2013/10/17

笹の葉裏でアブラムシの甘露を舐め産卵するゴイシシジミ♀



2013年8月上旬

山道を歩いていたら笹の群落(アズマネザサ?)から2頭のゴイシシジミTaraka hamada)が飛び立ちました。
しばらく待つと笹の葉裏に戻りました。
2頭とも翅が丸みを帯びているので♀だと思います。

♀の翅は丸みを帯び、とくに前翅の外縁は丸みが強いが、♂では直線状で翅の端が尖るので区別できる。寒地産の♀の前翅の表には、はっきりした白い斑紋が出ることがある。(『標準原色図鑑全集1:蝶・蛾』p52より)

その葉裏にはササコナフキツノアブラムシと思われるアブラムシがびっしり群がっています。
ゴイシシジミの幼虫は笹に付くアブラムシを捕食する(完全肉食性)という唯一無二の珍しい食性をもちます。
そのため成虫♀はアブラムシのコロニーに産卵します。

♀が腹端で葉裏に触れながらゆっくり移動しているのは産卵なのか、単に探っているだけなのか、現場ではよく分かりませんでした。
(夕暮れ時のため、動画を撮るにはやや光量不足でした。)
直後の葉裏に卵の有無も確認すれば良かったですね…。
アブラムシのコロニーで伸ばした口吻を動かし、甘露(アブラムシの分泌液)を吸汁しているようです。

ゴイシシジミもアブラムシも、その生態はとても興味深いので、少し予習をしてから定点観察に通うことにします。

つづく→「笹の葉裏でアブラムシを捕食するゴイシシジミ幼虫【微速度撮影】

ゴイシシジミ吸汁@アブラムシ
ゴイシシジミ吸汁@アブラムシ
ゴイシシジミ吸汁@アブラムシ



こちらの動画は8月中旬の昼間に再訪して撮ったものです。
これも♀の産卵行動でしょうか。

ずっと見ていると、どうもササ以外の葉に止まった際も腹端を葉に擦り付けて歩くことがあるようです。
思わせぶりな行動ですけど、必ずしも産卵行動ではないのかもしれません。
腹端の感覚器でアブラムシの存在を探っているのでしょうか。


2013/10/16

崖で採土するエントツドロバチ♀



2013年8月中旬

里山で尾根道の脇のちょっとした崖でエントツドロバチ♀(Orancistrocerus drewseni)と思われるドロバチが巣材の泥玉を作っていました。
私がこれまで観察してきたエントツドロバチはいつも平坦な地面で採土していたので、崖の斜面で巣材集めする行動は珍しいと思って撮りました。
たとえばスズバチはこの細い山道のほぼ平坦な地面から採土しています。
このエントツドロバチ♀がそうしないのは何か理由があるのかしらん?
(ひょっとすると近縁の別種だったりして…。)
飛び立つ間際に振り返った頭楯の色を確認したかったのですけど、ハイスピード動画ではないので無理でした。



飛べ!アブラゼミ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2013年8月中旬

河川敷でニセアカシアの潅木の幹にアブラゼミGraptopsaltria nigrofuscata)が止まっていました。
逆光ですけど、飛び立つ瞬間を狙って240fpsのハイスピード動画で撮影してみました。
映像後半は更に1/5倍速に落としたスローモーションでリプレイ。
離陸した瞬間に空中でオシッコを排泄するシーンをいつか撮ってみたいものです。



すぐ隣のニセアカシア潅木に着陸した同一個体のセミを追って、今度は通常のHD動画に撮ってみます。
幹や枝を器用に登り下りしたり裏側に回りこんだりするものの、食事のため口吻を幹に突き刺している様子はありません。
前進だけでなく、後退もできるのですね。
鳴いている♂を撮っているつもりが、発声器官の腹弁が見当たらないので実は♀でした。
至近距離から聞こえる鳴き声は別個体♂のものでした。
となると♀が産卵場所を探索しているのでしょうか。
幹に静止した際に肝心の産卵管が翅に隠れて見えません。
それとも、求愛歌を歌っている気に入った♂のところに♀が向かい、これから交尾するのでしょうか?

最後は幹を徘徊するクロアリがしつこくセミの足にまとわりつき、アブラゼミ♀は嫌がって飛び去りました。



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