2015/06/26

羽化直後に蛹便を排泄するヒオドシチョウ



ヒオドシチョウの飼育記録#13


▼前回の記事 
ヒオドシチョウの羽化【10倍速映像c】

2015年6月上旬・室温25℃・湿度50%

ヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)個体c無印が翅の伸展を完了しました。
次は余分な体液を蛹便(羽化液)として排泄する瞬間を動画に記録するのが今回の目標です。
微速度撮影ではなく、通常(リアルタイム)のHD動画に切り替えました。
午前10:02:00、初めて排便しました。
その瞬間に閉じていた翅を少しだけ開いたのは、おそらく蛹便で翅を汚さないためでしょう。
5分後の10:07:15に再び排便しました。
今回は翅をわずかに開いた状態で静止していたので、排泄の瞬間に翅を動かす必要がなかったようです。
血の色をした雫が水差しのペットボトルを伝い垂れ落ちる様子が撮れていました。
下に敷いた白紙も赤く汚れています。

動画による監視を止めた直後に、今度は透明な液体を排泄しました。

蛹便の色は種類によって異なります。
鱗翅目を幾つか飼育下で羽化させてきた中で、今までこんなに赤い蛹便を他の種類では見たことがありません。
緑色の柳の葉だけを食べて育ったのにこんな赤色を合成するなんて、まるで魔法のようです。
翅の鱗粉に使われた赤い色素の残りなのでしょうか?
(仮説:赤い翅のチョウの蛹便は赤いのかな?)

ちなみに、昆虫の血液はヘモグロビンを含まないため赤くありません。

これまで私が飼育下で羽化を観察した数種類の鱗翅目の中で、ヒオドシチョウの羽化は翅伸展の速度も蛹便を排泄するまでの時間もおそろしく早かったのが印象的でした。

つづく→#14:羽化後の初飛行



サラサウツギの花蜜を吸うニホンミツバチ♀



2015年6月上旬

道端に植えられたサラサウツギ(=ヤエウツギ)ニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
この日、他に訪花していた蜂は、クマバチを見かけたぐらいでした。

毎年定点観察しているこのサラサウツギの木は未だ咲き始めのようで、満開ではありませんでした。
八重咲きは雄しべが変化したものだと最近教わったのですが、確かに花粉の付いた葯が少ないようです。


2015/06/25

ヒオドシチョウの羽化【10倍速映像c】



ヒオドシチョウの飼育記録#12

▼前回の記事
ヒオドシチョウの羽化【微速度撮影a】
2015年6月上旬・室温24℃、湿度52%

ヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)個体c無印が柳の葉裏に蛹化してから11日後に羽化しました。
朝から垂蛹の外側から翅の赤色が透けて見えていたので、羽化に備えてジオラマモードの微速度撮影で監視・記録しました。
今回はデジタル時計(温湿度計付き)を動画に写し込む工夫をしてみました。
垂蛹の背側から撮った10倍速の早回し映像をご覧下さい。
羽化開始時刻は午前09:42でした。
それまで羽化の前兆のような蠕動は見られず、不意に始まりました。
胸背が割れ始めたと思ったら、9:44:23には成虫が蛹からスルリと脱出完了していました。
そのまま抜け殻(羽化殻)に足で掴まり、しわくちゃの翅を伸ばし始めました。
側面を向いてくれたので、翅裏がしっかり見えて好都合でした。
午前9:50には翅伸展も完了。



以下は羽化殻の標本写真です。




つづく→#13:羽化液(蛹便)の排泄


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