2016/01/28

巣の外被で寝るキイロスズメバチ♀【暗視映像】



2015年10月上旬・夜21:20頃


キイロスズメバチ巣の定点観察#2


前回の観察から4日後の夜、軒下を見に行くとキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)の巣は寝静まっていました。
赤外線の暗視カメラで撮ると、巣口横の外被に3匹の蜂が静止しています。
その全員が頭を巣口に向けています。
当然ながら夏の暑さも過ぎたこの時期に、扇風行動はやりません。
モンスズメバチとは異なり、昼行性のキイロスズメバチは夜間活動しません。
ストロボを焚いて撮った写真を見直すと、数匹の蜂が自らの体で巣口に栓をするように塞いでいます。
門衛なのでしょう。
キイロスズメバチがこれほど警戒している夜行性の仮想敵は一体何でしょうか?
写真を見る限り、雄蜂の姿はありませんでした。

門限を破って帰宅が遅くなってしまったワーカー♀が巣に入れてもらえずに、巣口の横で泣きながら夜明かししているのだろうか?と擬人化したお笑い妄想を膨らませてしまいました。
巣の中は寝苦しいから涼しい外で寝るほうが好きだという暑がりの蜂がいたりして…?

映像の冒頭で巣の右横にある垂木を謎の黒い昆虫が歩いて巣に接近しているのが目を引きました。(画面右から登場)
コガタスズメバチの巣の外被に潜んでいたゴキブリを思い出して興味深く思いました。
謎の虫はすぐ死角に隠れてしまった上に、この営巣地は高所過ぎて、果たしてゴキブリなのかどうかよく見えませんでした。
なんとなく、長い触角を持つカマドウマのような気もします(自信なし)。
それに応じて外被上左下のキイロスズメバチ♀個体が覚醒し触角を動かしました。

※ 前半のみ動画編集時に自動色調補正を施してあります。

つづく→#3:巣の外被を増築するキイロスズメバチ♀【微速度撮影】



2016/01/27

ヒメクモバチは夜どこで寝るのか?【暗視映像】



2015年10月上旬・夜21:30

境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#8


前回の観察から4日後、ヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)の営巣地を夜に訪れてみました。
赤外線の暗視カメラで撮りながら近づくと、まず一つ目の境界標aにはヒメクモバチ♀aが在巣でした。
蜂は目覚めており、触角だけ動かしています。

私のせいで覚醒してしまったのかもしれません。
昼も夜も泥巣に留まりガードしていることが分かりました。

ヒメクモバチ♀a@泥巣:境界標a

ところが、その隣に並んだ2つ目の境界標bを見ると、♀bは不在でした。
夜はどこか別の場所で寝ているのでしょうか?
特定のねぐらがあるとしたら面白いですね。
翌日の昼間に♀bの無事を確認しました。(生きていました)

泥巣:境界標b-ヒメクモバチ♀b

社会性ハチは夜になると巣で休みます。

例えばスズメバチやアシナガバチの創設女王は単独営巣期であっても夜は初期巣に戻り、一晩中抱卵します。
それに対して単独性狩蜂の♀が巣で寝ないとしても、それ自体は不思議ではありません。

蜂の巣と塒は必ずしも一致しないのです。
例えば夜にジガバチ♀が草の茎を噛んだ姿勢で休むのを観察しました。
ヒメクモバチが夜どこで寝るかという習性に個体差があるようで、興味深く思いました。

つづく→#9:ヒメクモバチ♀bの採土と巣作り



ヤブキリ♀がタラノキの枝で右往左往し身繕い



2015年7月下旬

山間部の道端に生えたタラノキの灌木でヤブキリ♀(Tettigonia orientalis)を見つけました。
タラノキの枝を下から登ってきました。
葉の先に達すると行き止まりと気付き、引き返します。
枝の二股まで戻ると別の枝を登り始めました。
斜めに伸びた枝の下面にぶら下がると静止。
しばらくすると、いつの間にか枝の上面に来ていましたが、その場から動きません。
前脚の先を舐めてお化粧しています。

以前紹介したタラノキの葉を食べていたヤブキリ♀も近くにいましたが、今回の映像に登場する♀は別個体です。



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