2016年7月中旬
郊外の車道でハシボソガラス(Corvus corone)を発見。
いつものようにクルミ割り行動かと思ったら、どうも違うようです。
横っ飛びで車道を横断したカラスが路肩で何か虫の死骸?を拾い食いしました。
縁石の死角になり、よく見えないのが残念。
残りを嘴で咥えて飛び立つと、真上の電線に止まり直しました。
足で餌を押さえつけ、辺りをキョロキョロ見回しています。
何か針金のような物を嘴の力で伸ばしたので、おそらくミミズが干からびた死骸または車に轢かれた虫の死骸(ロードキル)ではないかと推測しました。
ときどき嘴を足元の電線に擦り付けています。
嘴を半開きにして静止しているのは、暑さに喘いでいるのでしょう。
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スズメ(野鳥)の耐暑法?
犬と同じように鳥類には発汗作用がなく、口を開けて暑さをしのぐ。(『銀座のツバメ』p78より)
最後、ハシボソガラスは水田の方へ飛び去りました。
【追記】
松原始『カラスの教科書』p321によると、
白い鳥は赤外線が浸透しやすく、体温が上がりやすいという研究もあるので、一概に黒いから暑いとも言えない。黒い羽は光線で吸収してしまうので表面温度こそ上がるものの、羽毛の優れた断熱性によって体温自体はあまり上がらないのだとか。
2016年7月上旬
▼前回の記事
イヌガラシの葉を食すカブラハバチの幼虫
水田の畦道に咲いたイヌガラシの群落で葉を食害する2匹のカブラハバチ(Athalia rosae japonensis)の幼虫を接写していたら、フタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis)のワーカー♀が飛来しました。
カブラハバチの幼虫にいきなり噛み付いて狩る瞬間が撮れました!
噛まれた傷口から青緑色の体液が滲んでいます。
(血が赤くないので、ヘモグロビンを含んでいないようです。)
難を逃れたもう一匹の幼虫は葉から擬死落下して緊急避難。
一方フタモンアシナガバチ♀は、落ち着いて肉団子を作れる場所を探して徘徊を始めました。
座っている私の足元に登って来たので窮屈な体勢になり堪らず私が動いたら、蜂は咥えていた獲物を離して飛び去ってしまいました。
刺される!とか身の危険を感じて動いた訳ではありません。(この状況で蜂の方から私を攻撃することはありません)
虎口を逃れたハバチの幼虫は、致命傷からの出血が激しく、助からないでしょう。
短時間に食物連鎖の実例を目の当たりにして、ちょっとした感動を味わいました。
逃げたアシナガバチも、獲物の豊富なこの狩場に繰り返し通って来ることでしょう。
2016年7月上旬
水田の畦道に咲いたイヌガラシの群落で真っ黒なハバチの幼虫を見つけました。
葉縁にしがみついて齧っています。
激しい食害を受けた葉に食痕が残されていました。
幼虫図鑑サイトにて「ハバチ アブラナ科」で検索した結果、3件がヒットします。(セグロカブラハバチ、カブラハバチ、ニホンカブラハバチ)
見比べた結果、肉隆起が無いことからカブラハバチ(Athalia rosae japonensis)の幼虫だろうと判明。
つづく→天敵の登場:カブラハバチの幼虫を狩るフタモンアシナガバチ♀