2024/04/16

ニホンアナグマの諸活動:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月下旬〜8月上旬

二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴LRを新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 
何か特筆すべき行動があれば個別の記事にするのですが、とりとめもない残り物の行動シーンをまとめました。 
全て夜の活動です。
転出した後の旧営巣地(セット)に一時帰還してうろついたり、巣穴に出入りしたり、など。 
観察歴の浅い私が見落としている行動がありそうですし、念の為に撮れた動画を全て残しておきます。 (我ながら貧乏性ですね…)


シーン0:7/22・午後13:19・晴れ・気温38℃?(@0:00〜) 
シーン1:7/22・午後14:07・晴れ・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/22・午後21:52・(@0:07〜) 右下へ 


シーン3:7/22・午後21:59・気温24℃(@0:16〜) 左へ 


シーン4:7/22・午後21:58・(@0:22〜) 
二次林の林縁を右往左往し、最後は足早に右へ。
腹面に乳首が見えるので、母親♀のようです。 


シーン5:7/24・午後20:01・気温27℃(@0:58〜) 
2日後の晩にニホンアナグマ幼獣が単独でうろついています。 


シーン6:7/24・午後20:01(@1:22〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
左奥の林内を左へ走り去りました。 
その後、左から登場しかけたのに、引き返してしまいました。 


シーン7:7/24・午後20:07・(@1:39〜) 
左へ。


シーン8:7/24・午後20:06・(@1:39〜) 
別アングルの広角映像でも撮れていました。 
奥の灌木林を右から左へ。 
途中でぶつかった灌木が揺れています。 


シーン9:7/26・午前2:59(@1:56〜) 
2日後の未明に登場した成獣は、左右の目のサイズが同じぐらいなので、母親♀ではなくヘルパー♂のようです。 
巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅ぎ、中を点検してから右へ立ち去りました。 


シーン10:7/28・午後20:41・気温27℃(@2:29〜) 
2日後の晩。 
もしかすると、巣穴Lから外に出てきたばかりなのかもしれません。 
獣道を通って右上奥へ。 
幼獣かな? 


シーン11:7/29・午前4:14・気温22℃(@2:58〜) 
幼獣2頭が巣口Lに並んで匂いを嗅いでいました。 
1頭が身を翻して左へ走り、別の兄弟(姉妹)と遊び始めたようです。 
もう1頭も巣口Lから左へ駆け出しました。 


シーン12:8/1・午前2:39(@3:20〜)
長い落枝がアナグマに踏まれて動くことで、左端の死角でうろついているアナグマの動きが、予想できます。 
巣口Rの手前まで来たのに、急に何かに驚いて身を翻し、左へ走り去りました。 
股間に睾丸が見えたので、ヘルパー♂のようです。 


シーン13:8/1・午前2:40・気温24℃(@3:20〜) 
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
左から来て巣口Rの匂いを嗅いだヘルパー♂が、左へ戻って行きました。 
落枝に股間が触れたのはたまたまなのか、それともスクワットマーキング(匂い付け)したのか、よく分かりません。 
しばらくすると、何かに驚いたアナグマ♂が全力疾走で左から右へ横切りました。 
よほど慌てていたのか、獣道の途中で細い灌木の枝にぶつかりポキッと折れる音が聞こえました。 


シーン14:8/3・午後19:23・(@4:00〜) 
2日後の晩に、はしゃぎ回る幼獣3頭の群れが写りました。 
1頭は巣口Rの匂いをクンクン嗅いでいます。 
右へ次々と駆け出しました。 


シーン15:8/3・午後19:33・気温29℃(@4:27〜) 
やんちゃな幼獣2頭が巣穴Lへ戻ってきたと思いきや、再び追いかけっこしながら獣道を走り去りました。 


シーン16:8/3・午後20:01・気温26℃(@4:27〜) 
幼獣?の単独個体が出巣Lしたばかりのように見えますが、走って巣口Lに戻ってきて中を点検しただけかもしれません。 
右へ。 


シーン17:8/4・午前0:53・気温23℃(@4:51〜) 
翌日の深夜に幼獣が単独で左へ。 
どこから現れたのか不明です。(出巣L直後なのか?) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




ネジバナの花から飛び立ち獲物を捕食するナツアカネの未成熟♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午後14:30頃・曇りときどき晴れ 

山麓の水路沿いの小径に咲いたネジバナ花序の天辺に未成熟のナツアカネ♀(Sympetrum darwinianum)が止まっていました。 
翅を深く下げて休んでいます。 
右中脚の先(跗節)が欠損している個体でした。 
狩った獲物に必死で反撃されて足先を噛み千切られたのかもしれません。
今回初めて知ったのですが、図鑑『日本のトンボ』によると、ナツアカネ♀は翅の基部に橙色斑が現れる個体もいるとのこと。 

頭部をグリグリ動かして大きな複眼で上空を油断なく見張り、何か他の昆虫が飛来すると直ちに飛び立ちます。 
獲物を待ち伏せする上でこのネジバナはお気に入りの止まり場らしく、飛び立ってもすぐに同じ花序に戻って来ます。 
ネジバナに訪花すると言っても、花蜜や花粉が目当てではありません。
花に止まる向きにはこだわらないようです。 
ちなみに、この株は右回りにねじれて咲く螺旋花序でした。 (野生のネジバナで螺旋の向きは、右回りと左回りの株が1:1で見つかるらしい。) 

この個体がネジバナの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:17〜1:13) 
ナツアカネ未成熟♀は、左上を見上げてから飛び立ちました。 
離陸直前にフェイントをかけるように、スクランブル発進の角度を変えたのが興味深く思いました。 
上空を高速で通り過ぎる獲物に対応して、軌道を先読み(高速軌道計算)したのでしょう。 
すぐに同じネジバナに戻ってきて着陸。 
前回とほぼ同じ方向に止まりました。 
しっかり横を向いてくれたときにトンボの口元に注目すると、獲物を咥えてなかったので、狩りには失敗したようです。 

狩りに成功したシーンは高画質のFHD動画で撮れていました。 
ネジバナの天辺から飛び立って戻ってきたナツアカネ♀は、口に何か小さな黒っぽい昆虫を咥えていました。 
その場でムシャムシャと獲物を咀嚼して捕食します。 
食事に脚を使うことは全くありません。 
この獲物を食べ終える前に、ナツアカネ♀が再び飛び立ちました。 
今回の狩りは失敗したようです。 (獲物に逃げられた)
食べかけの獲物を咀嚼し続けて、完食しました。 
捕食中に、手足を使わずに口の動きだけで、獲物の食べられない翅を落としました。 
この食べ残しを拾ってじっくり調べたら、獲物の正体が大まかにでも突き止められたかもしれませんね。 
後半は、狩りの成功シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:19〜) 

このナツアカネ♀個体は観察の後半になると、ネジバナの花から移動して近くの下草(イネ科)に止まり直しました。 
後ろ向きでは口元が見えず、狩りの成否が不明です。 
それでも背側から撮れたので、順番を入れ替えて冒頭シーンに採用しました。 
周囲の林からミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)♂の鳴く声♪が聞こえます。 


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2024/04/15

夏の夜に渓谷をペアで渡る野生動物の正体とは?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

 2023年7月上旬・午前0:20頃・ 




里山の渓谷(沢の源流部)が厳冬期に雪崩で埋もれると、そのスノーブリッジを野生動物が恐る恐る渡っていました。 
春以降も引き続き定点観察したかったのですけど、運用しているトレイルカメラの台数が足りなくなり、泣く泣く撤去しました。 
他所のプロジェクトがようやく一段落ついたので、夏の渓谷を再び無人センサーカメラで監視することにしました。 
低山なので、谷底の万年雪が雪渓として夏まで残ることはありません。
夏には両岸の切り立った崖を登り降りして沢を渡る野生動物の足跡や蹄跡が獣道に残っています。(フィールドサイン) 
有蹄類のニホンカモシカやニホンイノシシが渡る場合は、「義経の鵯越の逆落し」のような迫力のある動画がトレイルカメラで撮れるのではないかと期待しました。 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮れた現場の様子なのですが、サイケデリックなモアレが生じてしまいました。 
こんな症状は初めてです。 
古いトレイルカメラを騙し騙し使い続けてきたのですけど、いよいよ寿命なのかも知れません。
 (トレイルカメラのmicroSDカードを挿し直して電源を再起動すると症状が直ることが分かりました。) 
カメラを設置しながら試写したつもりなのに、夏の日差しが眩しすぎてカメラの液晶画面がよく見えず、ほとんど勘だけでアングルを決めました。 
こういうときの対処法として、液晶画面を覆う日除け(液晶サンシェード)を後に自作することになります。 
幸い、夜の暗視映像には影響を及ぼしませんでした。 

7月上旬の深夜にカメラが起動したときには、謎の野生動物が2匹、V字状の渓谷(高低差約4〜5m)を渡る途中でした。 
此岸(右岸)の崖を下りて谷底の沢を渡河する様子は撮れていませんでした。 
対岸(左岸)の急な崖を2頭の獣が前後して直登しています。 
先行して崖をよじ登っている個体が途中で振り返り、後続個体と鼻を突き合わせて励ましたようです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
旧機種のトレイルカメラは赤外線LEDの光量が弱くて、あまり遠くまで届きません。 
強引に明るく加工したので暗視映像の画質が粗くなってしまいました。 
そのため、動画を何度見返しても、謎の野生動物の正体が分かりません。 
ほとんど白く光る目しか見えません。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の♀♂つがいか、あるいはニホンカモシカCapricornis crispus)の母子かもしれません。
タヌキは険しい崖の途中でわざわざ立ち止まったり引き返したりしないような気がします。 

画質があまりにも酷い動画なので、個人的な備忘録としてブログ限定の公開としておきます。
いつか新機種のトレイルカメラを設置し直して再チャレンジするつもりです。 
冬はまだしも草木が生い茂る夏は特にトレイルカメラをきわめて設置しにくい場所なので、何か斬新な作戦を考えないといけません。

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