2014/03/19

クロスジフユエダシャクの交尾【冬尺蛾】



2013年11月下旬・気温10℃

里山の尾根道に立てられた道標(標高640m地点)の側面に止まって交尾している冬尺蛾がいました。
静止地点は道標の北西の角で、高さは地上35cm。
周囲の環境は雑木林の潅木。

晩秋から初冬にかけて成虫が現れるクロスジフユエダシャクPachyerannis obliquaria)だと思います。
♀は短翅(ほぼ無翅)。
一方、飛べる翅を持つ♂はその翅で♀の体を覆い隠しています。
時おり風が吹くと♂の翅が煽られて、交尾器の結合部を確認できました。
互いに逆を向くのではなく、Vの字の体勢で交尾しています。
翅や腹部など雌雄の形態差が著しく(性的二型)、とても同種とは思えませんね。

冬尺蛾の交尾を初めて目撃できて感激しました。
時刻は未だ日が高い午後2時半頃。
てっきり暗くならないと冬尺蛾の配偶行動は観察できないものと思い込んでいました。
前日の天気は一日中雨。
この日は晴れたものの、翌日からまた天気が崩れる予報。

撮影後にペアを採集したかったのですけど、持ち帰る容器がなくて断念。
引き続き♀の産卵行動を観察したかったです。



2014/03/18

桜の樹洞に営巣するトゲアリ【微速度撮影】



2013年5月下旬

桜(ソメイヨシノ?)の老木の幹に開いた樹洞に営巣しているトゲアリPolyrhachis lamellidens)のコロニーを昨年から見つけていました。
▼関連記事▼
トゲアリ♀の喧嘩

10秒間隔のインターバル撮影で巣口を約2.5時間撮り続けた連続写真を素材に早回し映像(スライドショー)を制作してみました。

巣の入り口を微速度撮影で長撮りしたら何か面白そうな映像が撮れるんじゃないか、という考えになぜか取り付かれていました。
前年は失敗したので再挑戦したものの、巣口に出入りするワーカー(働き蟻)を眺めていても素人目には特に面白い行動や活動の傾向は認められませんでした…(企画倒れ)。

同じ素材で早回しの速度(frame duration)を変えた映像をもう2本作ったので、意味があるのか分かりませんがブログ限定で公開しておきます。







路上を徘徊するアケビコノハ幼虫(蛾)



2013年11月中旬

農村部の舗装された歩道でアケビコノハEudocima tyrannus)の幼虫が徘徊していました。
トレードマークの眼状紋が目立ちます。
腹部第3節にあるはずの2個目の眼状紋が目立たないのは個体変異なのでしょうか?

日向なのに動きが弱々しく、蠕動運動で前進します。
採寸した(体長60mm弱)後に定規で転がし腹面を向けると、身を攀じってゆっくり起き上がりました。
頭部を守りつつ眼状紋を見せつけて威嚇する独特の姿勢は取りませんでした。

▼関連記事▼
アケビコノハ幼虫の眼状紋と威嚇姿勢

終齢幼虫が蛹化する場所を探索しているのかな?
なんと、本種は成虫で越冬するらしい!(『イモムシハンドブック』p90より)
初雪が降った後なので、この個体はもう間に合わない気がします。

体内寄生されているのかもしれません。
持ち帰って飼育する余力がなかったので、撮影後は車に轢かれないよう草むらに放って帰りました。



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