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2017/12/09

朝ムクドリの大群が高圧線鉄塔の集団塒から飛び去るまで【後編:10倍速映像:野鳥】



2017年8月上旬・午前4:12〜5:25 (日の出時刻は午前4:49)

▼前回の記事
朝ムクドリの大群が高圧線鉄塔の集団塒から飛び去るまで【中編:野鳥】

高圧線鉄塔#30および下の電柱、電線で一夜を過ごしたムクドリSturnus cineraceus)の大群が、夜明けとともに集団塒内で上下に移動したり、少しずつ塒から飛び去る様子を、10倍速の早回し映像に加工してみました。

黒い点々のように見えるムクドリの塒内分布や時間変化に何か法則やパターンが見出せたら面白いですね。

鉄塔の背景となる西の空を流れる雲の動きも味わい深いです。


動画編集した結果、無音となり、せっかくの音声情報(ムクドリの鳴き声)が失われてしまいました。

シリーズ完。



【おまけの映像】
早回し速度を少し落とした6倍速映像をブログ限定で公開します。
このバージョンには、ムクドリの鳴き声などの音声も含まれています。




2017/12/05

イラガ(蛾)終齢幼虫bが作り直した繭の色斑は不鮮明型に【100倍速映像】



イラガ(蛾)の飼育記録#2016-15


2016年10月上旬・午後13:49〜午前00:12

▼前回の記事
プラスチックの壁面で繭を作り損じたイラガ(蛾)終齢幼虫b【100倍速映像】

プラスチック容器の壁面で作りかけた繭が破れてしまったイラガMonema flavescens)の終齢幼虫bをメタセコイアの小枝に移してやりました。
営繭に適した場所を探してゆっくりワンダリング(徘徊)する幼虫をよく見ると、腹面が黄緑からオレンジ色に変色していました。
やはり、この変色は営繭の前兆と考えても良さそうです。
『イモムシハンドブック』や『繭ハンドブック』に掲載されたイラガ終齢幼虫の体長は24〜25mmですが、この個体は体長が著しく萎縮しているのが気がかりです。(と言いつつも、微速度撮影を優先して体長を実測するチャンスを逃してしまいました…。)
営繭に一度失敗したので、絹糸腺が枯渇してしまったのではないかと心配です。
食餌を再開して栄養をつけてから営繭し直すのかと思いきや、繭作りのプログラムが一旦始動してしまうと生理的に後戻りは出来ないようです。

斜めに立てた小枝(メタセコイア)の上面で足場糸を紡ぎ始めました。
イラガの繭がよく作られる小枝の二又部分をわざわざ選んで与えてやったのに、イラガ幼虫は私の親心を知らず、またもやY字状になった部分を営繭場所に選ばなかったのが不思議でなりません。

白い絹糸を吐いて小型な繭を順調に紡いでいます。
粗い網状の繭を作り終えると、次は繭内で回転しながらマルピーギ管に蓄えられていたシュウ酸カルシウムを含んだ白い液体を排泄しました。(@2:41)

次は褐色の液体(硬化剤タンパク質)を口から分泌するも、なぜかイラガ繭に特有の縞模様が形成されません。
コーヒー豆と似た状態のままで、繭の硬化・黒化が進みます。
繭が小さ過ぎて、幼虫が繭内で自在に動き回れなかったのでしょうか?
あるいは、シュウ酸カルシウムまたは硬化剤タンパク質の分泌量が少なかったのかもしれません。
営繭に一度失敗した直後なので、素材の消耗が激しかったのでしょう。

作り直したせいか、完成した繭はとても小さな物でした。
表面の縞模様も全体的に不明瞭です。
密閉容器に移した繭を外気に晒して越冬させました(冬の低温をしっかり経験)。

おそろしく矮小化した成虫が羽化するかと期待していたのですけど、翌年になっても残念ながら成虫は羽化してきませんでした。
原因は不明です。

私が晩秋に野外からイラガ幼虫を何匹も採集してきても、飼育下ではなかなか繭を正常に作ってくれない、ということがここ何年も続いています。
営繭する前に萎んだように死んでしまう幼虫が多いのです。
その原因として、素人は素人なりに仮説を考えてみました。
秋も深まると食樹植物の葉に含まれる毒物(シュウ酸など)の量が増えて栄養価が下がるのではないでしょうか?
つまりイラガ幼虫は、食べても食べても栄養失調の状態なのかもしれません。
イラガ幼虫は体内のマルピーギ管に溜め込んだシュウ酸カルシウム(毒物)の量が限界(臨界点)に達すると自家中毒になり、栄養状態や絹糸腺の発達があまり良くなくても営繭のスイッチが入り毒物を排泄するのではないでしょうか?
この仮説が正しければ、もっと季節の早い夏に第一化の幼虫を飼育すれば、繭の歩留まりが向上するでしょう。
(夏のフィールドではイラガ幼虫の個体数が少ないようで、私にはなかなか見つけられないのです。)
イラガの繭作りや縞模様のパターン形成のタイムラプス映像はダイナミックで美しく、見ていて飽きません。
いつかまた再挑戦するつもりです。


つづく→#16



【追記】
CiNiiで文献検索してみると興味深い論文を見つけました。
野外におけるイラガ繭の色斑二型の出現要因. 古川 真莉子 , 中西 康介 , 西田 隆義.  環動昆 27(4), 133-139, 2016.   Jpn. J. Environ. Entomol. Zool. 27(4):133-139(2017)
日本語要旨を引用すると、
イラガは固い繭を樹木の幹や枝に形成する.この繭の色斑には大きな変異があり,縞模様型(全面が鮮明な白黒模様)と不鮮明型(不鮮明な縞模様,または全体的に不鮮明な茶褐色)に大別される.しかし,繭の色班型の違いに関わる環境条件について知見は乏しかった.そこで本研究では,イラガ繭の色班型の出現頻度と環境条件との関係を,野外調査により明らかにすることを目的とした.調査対象とした 47 種の樹種のうち,17 種でイラガの繭が見つかり,94 個の繭を採集した.縞模様型の繭は,そのうち 9 種の樹種から 33 個採集した.縞模様の有無に対する,繭形成樹種,繭を形成した場所の地面からの高さおよび枝・幹の太さとの関係を解析したところ,繭が形成された部分の枝の太さと負の関係があり,細い枝ほど縞模様型の割合が高いことがわかった.また,同じ樹種で行なわれた先行研究の結果と比較すると,縞模様型の割合は地域によって異なることが示された.

この研究によれば、私が今回飼育した繭が全体的に不鮮明型の色班になったのは、与えた小枝が太かったからということになります。
しかし繭を新たに作り直した影響の有無は検討の余地があると思います。
私としては今のところ自分で観察した例数が少な過ぎて、未だ何とも言えません。


13:49 pm
17:02 pm
20:33 pm
翌日 00:12 am

【おまけの動画】
同じ素材で再生速度を落とした60倍速映像とオリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開します。
じっくり見たい方はこちらをご覧ください。








2017/12/04

プラスチックの壁面で繭を作り損じたイラガ(蛾)終齢幼虫b【100倍速映像】



イラガ(蛾)の飼育記録#2016-14


2016年10月上旬・午前5:33〜9:49

朝に様子を見ると、イラガMonema flavescens)の終齢幼虫bが夜の間に食樹植物から自発的に離れて飼育容器のプラスチック壁面に静止していました。
てっきり脱皮前の眠かと思い、微速度撮影で監視を始めました。
100倍速の早回し映像をご覧ください。

壁に静止していても背脈管(昆虫の心臓)の激しい拍動が見られます。
脱皮前の眠かと思い込んでいたら、しばらくすると、その場で足場糸を張り巡らせて営繭開始。

イラガ幼虫はプラスチック容器の中でも表面がザラザラに加工してある部分を営繭場所に選びました。
背景が白いと、白い絹糸が見え難いですね。

この個体は営繭前に体色変化も見られませんでした。
採集時には一番小さな個体だったのに、飼育下では食欲旺盛で仲間をごぼう抜きして営繭を始めたのです。


イラガの終齢幼虫bは白い絹糸で自分の体の周りに粗い網目状の繭を順調に紡いでいたのに、途中でなぜか薄い繭が破けてしまいました。
幼虫の肉角が作りかけの繭を突き破ってしまったのかな?
絹糸と接着するプラスチック素材の相性が悪かったのかもしれません。(営繭場所の選択ミス)
もはや繭は修復不能らしく、体が外に出てしまった幼虫は困っているようです。
これ以上放置すると大量の絹糸を無駄に使うだけなので、小枝に移すことを決意しました。
今思うと、失敗作の繭を食べて絹糸のタンパク質を再利用していたのかもしれませんが、確認していません。


本を読むと、イラガは平面にも繭を作ることが出来るらしいのですが、失敗の原因は不明です。
(細い枝に作る時と比べて平面上の繭は縞模様が変わるらしい。)
もしプラスチック容器を横に寝かせて水平にしておけば、失敗事故は避けられたでしょうか?

この間、ときどき記録した室温は以下の通り。
午前6:26 室温22.3℃、湿度62%
午前7:22 室温21.0℃、湿度72%
午前8:54 室温21.5℃、湿度72%


つづく→#15:小枝に繭を作り直したイラガ(蛾)終齢幼虫b【100倍速映像】


【おまけの動画】
同じ素材で再生速度を落とした60倍速映像とオリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開します。
じっくり見たい方はこちらをご覧ください。









2017/11/28

イラガ(蛾)終齢幼虫の繭作り【100倍速映像】




イラガ(蛾)の飼育記録#2016-11


2016年9月中旬・午前8:04〜午後22:14

▼前回の記事
繭を紡ぎ始めたイラガ(蛾)終齢幼虫

イラガMonema flavescens)終齢幼虫cが小枝(メタセコイア)に営繭する一部始終を微速度撮影してみました。
100倍速の早回し映像をお楽しみ下さい。
これは長年自分で撮ってみたかったテーマなので、ようやくものにできて感無量です。
何度も飼育に失敗していたのです。(原因不明)

▼関連記事(2012年) 
イラガ(蛾)幼虫の営繭異常【早回し映像】


斜めに立てた小枝の下面に足場糸を敷き詰めてから、自分の体の周囲に絹糸を張り巡らし始めました。
白い糸を紡ぎながら繭内でグルグルと激しく動き回る幼虫の腹面が赤っぽいことから、なぜか木星の大赤斑を連想しました。
こんなに繭内で擦られても、ヤドリバエの卵の殻らしき白い異物が幼虫の体表(左側面後部)から剥がれ落ちないことが意外でした。

網目の粗い繭の表面に突然、白い縞模様が左端から見え始めました。(@3:50)
イラガ幼虫のマルピーギ管で大量に作られた白いシュウ酸カルシウムは肛門から脱糞したのか口から吐き出したのか、気になるところですが早回し映像ではよく分かりませんでした。
繭内部の繊維全体に白い液体を染み込ませています。
次に硬化剤のタンパク質を含む褐色の液体を分泌しました。(これもどこから出たのか映像では不明。)
自らの全身を完全密閉して封じ込めてしまう繭の中でイラガ幼虫がどうして窒息しないで激しく動き回れるのか、不思議でなりません。
閉所恐怖症のヒトには想像するだけで悪夢でしょう。
もう一つの疑問は、成虫の羽脱に備えて硬い繭の内部に予め丸く切れ込みを作るのですが、その方法が映像では全く分かりませんでした。(※追記参照)

名著『イラガのマユのなぞ』でも未解決の難問です。
蛹化する前に幼虫が繭の内側に口器で齧りながら回転して丸い切れ込みを入れるのか、それとも微量の酸などを分泌して化学的に溶かすのでしょうか?
硬い繭をX線(レントゲン)で透視しながら微速度撮影すれば何か分かるかもしれません。


15:08 pm
18:38 pm

最後は幼虫の動きが止まりました。
回転楕円体の小さな繭が完成し、硬化・黒化が進行します。

名著『イラガのマユのなぞ』で探求されているように、イラガの繭に現れる白い縞模様のパターン形成はとても興味深いテーマです。
この個体では残念ながらカメラに向いた面にはあまり白い縞模様が形成されませんでした。
おそらく偶然だと思いますが、撮影用の眩しい明かりを照射し続けた影響があったのかもしれません。
飼育中のもう一匹の幼虫が新たに営繭しそうなので、次に期待しましょう。


『繭ハンドブック』によると、イラガの繭は

白地に濃褐色の不規則な縞模様がある楕円形、硬い。繭は糸で作られるが、幼虫はお尻からシュウ酸カルシウムの白い液を、口からはタンパク質を含む褐色の液を出し繭層に塗りつけ、これが繭の模様となる。
表面の模様は様々で個体差が大きい。(p82より引用)



つづく→#12:営繭中に排便するイラガ(蛾)終齢幼虫




※【追記】
鈴木知之『さなぎ(見ながら学習・調べてなっとく)』によると、
イラガ科の繭は、蛹の頭部側の内壁だけが薄く、ここが羽化に際して出口となります。羽化が近づくと、蛹は破繭器はけんきを使って脱出孔を開け、半身を繭外にせり出して羽化します。破繭器は、繭内で体を回転させて缶切りのように使ったり、てこのように押し上げて使うようです。  (p77より引用)



22:28 pm(裏側にはきれいな縞模様)
22:28 pm
22:29 pm
22:30 pm

【おまけの映像】
同じ素材で再生速度を落とした60倍速およびオリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開します。
営繭の過程をもう少しじっくり観察したい方は、こちらをご覧ください。








2017/11/12

開花初日のハス蕾の開閉運動(壺状開花)【180倍速映像】

▼前回の記事
夜明けに咲くハスの開花運動【180倍速暗視映像】

前回は、ハス(蓮)の花が一番きれいに咲く開花3日目の様子を微速度撮影しましたが、あれは実は二回目の挑戦でした。
話の都合で紹介する順序が逆になりましたが、ハスの開花についてろくに予習せずに出かけたので、初回の挑戦はこんな映像↓になりました。



2017年7月下旬・午前5:33〜7:13(日の出時刻は4:35)


日の出とともに蓮池に出かけたら、時既に遅しでした。
開花の一部始終を記録するのなら、暗い夜明け前から撮り始めないといけないことが分かりました。
それでも一部の蕾が咲きかけ?のまま残っていたので、駄目元で三脚を立てて微速度撮影を開始。
広い蓮池でどの蕾を撮るべきか選ぶのに目移りしてしまい、何度か場所を変えました。
朝日の方角(東)に対して逆光にならないように考慮すべきですが、この日は曇り空なので関係ありませんでした。
野外で微速度撮影する際に大敵となるのは風による振動なのですけど、朝は穏やかでほぼ無風なので助かります。
早朝に咲いたばかりの蓮の花の独特の芳しい香りが辺りに漂い、クラクラします。

1時間40分間、10倍速の微速度撮影で記録しました。
その素材を更に加工した180倍速の早回し映像をご覧ください。
勉強不足の私はてっきり、開花不全の蕾を選んでしまったのか、たまたま開花のタイミングが他の蕾よりも出遅れてしまった個体を撮った失敗作の映像だと思ってしまいました。
しかし、ハスの開花について復習してみると、謎が解けました。
平均的なハスの花は4日間の寿命があり、毎日開閉を繰り返してから散るのだそうです。
また、開花を始めてからの日数によって開花の程度が異なります。
今回の映像の被写体は開花初日の蕾と考えられ、花弁がほとんど開かずにすぐに閉じてしまうので壺状開花と呼ばれています。

加藤文男『大賀ハス (縄文ハス)の花の開閉について』によると (福井市自然史博物館から公開されたPDFファイルへのリンク)、初日は開花開始時刻が遅いらしい。(p125より)



田中修『花が季節や時を告げるしくみ』によると、
花の開閉運動は、花弁の内側と外側の細胞の伸長差にもとづいている。(中略)そのため、花が開閉を繰り返すと花びらは大きくなる。だから、つぼみが初めて開いた花より、何日間かの開閉運動をつづけてきた花のほうがずっと大きくなっているのである。 (『花の自然史:美しさの進化学』第13章:p199より引用)

このように、本や文献を読んで復習してみると訳が分からなかった全ての現象が説明できて、感動しました。
粘り強い観察によってそれをゼロから完全に解明した先人の苦労が忍ばれます。
「咲かない蕾」をひたすら撮り続けていた私は、朝の蓮池ですっかり変人扱いされてしまいました。
しかし早回し映像にしてみれば、蕾の開閉運動は一目瞭然です。
開花初日のハスは花弁が全開せず、少し咲きかけただけですぐに蕾が固く閉じてしまうのです。(壺状開花)
開きかけの蕾にもときどきハナバチ類が偵察に来ていました。

▼関連記事:開花初日のハスの花を偵察するクロマルハナバチ♀とセイヨウミツバチ♀
開花すると一番外側の花弁がハラリと下の葉に落ちる様子も、他の花で目撃しました。




↑【おまけの映像】
オリジナルの10倍速および60倍速に加工した映像をブログ限定で公開します。
ゆっくり見たい人はこちらのバージョンをどうぞ。

2日目、4日目の開花運動および閉花運動も撮影したいところですが、来季以降の宿題です。
本当に同一の蕾に注目して4日間、ひたすら開花と閉花を観察できれば、花の生涯の記録としては理想的です。


5:31 am
5:32 am(動画の撮影アングル)

2017/11/10

最後の雛も巣立った後のハシボソガラス空巣とその真下の糞(野鳥)



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#35


2017年6月中旬・午後14:27〜15:57

いつもより少し早い時間に来てみたのに、ハシボソガラスCorvus corone)の巣から全ての雛が巣立っていて空き巣になっていたので、唖然としました。
前日に1羽だけ残っていた雛も、巣立つ素振りは見せていなかったので、予想外でした。
カラスの雛が巣立つ瞬間を映像で記録するという私の夢は破れてしまい、残念無念。
早起きして朝から見張るべきでしたが、巣立ちの予兆が私には分からなかったのです。
もし産卵日または孵化日が分かっていれば、巣立ちまでの日数の目安は先人の研究から見当をつけることができます。
しかし高所の巣の中を覗く術がないので、巣立ちの日を予想できませんでした。(ドローンを飛ばすことは許されるのだろうか?)
連日通う定点観察はかなりしんどくて、終盤は私も内心では飽きていたので、ようやく終わってホッとしました。
巣立ちを確実に撮るには、無人カメラで巣の監視映像を愚直に休みなく録画し続けるしかなさそうです。

念の為に微速度撮影で40分間ほど巣を監視してみても、雛の姿や親鳥による給餌シーンは見られませんでした。
10倍速の早回し映像をご覧ください。(@1:37-)
巣内に動きは全くありませんでした。
もし雛が巣にうずくまっているせいで外から見えないにしても、40分間もじっとしていることはあり得ません。
親鳥も空き巣には一度も飛来しませんでした。


さらに駄目押しとして、鉄塔の周囲を一回りしながら色んなアングルから空き巣を撮影してみました。
枯れ枝を緻密に組み合わせて作られた巣が、雛が育つにつれてどんどん風化・崩壊して貧相な巣になることも、実際に長期観察するまでは知らなかったことです。

梅雨入り前に4羽の雛全てが巣立ったことになります。
今季に同時並行でカラスの巣を幾つか観察した中で、この巣(高圧線鉄塔#21)が巣立ちまで一番遅かったです。
営巣地周囲の環境は素人目にはかなり自然豊かで育雛のための餌資源はここが一番豊富そうに見えたので、意外な結果でした。(田畑、林、池、住宅地の家庭菜園やゴミ捨て場などバラエティに富んだ環境なのに…。)
もしかすると私が見ていない営巣初期に何かトラブルがあって産卵をやり直したのか、それとも繁殖経験の浅いつがいだったのかもしれません。

以前から気になっていたのですが、長い針金を何本も束ねて扇状(円錐状?)に広げた物が高圧線鉄塔の鉄骨のあちこちに取り付けてあります。
この謎の物体(正式名称は?)はおそらくカラスが鉄塔に止まれないように電力会社が設置している障害物だと思います。

しかしカラスの営巣や育雛を妨げる効果は薄い(全く無い)ことが証明されました。 (※追記参照)

最後に、高圧線鉄塔#21の直下に行ってみました。

今までは親鳥を刺激しないように、巣の真下をウロウロしないように自重していたのです。
立入りを禁じる金網の隙間から覗いてみると、巣の真下の敷地に雛が排泄した糞が大量に散乱していました。

親鳥が給餌する度に甲斐甲斐しく雛の糞を回収して外に捨てに行っても(排糞行動)、どうしても全ては回収し切れず巣の下を糞で汚してしまうようです。(糞害)
雛が巣立ちに失敗して滑落死した可能性もわずかに疑っていたのですが、雛の死骸は落ちていなくて一安心。
後日に再訪すると、巣の下の糞は雨で洗い流されてきれいになっていました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#36:巣立ち後のハシボソガラス親鳥の行動(野鳥)




※【追記】
矢崎葉子『カラスバトル』を読むと、高圧線鉄塔に営巣するカラスに悩まされている東京電力に詳しく取材した見事な解説があり、とても参考になりました。
それとともに私の誤解も解けました。
電線には二種類あって、一般家庭に電気を送る配電線と、変電所間を結ぶ送電線がある。配電線はビニールで絶縁してある、いわば家庭にある電気コードの親玉みたいなもので、接触しても感電しない。一方、送電線は裸線、つまり電気コードの中味がそのまま剥き出しになっている状態だ。で、カラスの事故は大部分が送電線で起こる。(中略)たとえ裸線でも、一本の送電線に止まっているぶんにはカラスは感電しない。(中略)電位差がなければ流れないわけで、それが一本の送電線に止まったカラスが感電しない理由だ。この理屈は電線とそれを支える鉄塔の間についてもいえる。電線を鉄塔にそのままつなげてしまうと、鉄塔を通って電気はどんどん地面に放出されて、私たちの家庭には電気が来なくなってしまう。そのため鉄塔と電線を碍子と呼ばれる絶縁体で固定し、その間は、鉄塔に触れないように迂回させた電線を通しているのだ。ここでやっとカラスの登場となる。そうやって苦労して鉄塔と電線を絶縁しているのに、そこに巣材の小枝やハンガーなどが落ちたり、またカラスの羽根や体が挟まったりすると、絶縁が保てなくなり、電気が流れてショートしてしまうのだ。 (中略)巣材が針金、ハンガーではなく、たとえ木であっても、木が湿っている場合などは電気を通してしまうので、事故が起きることがあります。 p98-99より引用)

営巣場所はいろいろあるが、鉄塔と電線の間の絶縁部分付近などに巣を作られると事故が発生する危険性は高い。しかも、ちょうどその箇所は木の枝のように横につきだし、まるで枝分かれしているような構造になっており、カラスが営巣しやすい要素が揃っているのだ。送電線に巣が作られた場合、事故になりそうな箇所にある巣は撤去する。事故の可能性が低いと判断した場合はそのまま巣を残して、ヒナが巣立つのを待って取り除く。 (p103より引用)


(カラス対策として)あの手この手を使っているわけだが、これまでの経験上、視覚や聴覚に訴えるものより、物理的にカラスに来てほしくないところを防護するもののほうが費用対効果が高いそうだ。つまり、テグスを張ったり、カラスが止まれないように針山のようなものを設置したり、また、ゼリー状のネバネバしたものを貼付する、あるいは、ネットで局所を覆ってカラスの浸入を防ぐ。
ただ、物理的な対策にも欠点はある。メンテナンスを行なう際に逆にその防護が作業の支障になることがあるからだ。 (中略)最近主流になっているのが、営巣誘導カゴですね。つまり、一方で事故になりやすい部分に巣を作りにくくする対策をとっておいて、もう一方で営巣用のカゴを鉄塔の安全な場所に設置して、こっち側にお作りくださいとカラスの巣作りを誘導するわけです。(p105-106より引用)


つまり、私が観察したカラスの巣も、鉄塔中央のステージのような部分に作る分には電力会社からも黙認されているようです。(これが営巣誘導カゴ?)
一方、送電線を支える横の支柱の端にある碍子付近には絶対カラスに近づいて欲しくないので、物理的な障壁を色々と設置しているのだと理解できました。

私もカラス関連本をこれまで何冊も読んできましたが、『カラスバトル』は取り上げたトピックのバランスも取れていて名著だと思います。
筆者の取材力に感服しました。


2017/11/08

夜明けに咲くハスの開花運動【180倍速暗視映像】



2017年7月下旬・午前3:31〜8:11 (日の出時刻は4:36)

明け方に咲くハス(蓮)の開花運動を微速度撮影するために、夜明け前から蓮池に出かけました。
この撮影テーマについては予め勉強しておいた方が良かったと後で痛感するのですが、自分で試行錯誤するのも楽しいかな?と思い、敢えてあまり情報を入れずにほぼぶっつけ本番で挑みました。



広い蓮池のどの蕾に注目して撮り始めるべきか、暗闇でまず迷いました。
照明機材を使わずに未明の暗いうちから撮影を開始するとなると、岸から近い蕾を選ぶ必要があります。

それから朝日が昇ったときに逆光にならないように、撮影する方角を考えました。

岸のすぐ近くで咲きそうな一つの蕾に注目し、まず側面から赤外線の暗視カメラで1分間隔のインターバル撮影を始めました。
朝日が昇り明るくなるとともに周囲の赤外線ノイズが増え、ビデオカメラのピントが合わなくなりました。
そこで暗視モードから通常光モードに切り替えてインターバル撮影を続けます。
終了後は連続写真から30fpsの設定で早回し動画(1800倍速)に加工したのですが、これでは早過ぎたので編集し直して180倍速に落としました。


インターバル撮影と同時に蓮池の岸に別のカメラの三脚を立てて、見下ろすアングルで10倍速の微速度撮影を始めました。
後半から被写体を3つの蕾のうちの1つに絞りました(ズームイン)。
(しっかり予習していれば、初めからどの蕾に注目すべきか分かったはずです。)
撮影後は編集し直して180倍速映像に揃えました。
カメラ2台で同じ蕾の開花を別アングルで記録したことになります。

ぶっつけ本番で撮ったにしては、完成した映像の出来栄えに満足しています。


「ハスが開花の際にポン!と音を立てる」という俗説は、やはり迷信でした。
蓮池で夜を明かしても、一度もそのような破裂音は聞こえず、 静かに開花しました。

「ハス博士」大賀一郎氏の訃報に接した毎日新聞の社説「余録」によると(昭和40年6月17日)、
ハスが開花する時にポンと音がするという俗説についても、博士は上野公園不忍池などで徹夜で調べて、とうとうこの俗説はウソだということを証明した。明け方にハス池のコイが水面近くに飛んでいる蚊をとりにきて、ハネ上がる音をハスの開花とまちがえたのだそうだ。


ハスの花の独特な芳香が濃密に漂い、むせ返りそうでした。
個人的にはエキゾチックでどことなくケミカルな匂いで、あまり好みではありません。

咲き終わった後もしばらく撮り続けると、様々な昆虫が早速訪花を始めました。
朝から快晴で日差しが強く、大きな花弁がすぐに萎れてきました。
映像の最後で早くも閉花運動が始まっているようですが、尻切れトンボになってしまいました。
昼過ぎにはもう花が閉じてしまうのだそうです。
ハスの閉花運動の撮影は今後の宿題です。
暑い昼間に長時間撮影するとなるとまた別の問題があり、カメラが直射日光によってオーバーヒートしないように日傘などを用意する必要がありそうです。


復習としてインターネット検索したところ、次の文献がとても参考になりました。
加藤文男『大賀ハス (縄文ハス)の花の開閉について』によると (福井市自然史博物館から公開されたPDFファイルへのリンク)、

・ハスの花の開閉は花弁の基部の内側の生長度が外側のそれより盛んになれば開き、逆に弱くなれば閉じる。さらに花弁の基部の生長度の違いは、生長を促すホルモン(生長ホルモン)の濃度のかたよりによって生ずると考えられる。しかし、ハスの場合どのような外因または内因によって、上述のような生長度の違いがひき起こされるのか、明確ではない。(p125より引用)
・開花がハス自体のもつ周期性(バイオリズム)によることも考えられる。
ハスの花は4日間、毎朝開閉を繰り返してから散るのだそうです。
今回撮影したのは、花の開き方から見て3日目の花だろうと分かりました。(一番美しいとされる、浅い椀状開花)
蓮池の各蕾の開花日はばらばらなのです(開花して何日目か?)。


十亀好雄『ふしぎな花時計:身近な花で時間を知ろう』によれば、
ハスの花の開閉観察 エイジング(加齢)との関係で、初めて咲く花は、その日の午後7時ごろに五分咲き程度に開花して、10時ごろには閉花してしまいます。翌2日目は午前7〜8時ごろに全開して午後0時ごろに閉花し、3日目も再び早朝に完全開花して正午ごろに半閉花します。そして、4日目の早朝に3回目の完全開花をしてその日の午後に散っていきます。風が強く吹いたり暑いときには3日間ぐらいで終わったり、気温が低めで涼しいときには1週間ぐらい開閉運動を続けます。 (p64より引用)

野外での微速度撮影は大変なので、室内で楽できないかと考えました。
ハスの蕾を採取して水差しにしたら、室内でも開花してくれるでしょうか?
ネット検索すると、ハスは水揚げが悪く、残念ながら生け花の専門家でもきわめて難しいそうです。

3:30 am(開花日の異なる3つの蕾)。以降は左の蕾に注目。
6:02 am
8:13 am(閉花開始?)
8:15 am(左から順に開花3日目、4日目、1日目)


【追記】

北村文雄『蓮:ハスを楽しむ』という本を読んでびっくりしたことの一つは、童謡「ひらいたひらいた」に関するトリビアです


ひらいた ひらいた 
なんの花が ひらいた 
レンゲの花が ひらいた 
ひらいたと思ったら 
いつのまにか つぼんだ
この歌詞に登場するレンゲの花とは、てっきりレンゲソウ(ゲンゲ)だと今まで私は思い込んでいたのですが、蓮華の花、つまりハスの花なのだそうです。
これは、ハスの花の生態をよく表している、わらべうたです。(同書p13より引用)



↑【おまけの映像】
注目した蕾の周囲の環境については、開花前後のスナップショットをブログ限定で公開します。

折れた茎の断面にレンコン様の穴

科学のアルバム『水草のひみつ』によると、

ハスの葉の付け根部分の断面。葉の先まで管が通っています。(p37より引用)


つづく→開花初日のハス蕾の開閉運動(壺状開花)【180倍速映像】

2017/11/07

巣立ちが遅れた最後の雛に給餌するハシボソガラス親鳥【10倍速映像:野鳥】



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#34


2017年6月中旬・午後15:29〜17:02

最後まで巣に残ったハシボソガラスCorvus corone)雛に対する親鳥の給餌活動をまとめてみました。
冒頭は通常のHD動画で記録した1回の給餌シーンで、残りは(@1:57〜)微速度撮影した10倍速映像です。
90分間で親鳥は7回帰巣したものの、そのうちの一回は給餌せず雛の様子を見に来ただけでした。
親鳥を個体識別出来ていないので、つがいの2羽が相変わらず共働きで巣に通っているのかどうか不明です。(今回の映像では2羽の親鳥が同時に登場することはありませんでした。)
もしかすると育雛に分担が生じ、巣立ち前の雛の世話は親鳥の一羽が担当し、もう一羽の親鳥は既に巣立った3羽の幼鳥に給餌したり面倒を見ているのかも知れません。

この日は明らかに給餌頻度が減りました。
しかし雛1羽あたりの給餌頻度を比べれば、前日(4羽の雛に親鳥2羽が66分間で計12回の給餌)までとあまり変わりないようです。
餌の争奪戦をしていた兄弟姉妹の雛鳥が巣立った後は、親鳥が与える餌を独り占めにすることができます。
巣立ち前に親鳥が雛への給餌を控えてダイエットさせ巣立ちを促す、という話が本当なのかどうか、私にはよく分かりませんでした。
この問題を調べるには、雛も全て個体識別した上で給餌をしっかり記録する必要があるでしょう。

独りで留守番している間、1羽で取り残された雛は羽繕いしたり羽ばたき練習をしています。
やがて巣内で動きが見られなくなりました。
私がちょっと目を離した隙に最後の1羽も巣立ってしまったのかと焦りました。
しかし鉄骨の陰に隠れ、巣にうずくまって休んでいただけと分かり、一安心。

この雛はやはり発育が遅れている印象で、体つきが華奢に見えるだけでなく、巣から離れて鉄骨を登ったり歩き回ったりするやんちゃな独り遊び(冒険)もやりませんでした。
性格が臆病なのかも知れません。
高所から飛び降りる巣立ち(初飛行)は、鳥の雛にとっても、いきなりバンジージャンプするような恐怖感があるのでしょうか?
一方、親鳥が巣の右下に張り出した鉄骨の端に止まり、そのまま帰巣せず南の杉林の方へ滑空したことが一度ありました。
巣に残った雛に飛び方のお手本を見せているのかな?

さて、巣立ったばかりの3羽の雛は、どこに行ったのでしょう?
なんとなく、鉄塔の南の杉林に隠れていそうな気がしてきました。
親鳥がときどき鉄塔に帰巣せず、南にある杉林の方へ低空で飛んで行くのが怪しい…。
幼鳥へ巣外給餌しに行ったのでは?と予想したものの、実際に確かめた訳ではありません。

映像には写っていませんが、給餌後に排泄した雛の糞を親鳥が持ち去り、近くの屋根で捨てていました。(排糞行動)
また、親鳥が縄張り防衛するのを目撃しています。
溜池の北の電線まで急行して、侵入したカラスを追い払いました。



以下は微速度撮影した映像のメモ。

再生時間  行動
0:25   帰巣、給餌
0:30   出巣 鉄骨の右端に飛んで移動しただけ。
0:38   出巣 今度こそ出巣
0:51   帰巣、給餌
0:53   出巣
1:20   帰巣、給餌
1:34   出巣
3:30?   幼鳥が巣にうずくまり、完全に見えなくなった。ときどき風で煽られる羽毛がかすかに見えるだけ
6:40?   幼鳥が一瞬立ち上がった。昼寝から起きた? すぐにまた座り込み、 姿が見えなくなった。
7:18   帰巣? やや引きの絵にすると、親鳥が鉄骨の右端に止まっていた。
7:19   出巣 雛に給餌せず飛び去った。
7:23   帰巣、給餌
7:26   出巣
7:31   帰巣、給餌
7:36   出巣
8:23   帰巣、給餌
8:25   出巣
9:02   撮影終了





※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#35:ハシボソガラスの雛が全て巣立った後の空巣とその真下の糞(野鳥)



2017/11/02

巣立ちの近いハシボソガラス雛の冒険(その2)後編 【2.5倍速映像:野鳥】



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#32


2017年6月中旬

いつものようにハシボソガラスCorvus corone)の巣を微速度撮影で長時間監視していたら、育った雛が巣立ちを躊躇する興味深い行動が記録されていました。
前回の記事で紹介した10倍速映像から該当部分を抜粋し、2.5倍速まで再生速度を落としてじっくり見てみましょう。

親鳥が給餌を済ませて巣から離れると、直後に雛の1羽が高く飛び上がって巣の右上の鉄骨に止まりました。
そこで元気に羽ばたき練習を披露。
かなり筋力がついたようですが、このまま鉄塔から飛び降りて巣立ちするのでしょうか?!
腕白な雛は傾斜のついた鉄骨をバランスを取りながら歩いて渡り、独りで遊んでいるようにも見えます。


私の予想に反して、親鳥は餌で釣って雛の巣立ちを促したりしませんでした。
親鳥が帰巣しても巣に残った3羽の雛に給餌するだけで、巣から離れた鉄骨で遊んでいる一羽の腕白な雛のことはあまり気にしていないように見えます。
もちろん、もし雛が下界に飛び降りたら親鳥もすぐに追いかけて、茂みなど安全な場所まで雛を誘導するはずです。

高所の冒険をハラハラして見ている私の心配をよそに、腕白な雛は巣の真上の鉄骨からピョンと飛び降りて、ようやく巣に戻りました。
無事で一安心。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#33:巣立ちが遅れた最後のハシボソガラス雛が独りで羽ばたき練習(野鳥)



↑【おまけの映像】
同じ素材をほぼリアルタイムまで再生速度を落としてみました(1.25倍速映像)。
カラスの動きにもっと残像が出て、不自然な映像になってしまいます。
微速度撮影はフレームを間引きして記録しているので、完璧に復元できないのは仕方がありません。


2017/11/01

巣立ちの近いハシボソガラス雛の冒険(その2)前編【10倍速映像:野鳥】



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#31


2017年6月中旬・午後15:11〜16:17

ハシボソガラスCorvus corone)親鳥♀♂が共稼ぎで巣に通って4羽の雛に給餌する様子を微速度撮影で長時間記録してみました。
10倍速の映像をご覧ください。
微速度撮影した66分間の間に親鳥♀♂は計12回も給餌しました。

さて、雛のいつもと違う行動に何かお気づきになられましたでしょうか?(@0:31〜1:15)
詳しくは次回。


再生時間 行動
0:22  帰巣
0:30  出巣
0:31  出巣 親鳥ではなく、幼鳥γが少しずつ巣から離れ冒険
1:00  帰巣
1:02  出巣 その間に幼鳥γが巣の上の鉄骨に移動
1:15  γ@帰巣 上の鉄骨から巣に飛び降りた。無事で何より
1:19  帰巣
1:25  帰巣
2:16  帰巣
2:22  出巣 鉄塔の奥の高圧線(最上段)に止まり直し監視
2:26  帰巣 もう1羽の親鳥が帰巣、雛給餌
2:30  出巣
2:33   高圧線から飛び立った
3:38  帰巣
3:40  出巣
3:43  帰巣
3:46  出巣
4:01  帰巣
4:04  出巣
4:14  帰巣
4:18  出巣
5:01  帰巣
5:04  出巣
5:55  帰巣
5:57  出巣 巣の右の鉄骨に止まり直して監視。
6:09   飛び去った
6:12  帰巣
6:14  出巣
6:36  撮影終了




カメラを据え付けた三脚が強風で振動してしまいました。
いつものように動画編集時に手ブレ補正処理をしてみたら、副作用で鉄塔がグニャグニャと妙に歪んだりしてしまいました。
あまりにも酷いので、仕方なくオリジナルのままお見せします。
自動色調補正も施していません。
最近、YouTubeの手ブレ補正のアルゴリズムが変わった気がします。(質が落ちた改悪)

つづく→#32:巣立ちの近いハシボソガラス雛の冒険(その2)後編 【2.5倍速映像:野鳥】



2017/10/27

巣立ちの近いハシボソガラス雛の冒険:後編【2.5倍速映像:野鳥】



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#28


2017年6月中旬

いつものようにハシボソガラスCorvus corone)の巣を微速度撮影で長時間監視していたら、巣立ち前の雛のとても興味深い行動が記録されていました。
前回の記事で紹介した10倍速映像から該当部分を抜粋して、2.5倍速まで速度を落としてみます。
リアルタイム(1倍速)まで速度を落とすと動きに残像が出て不自然になってしまうのです。

給餌後に雛が排泄した糞を持って親鳥が巣から離れると(@0:40)、4羽いる雛鳥のうち腕白な1羽の個体が、巣の右に張り出した鉄骨にピョンと進出しました。(@1:01)
その場で羽ばたき練習したり、足元の鉄骨のボルトを嘴でつついて悪戯したりしています。
強風に吹かれてバランスを崩し、慌てて羽を広げているようにも見えます。

やがて親鳥がまた帰巣し、巣に残った3羽の雛に給餌しました。(@1:41)
鉄骨に居る腕白な雛は、その様子を物欲しそうに見ています。
給餌を終えた親鳥が同じ鉄骨に並んで止まると、腕白な雛は親鳥を向いて軽く餌乞いしました。
腕白な雛が嘴を開けて鳴いた際に、口の中が赤く見えました。(カラスの雛および幼鳥の特徴)
微速度撮影の際に音声が録音されないのはカメラの仕様です。

もしかすると、この雛はそのまま巣立ちするのかな?と私は内心興奮しました。
しかし横で見ている親鳥は
餌で釣ることもなく、雛の巣立ちを促しているようには見えませんでした。
むしろ、危ないから早く巣に戻るよう叱ったのかな?(擬人化しすぎ)
もちろん、もし雛が飛び降りたら親鳥もすぐに追いかけて、茂みなど安全な場所まで雛を誘導するはずです。
やんちゃな雛も高さに怖気づいたのか、危なかっしい足取りながらも自力で鉄骨を伝い歩きして無事に巣へ戻りました。(@1:59)
それを見届けてから親鳥は鉄骨から飛び立ち、次の採餌へ出かけました。(@2:03)
雛の自立や成長を感じさせる行動が偶然撮れてラッキーでした。
欲を言えば、微速度撮影ではなく通常のHD動画でリアルタイムに録画できていれば最高でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



↑【おまけの映像】
1.25倍速
リアルタイム(1x)近くまで速度を落とすと動きにもっと残像が出て不自然になってしまいます。
微速度撮影はフレームを間引きして記録しているので、仕方がありません。

つづく→#29:雛に餌を与えるハシボソガラス(野鳥)


2017/10/25

巣立ちの近いハシボソガラス雛の冒険:前編【10倍速映像:野鳥】




高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#27


2017年6月中旬・午後16:20〜17:26

ハシボソガラスCorvus corone)の親鳥が共働きで巣に通って4羽の雛に給餌する様子です。

前半は通常のHD動画で撮影したもので、給餌を1回記録しました。
食後に雛が排泄した糞を受け取ったようで、出巣する親鳥の喉袋が膨らんでいます。

後半(@0:41〜)は微速度撮影で63分間、長撮りしました。
10倍速の早回し映像でご覧ください。
計14回、給餌しました。
親鳥を待つ間、暇を持て余した雛鳥はいつものように、各自で羽繕いしたり羽ばたきの自主練をしたりしています。

さて、後半の10倍速映像を注意深くご覧になって、いつもと違う雛の行動に何かお気づきになられましたでしょうか?
親鳥の留守中に1羽の腕白な雛が巣を離れて右の鉄骨まで移動したのです。
横に張り出した鉄骨で羽ばたき練習したり、帰巣した親鳥とその雛が鉄骨に並んで餌乞いしたので、そのまま巣立ちするのかと期待しました。
ところが、しばらくすると兄弟姉妹の居る巣へ自力で無事に戻りました。(@2:35〜2:53)
雛の自立・成長を感じさせる行動が偶然撮れてラッキーでした。
詳しくは次回。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#28:後編


2017/10/20

高圧線鉄塔の巣に餌を運ぶハシボソガラス親鳥♀♂【10倍速映像:野鳥】



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#24



2017年6月中旬・午後15:02〜15:24


ハシボソガラスCorvus corone)雛鳥は未だ巣立ちしいません。
wikipediaの情報によれば、

(ハシボソガラスの)産卵期は4月頃で、1回に3-5個の卵を産む。主にメスが抱卵し、その間オスはメスに餌を運ぶ。抱卵日数は約20日。雛に対する給餌は雌雄共同で行い、雛は孵化後約1か月で巣立つ。子育てに失敗すると再度抱卵し子育てを行うこともあるが、子育てに時間が掛かるため北では1度が限度と見られる。
なんとか雛が巣立つまで見届けたくてしつこく通っているのですけど、いつ孵化したのか分からないので、巣立ちの予定日も予測できないのが辛いところです。

巣に通って雛に給餌する親鳥♀♂の活動を微速度撮影してみました。
望遠レンズでズーム最大にしてしまうと、10倍速映像では親鳥の出入りを見落としそうになります。

22分間で親鳥♀♂が代わる代わる8回給餌しました。
親鳥が留守中に雛がいつものように羽ばたき練習すると、強風で体が浮きました。

高所の巣から落ちてしまうのではないかとハラハラしましたが、無事でした。
こうやって少しずつ飛ぶ感覚を身につけているのでしょう。

再生時間  行動
0:41 帰巣、給餌
0:45 出巣
0:52 帰巣、給餌
0:55 出巣
0:59 帰巣、給餌
1:02 出巣
1:17 帰巣、給餌
1:20 帰巣、給餌
1:22 出巣
1:23 出巣
雛@羽ばたき練習で浮いた!
1:44 帰巣、給餌
1:46 出巣
1:49 帰巣、給餌
1:50 出巣
2:03 帰巣、給餌
2:11 出巣
2:12 撮影終了


背景の雲の流れが早いことから分かるように、風が強くてやや肌寒い日でした。
強風で三脚が振動して困りましたが、動画編集時に手ぶれ補正すれば、映像が改善されました。
次回からは水入りのペットボトルを用意して、三脚に重りとして吊り下げることにします。

つづく→#25:嘴に咥えてきた餌を巣内の雛に与えるハシボソガラス(野鳥)



2017/10/16

ハシボソガラス♀♂の早朝給餌活動【10倍速映像:野鳥】




高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#22


2017年6月中旬・午前4:22〜6:03 (日の出時刻は4:15)


ハシボソガラスCorvus corone)の♀♂親鳥による早朝の給餌活動を微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧ください。
望遠レンズで巣を狙い、やや引きの絵で親鳥の出入りを監視します。

2羽の親鳥が続けざまに入巣することがあるので、朝からつがいで共稼ぎしていることが分かります。
長撮りで記録した1時間41分の間に計14回、親鳥が帰巣しました。
平均すると7分15秒に1回、親鳥のいずれかが雛に給餌している計算になります。
ただし親鳥が毎回本当に雛へ給餌しているとは限りません。
採餌に出掛けても空荷で帰巣することがあるのですが、引きの絵では給餌の有無がしっかり見分けられません。
この巣では雛を3羽(または4羽?)育てていますから、それぞれの雛は毎回餌にありつける訳ではありません。

留守番している間に雛鳥は羽繕いしたり、元気に羽ばたき練習したりしています。
微速度撮影すると、背景を流れる雲の動きも美しいですね。
西から鉄塔を狙うと朝は完全に逆光になります。
肉眼では朝日が眩しくてとても見ていられませんが、映像ではむしろカラスのシルエットが強調されて見えやすくなりました。

朝は親鳥が鉄塔の西側でも採餌するようになったのが珍しく(興味深く)思いました。

夕方に観察していたときには、親鳥は私を警戒して鉄塔の西側では採餌しなかったのです。
西側に私が居座って撮影していても気を許してくれるようになったのか、それとも一日の時間帯によって餌場を使い分けているのかもしれません。


再生時刻  行動
0:13 帰巣、給餌
0:21 出巣
1:16 帰巣、給餌
1:44 出巣     しばらく巣の右の鉄骨で休息。
1:46 帰巣、給餌 すぐ戻ってきた? 別個体の親鳥?
1:47 出巣
2:57 帰巣、給餌
2:59 出巣
4:30 帰巣、給餌
4:33 出巣
5:29 帰巣、給餌
5:33 出巣
6:26 帰巣、給餌
6:27 帰巣、給餌 もう1羽の親鳥が続けざまに入巣。
6:29 出巣      2羽が続けざまに出巣。
6:44 帰巣、給餌
6:47 出巣
6:55 帰巣、給餌
7:15 出巣     しばらく巣の右の鉄骨で休息。
7:45 帰巣、給餌
7:49 出巣
7:50 帰巣、給餌
7:52 出巣
8:32 帰巣、給餌
8:38 帰巣、給餌
8:40 出巣
8:41 出巣
10:11 撮影終了




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#23:給餌直後に雛の糞を持ち去るハシボソガラスの親鳥(野鳥)


2017/09/19

共稼ぎでせっせと巣に通い雛に給餌するハシボソガラス♀♂【野鳥:10倍速映像】



高圧線の鉄塔#21でのハシボソガラス営巣記録#9


2017年6月上旬・午後16:58〜18:32(日の入り時刻は18:59)

日没前の夕方にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥♀♂が給餌に通う様子を微速度撮影で記録してみました。
10倍速の早回し映像をノーカットでご覧ください。

0:04   帰巣
0:07   出巣
0:13   雛の羽ばたき練習(以降は面倒で記録していない)
0:28   帰巣
0:32   出巣
0:45   帰巣
0:48   出巣
0:57   帰巣
1:00   出巣
1:37   帰巣
1:41   出巣
2:39   帰巣
2:41   出巣
3:14   帰巣
3:18   出巣  親鳥αが奥の高圧線に止まった。
3:25   帰巣   もう1羽の親鳥βが帰巣。
3:26    αが右へ飛び去った。
3:28   出巣   β
3:46   帰巣
3:49   出巣
4:13   帰巣
4:18   出巣
4:51   帰巣
4:55   出巣
5:49   帰巣   左より高速入巣。親鳥が突然出現。
5:53   出巣
6:38   帰巣
6:42   出巣
6:48   帰巣
6:56   出巣(奥の高圧線に止まって辺りを監視)
7:00     高圧線から飛び去った。
7:59   帰巣
8:04   出巣
8:32   帰巣
8:35   出巣
9:14   帰巣
9:16   出巣
9:23   撮影終了。

長撮りした1時間33分50秒の間に親鳥♀♂が計17回も巣に通って雛に給餌しました。
ただし、帰巣した全ての回で雛に給餌したとは限りません。
雛の様子を見るためだけに空荷で帰巣することがあるようですが、引きの絵にすると給餌の有無がはっきり見分けられません。
親鳥を待つ間、雛はときどき羽ばたき運動の自主練をしています。

2羽の親鳥が同時に映ることがあるので、共稼ぎで(交互に?)給餌していることが分かります。
残念ながら親鳥の性別を見分けられないため、給餌分担の割合(育雛への貢献度)が割り出せません。
きっちり調べようとすると、カラスを捕獲して個体識別用の足環を装着する必要があります。

つづく→#10:三羽の雛に給餌するハシボソガラス親鳥(野鳥)



2017/08/28

イチモンジチョウの羽化【10倍速映像】



2017年5月下旬

イチモンジチョウの飼育記録#12


微速度撮影しながら外出していたら、午後にイチモンジチョウLimenitis camilla)成虫が羽化していました。
10倍速の早回し映像を御覧ください。
垂蛹が割れてスルリと抜け出た成虫が抜け殻にしがみつくと、みるみるうちに翅が伸展します。
ところが肝心の翅が、画角から下にはみ出していて映っておらず、残念でした。
私の予測が甘かったですね。
途中で気づいて引きの絵にしても時既に遅し。
前翅翅裏の縁の白紋が明瞭なので、アサマイチモンジではなくイチモンジチョウで確定しました。
(参考:ヤマケイポケットガイド9『チョウ・ガ』p143)

イチモンジチョウ垂蛹の背面中央にある竜骨突起(しぐま造語)が何のためにあるのか、ずっと気になっていました。
羽化した成虫はこの竜骨突起に前脚をかけてぶら下がっています。
この奇妙な突起は、羽化した成虫がつかまって翅を伸ばすために作られた専用の場所なのですかね?
それとも終齢幼虫から蛹化する際に抜け殻をうまく割るための構造なのかな?
成虫の背中にコブのような物はありません。
背側なら竜骨と呼ぶのは本来おかしいのですけど(鳥類の竜骨突起は腹側にある)、正式名称をご存知の方は教えてください。

初めは左右に分かれていた2本の口吻がゼンマイのようにクルクルと伸ばしたり曲げたりしているうちに根元からジッパーのように1本に融合して、食事用の管(ストロー)になります。

やがて翅を軽く開閉するようになりました。
翅を乾かしているのでしょう。



翅を伸ばし終えた後に蛹便(羽化液)を排泄する瞬間は撮れていませんでした。
真下に敷いていた白紙に黄土色の羽化液が一滴垂れていました。
量も少なかったです。

蛹便

蛹化してから8日目に羽化しました。
蛹内での変態のスピードが予想よりも速かったです。
幼虫の時期には体内寄生を疑っていたのですが、無事に成虫が羽化して良かったです。



以下は羽化殻(垂蛹の抜け殻)の写真です。

側面
側面
腹面
背面

つづく→#13:イチモンジチョウ:羽化直後の飛翔

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