2019/05/26

走り去るキジ♂【冬の野鳥】



2018年12月下旬

小雪がちらつく曇り空の午後、川沿いの道を私が歩いていたら、うっすらと雪で覆われた原っぱに1羽のキジ♂(Phasianus versicolor)なぜかうずくまっていました。
何か採食していたのかもしれませんが、私がカメラを向けた途端に警戒して逃げ始めました。
砂利を敷いた駐車場を走り抜け、藪を通ると、斜面を下りて河畔林へ向かいました。
最後はニセアカシアの木陰に姿を消しました。

たまたま直後に飼い犬を散歩しに来た人が何も知らずに横の道を通り過ぎたので、固唾を呑んで成り行きを見守りました。
しかし飼い犬はすっかり堕落して狩猟本能を失ってしまい、道端の藪に身を潜めているキジ♂の匂いに全く気付かなかった模様。(映像はカット)
キジ♂も焦って飛び出して来ることはありませんでした。
地味な保護色(隠蔽色)のキジ♀なら隠れるのは御手の物だと分かるのですが、派手な装いの♂は不得手だと思っていました。
キジ♂も、いざとなれば出来るのですね。
「雉も鳴かずば撃たれまい」という諺は真実味がありそうです。


キジ♂(野鳥)@川沿い藪+逃走

池の落枝に集まって休むカルガモの群れ(冬の野鳥)



2018年11月下旬

桜の落枝が池に何年も突き刺さったままになっていて、野鳥にとって格好の止まり木になっています。
特にゴイサギが気に入って昼塒にしてきました。
秋も深まると、ゴイサギが池から姿を消しました。
雪が降る前にもっと暖かい地方に移住したのでしょうか?
すると今度は、留鳥のカルガモAnas zonorhyncha)の群れが同じ落枝を占拠していました。
(図鑑ではゴイサギも留鳥とされていますが、雪国をフィールドとする私は冬にゴイサギを見たことはありません。)

となると、両種が池に共存している夏季には、ゴイサギ>カルガモという力関係があったことになります。
個体数ではカルガモの方がゴイサギよりも圧倒的に多かったのに、ゴイサギに遠慮していたのでしょう。
落枝を巡る明確な占有行動(争奪戦)を私は見たことはありません。
ゴイサギが居ない時に、カワセミがこの落枝に止まっているのを一度だけ見たことがあります。

カルガモは落枝に登って休んでいる個体だけでなく、水面に浮いている個体も落枝の周囲に集まっています。
首を曲げて嘴を体の羽毛に差し込んでいる個体は昼寝中なのかと思いきや、目は開いて周囲を(対岸の私を)油断なく見張っていました。
起きている個体は羽繕いしています。


2019/05/25

鳥害対策として田畑に黒ビニール(鳥よけ)



2018年10月上旬

稲刈りの済んだ刈田の横を日没後に通りかかると、電線に黒い大きなビニールが数枚ひっかかって風になびいていました。
よく見ると、黒ビニールはひっかかっているのではなく、電線に縛り付けてありました。
田んぼの稲穂を食害する鳥を少しでも減らすために設置された、カラスの死骸を模した防鳥グッズなのでしょう。
スズメの群れは田んぼで稲穂を採食する際に、周囲を常に警戒していつでも緊急避難できる場所を用意しています。
したがって、田んぼの周囲の電線にスズメが怖がる黒ビニールをぶら下げておけば、電線にスズメが止まれず被害が減るはずです。


▼関連記事
防鳥テープの無効例:田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)

檻のようなゴミ集積所もすぐ近くの道端(電柱の下)に設置してあったので、ゴミを漁りに来るカラスへの対策も兼ねているのかもしれません。
しかし電線を保守管理する電力会社は良い顔をしないでしょう。
果たして防鳥効果はあったのでしょうか?

鳥よけ黒ビニール(野鳥)@電線:田んぼ横

藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、

風によって複雑に動く物体に鳥は警戒を示すようです。(中略)鳥が嫌う色として、昔から赤とか黒とかがいわれてきましたが、それらの効果を調べたものはあまりありません。たとえ、特定の色を鳥が嫌う傾向があったとしても、その色だけで鳥を追い払うことは難しいでしょう。 (p145-146より引用。ゴミ袋で作った吹き流しの写真が掲載)


精巧にできたこの模型は、しかし、ほとんど効果がありませんでした。餌台に集まるスズメを使って行った私たちの試験では、餌台の上に張ったロープに吊るした(プラスチックで作ったカラスの)模型は、ずっしりと重いため、ほとんど動きませんでした。スズメには、単なる物体がぶら下がっているとしか見えなかったようです。それに対して、同じロープにぶら下げた黒ビニールは風でよく動きましたが、この時はスズメは一週間以上餌台に近づきませんでした。 (同書p150より引用)



2018年11月下旬

郊外で収穫後のトウモロコシ畑の横を通りかかったら、似たような光景を目にしました。
畑の上に縦横に張り巡らせた縄に黒いビニール袋が等間隔に何枚もくくりつけられていました。
風が吹けばひらひらと動くはずです。
この畑は更に念入りに鳥害対策がなされており、畑に突き刺した長い棒の先に黒いカラスのプラスチック模型も何個かぶら下げられていました。
期待された防鳥効果はあったのでしょうか?


もう一つ別な実例も見つけたのですが、目的がおそらく違うので、別の記事↓に書く予定です。


鳥害対策として樹上に黒ビニール(鳥よけ)

鳥よけ黒ビニール(野鳥)@トウモロコシ畑
鳥よけグッズ:カラス模型(野鳥)@トウモロコシ畑


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