2015年8月下旬・早朝(5:03〜5:51)
朝帰りの途中2箇所で撮ったハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)をまとめてみました。
ちなみにこの日の日の出時刻は5:01。
夜の
ハシブトガラスはカーカー♪と澄んだ声で鳴きます。
単独で居た個体は下でビデオカメラを構えている私を警戒しているのか、電線から電線へ落ち着きなく飛び移っていました。
まず土台糸を引いてから枠をつくり、その中心から周りへ、放射糸を7〜15本かけていく。それが終わると、足場糸をかけないで、いきなり周りから粘着糸をかけていく。まず一本の放射糸に粘着糸をつけると、その糸を引きながら網の中心までいき、隣の放射糸へ移る。それから中心を離れて周りの方へ、適当な所まで行って、そこに引いてきた糸をつける。こうして両放射糸間に粘着糸がかけられるわけだが、それはかなりたるんでいる。
このような動作を繰り返しながら、次々と粘着糸を放射糸にかけていく。一番外側の粘着糸をかけ終わったとき、その着点を見ると、それは最初に出発したときの起点に一致している。つまり円になっているのである。次にそこから網の中心寄りに少し位置をずらして、前と反対の方向に、つまり前が右回りであったなら、今度は左回りに、前と同様な方法で粘着糸をかけていく。粘着糸をかけていくときの回り方は、その後も左右交互になる。それはジョロウグモが網をはるとき、振子のように体を右に左に移して、次々と粘着糸をかけていく―あの動作によく似ていて興味深い。
粘着糸をかけるときには、一々網の中心まで行くのでたいへん時間がかかる。4〜6回まわりが多く、糸は外側に粗く、中心に近づくにつれ密になる。粘着糸はとてもよく粘る。虫がかかって粘着糸の一端が切れても、虫はそれから逃げられない。
完成した水平円網を下から見上げる |
上から見下ろすと網の下の草むらにピントが合ってしまう |
色のない網は背景とのコントラストが大事で、背景を飛ばすために黒のカラーボードを網の後ろに置き、赤色LEDを網に照射して暗闇に網が浮き上がるようにする(節足動物は長波長の赤色光を認識することができず、クモやハチの概日周期に影響を与えないとされている)。その上で、カメラの露光を最大にし、赤色を拾わないように白黒モードで撮影すれば、クモの造網行動を含めかなりきれいに動画を撮れるようになっていた。