2013/11/19

地中の巣に出入りするヒメスズメバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2013年9月上旬

里山の細い林道を歩いていたら苔むした地面に開いた穴に大きな蜂が潜り込みました。
正体を突き止めるためにハイスピード動画を撮りつつ待ち構えると、スズメバチが穴から出てきました。
地中営巣性のオオスズメバチかと一瞬焦りましたけど、腹端が黒いので攻撃性の低いヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)と判明。
ヒメスズメバチも地中に営巣することがあるとは知りませんでした。
人通りが少ないルートとは言え、道幅の真ん中に堂々と巣を構えるとは随分と大胆な女王蜂ですね。
おそらく元々は野ネズミやモグラの掘った巣穴を再利用したものと思われます。
周囲はスギの植林地で暗いです。
ほぼ平坦な林道を横切るように、沢の水を流す暗渠が埋設されている場所のようです。
ファイバースコープと防護服があれば巣坑内の様子を覗いてみたいものです。

蜂の帰巣および出巣シーンを240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。



通常のHD動画でも撮ってみました。
羽音がする度にカメラを構えるも、林道や杉林を行き来するだけでなかなか帰巣シーンが撮れません。
巣口に出入りする蜂をしばらく観察すると、2匹以上のワーカー♀が活動しているようです。
(正確に数えるには蜂を片端から捕獲して個体識別のマーキングを施す必要があります。)
巣口の横に立って上から見下ろすアングルでは、帰巣した蜂が獲物(アシナガバチの幼虫や蛹)の肉団子を咥えているのか巣材を搬入しているのか見分けられません。

採寸のために巣口の横に定規(15cm)を置いたら、見慣れない異物のせいで蜂が盛んに定位飛行するようになりました。

つづく→「ヒメスズメバチ♀の定位飛行【ハイスピード動画】


帰巣
出巣
巣口の採寸(15cm定規)
全景
全景

2013/11/18

有毒植物ホツツジの花蜜を吸うクロマルハナバチ♂



2013年9月上旬

里山の林道脇に生えたホツツジの群落でクロマルハナバチ♂(Bombus ignitus)が訪花していました。
集粉する必要のない♂には当然、後脚の花粉籠はありません。



この白い花の名前を知らなかったのですが、図鑑で苦労して調べてようやくホツツジだろうと分かりました。
wikipediaの解説で気になったのは次の点。

グラヤノトキシンⅠ~Ⅲなどを含み、有毒。誤食すると、嘔気、頭痛、発汗、酩酊昏睡、痙攣などを引き起こす。これらの毒は花粉にも含まれ、蜂蜜に混入して食中毒を起こすことがある。

昆虫が自らの栄養源として少量吸蜜する分には影響が無いのでしょう。
それとも、この神経毒(Na+チャンネル開口毒)は脊椎動物に対してのみ毒性があるのかな?
植物の側としても、受粉を媒介してくれて共生関係にある蜂に致死量の毒を盛ったりしない筈です。



似た例として、有毒植物ヒレハリソウの花で盗蜜するクロマルハナバチ♀も観察・撮影しています。
毒性の種類はホツツジと全く違いますけど。



【追記】
ローワン・ジェイコブセン『ハチはなぜ大量死したのか』を読むとセイヨウミツバチについて次のように書いてありました。
ミツバチには10種類しか(味覚受容体)がない。餌と協調関係を結んでいるごくわずかな生命体であるミツバチは、それほど多くの味覚受容体を持つ必要がないからだ。そもそも味覚受容体のほとんどは毒素を検出するために使われる。けれども花を信頼しているミツバチは、毒素のことなど考えようともしないのだ。 (p75より引用)

翻訳書なので日本語として少し読みにくいですが、初めて知りました。
マルハナバチ類(ミツバチ科)の味覚受容体も種類が少ないのですかね?


ソバに訪花吸蜜するメスグロヒョウモン♀



2013年9月上旬

山裾のソバ畑でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が飛び回り、花蜜を吸っていました。



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