2016/12/23

ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便



2016年9月上旬
▼前回の記事
脱皮後に抜け殻を食すウスムラサキイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#4



脱皮して亜終齢になったウスムラサキイラガAustrapoda hepatica幼虫は抜け殻を完食すると、しばらく休んでから食欲が回復したようです。
脱皮した葉裏から隣の葉に移動して、ミズナラの葉を食べ始めました。
それとともに、定期的に排便するようになりました。

脱皮した当日の夜および翌日に撮影した脱糞シーンをまとめてみました。
ラストシーン(@3:25〜)だけは、10倍速の微速度撮影で監視中に撮れたもの。
夜間(室温29℃、湿度57%)は約45分間隔で規則的に排便していました。
肛門がヒクヒクするのが排便の前兆です。
腹端を持ち上げてポトリと脱糞します。
丸い糞が勢い良く放出されます。
これまで様々な種類のイモムシを飼育してきましたが、幼虫の糞の断面は腸の形状を反映したロゼッタ状になるのが普通です。(※追記参照)
一方、ウスムラサキイラガ幼虫の糞は球形で、奇異な印象を受けました。
終齢になれば腸内の襞も発達して糞の形も変わるのでしょうか。

つづく→#5:ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



※【追記】

盛口満『昆虫の描き方: 自然観察の技法II』p102~103によると、
イモムシは小さな体で、栄養価の低い植物の葉から、できるだけ栄養を吸収できるような工夫が必要となる。そのためイモムシは大食漢であったりするが、そのほかにも、栄養吸収の効率をよくするために、腸の断面積を大きくする工夫をしている。イモムシの糞は断面が花のような形になっているのは、このためだろう。






畑を歩き回るセグロセキレイ♀(野鳥)



2016年9月上旬

民家の家庭菜園でセグロセキレイ♀(Motacilla grandis)が徘徊していました。
♀なのか、それとも若鳥なのかな?
カメラを警戒して小走りで茂みの陰に隠れてしまい、期待した採食シーン(虫の捕食)は撮れませんでした。

実は見つけたときに一緒に居た♂は屋根の上に逃げてしまい、これは逃げ遅れた個体です。
冒頭で鋭く一声鳴いたのは、どちらの個体か不明です。



【追記】
藤田祐樹『ハトはなぜ首を振って歩くのか(岩波科学ライブラリー)』によると、
(セグロセキレイの)尾振りは、天敵を警戒している時に頻繁に行なわれることを明らかにした。捕食者に対して、自分は気づいていることを伝えるメッセージだというのだ。(p106より引用)



隠れ家から出て散歩するヤハズハエトリ♂(蜘蛛)



2016年9月上旬

用水路や湿地帯に近い道端の茂みでヤハズハエトリ♂(Mendoza elongata)を発見。
笹の葉が緩く巻いた中に潜り込みました。
すぐにまた外に出てくると、辺りの草むらを徘徊します。
レンズを見上げる仕草が可愛らしい。
触肢で葉をリズミカルに叩いているのは何か意味があるのですかね?
近くに居るかもしれない♀に求愛信号を送っているのでしょうか?

後半は跳躍シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ろうとしたのですが、途端に跳んでくれなくなりました…。
最後に同じ隠れ家へ帰還する様子を意味なくハイスピード動画で記録しました。(@3:28〜)
中に筒状住居(巣)があるのかもしれません。
外から葉巻を軽く叩いたり押したりしてクモを追い出しても、しばらくすると戻って来ます。
もしかすると、最終脱皮前の♀が脱皮室に潜んでいて♂が交接前ガードしていた可能性も考えられます。
♂が中に潜り込んだ状態で笹の葉ごと採集しようとナイフで茎をそっと切りかけたら、脱出して逃げられてしまいました…。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

7年ぶりの嬉しい遭遇でした。

▼関連記事 @2009年9月上旬
ヤハズハエトリ♂(蜘蛛)



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