2024/01/03

シャクの花蜜を吸うセスジハリバエ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年5月中旬・午後15:45頃・くもり 

ニセアカシアを主体とする河畔林の林床に咲いたシャクの群落でセスジハリバエTachina nupta)が訪花していました。 
風で激しく揺れるシャクの花序にしがみついたまま、口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。 
この白い花を、あやうくドクゼリと間違いそうになったのですけど、同じセリ科でもこの植物はシャクのようです。 

樹々が展葉した林床は薄暗い上に、激しい風揺れに悩まされました。 
虫撮りには最悪の条件です。
ハエ類は敏感なので、私が手でシャクの茎をつまんで揺れないように押さえようとすると逃げてしまいます。 
「シャクに触わるなぁ…。」 

セスジハリバエがシャクの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:51〜) 
スーパースローで見ると、ひどい風揺れも気にならなくなります。 
ところがハイスピードモードに切り替えたら風が収まり、ハエがなかなか飛んでくれなくなりました。 (マーフィーの法則) 
それでも愚直に撮り続けたら、身繕いのシーンが撮れました。 
左右の前脚を互いに擦り合わせています。 
ようやく花序の上で方向転換してから、隣の花序に飛び移りました。
足を伸ばせばなんとか渡り歩ける距離なのに、わざわざ飛んで移動しました。
足場が風で揺れるので、バランスを取るために羽ばたいているのでしょう。

カワラヒワCarduelis sinica)の鳴く声が聞こえますね。

2024/01/02

早朝に営巣地の林内で排便するニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ】

 



2023年5月中旬 

シーン1・5/20・午前5:44・気温14℃(@0:00〜)日の出時刻は午前04:22。 
新機種のトレイルカメラのおかげで、自然光下でニホンアナグマMeles anakuma) の体色が撮れていました。 
これまでモノクロの暗視映像ばかり見てきたので、なかなか新鮮です。 
右手前に巣穴Rが、左奥に巣穴Lがあるのですが、手前に生えた灌木が邪魔で巣穴Lは隠れてよく見えません。 
マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)などの若葉の新緑が鮮やかです。 

広場の奥に行ったアナグマが林床にしゃがんで排便していました。 
現場で私が探しても、アナグマの溜め糞場がどうしても見つからないのが不思議です。 
糞虫の活動が活発なのかな?
タヌキと違ってアナグマはしっかり形に残る固形糞ではなく泥状の下痢便を排泄するからでしょうか。

地面の匂いを嗅いだり体を掻いたりしながら、営巣地(セット)にゆっくり歩いて戻ります。 
巣口Rに入りかけたものの、何を躊躇しているのか、念入りに匂いを嗅ぎ回るだけです。 
まさか監視カメラを警戒しているのでしょうか? 
やがて、トレイルカメラの死角になるよう茂みの背後に隠れてしまいました。 


シーン2・5/20・午前5:45・(@1:41〜) 
つづきは別アングルの旧機種で撮れた映像に切り替えます。 
奥の巣口Rで辺りをキョロキョロ見回してから、座って体をボリボリ掻き始めました。 
少し右に移動してから、画面の右端で毛繕いを続けています。 
この映像を見る限り、この個体は首筋に白斑が無いのでヘルパー♂のようです。 


※ 後半は編集時に自動色調補正を施しています。 


田んぼで代掻きするトラクターを利用して虫を捕食するムクドリとハクセキレイの群れ(野鳥:オートライシズム)

 

2023年5月中旬・午後16:45頃・晴れ 

雪国の田園地帯に水入れが始まり、田植えに備えてトラクターが代掻きしていました。 
作業するトラクターの近くに珍しく野鳥が集まっています。 
ムクドリSturnus cineraceus)の群れの他にはハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)1羽の姿を認めました。 
稲刈り後の刈田は水を抜かれて乾田でした。 
急に水没した上に泥土を撹拌されて溺れそうになった虫を鳥が捕食しに来たのです。 

トラクターが轟音を上げて通り過ぎた直後にムクドリやハクセキレイが飛来して、撹拌したばかりの泥濘に虫がいないか探して啄んでいます。 
獲物はケラやミミズなどと思われますが、映像では遠くてしっかり確かめられませんでした。 
泥の上に浮かぶ藁などに乗れば、ムクドリやハクセキレイはほとんど泥に沈まないで立つことができます。 
トラクターが近づくと、その前方に居た個体は横の畦道に飛んで一時避難してやり過ごします。 
 動画ではスズメの鳴き声も近くから聞こえますけど、スズメは水入れ直後の田んぼに来ませんでした。

代掻き作業中のオートライシズム(片利共生の採餌行動)を実際に観察できたのは今回が初めで、いたく感激しました。 
この採餌行動を撮りたくて、ここ何年も私はしつこく田んぼのトラクターを注視していたのです。 
鳥の本や写真集に載っているのに、オートライシズムをなかなか観察できないというのが私の実感です。
 (トラクターが田畑で作業していても、鳥がその周りに必ずしも群がるとは限らない。)
当地の野鳥はたとえ人里近くで暮らすシナントロープでも農民やトラクターをひどく恐れてなかなか近寄ろうとしないのでしょうか?
あるいは、長年の農薬使用によって田んぼで暮らす虫の数が激減しているのではないか?と疑っています。 
過去に遡るのは無理ですけど、有機農法(減農薬)の田んぼで比較すれば検証できるはずです。


関連記事(4、5、7年前および1ヶ月後の撮影)▶  



※ 動画編集でモザイク処理を練習するため、動き回るトラクターのナンバープレートをモザイク処理してみました。 
動体追尾機能(モーショントラッカー)に頼るよりも、手動でちまちまと数フレームごとにモザイク範囲を指定する方が結局は早いですね。 
Kdenliveを使って編集している私が今回参考にした動画がこちら↓。 


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