2019/11/14

夕方に電線で親鳥に餌乞いするハシブトガラス幼鳥(野鳥)



2019年6月中旬・午後18:10頃

街なかの電線で2羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が並んで止まっています。
手前の幼鳥が翼を持ち上げて羽ばたきながら、隣(奥)の親鳥に甘えた鳴き声で餌乞いしていました。
実は撮影中は遠近感がよく分からず、電線上でカラス♀♂が交尾しているのかと早とちりしてしまいました。
映像を見直すと、2羽のカラスは電線に並んで止まっていてマウントしておらず、交尾ではありませんでした。
給餌してもらえなかった幼鳥が隣の電線に飛び移り、離れて行ったのですが、喉袋が膨らんでいたので食べ物の心配は無さそうです。

電線に残った親鳥が嘴を足元の電線に擦り付けました。
その後は電線上で向きを変え、澄んだ声でカーカーと鳴きました。♪
目の前を飛び回る小さな虫(ハエ? 蚊?)を嘴で素早く捕食しようとしたものの、逃げられました。(@0:32)

奥の電柱の天辺にも2羽のハシブトガラスが止まっていました。
1羽は喉袋に食料を一杯に詰め込んでパンパンに膨らんでいます。
もう1羽の幼鳥が隣で餌乞いしても給餌してもらえず、親鳥?はピョンピョンと辺りを跳びはね、最後は飛び去ってしまいました。

夕暮れの逆光で嘴の中の色を確認できないため、幼鳥/成鳥をしっかり見分けることができませんが、巣立った幼鳥に親鳥が無条件に巣外給餌するとは限らないようです。
(餌乞いしたのは幼鳥同士である可能性もありそうです。)
この時期にカラスがどこで夜を過ごすのか、ねぐらの場所も突き止めたいのですが、なかなか手が回りません。

※ 動画編集時にいつものように手ブレ補正処理を施したら、曇天で背景の情報が乏しいために却って不自然な映像になってしまいました。


アカメガシワで訪花中のクマバチに誤認求愛するオオハキリバチ♂



2019年7月下旬

民家の裏庭に植栽されたアカメガシワの雌株で花が咲くと、花蜜目当てに今年も多数のハナバチが集まって来ていました。
雌花には雄蕊がありませんから、ハナバチは花粉を集めることはできません。

▼関連記事(丁度1年前の撮影)
アカメガシワ雌株の花蜜を吸いに集まるクマバチ♀

おそらく♀と思われるキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)がアカメガシワの雌花で吸蜜して回るシーンを動画に撮っていると、その周囲ではクマバチより遥かに多数のオオハキリバチ♂(Megachile sculpturalis)がブンブン飛び回っていました。
顔が白く腹端が丸いのがオオハキリバチ雄蜂♂の特徴です。

訪花中のクマバチに背後からオオハキリバチ♂が続けざまにぶつかってきました。
オオハキリバチ♂同士でも空中で出会い頭にごっつんこしています。
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。

この時期は花が咲いた様々な樹木の周囲でオオハキリバチ♂の群飛をよく見かけます。
頻繁に♂同士がぶつかり合ったり別種のハナバチにぶつかったりする行動を観察する度に、私は一貫して「焦りから来る誤認求愛」だろうと勝手に解釈してきました。

▼関連記事
キササゲの花で探雌飛翔し♂同士で誤認求愛するオオハキリバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】

古い本ですが『無名のものたちの世界III:エソロジカル・エッセイ』(1980)p40〜p70に収録された佐々木陽一『オオハキリバチの交尾戦略―♂はどのようにして♀を獲得するか』という総説を久しぶりに読み直すと、その解釈への自信が揺らいできました。
筆者はオオハキリバチに巣箱を用意してやり、その周囲で繰り広げられる配偶行動およびそれに先立つ♂間の激しい闘争を個体識別して克明に調べ上げています。
ビデオやハイスピードカメラも無い時代になされた見事な研究成果です。
オオハキリバチ♀は羽化の直後に一度しか交尾しないらしく、♂は気が立っていて喧嘩っ早いようです。
オオハキリバチは♂が♀よりも先に羽化する雄性先熟なので、これから羽化する♀の巣穴を見つけるとその横で♂が何日間も待ち伏せするのだそうです。
♀が羽化して来るまでその待機場所を巡って♂同士が激しく争い、勝負は体格で決まるのだそうです。(大型の個体が圧倒的に有利)
それなのに戦っても勝ち目のない小型の♂個体の方が数が多いのは何故か?という謎を筆者は考察しています。
動物行動学をかじっていれば、小型♂はスニーカー戦略を採るのではないかと私でも予想できます。
しかし筆者は巣箱の周囲で小型♂による特別なスニーカー戦略(♀の横取り)を見ていないようです。

更に少し意地悪なことを言うと、自然界では有り得ないほど密集した巣箱周辺で観察したハキリバチの行動は不自然なところがあるかもしれません。
また、筆者は訪花中のオオハキリバチの行動についてはあまり調べていません。
一方、私はオオハキリバチの営巣行動を定点観察したものの、翌年の羽化および配偶行動は見逃してしまいました。


以上を踏まえて、今回私が撮った訪花中の映像についてもう一度考え直してみましょう。
もしかするとアカメガシワの大木のあちこちに小さな樹洞があり、そこにオオハキリバチの巣があるのかもしれません。

(オオハキリバチの営巣は借坑性。)
そこから処女♀が羽化してくる日まで、多数のオオハキリバチ♂が待機して群飛の状態になっている可能性が考えられます。
つまり誤認求愛ではなく♂同士の排斥行動(闘争)という解釈です。
アカメガシワ樹上で巣の有無を調べたいところですが、他所様の庭木ですから勝手に登る訳にはいきません。
しかし私は、誤認求愛という初めの解釈をどうしても捨てきれません。
巣の周囲では勝ち目のないオオハキリバチの小型♂が採餌のために訪花する処女♀を待ち伏せしているのではないでしょうか。
オオハキリバチの小型♂にとって♀との配偶行動は出会い頭のスピード勝負ですから、そそっかしく誤認求愛が頻発しても不思議ではありません。


クマバチ@アカメガシワ雌株+訪花吸蜜

2019/11/13

空のペットボトルを拾う野生ニホンザル



2019年7月下旬

山麓に広がるスギ林の林床でニホンザルMacaca fuscata fuscata)3頭がふざけたりしながら林の奥に遊動しています。

1頭が林床に落ちていた空のペットボトルを見つけて匂いを嗅ぐと拾い上げました。
キャップが閉まった空ペットボトルを抱えて少し遊動したものの、すぐに興味を失い途中で捨てました。

スギ樹上に登っていた別個体も横枝から飛び降り、仲間の後を追って走り去りました。

今さら私が言うまでもありませんが、山中でプラスチック系のゴミを捨ててはいけません。
ゴミは家に持ち帰り、正しく処分しましょう。


ニホンザル@スギ林床+空ペットボトル拾得

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