2023/12/27

雨の降る朝夕に巣穴へ出入りするニホンアナグマ【トレイルカメラ】

 



2023年5月中旬 

雨の降る朝夕にニホンアナグマMeles anakuma)が巣穴に出入りする様子をまとめました。 
薄明薄暮の時間帯です。
アナグマは雨が降っても活動するようです。


シーン1:5/14・午前4:37・(@0:00〜)日の出時刻は午前4:27。 
日の出直後にトレイルカメラが起動すると、小雨がぱらついていました。 
手前の巣穴Lから出てきたと思われるアナグマが、奥の巣口Rの手前で身震いしてから入りました。 

その少し後にキジ♂(Phasianus versicolor)が近くの農地(または休耕地)でケンケーン♪と勇ましく鳴いて縄張り宣言する声(母衣打ち)が聞こえました。 


シーン2:5/19・午後17:32・(@0:19〜)日の入り時刻は午後18:48。 
5日後の夕方も雨でした。 
近くの田畑でトラクターが土を耕しているようで、振動・騒音が持続的に響いています。

小雨が降る中、アナグマが巣穴Rから出て右へ立ち去りました。 
♀なのかヘルパー♂なのか、性別不明です。 


シーン3:5/19・午後17:34・(@0:31〜) 
出巣Rすると、右へ立ち去りました。 


シーン4:5/19・午後17:37・(@0:48〜) 
出巣Rすると、身震いしてから右へ。 


シーン5:5/19・午後17:40・(@1:01〜) 
出巣Rすると、身震いしてから獣道を歩いて手前へ(画面の右下隅へ)。 


シーン6:5/19・午後17:44・(@1:21〜) 
出巣Rしたアナグマが身震いしてから、広場を経由して獣道を左へ。 


入巣Rのシーンが撮れてないのに、巣穴Rから出てくるアナグマが連続で5回も撮れたのが、まるで手品を見せられているようです。 
私は未だアナグマの個体識別をしっかりできていないのですが、まさか5頭以上の♀が同じ巣穴に同居していて、次々に出巣Rしたのでしょうか? (そんな馬鹿な!) 
私の知らない別の巣穴からも出入りしているとしたら、登場個体が重複してるかもしれません。 
トレイルカメラのセンサー感度など技術的な問題で、入巣Rシーンを撮り損ねているだけという気もします。 
別アングルに設置したもう1台のトレイルカメラには撮れていませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


スズメバチの巣よけのダミー?

2023年11月中旬 

民家の庭木に奇妙な物体が紐で2つ吊り下げられていました。 
茶色のガムテープを丸めた物体です。 
その家の人が不在で質問できませんでしたが、おそらくコガタスズメバチVespa analis insularis)の丸い巣を模したダミーを自作したのではないかと想像しました。 
中に防虫薬剤が含まれているのかもしれません。 
果たしてスズメバチの創設女王に対して営巣忌避効果があったのでしょうか? 

最近ホームセンターや通販などで売られている類似商品には表面に鱗模様が印刷されていて、スズメバチの巣の外皮に擬態しています。 
しかしダミー(フェイク)の巣を吊るしても、個人的には「気休めやおまじない程度にしかならないのでは?」とその効果に懐疑的です。 
機会があれば検証実験してみたいものです。
宣伝通りの効果があるのであれば、もちろん朗報です。

どうせなら実際にスズメバチの古巣を採集しておいて、営巣して欲しくない場所にそれを吊るすのはどうでしょう?
スズメバチは古巣を再利用して住み着くことはありません。
古巣には寄生蛾などが同居しているはずですから、スズメバチの天敵が増えることが期待できますし、本物の古巣の近くにはわざわざ営巣しない気がします。

関連記事(14年前の撮影)▶ コガタスズメバチの巣に寄生する蛾の幼虫
 

ハルジオンの花で後食するアカムネハナカミキリ

 

2023年5月中旬・午後15:00頃・晴れ 

川沿いの土手に咲いたハルジオンの群落で見慣れないカミキリムシが訪花していました。 
花粉や花蜜を食べているようです。(後食行動) 
後半は細い舌状花の花弁に付着した花粉を舐め取りました。 
風揺れが酷いため、ハルジオン頭花の茎を左手で押さえながら動画に撮りました。 
太陽を背にして撮影を始めてしまったので、カメラの影が被写体にかぶらないように苦労しました。 

私が手を離したら、飛び去って見失いました。 
飛翔シーンを撮り損ねたのが残念です。 

家に帰ってから図鑑で調べてみると、おそらくアカムネハナカミキリMacropidonia ruficollis)だろうと判明。 
他に候補となったホタルカミキリは触角がもっと短いですし、外来種で近年問題になっているクビアカツヤカミキリは鞘翅がもっと黒光りしているはずです。 
ところが、アカムネハナカミキリはかなり珍しい種類なのだそうです。
山地に生息するが、生息地は極限られ、確実に見られるのは長野県の1ヶ所のみという珍しいカミキリムシ。(「とある虫屋のむし写し」サイトより引用)
撮影現場は平地の川沿いですし、食樹のクロツバラという植物を私は全く知りませんでした。 
近くの河畔林で最近になってニセアカシアを大量に伐採したので、それに誘引されたのかな?と想像してみたのですが、見当違いだったようです。 
他にはノイバラの藪が生えていますが、そもそもクロツバラはバラ科ではなくクロウメモドキ科に属するらしい。 
山形県にアカムネハナカミキリは生息しないのかと心配になってネット検索してみると、山形県立博物館に標本が収蔵されていることが分かりました。 
胸部のきれいな赤色が死後は退色してしまうようです。 
県のレッドデータブックには絶滅危惧種として登録されていません。
今思うと、採集すればよかったですね。

鈴木知之『新カミキリムシハンドブック』でアカムネハナカミキリについて調べると、
ヤマボウシやノリウツギの花上で得られた記録はあるが、通常、花には集まらない(飼育下ではクロツバラの花粉をよく食べた)。(p33より引用)
今回ハルジオンの花粉を食べたのは、珍しい後食行動だったのかもしれません。

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