛み付いたかどうかは不明ですが、糸でラッピングはしませんでした。
ところがこのクサグモは獲物を持ち帰らずすぐに住居へ戻ってしまいました。
ワラジムシを恐れているのか、それとも満腹なのかな?

アングルを変更して住居内のクサグモの顔を正面から狙うと、恐ろしげな牙が動いていました。
歩脚の先(跗節)を甘噛みしているので、一種の身繕いなのでしょう。
住居の背後で、さきほど給餌したワラジムシが逃げようと棚網を横断しています。
棚網の振動を感知したクサグモが反応し、獲物に向き直ると再び獲物に駆け寄りました。
獲物を噛んだかどうか、今回もよく見えません。(触肢の先で触れただけ?)
またもや獲物をすぐに手放してしまい、その場に残したままクサグモは住居に帰ってしまいました。
難を逃れたワラジムシは棚網を逃げ始めたので、どうやら体を麻痺させる毒液を注入されていないようです。
必死で逃げるワラジムシが棚網の端のタケニグサの葉に到達し、一息つきました。
虎口を逃れたワラジムシはその後、網から地面に落ちて逃げて行きました。(無事に生還!)

一方、トンネル状の住居に戻ったクサグモは何か食べ残しを食べ始めました。
体外消化された獲物は黒い物体と化していて、同定不能です。

今回どうしてクサグモはワラジムシを捕食しなかったのか、とても気になります。
幾つか思いついた仮説を検討してみます。

(1)棚網の振動で反射的に反応したものの、たまたまこのときは満腹状態だったのでしょうか?
隠れ家に戻って食餌を再開しましたし、後で別の獲物(昆虫)を棚網に給餌したら捕食しました。(映像公開予定)
したがって、この可能性は否定できます。

(2)天敵(捕食者)に襲われたワラジムシは何か忌避物質を出すのでしょうか? 
そんな話は聞いたことがありませんが、もし本当なら面白いですね。
親戚のダンゴムシをもしクサグモに給餌したらどうなるでしょうか?

ダンゴムシのように体を丸めて自衛できないワラジムシが長い進化を経て生き残ってこれたのは、何か秘密があるはずです。

(3)ワラジムシはクモ毒に対して免疫があるのでしょうか?

以前、飼育下で別種の徘徊性クモにワラジムシを給餌したら問題なく捕食したので、仮説(2)(3)の可能性も低いと思います。

▼関連記事
ワラジムシを捕食するエビチャコモリグモ♀



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


このクサグモは食欲が無いのかどうか、別の獲物を与えてみましょう。


つづく→クサグモ(蜘蛛)の棚網から脱出するセマダラコガネ黒色型


2018/02/17

ツクネグモ(蜘蛛)の卵嚢



2016年6月上旬

峠道の道端に繁茂する雑草の葉先に奇妙な物体を見つけました。
虫の卵や繭だと思うのですが、今まで見たことがありません。
褐色で球に近い紡錘形の構造体が一つ、葉先から長い糸のような柄で吊るされています。

この細くて長い柄は、アリなどに捕食されないようにするための工夫なのでしょう。

(1)ウドンゲの花?
私がまず思いついたのは、「優曇華の花」と呼ばれるクサカゲロウの仲間の卵です。
孵化した幼虫が捕食するアブラムシの近くに卵を生むはずです。
確かにこの植物の茎には、黒いアブラムシ(種名不詳)のコロニーが形成されていました。
ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀が随伴しています。
しかし、もしウドンゲの花ならば、もっと白っぽくて複数の卵が産み付けられるのでは?
クサカゲロウの仲間は幼虫からしか飼育したことがなくて、卵の実物は未見です。



(2)昆虫の繭?
『繭ハンドブック』を一通り眺めても、これと似た繭は載っていませんでした。



 (3)ヤマトカナエグモChorizopes nipponicus)の卵嚢
後日、新海栄一、緒方 清人『クモ (田んぼの生きものたち)』という本をたまたま読んでいたら、「メスグモが守らないクモの卵のう」の一例としてp39に掲載された写真がこれと似ているような気がしました。

針葉樹の葉の先に吊られたヤマトカナエグモの卵のう


私の知らないクモなので、いつもお世話になっている『クモ生理生態事典 2016』を参照すると、卵嚢に関して次のように記されていました。

・10cmほどの糸でスギの枝からつりさげられた茶褐色の卵のうがよく目につく
・ 7月に卵のうを作る〔山川・熊田73〕. 8月頃,山地の樹枝に10cm位の糸で吊り下げられた褐色の卵のう(長径5mm,短径3mm)を見掛ける〔中平AT23/24〕.
・ 三重県上野市にて1962年9月16日に採取した卵のうからヒメバチ科の一種 Phobetes sp. が2個体羽化, 他にタマゴバチの一種20個体羽化




YouTubeでは、nekonomesouさんが「ヤマトカナエグモの卵のう」と題した動画を公開なさっていました。
常緑広葉樹の葉先から2個の卵嚢が揺れていました。

インターネット検索すると、かぜくささんのホームページ「私の回り道」内で「ヤマトカナエグモの卵嚢」の生態写真が多数掲載されていました。
クモの卵嚢写真の見事なコレクションですね。

ここまで予習した上で、私のケースを検討してみましょう。

問題となるのは、6月上旬の北国(東北地方)でクモの新しい卵嚢が見られるはずがないのでは?という疑問です。
常緑樹の葉先なら前年の古い卵嚢が残っている可能性もありますが、この道端の雑草は雪が溶け春になってから生えてきたものです。
現場は山地の林縁です。
ヤマトカナエグモ♀が樹木ではなく下草の葉先に卵嚢を作ることもあるのかな?


この謎の物体を採集・飼育して正体を明らかにするべきだったと強く後悔しています。
少なくとも、しっかり採寸すべきでしたね。
定点観察するつもりで後日に現場を再訪すると、道端の雑草が根元からきれいさっぱり草刈りされていて大ショック!(唖然、無念)
謎の卵?も一緒に失われてしまいました。
気になる雑草の名前も、花が咲く前だったので、分からずじまいでした。(イネ科ではない)

何かご存知の方はぜひ教えてください。



【追記】
YouTubeのコメント欄にて、海外の方より「Theridiosoma sp.の卵嚢である可能性は?」との示唆を頂きました。
カラカラグモ類を今まで見たことがなく知識もない私は、何と返答したら良いものやら困ってしまいました。
そこで、いつもお世話になっている「クモ蟲画像掲示板」にて問い合わせたところ、きどばんさんより以下の回答を頂きました。
> ヤマトカナエグモの卵嚢?> 6月上旬の北国(東北地方)でクモの新しい卵嚢が見られるはずがないのでは?
「柄」が長いのでそのように思われている方もおられるかもしれませんが形状が異なります。私の添付画像とサイズ的に相違がなければツクネグモPhoroncidia pilula)の卵のうでしょう。東京で5~6月に普通に見られるので山形県6月上旬というのは何の問題もないと思います。昨年クモ屋の集まりで何気なく紹介したところ、何十年もクモの研究をしている先生方に「知らなかった」と言われびっくりしました。調べてみると確かにツクネグモの卵のうについて書かれた文献は見当たらず、ネット上に画像も見つかりませんでした。知っているのはごく一部のクモ屋さんだけかもしれません。
> 海外の方より「Theridiosoma sp.の卵嚢ではないか?」との示唆を頂いた
海外ではどうなのか知りませんが、日本で見られるTheridiosoma sp.の卵嚢はすべて特徴的な形状で、その「柄」は投稿画像のように長くはありません。
「ヤマトカナエグモ 卵のう」で検索したら画像がありました(笑)
ここの ↓ 下から2番目とか、vittataさんのブログにも・・・

2018/02/12

雨上がりの虹



2017年8月下旬・午後17:15

夏の夕立が降った後、きれいな虹が出ました。
夕方の西日を背にして東の空に大きな弧を描いています。
久しぶりに見た虹はとても大きく見えたのですが、虹の弧の大きさはどれも同じなんでしたっけ?(うろ覚え)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2017/11/12

オオヒラタシデムシに便乗するダニ



2016年10月中旬

郊外の工場地帯でオオヒラタシデムシNecrophila japonica)を発見。
歩道をなぜか後退していました。
よくみると、胸背と鞘翅に赤いダニ(種名不詳)が何匹も寄生しています。

採寸代わりに直径2cmの一円玉を並べて置いてみました。
オオヒラタシデムシは立ち止まったまま後脚で腹部を掻いています。
昆虫にもダニに集られて「痒い」という感覚があるのでしょうか?

直接触れないように硬貨を使ってシデムシを仰向けに裏返してみました。
すると胸部の裏面にも大量のダニが付着していました。
シデムシの性別の見分け方を知らないのですけど、腹端が細長いのは♂の交尾器なのかそれとも♀の産卵管なのかな?
必死で暴れるものの、舗装路では足先が上手くひっかからず起き上がれないようです。
いつまで経っても自力では起き上がれないので、最後は手助けしてやりました。
道端の草むら(落ち葉)へ早足で逃げて行きました。

見事な精密画でヨツボシモンシデムシの生態を丹念に描いた本、舘野鴻『しでむし』を読むと、寄生ダニのことが書いてありました。
オオヒラタシデムシにつくダニはまた違う種類なのかもしれませんが、似たような生態なのでしょうか。

シデムシの成虫や幼虫の体には、必ずといっていいほどオレンジ色のダニがくっついています。このダニは、シデムシの体液を吸っているわけではなく、シデムシをタクシーのような移動手段として利用しているのです。ダニの狙いは死体。かれらもここで繁殖します。とても足が速く、シデムシが死体にたどりつくと、さっさと下車します。
生まれたダニの子どもたちは成虫だけでなく、巣をはなれる終齢幼虫にものっかっていきます。そのままさなぎのへやへも同行、新しく羽化したシデムシの成虫は、幼なじみのダニとまた旅をはじめます。 (p35より引用)


私も冒頭でこれを「寄生」ダニと書いてしまったのですが、それは間違いで片利共生の一例の「便乗」かもしれません。

片利共生
[英commensalism 仏commensalisme 独Kommensalismus, Karpose 露комменсализм]
種間相互関係の一形態で,それによって共生者の片方の適応度は増すが,他方の適応度は変わらない状態.ふつう前者をcommensal,guest,あるいはsymbiont,後者をhostとよぶ.(中略)相手の体に付着して移動のための利益を得ているような関係を運搬共生(phoresy)とよぶこともある. (『岩波生物学辞典 第4版』より引用)


後で思うと、折角の機会なのでマクロレンズでダニをしっかり接写すれば良かったですね。


2017/11/05

ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂は飛べなくなる?



2016年10月上旬


▼前回の記事
ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂にブドウの果実を与えてみた

スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されたキイロスズメバチ♂(Vespa simillima xanthoptera)♂にブドウの実を給餌した後に透明プラスチック容器(苺パックを再利用)に入れると、蓋が無いのにいつまでたっても全然飛び立ちません。
ウロウロと容器内を徘徊するだけです。
脚力も弱っているようで、苺パックの壁面をよじ登れないでいます。

蜂は静止していても忙しなく腹式呼吸しています。
腹節の隙間から覗いて見えるネジレバネをようやくしっかり接写することができました。

キイロスズメバチ♂の運動能力に関しては、山中で見つけた時からずっと飛べないままで、飼育していると次第に歩行までも覚束なくなりました。
給餌して満腹になっても飛べないままなので、飢えて弱っていたのではなくて、やはりネジレバネに寄生されたことによる神経症状なのでしょうか。(寄主の行動操作?!)
それとも単純に、いくら餌を摂取しても寄生虫に栄養が横取りされてしまうのかな?


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


そのまま飼い続けたところ、この3日後にキイロスズメバチ♂は死亡しました。(採集してから4日後)
以下は標本の写真。


寄主の死後、このアングルからはネジレバネが見えなくなった。

2017/11/04

ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂にブドウの果実を与えてみた



2016年10月上旬

▼前回の記事
ネジレバネに寄生され飛べないキイロスズメバチ♂

スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されたキイロスズメバチ♂(Vespa simillima xanthoptera)♂を山中で採集してきて、しばらく飼ってみることにしました。

苺パックを被せた中で、まずは蜂蜜を一滴与えてみたのですが、雄蜂は逃げ出そうとするのに必死で蜂蜜に気づきません。
蜂を採集した翌日、次は甘いブドウを与えてみました。(映像はここから)
食用シャインマスカットの実の皮を剥いてやり、ペットボトルの蓋を皿代わりに給餌してやりました。
すると今度は、喜んで甘い汁を舐め始めました。
果汁で汚れた体をときどき身繕いしています。



小野正人『スズメバチの科学』によると、
(スズメバチネジレバネの)最大の特徴として、成虫において雄と雌の形態がまったく異なる点があげられる。(中略)♀の体の大部分はスズメバチの膨腹部内に隠れ、体節の間より生殖器が顔をのぞかせている姿は不気味である。♀は♂を誘引する性フェロモンを分泌しているとされ、羽化後わずかしか生きられない♂が効率よく配偶者にたどり着けるシステムが進化している。ネジレバネの寄生を受けた個体は、働き蜂であれば労働をまったくしなくなってしまい、新女王蜂と雄蜂では生殖能力が失われるとされている。ただし、寄生を受けた新女王蜂に対して未寄生の雄蜂が交尾行動を起こすので、性フェロモンの生成はなされているとみなされる。(p136-137より引用)




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂は飛べなくなる?



2017/11/03

ネジレバネに寄生され飛べないキイロスズメバチ♂



2016年9月下旬

里山の中腹の草むらでキイロスズメバチ♂(Vespa simillima xanthoptera)を見つけました。
触角が長いので雄蜂です。
野菊の花に登ったものの吸蜜せずに、隣接するチカラシバ?の葉を登り始めました。
そのままチカラシバの葉にしがみついて静止。
腹部をヒクヒク動かして呼吸しています。
なぜか飛べないようで、長靴の先で茂みを蹴っても飛び立ちません。
ここで腹部の異常に気づきました。
隣り合う腹節の間に不自然な隙間があり、そこからスズメバチネジレバネXenos moutoni)の頭が覗いています。

寄生されたキイロスズメバチの雄蜂はこのまま弱って息絶えるのでしょうか?
飛べなくなったのは、ひょっとしてネジレバネが寄主を行動操作しているのかな?


小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』によると、

♂はともかく、♀のネジレバネは寄主体内で死ぬまで過ごすため、途中で寄主を殺してしまうようなことはありません。それどころか、♀のネジレバネに寄生された昆虫は、しばしば通常よりも著しく長生きすることが知られています。ネジレバネにとって寄主の死は自身の死と同義であるため、何らかの方法で寄主の寿命を操作していると考えられています。 (p290-291より引用)


撮影後に生け捕りにして持ち帰りました。
雄蜂は毒針を持たないので、刺される心配はまったくありません。

つづく→ネジレバネに寄生されたキイロスズメバチ♂にブドウの果実を与えてみた





【追記】
鈴木知之『さなぎ(見ながら学習・調べてなっとく)』によると、
2013年にスズメバチネジレバネは2種に分けられました。新種のXenos oxyodontesは主にコガタスズメバチだけに、従来のX. moutoniはそれ以外のスズメバチ属に広く寄生します。
だからと言って、今回のスズメバチネジレバネがX. moutoniとは決めつけられないようです。
X.moutoniがオオスズメバチを中心にVespa属の複数種のスズメバチを宿主として利用していたのに対し、X.oxyodontesはコガタスズメバチとキイロスズメバチへの特殊化が見られた。コガタスズメバチからはX.oxyodontesの寄生しか確認されなかった。(中瀬悠太2012年研究実績報告書より引用)


2016/10/07

タヌキの溜め糞とオカダンゴムシ♀



2016年7月上旬

堤防の階段の同じ場所にホンドタヌキの溜め糞が年中、残されています。
ときどき通りかかる度に何か面白い虫が来ていないかチェックしています。
この日は雨で溶けて糞の原型をほぼ留めていませんでした。
かなり悪臭を放っています。
古い糞に混じった種子から植物が芽生えていました。(タヌキによる種子散布



オカダンゴムシ♀(Armadillidium vulgare)が一匹、頭を糞に突っ込んでいました。
背中の黄色い斑点が♀の特徴です。
徘徊して最後は糞の凹んだ穴に潜り込みました。

画質が粗いのは夕方でかなり薄暗いためです。
赤外線の暗視カメラは持参していませんでした。


関連記事(6年後の撮影)▶ 河畔林でタヌキの溜め糞に群がるオカダンゴムシ♀♂


※ この糞塊が本当にタヌキの溜め糞かどうか、実は疑問に思い始めました。
プロは糞を見ただけで判別できるのかもしれませんが、私は未だ自信がありません。
この辺りに生息する野生動物として他にニホンアナグマとハクビシン(†追記参照)も目撃している上に、飼い犬が散歩のついでに排便している可能性もあるからです。
カメラトラップ(トレイルカメラ)を仕掛けて無人の赤外線カメラで溜め糞を監視すればたちどころに解決するはずですけど、機材を買い揃えるまでお預けです。



†【追記】
古谷益朗『なぜハクビシン・アライグマは急にふえたの? (シリーズ鳥獣害を考える―ハクビシン・アライグマ)』によると、
ハクビシンは「ためふん」といって、一定の場所にふんをまとめてする習性があります。ねぐらなどでは、よくこの「ためふん」が見つかります。(p10より引用)



2016/07/31

壁を登って隙間に隠れるヤマトシミ【暗視映像】



2016年6月上旬

晩(午後18:10)に押入れ内の壁をヤマトシミCtenolepisma villosa)がウロウロと徘徊していました。
赤外線の暗視カメラで撮影してみます。
どんどん上に登り、天井付近の隙間に潜り込んで姿を消しました。
体が薄っぺらいので、こんな狭い隙間にも侵入できるのですね。
未採寸、未採集。

▼関連記事
ヤマトシミ♀の食事






2016/02/02

宿主キイロスズメバチ♂から脱出したハリガネムシ



2015年10月中旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#7


巣の下で弱々しく徘徊していたキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)♂を生け捕りにして持ち帰りました。

▼前回の記事 
体内寄生されて弱ったキイロスズメバチ♂
毒瓶は使用していませんが、翌日には採集容器内で息絶えていました。
死骸の傍らでハリガネムシの一種が蠢いていて仰天しました!
生きているハリガネムシを見るのはこれが初めてです。
宿主から脱出したハリガネムシ(おそらく成虫)の色は乳白色で、表面は艶があります。
ちなみに円形プラスチック容器の直径は3cm。
ハリガネムシは宿主の体長の何倍あるでしょうか。
やがてハリガネムシはとぐろを巻きました。
活発に動いている方が頭部なのでしょうか。
頭部に目はあるのかな?と思い、マクロレンズで強拡大しても眼点などは見つかりませんでした。
できれば宿主の腹端から脱出する様子を見たかったですね。

キイロスズメバチの営巣地の横には渓流が流れていました。
ハリガネムシの生活史から、次のようなストーリーが考えられます。
ハリガネムシに寄生された中間宿主の水生昆虫や直翅類(コオロギやカマドウマなど)をキイロスズメバチのワーカー♀が狩って、その肉団子を給餌された蜂の子が体内寄生されたまま成虫♂まで育ったと思われます。
スズメバチの成虫の主食は巣内の幼虫から貰う栄養交換液であって、固形の獲物を自らは食べられません。
また、雄蜂は狩りを行いません。
したがって、ハリガネムシに寄生されたのは成虫の時期ではなく、その前からに違いありません。
もし中間宿主内のハリガネムシが成虫だったら肉団子にする際に噛み殺されてしまったはずです。
ハリガネムシの小さな幼虫が運良くキイロスズメバチ♂幼虫に飲み込まれたのでしょう。

キイロスズメバチが蛹になっても変態が完了するまでハリガネムシは身を潜めていて、成虫になってから一気に成長したと思われます。
巣の外に捨てていた多数のキイロスズメバチ幼虫も同じくハリガネムシに体内寄生されていたのかもしれない、と想像しました。
(もちろん、キイロスズメバチ幼虫の大量遺棄事件とハリガネムシの寄生は無関係である可能性もあります。)

もし私が採集しなければ、ハリガネムシに寄生されたキイロスズメバチ♂はヨロヨロと渓流に向かい、入水自殺したでしょうか?
川沿いで待ち構えていれば、そのような宿主操作による異常行動が観察できるのかな?

成虫になったハリガネムシは宿主の脳にある種のタンパク質を注入し、宿主を操作して水に飛び込ませ、宿主の尻から出る。(wikipediaより)

ハリガネムシに寄生された昆虫は生殖能力を失うらしい。
死んだキイロスズメバチ♂を解剖して精巣の状態を調べるべきでしたね。(乾燥標本にしてしまったので無理かも…?)
今回は動揺してしまったので(正直言って確かにグロい!)、次回の宿題です。

ハリガネムシを記念にエタノール液浸標本として保存してみることにしました。
するとハリガネムシはコイル状に丸まりコンパクトになりました。
死んで乾燥すれば針金のようにカチカチに硬くなるらしい。

▼関連記事 
カマドウマ♀に寄生したハリガネムシの最期

エタノール漬けにした後で思ったのですが、脱出したハリガネムシを水槽で飼うことは可能ですかね?
1匹だけでは交尾・産卵行動を見るのは無理ですけど、水中で泳ぐシーンだけでも動画に撮れば良かったですね。(ハリガネムシは皮膚呼吸なのかな?)

『スズメバチの科学』を紐解いてみると、スズメバチの天敵のひとつとしてセンチュウが紹介されていました。
しかし、p65に掲載された写真「キイロスズメバチの体内から現れたセンチュウ」はハリガネムシの間違いではないでしょうか?



陰山大輔『消えるオス:昆虫の性をあやつる微生物の戦略 (DOJIN選書)』p43によると、
ハリガネムシ(線虫とは分類学的には少し異なる類線形動物門に属する寄生虫)も宿主の行動を操作して水辺に向かうことが知られており…(後略)。




つづく→#8:キイロスズメバチ♀による外被の増築と巣口の拡張【6倍速映像】





2016/02/01

体内寄生されて弱ったキイロスズメバチ♂



2015年10月上旬

キイロスズメバチ巣の定点観察#6


巣の下の壁際でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)♂が地面を弱々しく徘徊していました。
日光浴しているようにも見えますが、飛べなかったり歩行がぎこちなく前脚が震えています。
交尾を済ませ寿命が近いのでしょうか?
それとも体内寄生による神経症状なのかな?

撮影後に捕獲し、持ち帰りました。
スズメバチ好きとしては、手元に置いておくための雄蜂の標本を一匹ぐらい欲しかったからです。
そして翌日、私の予想は的中しました!
捨てずに良かった。
この雄蜂を採集したのは「虫の知らせ」だったのかもしれません。
果たして獅子身中の虫の正体は…?

つづく→#7:宿主キイロスズメバチ♂から脱出したハリガネムシ


2015/12/23

夜キアシナガバチの巣に侵入するワラジムシ【暗視映像】



2015年9月中旬・午前3:10

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#10


深夜にキアシナガバチPolistes rothneyi)の巣を訪れ、いつものように赤外線の暗視カメラで撮り始めました。
巣上で寝ている蜂の数は激減して♀2匹のみになっていました。
巣盤の幹に近い側に2匹並んでしがみついています。
新女王かもしれません。

巣盤上を徘徊する怪しい虫を見つけて、一気に緊迫(興奮)しました。
スズメバチ科の巣を訪れる虫、同居する虫に最近興味がある私は、寄生蛾♀が産卵しに来たのか?、それともゴキブリか?と期待しました。

▼関連記事コガタスズメバチの巣に居候するゴキブリ【暗視映像】
予想は外れ、侵入者の正体は新たな珍客ワラジムシPorcellio scaber)でした。
好蟻性昆虫は非常に繁栄していますけど、好蜂性生物の研究はどの程度進んでいるのですかね? 

巣盤を下から見上げると、ワラジムシが育房を活発に這い回っています。
並んで寝ていた2匹のキアシナガバチ♀が同時にぴくりと動いたので、ワラジムシが脚先に触れたようです。
不審な侵入者を見つけて積極的に攻撃したり追い払ったりする様子は見られませんでした。

さて、ワラジムシがアシナガバチの巣で何の用があるのでしょうか?
共生関係とは思いませんが、ワラジムシは雑食性ですから蜂の巣を食害していたら面白いですね。
蜂の子(前蛹)が排泄した糞も育房内に残されているはずです。
確証を得るには、飼育下でアシナガバチの古巣を餌として与えてワラジムシが育つかどうか調べればよいでしょう。
しかし、営巣地のトウカエデの幹には普段からワラジムシが多く見つかることに気づきました。
ワラジムシはあまりにも普通種なので眼中になく見過ごしていましたが、7月下旬の昼間にキアシナガバチの巣を撮った写真でトウカエデの枝先にワラジムシが偶然写っていました。



トウカエデの剥がれかけた樹皮の隙間などに潜んで暮らしている、と考えるのが自然でしょう。
蜂の巣に居候しているというよりも、深夜徘徊中にたまたま蜂の巣に迷い込んだのだと思います。

白色LEDを点灯すると、蜂の足元に潜り込もうとしていたワラジムシは眩しい光を嫌って巣盤天井部に隠れてしまいました。
一方、蜂は照明に対して無反応で、触角を動かしただけでした。
寝ている蜂の目の前をワラジムシが横切っても、キアシナガバチ♀は攻撃しません。
別個体のワラジムシが手前の幹を徘徊しています。
巣に侵入したワラジムシをキアシナガバチが襲わないのは、暗闇で目が見えないからというよりも、ワラジムシを敵視していない(無害という認識で眼中にない)印象です。
屁理屈を言えば、ワラジムシが蜂の巣に安全に潜入するために体表を化学擬態している可能性もありますけど、さすがに妄想が過ぎますかね?
明るい昼間にアシナガバチの巣にワラジムシを乗せてみて排除されるかどうか、導入実験が必要です。
定点観察で巣上のワラジムシを見たのはこの一度きりでした。(昼間は一度も気づきませんでした)

つづく→#11:台風の大雨を巣で耐え忍ぶキアシナガバチ♀


2015/11/11

カマドウマ♀に寄生したハリガネムシの最期

2015年8月中旬

山間部の峠道でカマドウマの仲間(種名不詳)の死骸をヒメギスが食べていました。
いそいそと近づいたらヒメギスは逃げてしまいました。(撮り損ね)
車に轢かれたロードキルのようですが、死骸の横にハリガネムシが干からびて死んでいました。
本で読んだり噂ではかねがね聞いていましたが、憧れのハリガネムシを実際に見るのはこれが初めてでした。
これほど長いハリガネムシがカマドウマの体内に寄生していたとは驚きです。
寄主のカマドウマは産卵管がある♀でした。
カマドウマ死骸のほとんどは、ヒメギスなど屍肉掃除屋(scavenger)に食い荒らされていました。

※ 今日は珍しく動画ネタはお休みで、写真のみです。

【参考リンク】
カマドウマの心を操る寄生虫ハリガネムシの謎に迫る
森と川をつなぐ細い糸:寄生者による宿主操作が生態系間相互作用を駆動する



2015/11/01

夜のムラサキトビケラと美しい後翅


2015年8月下旬・深夜4:00頃

山麓にあるキャンプ場の灯火下でムラサキトビケラEubasilissa regina)を見つけました。
指で触れると逃げ回り、羽ばたいて少し飛びました。
飛翔力が弱いのは、気温が低いせいかもしれません。
最後に一時捕獲し、紫色の後翅に美しい黄色の帯があることを確認できました。
地味な前翅と対照的です。

前後半で別個体(2匹)を撮影。





2015/09/06

稲妻のハイスピード動画



2015年7月下旬

よく晴れて酷暑の日でした。
夕方から遠雷の雷鳴がずっとゴロゴロ♪聞こえるようになりました。
の稲妻も頻繁に光って見えます。

240-fpsのハイスピード動画でも落雷を撮ってみました。(@1:51〜)
一度落雷すると、わだちのようにその通り道に沿って繰り返し落ちる傾向があるようです。
本格的に放電現象を解明するにはたかが1/8倍速のスローモーションでは太刀打ち出来無いのですけど、それなりに楽しめました。

ついでに風で落ち葉が降って来る様子や、波打つような独特の飛び方で画面を横切るヒヨドリ?(@3:35〜4:03)もスローモーションで撮れました。

カメラを雷雨で濡らしたくなくてヒヤヒヤしながらの撮影でした。
やがて雨が降り始めたのですけど、雨雲が逸れてくれたようです。
幸い小雨で済み、激しい夕立にはなりませんでした。






2015/07/03

夜道を走るゲジ終齢幼虫【暗視映像】



2015年6月上旬・午後22:53

農村部の夜道で遭遇したゲジThereuonema tuberculata)終齢幼虫が疾走する様子をシーンを赤外線の暗視動画に撮りました。
指で触れると慌てて逃走するのですけど、持久力がないのかすぐに止まってしまいます。
もしかしてクモと同じく呼吸器官が原始的なのですかね?

白色LEDの照明を点灯してもすぐには逃げません。
採寸代わりに指を並べて写しこみました。
触角を除き歩脚が14対しかないので、成体ではありません。
(ちなみに脚が15対あれば成体です。)

『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』でゲジを調べると、

孵化した幼虫は4対の歩脚をもち,第2期幼虫で5対,その後脱皮ごとに2対ずつ歩脚を増し,第6期幼虫で 13対となる。

『日本大百科全書(ニッポニカ)』によると、

3週間ぐらいで孵化(ふか)した幼虫は4対の歩肢しかないが、脱皮ごとに胴節数と歩肢対数が増えてゆき、約2年を経て成体になる。

という訳で、終齢幼虫だろうと判明しました。(昆虫と違って「齢」で数えないのかな?)

▼関連記事(室内で撮った成体)
夜のゲジ逃走中!【暗視映像】



2015/06/12

緊急アピール!【助言があればお待ちしています】

2015年6月中旬

私事ですが、sigma1920の名義で長年開設してきたYouTubeチャンネルが著作権絡みの?言いがかりをつけられて強制的に閉鎖されてしまいました。

This account has been suspended due to multiple or severe violations of YouTube's policy against spam, gaming, misleading content or other Terms of Service violations.
このアカウントは次の YouTube ポリシーに対する度重なる違反または重大な違反のため停止されています: スパム、誤解を招くコンテンツなどの利用規約違反 

大ショックで怒り心頭ですが、頭を冷やして反論をまとめるために、これからここに下書きを記録しておきます。(推敲中)
二番目に開設したYouTubeチャンネル(sigma1920HD)は幸い無事です。

私の公開した動画がスパムですか? 
身近な生き物の生態動画やハイスピード動画コレクションの一体どこが誤解を招く内容なのでしょうか?
理由がさっぱり分かりません。
心当たりがあるとすれば、著作権絡みの間違った不当クレームの数々です。

映像は全て私の完全オリジナルで、たまに付けるBGMはYouTube側が提供するもの(著作権処理済みの楽曲)を選んだだけなのに…。
BGMを付ける場合、私はいつも動画をアップロードした後で、YouTube上のaudioswapプログラムで音声を入れ替えてきました。
(私はYouTubeの古参ユーザーなので、audioswapという呼び方は古いかもしれません。)
YouTube上での私の活動は全てログに残っているはずですから、私のオリジナル動画にはBGMが一切含まれていないこと、audioswapを利用したことをYouTube側で調べたらすぐに分かるはずです。
楽曲でクレームの付いたYouTube動画からBGMを取り除いたりオリジナルの音声に戻す機能が最近になって提供されました。
「私が求めていた機能はこれだ!」と喜んで、忙しい合間に少しずつ復旧作業をしている最中に突然、最後通告が届いたのです。
皆さんも動画にBGMをつける際はくれぐれもお気をつけ下さい。
著作権処理の済んだ楽曲だと信じてaudioswapを利用したのに、楽曲提供者の都合や気紛れで後日クレームをつけられてしまうのでは堪りません。
「楽曲をこの中から自由に選んで」と言われたから喜んで選んだのに、後になって訴えるとはなんというマッチポンプですかね?
私を狙い撃ちにしたおとり捜査だとしても悪質で、全く意味が分かりません。
私の映像と組み合わせて曲を使われたくないという意向なら、尊重して元の音源に粛々と戻すだけです。

著作権コンテンツとのマッチング判定はYouTubeが機械的かつ自動的に行っているようですが、これまで色々と問題を生じています。
過去に問題になったのは、虫や鳥の鳴き声とかカメラをズームする際のノイズ音です。
動物の鳴き声や羽音は種によってワンパターンで個体差があまりなく、多かれ少なかれ似ています。
たとえば音楽CDなどで鳴き声を効果音として含む曲があります。
おそらくそういう曲と似ているとして、私の撮った生態動画が問題になったことが何度もあります。
動物の鳴き声に著作権や特許が認められてしまうと、動物行動学で音声コミュニーケーションを自由に研究することが不可能になってしまいます。
ヒトの場合でもたとえば、赤ちゃんの泣き声や、拍手の音、扉をノックする音などは誰がやっても似てしまいます。

(最後の二例は、拍手やノックを独創的なリズムに乗せれば立派な演奏とみなされ著作権が発生するでしょう。私がここで言いたいのは拍手やノック音を一発だけで比べる場合、という意味です。)
赤ちゃんの泣き声や猫の鳴き声に対して誰か早い者勝ちで著作権を主張してしまうと、とんでもないことになるでしょう。
この点は改善されたようで、難癖をつけられることは最近減りました。

音声の次は映像について。
テレビ番組やDVD、他人のYouTube作品などから映像をコピーしたり編集して私のチャンネルにアップロードしたことは一切ありません。
「下手の横好き」でも生き物の行動を「自分で撮って動画に記録する」ことを一番の喜びとしているのに、他人の作品を盗用する理由がありません。
個人的に撮った大量の生態動画のアーカイブ(保管庫)としてYouTubeを利用しているので、チャンネルを閉鎖させられるようなリスクを負う理由がありません。
私が開設したYouTubeチャンネル内の動画は全て、私しぐまが撮影、編集、アップロードしたものです。
著作権コンテンツとのマッチング判定はYouTubeが機械的かつ自動的に行っているようですが、色々と問題を生じていることがこれまで分かっています。
もし仮に音声ではなく私の動画そのものが第三者の映像コンテンツとマッチングしているという判定なら、完全に冤罪です。
海外・国内のTV番組に映像素材を提供したことがこれまで何度かあるので、もしかしたらその番組で一部使われた映像を元に本家の私を間違って訴えてきたのでしょうか?
クレームをつけてくる人は、どの番組のどこがどう似ているのか、あるいは一致するのか、ご自身の作品(と称するもの)を具体的に見せてもらいたいです。
比べるものがないと反論のしようがありません。

真の著作権所有者である証拠として、YouTubeにアップロードする前のオリジナルの動画ファイルを提供できます。
私がYouTubeで一般公開している動画の多くは手ブレ補正処理を施した後のバージョンです。
未編集のオリジナル・バージョンにはやや手ブレが残っています。
これを持っているのは世界で私だけです。
当時の撮影メモ(フィールドノート)も提供できます。(クラウド上の文書ファイルなので、いつでも編集可能なため証拠としては弱いですけど、編集履歴が記録として残っているかもしれません。)
「ここで撮った」と覚えているものについては、現地に案内することもできます。
動画と一緒に写真も撮った場合は、その写真データ(EXIF付き)も提供できます。

場合によっては被写体の標本も保存してあります。
以上のような圧倒的な物証を元に、「私が撮った動画である」と主張します。
不当にクレームをつけてくる人には、これは出来ません。

私の動画に広告を付けるようにしている理由は、無料で管理してくれるYouTube(Google)に感謝を示すためです。
大量の知的財産を預けている身としては、YouTubeが倒産したりサービスを停止することが一番困ります。
色々な手練手管を駆使して莫大なPVを稼がない限り、広告収入が雀の涙にもならないことは皆さんご存知の通りです。
私の動画ブログは一般受けのしないマニアックな内容を扱っていますから、毎日ほそぼそと更新したところで閲覧数もたかが知れています。
毎日地道にオリジナルの動画コンテンツを更新することがスパム扱いされるのでしょうか?

2015/03/22

猿害対策としてロケット花火を発射



2014年11月中旬

▼前回の記事
刈田で落穂拾いするニホンザルの群れ【後編】

イネの落ち穂を採食する野生ニホンザルMacaca fuscata)の群れはのどかな光景に見えましたが、夕方になり私が撮影を終えて帰りかけると状況は一変しました。
ニホンザルを山へ追い払うため1台の軽トラックが集落からやって来ました。
農道を走る車の窓から山に向かってロケット花火を発射しています。
既に田んぼには猿の群れの姿は見えず、山へ逃げ帰ったようです。
それでも山の端で停車して何発も連射すると、ロケット花火の白煙が辺りに立ち込めます。
※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。




晩秋の落ち穂拾いという行為そのものに実害はありません。
しかし調子に乗って里に出没されると近くに野菜畑もありますし、農作物を食い荒らされて深刻な猿害となってしまいます。

どうしても山に帰ってもらわなくてはなりません。
賢い猿を相手にロケット花火を射っても、すぐに慣れが生じてしまって(無害と学習して)
イタチごっこになるのでは?と気の毒になります。
▼関連記事 
猿害対策の爆竹の効果
野生ニホンザル♂の爆竹音に対する反応
広い農地の境界に電気柵を張り巡らすのは莫大な費用がかかるでしょう。
「犬猿の仲」を利用して、農村部だけでも犬の
放し飼いを認めてもらえれば一番安上がりに猿害対策できそうな気がするのですけど、何事につけ反対派がいるのでしょう。
ヒトがイヌに咬まれる事故が起きるコストの問題。



宮崎学、小原真史『森の探偵―無人カメラがとらえた日本の自然』によると、
つい50年前までは中山間地の村では、イヌは放し飼いにされているのが普通で、山から村にやって来る野生動物たちを追い返すのは、重要な役割のひとつでした。(中略)だから獣害の増加というのは、イヌの飼われ方の変遷に原因の一端があると僕は思っています。長野県のように放し飼いの特区を設けた自治体があったり、猿追い犬の「モンキードッグ」の育成をしているところもあるけれど、まだまだ認識不足でしょう。これだけ獣害が増えてきているわけだから、イヌの存在を見直す時代に入ってきているはずです。 p271〜275より引用)
長野県に番犬を放し飼いできる特区があるというのは初耳でした。
私もこの方策に賛成です。



都会の方々にお願いしたいことは、田舎にドライブに来て観光地などの道端や山林で野生ニホンザルに出会っても「かわいい〜♪」と餌を与えたり安易に「ふれあい」を求めたりすることは絶対にしないで下さい。



【追記】
あんずゆき『モンキードッグの挑戦: 野生動物と人間の共存』を読むと、ロケット花火にニホンザル防除効果はあまり期待できないようです。
ロケット花火でサルが逃げるのは、その時だけ。人間が徹底して追い払わないと、サルはまたやって来る。 (p123より引用)

里に下りれば、畑にはクズ野菜が残っていて、それはサルにはご馳走。野生動物の食害を防ぐためには、畑にクズ野菜を残したり、ゴルフ場で生ゴミを捨てたりといった、無意識の餌付けを止めることが大切 (p125より)


ふつう、サルは火薬の匂いや、銃の音で逃げるんですけど、少し離れて様子を見ているサルがいて、それがまた戻って来る。 (p128より)

電気柵。サルも最初は針金にふれて、一瞬、びっくりするけど、「大丈夫だ」って学習すると、平気で入ってくる。 (p71-72より)



2015/02/24

杉林の斜光



2014年11月上旬

朝の静謐なスギ林に斜光が射していました。
私にしては珍しく(柄にもなく)フォトジェニック路線のスナップショット映像です。
微速度撮影するとか、林内をゆっくり水平移動しながら撮れば更にドラマチックな映像になりそうです。






2015/01/10

ヤマトクロスジヘビトンボを捕まえた!



2014年6月上旬

山麓に建つ神社の境内でヘビトンボの仲間を見つけました。
祠の柱に止まっていたので、指で押さえると難なく捕獲できました。

捕らえようとすると、大顎でかみついてくる。その攻撃的な姿はまるでヘビが鎌首をもたげるよう。(ヤマケイポケットガイド18『水辺の昆虫』p220より)


このとき実際に手を噛まれたかどうか、覚えていません。
(覚えていないということは噛まれていない気がしますけど、映像では噛まれたので慌てて離したようにも見えます。)
離してやると神社の軒先を元気に飛び去りました。
どうせなら飛び立ちをハイスピード動画で撮ればよかったですね。

帰ってから調べてみると、いわゆるヘビトンボという種類ではなく、ヤマトクロスジヘビトンボParachauliodes japonicus)のようです。
タイリククロスジヘビトンボとの相違点は翅脈で見分けるらしい。



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