2021/11/30

仰向け状態から起き上がれないシロテンハナムグリの謎

 

2021年8月下旬・午後13:40頃・くもり時々小雨
前回の記事:▶ イチジクの熟果を舐め枝を登るシロテンハナムグリ

イチジク(無花果)の熟果に群がっていたシロテンハナムグリ(Protaetia orientalis submarumorea)2匹を手掴みで捕獲しました。 
初めの1匹はうっかり掴み損ねて地面にポロリと落ちてしまいました。 
捕獲したもう1匹を平らな岩の上に置いて腹面を観察しました。 
腹面も金属光沢ですが、この日は天気が悪いので輝きがいまいちです。 

私は甲虫を仰向けにした時にどうやって自力で起き上がるのか、観察するのが子供の時から密かな楽しみです。 
起き上がれなければそのまま力尽きて死んでしまいますから、昆虫にとって死活問題です。 
甲虫はそれぞれの体型に適した方法で起き上がります。 
進化の過程で生き残ってきたということは、必ずや自力で起き上がる方法を編み出しているはずです。 
これまで色々な種類の甲虫で起き上がり運動を少しずつ動画に撮りためてきました。
横に寝返りを打つ種類もいれば、コメツキムシなどはパチンと跳ねて起き上がります。
AIBOやASIMOなどロボット開発でも起き上がり運動は重要です。

今回のシロテンハナムグリは仰向けの状態から起き上がろうとジタバタもがくものの、いつまで経っても起き上がれませんでした。 
この個体はなぜか脚の爪先(跗節)がなぜか欠損しており、そのため岩の表面に爪先がひっかからないようです。 
この動画はボツだな…と思いつつ、仰向けのシロテンハナムグリを元に戻してやって解放しました。
しかし、これはもしかして面白い問題ではないかと思い直しました。

テントウムシやカツオブシムシなど丸い体型の甲虫は、仰向けにされると足が地面に届かないので、翅を開く力を利用して後転するように跳ね起きます。 
関連記事(7、15年前の撮影)▶ 
ハナムグリの仲間は鞘翅を閉じたまま後翅だけ羽ばたいて飛ぶことで有名です。
したがって、起き上がり運動のために鞘翅を開く筋力が退化しているのではないか?と後になってから思いつきました。 
つまり、ハナムグリは翅の力で起き上がる方法を使えないのかもしれません。 
この仮説を検証するために、もっと多数の個体で実験すべきでしたね。 
翅が使えないハナムグリはどんなやりかたで起き上がるのでしょうか?
しかしこのとき小雨が降り始めてカメラを濡らしたくなかったのと、尿意を我慢していて近くのコンビニに早く行きたかった私は、じっくり落ち着いて観察できませんでした。 
次回ハナムグリ類を見つけたら、重点的に起き上がり運動を調べてみることにします。

タヌキの溜め糞で吸汁するキンバエの一種♂

 

2021年8月下旬・午後14:20頃・晴れ 

山道に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞にキンバエ♂(Lucilia caesar)の仲間が来ていました。 
金緑色(メタリックカラー)の構造色に輝くきれいなハエです。 
背側から見下ろすと口吻の動きが分かりにくいのですが、口吻を伸縮させて新鮮な糞の表面を舐めています。 

他には多数の微小なアカアリ(種名不詳)が溜め糞の上を這い回っていました。

2021/11/29

夏の田園地帯を飛ぶダイサギ(野鳥)

 

2021年8月下旬・午前6:25頃・晴れ 

広大な田園地帯の上空を白鷺が優雅に飛んで行きます。 
おそらくダイサギArdea alba)だと思います。 

長い後脚は真っ直ぐ後ろに伸ばし、空気抵抗を減らしているようです。 
力強く羽ばたくだけでなく、滑空も織り交ぜて、省エネ飛行しています。 
最後は旋回しながら滑空し、水田(農道?)の端に着陸しました。 
すぐに餌を求めて歩き始めました。

白鷺が裏山を背景に飛び去る姿を手持ちカメラで流し撮りしました。 
ときどき流し撮りの練習をしておかないと、いざというときに鈍って実践できなってしまいます。 
被写体の行く先や飛行経路が予想できていれば、予め下半身をねじっておき、被写体を流し撮りしながら体のねじれを解放する、という撮影テクニックがあるそうです。
某テレビ番組で撮り鉄(鉄道オタク)さんに教わりました。
しかし、列車と違って野鳥はどこに飛んで行くか予想するのが困難です。

いつものように動画編集時に手ブレ補正処理したところ、副作用で少しギクシャクした映像になってしまいました。
空など背景の情報が少ないときにこの症状が出てしまいます。

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