2014/02/20

セイタカアワダチソウの花蜜を吸うキクキンウワバ(蛾)



2013年11月上旬

平地の畑を通る農道の脇に咲いたセイタカアワダチソウの群落でキクキンウワバThysanoplusia intermixta)が訪花していました。
腹部が丸々と太った個体なので、もしかすると♀なのかもしれません。
口吻を伸ばして吸蜜している最中も、翅を小刻みに震わせています。
いつでも飛び立てるように準備運動を怠らないのでしょうか(アイドリング運転)。

黄金色に輝く三日月模様が前翅にあり、お洒落ですよね。
蛾の苦手な人にぜひ見てもらいたい美麗種のひとつです。

夕暮れで薄暗いので、映像のラスト1分間だけ自動色調補正を施しています。
色合いが少々どぎつくなってしまったかもしれません。

『昆虫の集まる花ハンドブック』p25によると、帰化植物セイタカアワダチソウは

蜜や花粉が大量、かつ容易に摂れるので、様々な昆虫が集まる。(中略)日本在来の植物の花粉媒介者を奪ってしまうともいわれる。

翅裏
全景

2014/02/19

アカヤマアリ♀の群れ



2013年8月下旬

アカヤマアリFormica sanguinea)の巣の定点観察。

奴隷狩りの様子を是非とも観察したかったのですけど、既に時期を過ぎてしまったのでしょうか。
気軽に通える場所ではないので、夏は他のことが忙しくなると足が遠のいてしまいました。
久しぶりに見ると、このコロニーの奴隷アリ(クロヤマアリFormica japonica
)は激減してほとんど姿を見なくなりました。

アカヤマアリのワーカー♀が巣口の付近をうろうろと右往左往しています。
巣口は路肩の影となり、撮りにくい…。



オニベニシタバ(蛾)の威嚇と飛翔【ハイスピード動画】



2013年10月下旬

ミズナラの幹に止まって樹液を吸っているオニベニシタバCatocala dula dula)は翅を閉じていると周囲の樹皮に完璧に紛れ込んでいます。
後翅の赤い模様を広げた瞬間を見たくて、240-fpsのハイスピード動画で長撮りしてみました。



シーン1:
近づいてきたハエに対して翅を広げて威嚇しました。

シーン2:
先客のアカタテハに対して翅を激しく広げて追い払いました。(占有行動)
この瞬間の後翅の黒紋からオニベニシタバと判明。
力関係の序列はオニベニシタバがアカタテハよりも上になるようです。
(オオスズメバチ>オニベニシタバ>アカタテハ>ハエ)

シーン3:
飛び立ちの瞬間を撮りたかったのですが、何度も小石を投げ付けたくらいでは逃げませんでした。
自分の保護色に絶対の自信があるようです。
蛾の横から幹を棒で叩いたら漸く飛んでくれました。
驚かせたら翅を広げて派手な後翅を見せてくれるかな?と思ったりもしたのですけど、飛んで逃げました。

シーン4:
シータテハを撮っていたら、目の前を偶然オニベニシタバが飛んで横切りました。


(オニベニシタバの)あざやかな後翅には、捕食者である鳥への視覚撹乱効果があるとされており、飛んで逃げる際に消失する色、この視覚情報の切り替えに鳥は惑わされるといわれる。
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p27より引用




【追記】
福田晴夫、高橋真弓『蝶の生態と観察』によると、
 ヤガ科のシタバガ類は樹幹にとまっているときは、鮮やかな色彩をもつ後翅が樹皮状模様の前翅によって隠されているので、鳥などには保護色となってわかりにくい(1次防衛)。しかし、たまたま鳥に発見されると、後翅をパッと開いて飛び立ち鳥は鮮やかな色に幻惑されて攻撃をひかえる(2次防衛)という。シタバガ類の後翅が、種によって黄色・紫色・白色などと変化するのは、鳥の攻撃をさけるための適応と考えることもできる。 (p107より引用)
二段構えの防衛戦略を解説するための1次防衛、2次防衛という用語は初めて知りました。


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