2015/11/27

キアシナガバチ♀同士が巣上で喧嘩



2015年7月下旬

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#8


在巣の蜂は計6匹写っています。
この日はキアシナガバチ♀(Polistes rothneyi)♀同士の激しい優位行動が繰り広げられ、巣上は絶え間ない闘争で騒然としています。
何がきっかけとなったのか不明ですけど、かなり気が立っていてます。
劣位個体は何をされても無抵抗です。
常識的に考えれば、ヒステリックに攻撃している個体は創設女王でしょう。
ミツバチの女王蜂は女王物質というフェロモンで化学的にコロニーを統治しますが、アシナガバチは女王が娘(ワーカー♀)を力づくで支配しないとクーデターを起こされ勝手に産卵されてしまいます。
虐められた劣位の♀ほど卵巣が退縮するそうです。
個体標識すれば順位制がはっきり見えてくるはずですが、とても余力がありませんでした。

映像後半では幼虫と栄養交換してから、成虫間で口づけを交わしました。(@1:00)
栄養交換以外にも「相手を宥める挨拶」「優位性を確認する儀式的行動」という意味合いがあるのかもしれません。

依然として繭キャップが作られていない点も気がかりです。
成虫の数に対して幼虫がいつまでも少なく成虫の栄養源である栄養交換にも事欠くのではないか?と心配になります。
このコロニーはシーズンの途中で引っ越してきた二次巣と考えられるのですが、実は何らかの理由で女王が不在ではないか?という疑念が浮かびます。
ワーカー♀産卵が横行し互いに食卵し合っているせいで、なかなか幼虫が孵化しないのかもしれません。
(個体識別できていませんし観察時間も少ないので、ただの想像に過ぎません。)

つづく→#9:夜に繭を紡ぐキアシナガバチ老熟幼虫【暗視映像】


2015/11/26

ユカタヤマシログモ(蜘蛛)の徘徊・身繕い



2015年9月中旬

ユカタヤマシログモの飼育記録#1

地下室へ降りる階段の天井にユカタヤマシログモScytodes thoracica)を見つけました。
憧れのクモでしたが、実物と出会えたのは初めてです♪
捕獲して飼育開始。
発見時から右の第4歩脚が根本付近から欠損しています(-R4)。
頭胸部が非常に大きく発達しており、アンバランスに感じます。
その頭胸部には左右一対の釣り針状の模様が目立ちます。

本種は造網しない徘徊性のクモなので、プラスチック容器の壁面も自在に登れるはずです。
ところが壁をよじ登ろうとして滑落しました。
ひっくり返っても自力ですぐ起き上がりました。
立ち止まると歩脚を手招くように動かしています。
やがて身繕いを始めました。

歩脚や両触肢の先を舐めて(甘噛みして)化粧しています。
牙を掃除しているのかもしれません。
左右の触肢の先を互いに擦り合わせたり、歩脚L3L4の先を互いに擦り合わせたりしている行動も見られました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→#2:オオヒメグモを捕食するユカタヤマシログモ(蜘蛛)


夜に繭を紡ぐキアシナガバチ老熟幼虫【暗視映像】



2015年8月上旬・深夜1:15および同じ日の夜21:20

キアシナガバチ巣の定点観察@トウカエデ枝#9


キアシナガバチ♀(Polistes rothneyi

赤外線の暗視カメラで撮ると、いつものように多数の蜂が折り重なって寝ています。
巣に産卵しようと夜近づいて来ると言われる寄生蛾に対しても防御力が高そうです。

二股の幹の隙間から狙うと、育房内で老熟幼虫が盛んに動いています。
おそらく繭を紡いで育房に蓋をしているのでしょう。
近くで静止している成虫は触角と脚先で常に幼虫の動く頭部に触れているのに、栄養交換などのアクションを起こさず寝ているようです。
成虫は昼行性ですが、幼虫は昼夜を問わず営繭するのでしょう。

約20時間後に再び様子を見に行くと、老熟幼虫の動きは無くなっていました。
白色LEをD点灯すると、白くて薄い繭キャップが作られていました。
昼間に途中経過を見れなかったのが残念です。
できれば微速度撮影してみたかったのですが、この場所は三脚を設置できないのです。

つづく→#10:夜キアシナガバチの巣に侵入するワラジムシ【暗視映像】



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