2018/10/24

水田を鳥害から守る鳥追いカイト(フクロウ型の凧)



2018年8月中旬

夏の水田に見慣れない物体が出現しました。
フクロウの絵柄をプリントした(擬態)、結構大きな凧(カイト)が朝の風に揺れていました。
長い釣り竿(?)を田んぼに突き刺し、その先に凧を糸で繋いでいます。

これから水田に稲穂が実る季節になると、これを食害するスズメなどが現れます。
害鳥を追い払うために案山子かかしの改良版を農家が試しに設置したのでしょう。
フクロウは猛禽類ですから、小鳥が本能的に怖がると期待した鳥害対策グッズのようです。
風が吹くと凧は自然に動くので、馴れが生じにくい(防鳥効果が持続する)のでしょうか?
ネット通販でも同じ商品や類似商品を見つけました。
私の素人考えでは、もっと高く飛ばした方が広範囲に効果がありそうな気がするのですけど、開発者が実験的に検討した結果この高さが最適なのでしょうか。

商品をたくさん買ってもらいたいから竿や糸を短くしてるのかな?と邪推してしまいます。
この田んぼを高所から見下ろす撮影ポイントがあれば、鳥追い効果の有無をいつか検証してみたいものです。
(ドローンは長時間飛ばせませんし、ドローンの存在自体が「鳥追い」になってしまうでしょう。)

カイトに小型の監視カメラを取り付けて飛ばしたら面白そうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


鳥追いカイト梟(フクロウ:野鳥)@水田
鳥追いカイト梟(フクロウ:野鳥)@水田


【追記】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によると、
外国では、凧が鳥を追い払うためによく用いられています。(中略)アドバルーンの下に凧をぶら下げて、畑の上に揚げるという試みもなされています。これは、上空を旋回するワシタカをまねたものと考えることができるかもしれません。(中略)私たちは、ダイズを加害するキジバトに対して凧(ゲイラカイト)の効果を調べたことがあります。その結果は、マネキンよりは劣るものの、相当高い効果が得られました。p150-151より引用)



▼関連記事
鳥追いカイトは田んぼのスズメ対策に有効か?(野鳥)


2018/10/23

飛べ!アオカナブン【HD動画&ハイスピード動画】



2018年7月下旬

里山のコナラ樹液酒場に来ていた2匹のアオカナブンRhomborrhina unicolor)内の1匹(個体b)です。
下向きで幹に静止して樹液を舐めていました。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p49によれば、腹面を見ればよく似たアオカナブンとカナブン(緑化個体)とを簡単に区別できるのだそうです。
試しにこの個体bを捕獲して裏返してみてみると、左右の後脚のつけ根が接していたのでアオカナブンでした。

手掴みで捕獲しても脱糞、排尿などの抗議行動はしませんでした。
次に、解放するついでに飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:32〜)
カナブンの仲間の飛翔は、鞘翅(前翅)をしっかり閉じたまま後翅だけを広げて羽ばたくことが特徴です。
鞘翅を閉じることで無駄な空気抵抗を減らしているのでしょう。

1回目は、畳んでいた後翅を広げて羽ばたいたものの、飛ぶと言うよりも、慌てふためいてほぼ落下しただけでした。
下草に落ちたアオカナブンbを再び拾い上げ、しつこくやり直します。
2回目(Take2)は、軽く握りしめた拳をそっと開くと私の指に少し登ってから見事に離陸しました。
飛翔中は後翅が羽ばたく際に、閉じた鞘翅がガタガタと振動していることが分かりました。
これは昔に観察した羽化不全個体でも同じでした。

▼関連記事(6年前の撮影)
アオカナブン羽化不全個体の羽ばたき【ハイスピード動画&HD動画】

正常な個体でも意外と翅の立て付けが悪いのですね。
こんなに摩擦が生じるのでは、無駄なエネルギーのロスも結構ありそうです。

平凡社『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p114によると、

ハナムグリ類は上翅を閉じたままの独特の飛び方をする。上翅をやや持ち上げぎみにして、側縁のえぐれた部分から後翅をくりだして飛ぶのである。このため、すばやく飛翔態勢をとることができ、上翅にかかる空気抵抗が少ないぶん、飛ぶスピードも速くなる。




※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
最後に暗転シーンが無駄に続くのは動画編集のミスです。
不要パートを編集でカットしたつもりが、なぜか終わってくれませんでした。


アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:背面@コナラ樹液酒場
アオカナブンb:側面@コナラ樹液酒場
アオカナブンa:腹面@捕獲


つづく→コナラの樹液を舐め幹を登り飛び立つアオカナブン
(同じ樹液酒場で別個体aを撮った動画です)


2018/10/22

クジャクアスター(菊)の花蜜を吸うモンシロチョウ



2016年10月中旬

民家の庭に咲いた見慣れない菊の花にモンシロチョウPieris rapae)が訪花していました。
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
ベニシジミやハナアブ、セイヨウミツバチ♀も訪花していました。

おそらく園芸種だと思うのですが、赤紫色の小さな花が多数付いていて葉が細長い。
全体の高さ(草丈)は約1m。
ガーデニング関連の掲示板で問い合わせたところ、クジャクアスター(別名クジャクソウ)だろうとご教示頂きました。


モンシロチョウ@クジャクアスター訪花吸蜜

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