2018/01/14

帰巣時に渋滞・追突するクロマルハナバチ♀【ハイスピード動画】



▼前回の記事
フキバッタの幼虫を捕食するニホンカナヘビ【ハイスピード動画】


クロマルハナバチの巣:定点観察#9


2016年7月上旬

峠道の法面を補強したコンクリート壁面の排水口に営巣したクロマルハナバチBombus ignitus)のコロニーを調べています。
水が枯れた側溝内に雑草(ハナタデ??)が繁茂しているせいで、巣口がほとんど隠れてしまいました。
巣に出入りするワーカー♀の様子を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみると、興味深いシーンが記録されていました。

シーン1:

ワーカー♀2匹が相次いで帰巣すると、巣口を見つけられずに、その手前で渋滞になりました。
後脚の花粉籠を見ると、1匹は空荷でもう一匹は橙色の花粉団子を運んでいます。
空中でどのような譲り合いがあったのか分かりませんが、空荷の個体が先に巣穴に入りました。
花粉団子を付けた個体は飛び去ってしまい、改めてアプローチからやり直すようです。



シーン2:

先に戻った個体が巣口の手前で躊躇うようにホバリング(停空飛翔)していると、後続のせっかちな個体が空中で追突し、軽い墜落事故が発生しました。
擬人化すると、「ほら、早く行けよ!」と急かしたのかもしれませんね。
幸い雑草がクッションになって蜂は2匹とも無事でした。


営巣地の周囲を除草すれば、帰巣する蜂にとって目標となる巣口がはっきり見えるようになり、このような渋滞や衝突事故は無くなると思います。
私が巣口の目印にしているのは、上から垂れ下がっているヨモギの枯草なのですが、クロマルハナバチも同じかもしれません。
マルハナバチ(ミツバチ科)は自ら雑草を噛み切って巣の周囲を草刈りしないのでしょうか?
スズメバチ科の蜂はそのような除草をすることが知られているそうです。
巣口が目立たない方が天敵に襲われにくくて好都合なのかもしれません。


一方、出巣の際の渋滞や出会い頭の衝突事故(出巣する個体と帰巣する個体の衝突)は今まで私は見たことがありません。
何か混雑を上手く回避する方法をハチは編み出しているのでしょう。


つづく→#10:クロマルハナバチの巣に侵入して獲物を探索するクモバチ♀



ハチミツソウの花蜜を吸うイチモンジセセリ



2017年8月下旬

農業用水路沿いに咲き乱れるハチミツソウ(別名ハネミギク)の群落で多数のイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。
吸蜜している口吻の動きがよく分かります。
花から花へ飛んで移動します。



2018/01/13

ナガボノシロワレモコウの花蜜を吸うカブラハバチ



2016年9月下旬

水田の畦道に咲いたナガボノシロワレモコウの群落で、おそらくカブラハバチ♀(Athalia rosae ruficornis)と思われるハバチが訪花していました。
頭を突っ込んで吸蜜しているようです。
虫撮りの大敵である風揺れに業を煮やし、後半は左手で茎を押さえながら接写しました。

頭部と翅が真っ黒で、体はオレンジ色という派手なハバチです。
しっかり同定するために採集したかったのですけど、ビニール袋や容器を何も持参しなかったことを激しく後悔しました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
私は初めこの花をヘラオオバコと思い込んでいたのですが、訂正しておきます。


ヘラオオバコは風媒花というよりも花蜜を分泌する虫媒花ではないかと個人的に疑問を抱いて調べているのですが、新たな傍証がこれでまた一つ得られました。

▼関連記事のまとめ
ヘラオオバコは虫媒花ではないか?:ヘラオオバコを訪花する虫の謎



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