2015/02/20

ケブカスジドロバチ♀の泥巣作り#1:全景



2014年10月下旬

某低山の山頂で建物のコンクリート基礎側面の凹んだ穴に出入りするドロバチを見つけました。
小石混じりのセメントが乾いてから小石がポロリと取れたようで、その跡が穴になっています。(南面で地上から穴までの高さは8cm)
その窪みにドロバチ♀はせっせと巣材の泥玉を搬入して巣作りしているようです。

まず初めは少し離れた位置から見下ろすアングルで望遠マクロの動画に3回撮りました。
撮影時刻は午後12:30頃。

あまり見慣れないドロバチでしたが、前の年に教えてもらったアトボシキタドロバチと似ている気がしました。

▼関連記事
ハナトラノオの花蜜を吸うアトボシキタドロバチ♀
しかし今回の蜂の造巣様式は掘孔性ではなく借孔性なので、アジアキタドロバチ♀(Allodynerus mandschuricus)ですかね?

次は接写してみます。
つづく→シリーズ#2:接写


【追記】
ケブカスジドロバチ♀(Ancistrocerus melanocerus)と教えてもらいましたので訂正。


水田の泥で吸水するキタテハ



2014年6月上旬

平地の水田でキタテハPolygonia c-aureum)が泥に止まっていました。
翅を開閉しながら日光浴しています。
よく見ると、口吻を伸ばして泥から吸水しているようです(ミネラル摂取?)。
越冬明けで翅の縁がギザギザに破損した個体でした。



2015/02/19

コクサグモ♀(蜘蛛)は卵嚢ガードする?しない?



2014年10月下旬

里山の頂で建物の外壁の隅にコクサグモ♀(Allagelena opulenta)を発見。
背景が白壁なので分かり難いのですが、よく見ると卵嚢に覆い被さるように乗り上を向いてガードしているようです。
南壁と西壁が接する角で高さは地上82cm。
コクサグモの卵嚢は初見です。
クサグモの卵嚢は星形なのに、コクサグモの卵嚢はまるで違うシンプルな円盤形なのですね。

▼関連記事
クサグモの卵嚢と一齢幼体
卵嚢に枯れた松葉や細かなゴミが付着しているのはジョロウグモ♀みたく産卵後に偽装工作(カモフラージュ)したのでしょうか?
どうやって適当なゴミを集めて来るのか興味があります。
それとも単に風で飛ばされて付いたのかな?



卵嚢ガード行動を観察するために、動画に撮りながら枯れ葉で軽くつついたら、短距離ダッシュで下に逃げました。
(※ それほど手荒な真似はしていません。クモの体には触れておらず、産室の網に触れただけです。)
卵嚢を死守して威嚇してくるかと予想していたので、この薄情で臆病な反応はとても意外でした。
すぐに戻るかと思いきや、そのまま壁面に静止してのんびり日光浴。
卵嚢のことなどまるで忘れてしまったかのように、数時間たって私が下山する時も卵嚢に戻りませんでした。
これではとても卵嚢ガードとは呼べない(定義に反する)気がします。
本種は卵で越冬するはずなので、成体♀が越冬用住居に潜んでいたのではなさそうです。
ひょっとして別種・別個体のクモが作った卵嚢にたまたま居ただけ?…などと疑うのも強引ですし。
(春になって卵嚢から幼体が孵化すれば種類は分かりますね。)
ちなみに、6日後に再訪した時にはコクサグモ♀は姿を消していました。
インターネット検索すると、コクサグモ♀が卵嚢に乗っている写真が幾つもヒットします。
クモ生理生態事典 2011』サイトにもコクサグモは卵嚢保護すると解説されています。
しかし母クモを刺激したり闖入者(天敵の虫など)に対して実際に防衛行動するかどうか確かめた例は見つかりませんでした。
卵嚢に乗っているコクサグモを見つけても産卵直後に疲れて休んでいるだけかもしれませんし、母性本能とか母性愛として美化されがちな「卵嚢ガード行動」は過大評価されている可能性もありますね。
たとえば生涯で何個も卵嚢を作るのであれば、危険が迫ったら一つの卵嚢に執着せず一目散に逃げるのが正解でしょう。(命あっての物種)
私の実験もこの一例だけなので自説を強く主張するほどではなく、定説に軽い疑念を抱いただけです。

もちろんクモ♀による卵嚢ガード全般を疑っている訳ではなくて、これまで種々のクモで実際に観察しています。

卵嚢を放棄して逃げた後

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