2014/07/01

階段下で初期巣を増築するフタモンアシナガバチ創設女王



2014年5月下旬

堤防のコンクリート階段でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)の初期巣を見つけました。
雨が当たらないようオーバーハングの下面に営巣しています。
ちょうど創設女王が巣盤外側の育房を増築しているところでした。
巣材のパルプ団子を使い切ると、身繕いしてから育房を点検して回ります。

ところで、階段一帯に多数徘徊している微小の赤いダニが気になりました。
女王蜂もこのアカダニに気づいているようですが、特に攻撃したり追い払ったりする行動は示しませんでした。
敵視する相手としては小さ過ぎるのかもしれません。
アシナガバチの巣柄には天敵のアリが忌避する黒いタール状の物質が塗布されていますが、黒光りするアリ避け物質はアカダニに対しても有効なのかな?

手鏡を使わないと、初期巣の育房数や卵の状態を確認できません。
今回は急いでいたこともあり、横着して調べていません。



▼つづく
初期巣に離着陸するフタモンアシナガバチ創設女王【ハイスピード動画】

タニウツギの花蜜を吸うセダカコガシラアブ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2014年5月下旬

山道に咲いたタニウツギの花に小さな虻が潜り込んで吸蜜していました。
セダカコガシラアブ♂(Oligoneura nigroaenea)だと思います。
花から出てくる一瞬を捉えるために、240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。

後ろ向きに花から出てくる際に、長い口吻が一瞬だけ見えました。
花筒の長いタニウツギでも口吻を伸ばして正当訪花で吸蜜できるようです。
花筒の入り口よりもタニウツギの雄しべ、雌しべは長く突き出しています。
したがって、受粉を助けるにはこのアブは小さ過ぎる気がします。

映像後半は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
それでも飛び立つ際の羽ばたきは速過ぎてよく見えません。
特徴的な盛り上がった胸部の中には飛翔筋が顕著に発達しているのかな?

満腹した虻は葉に止まって身繕いを始めました。
▼つづく

セダカコガシラアブ♂の身繕いおよび飛び立ち【ハイスピード動画】

図鑑『札幌の昆虫』p187でコガシラアブ科の興味深い生活史を初めて知りました。

孵化した幼虫は若いクモを探し、寄生する。クモの体内に入るとクモが最後の脱皮をするまで成長しない。

『クモの科学最前線』p77によると、
コガシラアブ科のすべての種がクモの内部寄生者であると考えられている。ただし、この科は捕食寄生性ではなく寄主クモを殺さない真の寄生者である。(生活史や寄生戦略の更に詳しい解説あり)



2014/06/30

餌場で小競り合いするヤマトゴキブリ♂♀



2014年5月下旬

餌の争奪戦というほど激しくはありませんが、ちょっとした小競り合いがありました。
古くなった(干からびた)マッシュポテトをヤマトゴキブリ♂(Periplaneta japonica)が食べていると、短翅の♀が近づいてきました。
枯れ葉を踏んだ♀の足音に驚いて♂が少し逃げました。
その隙に♀が割り込んで食事を開始。

♀が餌場から♂を追い払おうとするも、♂はうまく回り込んでようやく餌にありつくことができました。
その間、脚で蹴る軽い闘争行動(牽制)が見られました。
♀は餌場にさほど執着せず、あっさりと立ち去りました。

体長にはあまり性差がない(むしろ長翅の♂が大きく見える)のに、どうも♂は♀に遠慮しているようです。
カカア天下。



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