2014/06/13

藤の花を訪れるクマバチ【ハイスピード動画&HD動画】



2014年5月中旬

クリの高木に巻きついたフジの花が満開に咲いています。
複数個体のキムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)が飛来しています。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けた個体もいます。
訪花および飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮影してみました。

『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p62によると、

フジなど木本性のマメ科の花は、花弁がばねじかけでかたく閉じられており、クマバチ類だけがこじ開けることができるしくみになっている(クマバチ媒花)。


フジの花の構造と受粉の仕組みについてはこちらのサイトがとても参考になりました。
フジの花は5枚の花弁がセットになった蝶形花。
翼弁にハナバチが止まったクマバチは上の旗弁を押し上げながら竜骨弁と翼弁を押し下げ、蜜腺を舐めます。
このとき葯と柱頭が露出してクマバチの腹に擦れて受粉が成立します。
とてもよく出来た仕組みですね。



通常のHD動画でも撮っています。

途中から胸背に何か白い物を付けた個体を見つけました。
忙しなく飛び回るのでピントが合わず残念。(@2:08-2:20)
フジの花弁なのか、何かの別の花の花粉塊が付着したのか、気になります。


【追記】
クマバチ♂の新しい識別ポイントを知りました。(参考ブログ by hirokouさん)
複眼が大きく発達していること以外に、顔が白いのが雄蜂の特徴らしいです。
改めてHD動画を見直すと、少なくとも最初(@0:03〜0:35)と最後(@3:07〜4:05)に登場する個体が雄蜂のようです。
雄蜂はコロニーのために集粉活動を行いませんので、当然ながら花粉籠も空荷です。

一方、例えば(@0:56〜1:15)に登場する個体は顔色が黒く後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けていることから♀と分かります。

映像からは顔がはっきり確認できない個体も多いです。

ハイスピード動画の方は画質が落ちる(画素数が少ない)のですけど、おそらく♀ばかりで雄蜂は写っていないと思います。


2014/06/12

ヤマトゴキブリ♀:産卵の前兆?/性フェロモン分泌?#2



2014年5月中旬

▼前回の記事はこちら
マトゴキブリ♀:産卵の前兆?/性フェロモン分泌?

成虫に羽化してから8日後、飼育中のヤマトゴキブリ♀(Periplaneta japonica)が腹端をヒクヒクさせています。
飼育容器の蓋を外して、気になる腹端の状態を直接接写してみました。
腹端の解剖学的なことが分からないのですけど、白い部分は産卵口なのかな?
そんな白い部分はそれまで腹端にありませんでした。
分泌液で濡れているようです。
性成熟した♀がようやくコーリング(性フェロモンの分泌中)を始めたのか、産卵の兆候なのか、知りたいところです。
それとも実は交尾の直後で、精包の残りが♀の交尾器に付着しているのでしょうか?(それにしてはきれいに左右対称です。)

♀は夢中になってパンを食べています。
食後にゴキブリが水を飲むシーンを初めて撮れました。
(ペットボトルの蓋を水皿として使っています。)
その後は朽木に戻りました。


ハルザキヤマガラシの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀



2014年5月中旬

民家の軒下に咲いた菜の花(種名不詳)にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷かな?(花粉団子は目立ちません)
ミツバチの他にも大型のハナアブ類が多数来ていました。



【追記】
YouTubeのコメント欄にて横室稜さんから「その菜の花はハルザキヤマガラシという種類です」と教えて頂きました。
ヨーロッパ原産の帰化植物なのだそうです。
葉の根元は茎を抱き、花の後には細長い実をつけます。
参考:ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑:春』p266



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