2016/05/26

ナミテントウ黒色二紋型♀♂:交尾中の尻振り



2016年5月上旬

斑紋の異なるナミテントウ♀♂の交尾を見たすぐ近くの柳の枝で黒色二紋型のナミテントウHarmonia axyridis)の♀♂ペアも交尾していました。

ときどき♂が交尾器を結合したまま体を左右に激しく振る謎の行動が見られました。
先にこの♀と交尾したライバル♂の精子を掻き出そうとしている動き(精子競争の一種)なのかと想像してしまいます。
♀に対して何らかのシグナルを送っているのですかね?
他の昆虫(甲虫?)の交尾でも以前見たことがある気がするのですけど、思い出せません。
単に、交尾器の挿入角度を調節したり引き抜こうとする動きなのかな?
柳の若葉が邪魔で、側面からの接写アングルは確保できませんでした。

一方、♀は交尾中もアブラムシをむしゃむしゃと捕食していました。

私の印象では、北国なのに当地のナミテントウは黒色二紋型が主流派です。(温暖化の影響?)



【追記】
ナミテントウの配偶行動を研究した小畑晶子『幸せを運ぶテントウムシ』を読んでいたら、この尻振り行動の謎が解けました。
私が予想したような、前に交尾した♂の精子を掻き出す行動ではありませんでした。
・♂が交尾中に体を左右に振動させる 
・個体による差異はほとんどなく、特徴として交尾開始後約35分経過してから振動が始まること、振動の間隔が25〜30秒と一定していることなどがわかってきた。 
・ナミテントウでは交尾が始まっても、♂の体の振動が起こるまでは精子が♀の体内に送り込まれていないことを示唆している。直接的な証明はできていないが、♂の体の振動はおそらく精子を送り込む運動であると考えられる。 
・交尾開始から♂の体の振動が始まるまでの約30分は、精包の材料を送り込むのに必要な時間だった。 
(『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第1-3章p36-37より箇条書きで引用)



2016/05/25

池に飛び込むカワセミ(野鳥)の漁



2016年5月上旬

朝の溜池で美しいカワセミAlcedo atthis)が魚獲りに通っていました。
水辺に背高く伸びた葦の枯れ茎の先端に止まり、水面を見つめています。
池に飛び込んだ直後はカワセミを見失ったものの、チー、チー♪という甲高い鳴き声を頼りに姿を探すと、近くの木の枝に止まり、暴れる魚を枝に叩きつけていました。
この最中も満足気に鳴き続けています。
獲物がおとなしくなると頭から丸呑みします。
最後は鳴きながら飛び去りました。

溜池の畔で私が静かに待ち伏せしていると、チー!チー!と断続的な鳴き声が響くので、カワセミが再び飛来したのが分かります。
スズメぐらいとても小さな鳥なので、対岸から望遠レンズで狙うとピントをしっかり合わせるのは不可能です。
(画質の粗いパートは最大限デジタルズームしたところです。)

今度もカワセミは枯れアシの茎に止まり、魚影を探しています。
少し飛んで止まり木を変更しました。
下嘴が赤くないので♂だと思うのですが、どうでしょう?
池にダイビングした肝心の瞬間に見失ってしまいました。
もっと引きの絵で撮るべきですね…。

捕らえた魚を殺すための止まり木は前回と違う場所でした。
この時期は未だ木が落葉していて観察しやすく、助かります。
普通カワセミは捕らえた魚を殺すために、飛び込む前のお気に入りの止まり木に戻るのをテレビなどでよく見かけます。
しかし、アシの枯れ茎に戻っても頼りない止まり木なので魚を叩きつけて殺せないでしょう。
かと言って水面に張り出した木の枝はありませんから、樹上からは魚を狙えません。
漁場の状況に応じてカワセミは臨機応変に対処しているようです。

次に機会があれば、カワセミが水に飛び込んで漁をする瞬間をハイスピード動画に撮ってみたいものです。
ペリットの吐き出しなども観察したいです。
川の上流の巣から通ってきているのかな?
カワセミの鳴き声を声紋解析してみる?

※ 動画編集時に自動色調補正で彩度とコントラストを上げています。



【追記】
カワセミは猛禽類のように、大きな餌を嘴や足でちぎってヒナに与えることはできない。(中略)ヒナの成長に伴って、餌も大きくなるのだ。大小さまざまなステージで餌になる生物が周辺に生息していなければ、カワセミは子育てできない。水辺の生態系が豊かでなければ、繁殖できないのだ。(『銀座のツバメ』p72より)



ライラックの花とコアオハナムグリ



2016年5月上旬

民家の庭に咲いたライラック(=リラ、ムラサキハシドイ)の薄紫色の花にコアオハナムグリGametis jucunda)が潜り込んでいました。
花粉や花蜜を食べているのでしょう。




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