2018/05/04

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガードと性的共食い



2017年10月上旬

田んぼでは稲刈りが始まっていました。
農道沿いに繁茂するセイタカアワダチソウの群落を見て歩くと、花が咲く前(蕾の状態)の花穂に止まっているアカオニグモ♂(Araneus pinguis)を発見。
黒くて複雑な形状の触肢が発達しているので、交接可能な成体です。
その左側の株では葉や蕾の花序を糸で綴り合わせた隠れ家があり、中には大型のアカオニグモ♀が潜んでいました。
セイタカアワダチソウの株間に張り渡した網は強風でほとんど壊れていました。
おそらく♀亜成体が脱皮して成体になるまで♂が辛抱強く待っているのでしょう。(交接前ガード)
アカオニグモ♂の居るセイタカアワダチソウの茎は♀の作った網から糸で繋がっていませんでしたが、おそらく強風でセイタカアワダチソウ群落が激しく揺れたせいで糸が切れてしまったのだと思います。


▼関連記事(1年前の撮影)
アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード

クモ生理生態事典 2016』でアカオニグモの項目を参照すると、「交尾は8月,9月には 雄は見られない」とありますが、今回の記録はそれに対するささやかな反例になります。
地方によって出現時期にズレがあるのでしょう。

このアカオニグモ♀♂ペアを採集して飼育下で配偶行動を観察しようか迷ったのですが、この日の私は病み上がりで余力がありませんでした。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♂(蜘蛛)@セイタカアワダチソウ花穂+交接前ガード
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂・全景
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂
アカオニグモ♀亜成体(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ花穂


10日後(10月中旬)に再訪すると、交接前ガードしていた♂の姿が見えなくなっていました。
興味深い配偶行動を見逃してしまったようです。


同じ農道沿いでセイタカアワダチソウ群落のラインセンサスをすると、別個体のアカオニグモ♀が潜む隠れ家を新たに見つけました。
糸でラッピングされた小型のクモに噛みついて吸汁しています。

写真をよく見るとその獲物は腹部が黄色くて、どうやらアカオニグモ♂のようです。
(ムツボシオニグモの可能性は? ラッピングを取り上げて確認すべきでした。しかしムツボシオニグモがわざわざ他種の網に侵入する理由は無いでしょう。)
交接の成否は不明ですが、性的共食いが行われ♂は♀の餌食になってしまったようです。
私がもう少し早く見つけていれば、興味深い配偶行動の一部始終を観察できたかもしれません…(残念無念)。


アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)
アカオニグモ♀(蜘蛛)@隠れ家:セイタカアワダチソウ+♂捕食(性的共食い)・全景

2018/05/03

池を歩きながら排泄するダイサギ【ハイスピード動画】(野鳥)



2017年10月中旬

水深の浅い溜池をダイサギArdea alba)が歩いて横断しています。
飛び立ちあるいは魚を捕食する瞬間を記録しようと240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
私の予想は外れたものの、その代わりに偶然、ダイサギの排泄シーンが撮れていました。

浅い池を歩いていたダイサギが一瞬立ち止まって液状便を排泄しました。(@0:30〜0:34)
その後ダイサギは何事もなかったように渡渉を再開。

ちなみに歩行シーンをスローモーションでよく見ると、ハトのように首振り歩行しています。
長い足を交互に前へ踏み出す度にダイサギは長い首の筋肉を使って頭部を前後に動かしています。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


セイタカアワダチソウの花で吸蜜するイカリモンガ(蛾)



2017年10月下旬

農道沿いに咲いたセイタカアワダチソウの群落で昼行性のイカリモンガPterodecta felderi)が訪花していました。
多数のハナアブ類に混じり、吸蜜しています。
イカリモンガはいつものように翅をしっかり閉じたまま花序を歩いて少しずつ移動しながら花蜜を吸って回ります。
複数個体(2頭a,c)を撮影。

この組み合わせは2年前にも撮影していますが、あのときは夕方だったので訪花と言っても夜に備えて休んでいただけのようでした。
今回は秋晴れの午後という好条件で、イカリモンガが口吻を伸ばして吸蜜する様子をしっかり動画に記録することが出来ました。
むしろ強い逆光に苦労しました。


イカリモンガb(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
イカリモンガb(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜。逆光のため日中シンクロでストロボ撮影

ランダムに記事を読む